2020年01月07日

Struggle for Europe 1939 - 1945ほか

Xさんが中国語版の頒布を検討すべく、アメリカからいくつか試作品を取り寄せたので、お付き合いすることに。
初めて聞く会社だ。そんなところからもセールがあるのか、中国側から打診しているのか。
いやはや中国人の前向きパワーは凄いですわ。これも若さ故ですなぁ(遠い目)。

今回はWorthington Publishing社の「Struggle for Europe 1939 - 1945」と「Stalingrad Besieged 」。
どちらも入門的なゲームで、シミュレーションというよりボードゲームのニュアンス。

「Struggle for Europe 1939 - 1945」は簡単なカードドリブンで第二次世界大戦の欧州戦線全域をカバーしている。
二人用のゲームで、連合国プレイヤーは英仏米とソ連を全部受け持つ。
各プレイヤーは2アクション(2カード)を交互にプレイしていくのみで、ターンは存在しないが、デッキが終わると時代が次の段階に移行し、3デッキが終わるとゲーム終了という流れ。
移動・戦闘も生産もイベントも全てカードで、ダイスは振らない。
戦闘は両者のユニットの戦闘力合計と裏向きに出す航空支援値によって決定、相互にユニットを除去し、負けた方は退却するだけ。非常にシンプルだ。
ただ、ドイツは海上移動用のカードが非常に少ないため、ノルウェー、北アフリカあるいは英本土上陸するのは容易ではない。そのため、サドンデスによる勝利条件を満たすためには、ソ連に攻め込むしか無い。一方、連合国側は、第二デッキに移行するか、ドイツが攻めてくるまではソ連で一切行動できない。

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システム的にはシンプルで良くできているとは思うものの、パリが陥落してもフランスには連合軍ユニットが残り、英本土からちょろちょろ援軍が上陸してくるため、フランス領内で英仏百年戦争のようなゲームが始まってしまう。フランスから英軍をたたき出しても、すぐ戻ってきてしまうので、ソ連方面に十分な戦力を回すことができない。
またカードが非常に多いため、シンプルな割に延々とゲームが続く印象。
基本的なシステムは悪くないと思うのだが、デヴェロップが不十分な感じだ。

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「Stalingrad Besieged 」はハッキリ言って軍人将棋(わかる人は50代以上か?)の世界。
裏向きにしたユニットを前に出して、ダイスを振って叩き合うだけ。
殆ど戦術も作戦も無く、ほぼ運ゲー。コンポーネントだけは充実しているように見えるが、そもそもゲームとして「どうよ!」というレベル。
入門者向けならもっと他に良いゲームがあるだろう。

結局、中国の皆さんからも散々な評価となり、お蔵入りする方向。

「(年末なのに)つまらないゲームをしてしまった(爆)」
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2020年01月06日

賭博を禁止する中国から緩和する日本へ

【中国企業側「賄賂の金必要」 秋元司氏への現金の狙いか】
 カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件で、衆院議員の秋元司容疑者(48)に賄賂を渡したとして逮捕された中国企業「500ドットコム」の副社長を名乗る鄭希容疑者(37)が、本社に対して「賄賂のための金が必要だ」と伝えていたことが関係者への取材でわかった。東京地検特捜部はこのやりとりが記録された電子データを押収。秋元議員に渡ったとされる現金が賄賂だったことを示す重要な証拠とみて調べている。
 秋元議員は2017年9月28日、IR事業で有利な取り計らいを受けたいとの趣旨を知りながら、衆院議員会館の事務所で「500」社顧問の紺野昌彦容疑者(48)らから現金300万円を受け取ったほか、翌年2月の北海道への家族旅行の旅費計約70万円を負担してもらった疑いがある。
 オンラインカジノなどを手がけてきた同社は17年7月に日本法人を設立。8月に那覇市で開いたIR関連のシンポジウムで秋元議員に講演してもらい、同議員と接点を持った。秋元議員はシンポから3日後にIR担当の内閣府副大臣に就任。現金300万円が渡されたのは翌月だった。
 贈賄容疑で逮捕された3人のうち、鄭容疑者が広東省・深圳の本社との連絡役を担当。日本でのIR参入に向けた活動について本社側に相談していた。秋元議員に働きかける方策などを話し合う中で、「賄賂のための金が必要だ」などと説明していたという。
(12月29日、朝日新聞)

中国で(恐らく当局者から)聞いた話によれば、元々民間宝くじや懸賞くじなどの事業を担っていた事業者が、昨今の共産党による統制(風紀)強化によって次々と事業廃止に追い込まれたため、必死に海外に「出口」を求めているのだろう、とのこと。

中国で緩和された賭博規制が再び厳格化される一方、賭博罪がありながら「公営賭博は賭博じゃない」「パチンコはゲーム」「IRは公設民営だからOK」とザルのように解禁してしまう日本。

挙げ句の果てに外国企業から国会議員が300万円で買収されるとか、これも「魚は頭から腐る」を象徴する事件。
賭博を解禁したいなら刑法185条などを廃止すれば良いだけなのに、「抜け道」ばかり作り続けた結果、「抜け道」ごとに腐敗の温床(許可と規制と天下り)が増殖していった。
これも公営賭博を認めた結果、官僚(天下り先)も自民党(献金)も社会党(労組)も全てズブズブの関係になってしまったことに端を発している。

もちろん中国でもマカオや香港にカジノはあるし、宝くじのようなものはあるし、闇賭博も盛んだが、賭博罪があるのに、そこらじゅうにパチンコ屋と競馬・競輪場がある日本と比べると、はるかに健全な気がする。やはり賭博は基本的に禁止して、官憲に「獲物」を与えて取り締まらせるくらいがちょうど良いのではないだろうか。

【参考】
カジノ法という焦土政策
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月04日

日中の海軍力は逆転へ

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この五年間における1千トン以上の大型巡視船の生産量は、中国96隻に対し日本11隻だった。もはや日中間は太平洋戦争時の日米と同水準の国力差なっている。日本の選択肢は対米従属を強化して中国に対抗するか、あるいは対米従属を脱して中露に接近するか、の二択になりつつある。

代議制民主主義が本来の機能を発揮していれば、日本には「親米反中」「親中反米」「独立独自」の三路線を代表する政党が議会に議席を持って、議論を戦わせなければならないはずだが、ハッキリしているのは政府の「親米反中」と共産党の「独自路線」くらいなもので、後は真面目に議論する気もない感じ。ある意味では、昭和初期より危機感が無いのかもしれない。
「EUの是非」「反ロシアの是非」が議会や選挙のテーマになるヨーロッパは、今のところまだ代議制民主主義の健全性が保たれていると言えよう。方針すら決められないまま、政府=官僚の既定路線(親米反中)に引きずられてしまうところは、昭和の政治家と同レベルかもしれない。

今後日本は欧州におけるポーランドや日清・日露戦争前の朝鮮のような立ち位置に置かれることになるだろう。理論上は中立、親欧州、独自路線も存在するも、戦間期のポーランドやチェコスロヴァキアを見れば、現実政治では成立しがたいことがわかるだろう。
私の見立てでは、親米路線を継続するためには国防費を現在の2倍にする必要がある(USの要求)。独自路線の場合は国防費を3〜4倍にした上で核武装が必要になる。いずれも現在の日本経済には耐え難いだろう。

海保長官は安倍総理に問われて、「それは是非やれと言われれば初め半年や1年の間は随分暴れてご覧に入れる。然しながら、2年3年となれば全く確信は持てぬ」とでも答えているのだろうか。
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | 外交、安全保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月03日

南京長江大橋

12月に南京に行った際に訪問。
何が面白いって、文化大革命の遺構の一つでもあることだ。

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南京長江大橋は1968年に完成したが、対外的には中ソ対立が深刻化し、国内的には文革が進行する中、「自力更生=独自路線」を象徴するものとして、当時は世界最長を誇った。そのデザインは、いかにも古典的社会主義のそれであり、デザインにはあまり独自性は見られないものの、文革風味は間違いなく残っている。

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橋の全長は6.7kmに及び、橋頭堡の高さは70メートルもある。二階建てで下を鉄道、上を車が走る。
下から見上げても、上から見下ろしても壮観だ。
見学料を払えば、記念館付きの橋堡を上って、橋を見物できるし、橋の上を歩くこともできる。

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長江両岸を見渡せば、多少なりとも中国史を知るものなら、感慨にふけるはずだ。

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橋堡から見た南京市街
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月02日

金門島上陸作戦(BG)

ボンサイゲームズ「BANZAIマガジンEX」第三号付録の「金門島上陸作戦」をプレイ。
日本人(中黒先生)がつくった国共内戦のゲームを、中国人が日本で買って持ち帰り、中国大陸で日本人が中国人とプレイする時代である。

金門島上陸作戦は、1949年10月に行われた人民解放軍による上陸作戦、民国側名称は「古寧頭戦役」。
大陸では49年10月1日に中華人民共和国が成立、国民党軍は台湾に向けて撤退を進めていた。
勢いに乗った解放軍は、10月25日に福建省の厦門沖の金門島に上陸を決行。
国民党軍は、事前に旧日本軍人有志による顧問団の指導を受けつつ、入念に準備しており、ちょうど上陸日の前日に約一万人の増援があったこともあって、上陸した解放軍はほぼ一方的に叩かれた。
解放軍は第一波と第二波で、それぞれ一万人を投入する予定だったが、第一波が上陸した際に潮の影響で上陸用舟艇が打ち上げられてしまい、戻せなくなり、そもそも舟艇が不足している中で、第二波は予定の10%程度しか上陸できなくなってしまった。
結局、解放軍は包囲、各個撃破され、三日目には全滅、戦死4千、捕虜5千人と完全に壊滅した。
これにより、解放軍は以後、上陸戦を諦め、台湾侵攻計画も凍結され、今日に至っている。

「金門島上陸作戦」は、さすがにそのままシミュレートすると、およそゲームにならないので(台湾製の同テーマの作品では、解放軍は殆ど何もできないらしい)、仮想要素を加えつつ、歴史再現性とゲーム性の両立を図っている。

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シークエンスは、スタック1つまたは一個師団(師団司令部)が活性化して、移動と戦闘を行い、それを解放軍と国府軍が交互に行ってゆくというもの。しかし、解放軍側はコマンドコントロールの劣悪性から、1ヘクスからのみしか攻撃できず、浸透移動などを駆使して、内陸に入っていくほかない。
国府軍側は戦車大隊もあって、守るには十分な戦力があるものの、守っているだけでは勝てないため、上陸部隊を撃破してゆく必要があるが、部隊が行動すると消耗してしまうため、攻撃のタイミングを計る必要がある。上手くやらないと、解放軍側に逆手に取られて撃破されてしまうからだ。

この日は、解放軍と国府軍を一回ずつプレイ。
一回目は解放軍を持つ。国府軍プレイヤーは完全勝利を目指すあまり、無駄に攻撃を仕掛け、次々と消耗状態になったところに、解放軍が反撃を行って、逐次撃破。非常にブラッディーな展開となるも、最終的に二つの町を抑えた解放軍が勝利を収めた。

二回目は国府軍を持つ。解放軍は西海岸に戦力を集中させるも、ダイス目が振るわず、ケン先生の民国海軍が大活躍して解放軍の上陸舟艇を大撃破してしまったこともあって、解放軍はほぼほぼ「上陸しただけ」に終わってしまった。

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史実再現性はともかく、ハーフマップ一枚で3ターンだけの小作品ながら、簡素なルールに当時ならではの要素が精巧に練り込まれている。いかにも職人芸的なデザインで、「さすが大ベテラン」と感心せざるを得ない。
一見、解放軍側はあまり選択肢が無いように見えて、「強襲」「分散」「浸透」とどれも検討の余地があり、じっくり考えさせてくれる。
日本人には馴染みの無いテーマだけに、非常に面白い作品である。
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月01日

2020年を華東より

明けましておめでとうございます。
旧年中はお世話になりました。
本年もよろしくお願い申し上げます。

昨年に引き続き中国で正月を迎えました。
とはいえ、これも昨年同様ですが、明2日は朝8時半から期末試験で(バスは7時発)、30日も試験がありまして、まぁ平常運転なのです。
それでも、ゲーム仲間よりお誘いがあり、31日と1日(今日!)はゲーム三昧で楽しませていただいてます。
まぁせいぜい微信(中国版SNS)で新年のお祝いを交換するくらいが、正月っぽいところです。

中国の春節は旧暦なので毎年微妙にカレンダーが異なり、それに応じて大学のプログラムも変わるため、今期は始業も終業も1週間早く、来週には成績付けも終わって、週末には帰国する予定です。
それもあって、年末年始がもろに試験期間と被っているのですが。

さて、中国における教員業も(期数にして)一年半を終え、かなり慣れてきた感じです。
少しずつ人脈も広がり、少しずつ仕事の依頼も増えて、良い感じで来ているかなと自己評価しています。
とはいえ、そこは中国なので、何が突然起こるかわかりません。
同僚のご友人は前期を終えたところで、突然大学側から「来期は仕事無いから」と突然一方的に契約を打ち切られたそうです。幸いにして、さほど遠くない町の大学にすぐ再就職できたようですが、その辺はやはり中国、ロシアなのです。
私の場合は、強い後ろ盾があるのでその心配は無いのですが、逆を言えば、その後ろ盾がいなくなってしまったら、一緒に首を切られる恐れもあるということです。
ま、あまり考えても仕方の無いことですが(中国ではそのくらいの感覚が程よい)。

いずれにせよ、自分の仕事をきっちりこなし、周囲の信頼を獲得し、認められていくよう努力するのみです(努力値が低いのが難なのですが)。
何より毎週近くゲームできる環境が一番ストレス解消になっていることが大きいでしょう。

さて、日本に目を向けると、既存の秩序=戦後民主主義の空洞化・形骸化が進み、それを取り繕うために権威主義化(自民党と霞が関の一体化あるいは官邸による霞が関の従属化)が進んでいますが、いわば「聖戦貫徹のために大政翼賛を」と同様、実質的な効果は上がっていないように見えます。

今後日本は、「パイ」全体の縮小再生産に応じて国民に対する収奪が強化され、収奪を擬装するために「愛国心=国家主義」が称揚されてゆく流れとなるでしょう。しかし、その路線は必ず失敗します。
本来、国民国家は一国の工業化と近代化を実現するために、「国民」「国民国家」という共同幻想を設定、国民に対して一定の平等を保障することによって、「我々は同じ国民である」として階級対立を抑制、生産の効率化を図るものでした。
ところが、現状では世界の平準化が進むことで、20世紀には第三世界から資源と労働力を収奪することによって成立していた先進国の「繁栄」が頓挫してしまいました。その結果、国内で収奪することによってしか資本を維持できなくなってしまったのです。
そうなると、まず国民と国民国家の前提である平等が否定され、それによって収奪と疎外が加速してゆくことになります。それはすでに加速度的に進んでおり、欧米日では人種・民族差別が止まらなくなっています。これは、本来は階級対立であるはずのものが、より分かりやすい人種・民族差別に置き換えられているためです。それは資本の望むところでもあるため、放置されています。

1920年代にワイマール・ドイツで起きたのは、国家的危機を階級対立の超克によって乗り越えようとした共産党・社会民主党と人種差別と民族主義によって克服しようとしたナチス党との激烈な対立でしたが、最終的に後者が勝利しました。ナチスの勝利によって、ドイツにおける階級対立は暴力的に抑え込まれ、その暴力はユダヤ人や障害者に向けられ、さらには隣国へと向けられていったわけです。最新の研究では、ナチス経済はまずは没収したユダヤ人の資産、次いで占領地で収奪した資本によって、かろうじて成立していたことが分かっています。

現代日本の場合は、まず「階級対立の超克」を掲げる政党が存在せず(NKすら明言を避けている)、自民党が人種差別主義者と民族主義者の支持を集めることで、今のところ明示的な暴力を伴わずに「静かなる権威主義化=戦後帝政の再定義」が進んでいる感じです。
わざわざ「静かなる」と言うのは、権威主義とは本来ウザいくらいけたたましい宣伝(プロパガンダ)と思想強要が繰り返されるものですが、それを伴っていないためです。

話を戻せば、国民から収奪する他に道が無い日本経済は、どのような体制であっても、「自分の足を食う蛸」以上のものにはなりえず、それを擬装するためにオリンピックや天皇を持ち出す他に手段が無いという状態です。
2020年代の日本は、国際的予測よりも速いスピードで衰退していくだろうと見ています。
だからこそ、中国の片隅で小さな拠点作りを進めているわけです(以下、イメージ)。

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そんなわけで、改めて今年もよろしくお願いいたします。
posted by ケン at 01:06| Comment(4) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする