2020年02月07日

日本語学校講師は時給300円

【「時給は300円くらい」 日本語学校に是正勧告…教員はコンビニバイトとかけもち】
 日本語学校大手の「千駄ヶ谷日本語教育研究所付属日本語学校」を運営する株式会社ベスト・コミュニケーションズに対し、新宿労働基準監督署が是正勧告を出したことを受けて、同校の日本語を教える非常勤教員らが1月27日、東京・霞が関の厚労省記者クラブで会見した。
 会見した非常勤教員らによれば、同校の非常勤教員には授業1コマあたりの給与が支払われているが、授業時間外の業務が多くサービス残業が強いられているのが実態だという。非常勤教員らは2019年12月19日に新宿労働基準監督署に申告した。その後、新宿労基署が臨検に入り、就業規則作成の手続き違反や、採点や学生対応に対して賃金を支払わなかったことなどが労基法15条に違反するとして、是正勧告を出した。
 労基署に学校の実態を申告した1人、日本語教師ユニオン代表の塚越智世江さんは、同校に2016年4月から勤務する4年目の非常勤教員だ。塚越さんによれば、1コマ(45分)あたりの給料は教員によって異なるが、勤務4年目の塚越さんで1コマ2010円。授業時間以外にも、採点や学生の面接、授業準備にも時間は割かれる。授業準備に6時間以上かかる場合もあり、給料に反映されない労働時間を含めると「時給300円くらい」だと言う。7時間半に及ぶ遠足の引率は手当として3000円だけが支払われ、本給は支払われなかった。「学校側は『楽しいからいいじゃないか』と仕事と見なしませんでした」(塚越さん)。
 そのため、非常勤教員はダブルワークが基本で、コンビニやスーパーのバイトをしている人がほとんどだという。同校で午前8時半〜遅くて午後7時までほぼフルタイムで働く非常勤教員の昨年の年収は約164万円だった。このような環境で、新人非常勤教員の2年未満の離職率も「8割」と高いそうだ。
「日本語教師を国家資格化しようと政府も動いている。外国人人材の受け入れも進む中、我々の仕事が重要になるのに、我々の待遇のひどさが置き去りにされている」(塚越さん)
 ユニオンの上部団体で大学等教職員組合の役員を務める佐々木信吾さんは会見で、このようにサービス残業を強制するやり方は大半の日本語学校で共通しているといい「大手に是正勧告が出されたことで、業界全体の悪弊を改善する契機にしたい」と訴えた。弁護士ドットコムニュースの取材に、ベスト・コミュニケーションズ社は「コメントできる代表者が外出中」と返答した。
(1月27日、弁護士ドットコム)

これも以前より言われていたことだが、表に出ることは殆ど無かった。
日本語教育の学位や資格を持っていても、日本語学校の給料は正規でも一般の中小企業よりも安いのが大半で、(日本における)教員という職業柄、時間外や教壇に立つ以外の仕事も非常に多く、記事のような勤務環境がまかり通っている。
特に非常勤の場合、実際の時給換算だと、コンビニやスーパーあるいは外食などのアルバイトの方が割が良くなってしまい、以前から「普通に派遣で働いた方が稼げる」として、辞める人が後を絶たない。
結果、「人手不足」が生じて、正規教員の負担が増え、労働環境が悪化、ブラック度を増している。

介護や保育などと同様、有資格者は有り余るほどいるのに、「人手不足」が生じている形だ。
もっとも、介護や保育はほぼ公定価格であるため、企業努力で賃金を増やすこともできないわけだが、日本語学校の場合は公定価格ではなく、単に過当競争で学校だけが乱立しているだけという面もある。

他方で「留学生30万人計画」や外国人労働者の要件緩和などもあって、需要は生じているにもかかわらず、公的支援は不十分な上、粗悪な業者を排除する仕組みも未熟で、学校同様「教員は聖職」という実態にそぐわない慣習も相まって、労働環境や待遇の改善は殆どなされていない。
実際、私の大学院の同期生で教員を続けているのは、大学に正規職で入れた数人のみのようで、一流大学の学位を持っていても、職業とするにはあまりにも過酷な現状がある。
つまり、国の方針と政策が全く合致していないのだ。

ケン先生も外国でやっていることと、研究職の仕事もあるからできているだけで、帰国後も日本で教鞭を続けようとは思っていない。
教える方はもちろんのこと、このような環境で学ばされる学生も不幸であり、教員や教育の質的向上などは夢物語に過ぎず、日本に対する留学生の評価も悪化する一途だろう。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 教育、法務、司法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする