2020年04月30日

結局はイエ制度に依拠する「現金給付」

【10万円、振込口座記入して申請 給付辞退も可能】
 国民1人当たり一律10万円を支給する「特別定額給付金」の申請書は、住民票登録をしている市区町村から住民基本台帳の記載住所に郵送で届く。給付対象者となる世帯主とその家族の氏名、生年月日、人数分の合計給付額(3人家族の場合「30万円」)があらかじめ書かれており、世帯主が署名、押印する。振り込みを希望する金融機関口座を記入して返送することで郵送での申請は終了となる。申請書には運転免許証のコピーなど本人確認書類の添付が必要。給付対象者のうち、給付を希望しない人は、チェック欄に印を付けることで辞退することができる。
(4月20日、共同)

給付対象者は、4月27日時点で「住民基本台帳」に記録されている人で、受給権者はその人が所属する世帯の世帯主となる。
つまり、世帯主に郵送されて世帯主が申請して世帯主の銀行口座に振り込まれる形に。
総務省の見解は「世帯主以外は受給権者ではない」とするものだが、こうなってくると「1人当たり一律10万円を支給する」という報道自体、留保付きにすべきではなかろうか。

DV被害者はどうなるのか、DV加害者が一方的に得する恐れもある。ホームレスやネットカフェ難民はどうなるのか。
無戸籍者も対象外だ。

結局のところ、「戸籍登録された帝国臣民に神の恩寵を賜る」の発想から一歩も抜け出さないことを意味している。
これだけで暗澹たる気持ちになってくる。
posted by ケン at 12:00| Comment(3) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月29日

一律十万円でも、制度劣化が明白に

【1人10万円、非課税扱いに 給付のポイント】
政府は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国民に1人あたり10万円を配る方針だ。まず世帯全員の氏名を印字した申請用紙を郵送で受け取り、希望者は銀行口座番号などを記入して返信する仕組みになる。誰が、いつ受け取れるようになるのか。
(4月17日、日本経済新聞より抜粋)

住民台帳記載の世帯主宛に申請書類を郵送して、希望者は書面で申請、銀行口座に振り込まれる、とかもう技術的にもイデオロギー(自由主義)的にももうダメな感じしかしない。

それに、今回の10万円も普通に課税対象にすれば、「富裕層がー」批判にも耐えられると思うのだが、わざわざ小手先で制度をいじくり回そうとするのは、意味がわからない。

まず親族名義の銀行口座が悪用され、住民台帳に記載されない市民は受け取れない。中国であれば、国民の75%が電子決済を使っているので、アリペイなどに直接振り込むだけで済むが、日本の場合、銀行口座が無いとどうにもならない。口座があっても、上記の理由から確実に本人が受け取れる保証はない。
ケン先生は今日本にいるから良いが、在外同胞は放置か?南の島に友軍を放置して、140万人を餓死させた旧軍と同じ発想か?

今回の危機で、いかに戦後帝政の社会制度が急速に旧式化、劣化していることが明白になってきている。
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | 財政、社会保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月28日

スマホで電話代をチャージ

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すっかり忘れてたことが一つあった。
中国でもロシアでもスマホなどの通信料金は定額ではなく、事前チャージで支払うことが多い。
私の場合、自宅であろうと職場(大学)であろうとWifiが通じるので、外で通信する機会は少なく、最小限で済んでいる。
赴任時に中国移動と契約、Simカードをもらって、最初100元か200元(1元≒16円)をチャージ、その後は不定期にチャージしながら使っている。
平均すると一ヶ月大体60元程度で済んでおり、「200元(約3千円)チャージすれば三ヶ月OK」というイメージ。
もちろんスマホでそのままチャージできるのだが、スマホでチャージすると、「前にいつチャージしたか」忘れそうだし、移動の店がすぐ近くにあるので、店舗の機械でチャージするようにしていた。

ところが、このコロナ騒ぎで中国に戻れなくなってしまい、いくつか厄介なことが生じた。
自宅関係のことは大学が管理しているので問題ないが、電話の支払いはその一つだった。
そして突然、「そういえば、五月初め頃にチャージ切れるんじゃね?」と思い出したのだ。
オンラインでチャージできることは知っていたが、方法を知らなかったのである。
今更ながら、一回くらいスマホでチャージしておけば良かったと後悔。

早速学生に方法を聞くと、アリババ系の「淘宝」で簡単にチャージできるとのこと。
すぐに試してみるが、いかんせん淘宝もアリペイもアプリをずっと起動していなかったため更新に時間がかかりまくる。
更新を終えて、淘宝で「中国移動 充値」と検索してみると、すぐに上の画面が現れて、電話番号と金額を入力すればOKだった。
懸念された決済も、アリペイで問題なく完了。あっという間に終わった。
この手軽さも中国ならではかもしれない。日本のシステムであれば、チャージも一苦労だったろう。

中国では外出規制緩和に伴い、地方政府が電子クーポン券を配布、消費喚起に努めているが、電子クーポン券ならすぐに配布してすぐに使えるだろう。
日本のように印刷して、市民が役所に行って申請して、さらに受け取るために役所に行くのでは、配布するだけで何ヶ月もかかってしまう。
この点を考えても、日本はすでに中国に大きく後れを取っている。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月27日

「受け入れ拒否?」いやいや法律に則った対応だから!

【救急搬送受け入れ拒否、都内3割増 コロナ感染疑い敬遠】
 東京都内で3月に救急搬送された患者について、五つ以上の病院で受け入れを拒否されたり、20分以上受け入れ先が見つからなかったりしたケースが931件に上り、昨年よりも3割増えたことが、都への取材で分かった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、感染疑いのある患者を受け入れない病院などが相次いでいるためだという。
 都救急災害医療課によると、都内では3月下旬から、発熱や呼吸器の症状があるなど、新型コロナへの感染が疑われる患者の搬送拒否が増加。新型コロナの感染者を受け入れたことで病床が逼迫(ひっぱく)し、搬送を断る病院もあるという。都の担当者は「感染リスクのある患者を受け入れる個室がない病院も多い。状況にもよるが、脳卒中などの重症患者などの搬送にも全く影響がないとは言えない」と話す。
 救急搬送先の確保に向け、都は2009年、医療圏域ごとの中核病院を「地域救急医療センター」に指定。複数の病院で受け入れを断られるなどした場合、センターで引き受けるか、センターが受け入れ先を決めるよう求めた。ただ、新型コロナの感染拡大を受け、センターの入院患者らの感染も発覚している。
(4月16日、朝日新聞)

法律を知らないブンヤや政治家どもが騒いでいるが、まず医療法施行規則第十条に「病室又は妊婦、産婦若しくはじよく婦を入所させる室には定員を超えて患者、妊婦、産婦又はじよく婦を入院させ、又は入所させないこと」とある。これに対して厚労省は緊急時の例外を省通知で認めているものの、「定員超過入院等を行う場合においても、一時的なものに限り、常態化することは認められず」としており、今回のようなパンデミックに対しては、例外を認めていない法体系になっている。つまり、これは「受け入れ拒否」ではなく、「法律で禁止されているため、受け入れ不能」なのだ。

法律を読まない、読めない連中が記事を書くだけでなく、政治を論じているのだから、話にならない。
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2020年04月26日

次期多用途戦闘機は海外輸出?

【政府自民、次期戦闘機の輸出議論 憲法や武器輸出規制に抵触の恐れ】
 政府と自民党が航空自衛隊F2戦闘機の後継となる次期戦闘機の海外輸出案を3月から議論し始めたことが11日、分かった。複数の関係者が明らかにした。総開発費が2兆円を超えると見込まれるため、生産数を増やしてコスト削減を図る狙いがある。だが、浮上した輸出案は、憲法の平和主義や武器輸出を規制する「防衛装備移転三原則」に抵触する恐れがあり、実現は見通せない。政府は次期戦闘機の「日本主導の開発」を掲げ、米軍や米軍事産業への過度な依存から脱却することを目指している。空自は最大でも100機程度の導入を想定。1機200億円以上になる可能性がありコスト削減は重要課題となる。
(4月11日、共同通信)

戦闘機をアメリカから買えば対米依存が強まる上に、言い値で買わされる。だからといって、自前で開発すれば、高く付きすぎて輸出しなければ採算が取れない。それも「買ってくれる国があれば」という条件付き。武装自立を志向する以上は避けて通れない問題だが、憲法九条が足かせとなっている。米中の勢力バランスが均衡に向かいつつある中、「憲法九条を維持したまま、平和主義を掲げつつ、アメリカの核の傘と米軍に安全保障を依存しながら、軍隊ではない自衛隊(でも世界七位程度の軍事力)をもって独立国の体面だけ守る」のはほぼほぼ無理と化している。

武器輸出三原則に替わって定められた防衛装備移転三原則も遠からずグダグダになるだろう。

【5月7日、追記】
つい古いクセで「支援戦闘機」と書いてしまいましたが、現在はその分類は存在せず、「多用途戦闘機(マルチロール機)」です。ここに訂正します。
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2020年04月25日

際限なく拡大する赤字国債

【新型コロナ対策で新規国債16.8兆円の追加発行 : 一段と遠のく財政再建】
 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による経済の落ち込みに対応するため、政府は108.2兆円の大型の経済対策を打ち出した。財源確保のため、2020年度補正予算(案)で16兆8057億円の新規国債を追加発行する。
 これにより2020年度の新規国債発行額は49兆3619億円となり、リーマン・ショック後の経済対策で51兆9521億円まで膨らんだ09年度に迫る水準となった。一般会計の歳入に占める国債発行の割合(国債依存度)は、当初予算段階の31.7%から、41.3%に一気に跳ね上がる。今後、さらなる追加対策を打つ場合や、税収の減額補正があれば、依存度はさらに上昇することになるだろう。
 経済活動が大きく制限される未曾有の危機に際して、感染拡大が落ち着いた後の経済再生は最優先課題の一つだ。しかし、財政状況が悪化する現実を受け止めておかなければ、次世代への負担の先送りがさらに膨張することになる。
(4月8日、Nippon.com)

補正予算で16兆円からの新規国債を発行した結果、国債依存度は、当初予算の31.7%から41.3%へと上昇。今後さらに追加対策を打つ場合、さらに国債を発行することになる。
国債発行が際限なく増大した場合、信用不安が発生、金利が上昇して財政を加速度的に圧迫する恐れがある。
問題は全世界で同様に財政支出を拡大しているため、必ずしも日本自身が頓死せずとも、他国発のデフォルトが世界的金融危機に発展する恐れもある。それを見越しての、金価格の最高値なのだろう。

国会に勤務していた時は、「日本の財政赤字は大したことはない」とする意見が大半を占めていた。しかし、ソ連では、歳入不足から公務員や国営企業職員に給料が払えなくなり、政府機能が停止、体制崩壊へと繋がった。それを間近で見たソ連学徒としては、「もう一回見られるかも」などと思ってしまう。

今回の財政出は避けられないものとしても、これまでの放漫財政と長すぎるゼロ金利政策が、危機時における政策選択の幅を狭くし、リスクを上げていることは間違いない。

1941年の日本の国家予算が167億円だったのに対して、1946年3月の政府負債は2千億円を超えていた。1946年、政府は預金封鎖を強行、旧紙幣の引き出しを禁止しつつ、その間に新円への移行を行い、新円の引き出しを限定した。インフレの急進行によって旧円の価値は暴落、新円に切り替えても引き出し上限があるため、引き出し制限が解除される頃には、それまでの金融資産の価値はほぼゼロになってしまった。戦時中、貯金と年金が強制されていたため、ほぼ全ての国民が財産を失った。わが一族はギリギリのところで生命をつないだが、没落は免れなかった。明治・昭和帝政への恨みは決して忘れない。
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2020年04月24日

中国では地方政府が電子クーポン券を配布

【杭州市、16億8千万元分の電子クーポンを発行 経済持ち直しへ】
 中国浙江省杭州市はこのほど、総額16億8千万元(1元=約15円)の消費クーポン券を発行して消費活動を活性化させると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大が地元経済に与えた影響を緩和するのが狙い。アリババグループのモバイル決済アプリ「支付宝(アリペイ)」を通じて電子クーポン券を受け取り、店舗での決済時に使うと割引が適用される。市内の飲食店や商業施設など600万店舗で利用できる。第1弾として発行された50元相当のクーポン券200万枚は、3月27日から利用が始まっている。
(4月4日、新華社)

中国では外出規制緩和に伴い、地方政府が電子クーポン券を配布、消費喚起に努めているが、電子クーポン券ならすぐに配布してすぐに使えるだろう。日本のように国や自治体がデザイン、印刷して、市民が役所に行って申請して、さらに受け取るために役所に行くのでは、配布するだけで何ヶ月もかかってしまう。昨年の消費増税に際して発行された「プレミアム商品券」は、対象者の半分以下しか申請しなかったという。

「プレミアム商品券」の場合、「市民が申請」「行政が審査」「対象者は現金2万円を持って役所に出頭」「25000円分の商品券を受領」「使用箇所は限定」というもので、「生活に困っている者が2万円の現金なんかあるわけねぇだろ!」「そんな暇人は年寄りだけ」など、散々叩かれたが、殆ど報道されなかった。

なお、中国では全国で7割近くが電子決済、都市部では9割以上がスマホ決済となっている。日本では「キャッシュレス決済」が2割に満たず、その大半はキャッシュカードで、次いで交通カードとなっている。日本は決済技術で中国より数十年分も遅れてしまった。

行政の能力においても、決済を始め様々な技術でも、日本は既に中国に追いつかなくなっている。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | ロシア、中国、国際関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする