2020年05月01日

貴族が恩寵金をカツアゲ?

【県職員の10万円でコロナ対策 広島知事、国給付の活用表明】
 広島県の湯崎英彦知事は21日、新型コロナウイルスの緊急経済対策として県職員が国から受け取る現金10万円を、県の対策事業の財源に活用したい考えを表明した。自主的な寄付として募り、新たに設ける基金に積み立てる手法などを念頭に、仕組み作りを急ぐ。
 国による10万円の給付は全ての国民を対象に5月から始まる見通しで、湯崎知事の突然の発言は波紋を広げている。県職員連合労働組合の大瀬戸啓介中央執行委員長は「驚いている。新型コロナの感染防止で職員は懸命に働き、家庭状況もさまざまだ。一律の対応を求められるのかなどを注意深く見守る」と話した。
 湯崎知事は休業要請の協力金について発表した記者会見で、県職員が受け取る10万円の扱いについて言及した。協力金や他の対策に多額の費用がかかるとの見通しを説明。「必要な財源が圧倒的に足りない。捻出する時に、今回(国から)給付される10万円を活用することで、聖域なく検討したい」と強調した。
 具体的な仕組みについては「まさに検討しなければならない」と述べ、制度設計を急ぐとした。県職員が受け取った10万円を積み立てる基金を新たに創設し、事業費に充てる方策かという問いには「そういうイメージだ」と応じた。県によると、知事が任命権を持つ県職員は4451人(4月1日時点)。全職員から10万円を集めると、4億4500万円余りとなる。
(4月21日、中国新聞)

この話に救いが無いのは、当人が東大卒の通産官僚出でありながら、私権、私有財産に対するコンプライアンス意識が皆無であること。
政府が議会の了承を経て国民、市民に給付する金は、当然ながら私有財産であり共有財産では無い。ましてや、行政単位である広島県や県知事が徴収するには、最低でも法的根拠が必要となる。
法的根拠無しに、「寄付」を要求するのであれば、これは「優位な立場を悪用した不当要求=優越的地位の濫用」にしかならない。太平洋戦争における特攻が「志願」の名の下に行われていたのと同じ話になるだろう。

さらにこの話に救いが無いのは、私有財産や私権と憲法や法律の関係すら知らない県知事を、県民が選挙で選び、あまつさえ民主・民進、自治労まで支持していたということ。教職員組合は確か社民系が強いから少し距離を置いているかもしれないが。

仮に右派の立場に立っても、「陛下から臣民に下された恩寵金を県知事が巻き上げるとは何事か!」と激高してしかるべきだが、それも見当たらないところが、ますます救いが無い。

結局のところ、この翌日には知事は発言を撤回するのだが、その弁解がまたぞろ「誤解を生む言い方だった」とのことで、自らの責任を否定している。県職員から「任意で給付金を寄付してもらって県の事業に活用したい」のどの点がどのように「誤解を生む」のか、トコトン追及する必要がある。日本型司法行政の原則に則って、一日10時間以上、20日間にわたって「何がどう誤解になるのか」問い続ければ、「真意」も明らかになるだろう。
posted by ケン at 12:00| Comment(10) | 憲法、政治思想、理念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする