2020年10月07日

AoT「一号作戦」を初プレイ

いま日本全国一千人(マジか?)のウォーゲーマーの注目を一身に浴びている作品。
大陸打通作戦の全容をシミュレートしたものとしては、XTR・コマンドマガジン日本の「When Tigers Fight」があるが、あまり評判を聞かない。というよりも、あれは大陸打通もインパールも両方一つのゲームでという意欲的すぎる作品だ。
O先輩が「買った記憶ような気もする」とおっしゃるものの、いまだ現物は行方不明で、私も見たことは無い(若い頃は日中戦争に興味なかった)。

本作はAgainst the Odds誌52号の付録でタイ・ボンバ氏のデザインとなる。
非常にコンパクトなルールとシステムで、プレイアビリティが高い。
そして、そのキモは、ニミッツ案の「コーズウェイ作戦」(台湾・中国本土上陸作戦)が実施「されるかもしれない」点にある。
つまり、日本人が一号作戦を頑張りすぎ(中国人がだらしなさすぎ)の場合、(蒋介石に泣きつかれた)ルーズベルト大統領がフィリピン上陸を捨てて、台湾・中国侵攻を選択する可能性を再現している。
通常は、第7ターン(44年10月)にダイスを振って「1〜5」なら史実通りフィリピンに行くが、「6」だと台湾に上陸してくる。ダイス目は日本軍の侵攻度に合わせてプラス修正される。今回、二回プレイしたが、一回目は「5、6」で台湾・本土上陸、二回目は「4〜6」だったがフィリピンという具合だった。

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問題は、米軍の動向によって日本軍の勝利条件とゲーム終了時期が変わることだ。
史実通りフィリピンに行く場合は、「打通する」「飛行場を全部占領する」「重慶に近づく」などの勝利条件に変化はないものの、第9ターンに終了してしまう。
これに対し、米軍が中国に上陸してくると、「打通する」は同じだが、「ゲーム終了時に米軍橋頭堡に隣接」「重慶を占領」がVPに加わって、他は放棄されてしまう。しかし、航空優勢は完全に連合軍の手に落ちるため、日本軍は移動と攻撃に不利な条件が課される。ただし、関東軍やフィリピン第14方面軍からの援軍が来るので、戦力的には豊かになる。

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システム的には移動、攻撃か、攻撃、移動を繰り返すだけのシンプルなもので、戦闘結果には退却すらないのだが、問題は米軍(いれば)、日本軍、中国軍の順でシークエンスが進むことと、米軍と日本軍は移動と攻撃の手順を選べるが、中国軍は日本人が決めるということだ。すぐ慣れるので、どうということはないのだが。。。

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打通はできても鉄道線を維持するのは容易ではない

中国軍は戦力不確定のアントライドである上、移動力は「1D6-1」(7ターン以降は1D6)で、ユニットごとにダイスを振る必要がある。
しかも、攻撃の際は必ず1ユニット除去される上、攻撃側損害は2倍であるため、実戦で中国軍が攻撃するシーンはほぼ無いと見て良い。
まぁ、確かに史実通りなのだが、中国人的には思うところもあるのではないかと。。。

アメリカ軍は確かに非常に強いのだが、全部で14個師団しか無く、台湾と中国本土にばらまくと、砂漠に水をまくような話になってしまうため、実際には橋頭堡を固めて、あと一カ所くらいしか占領できない。

この日は二回プレイして、一度目は米軍が台湾と泉州に上陸、上海を占領した後、武漢に迫る勢いだった。他方、日本軍は泉州の橋頭堡に肉薄するも、それ以上は攻撃が続かず、中国軍の散発的移動によって打通もかなわず、敗北した。
二度目は、日本軍が第三ターンに昆明を占領、南北から重慶に迫り、中国軍は一方的に殴られるだけだった。重慶は二度攻撃を受け、一回目は「4〜6で陥落、5〜6で国民政府降伏」、二回目は「6のみで陥落、4〜6で降伏」という状況だったが、日本軍はダイスを通せず、重慶は保持された。最終的に、打通と全飛行場占領には失敗し、1VP足りずに日本軍敗北となった。

日本軍的には、史実通り第9ターンで終わった方が勝率が高そうだが、この終了設定が非常に微妙で、「ギリギリ」な感じが良い。

日本軍は「予定通り打通しても良いが、重慶に行くもアリ」「米軍が来たらそこはそれ」という点が非常に楽しそうだった。
今回は私が中国軍を担当したが、確かにほぼほぼ「援軍を置くだけ」な上、ダイスやチット引きの依存度が高すぎるのが難ではあるが、援軍の出し方一つで大惨事になってしまうため、適当にやっていると日本軍には勝てないだろう。日本軍の手筋と2ターン後の移動まで考える必要があるので、やることの少なさの割(つーか援軍置くだけ)に神経を使う感じだ。

ルール的にシンプルながら、ゲーム的にキワモノ感が溢れており、日本軍が容易に昆明を占領したり、重慶を包囲したりできる点に疑問符は付きまくりではあるものの、ゲームとしては意外なほどに面白く、何よりも1プレイが2〜3時間程度でできてしまうプレイアビリティの高さが良い。
欺されたと思ってプレイしてみてはいかがだろうか。

但し、中国のゲーマーたちはブーブーだったことを付言しておく。
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする