2020年11月30日

古代日本語の発音は?ー転生モノの無理

知人に紹介してもらった古代日本語の発話をシミュレートした動画。
まずは聞いてもらいたい。





日本語の時代考証もここまで来たか。
52秒目以降なんて中国語の方言にしか聞こえないぞ。
発音は、北京語ではなく、広東語や広西平話に近い感触。(中国の)学生に聞かせてみたら、圧倒的に「タイ語じゃね」という声だったが。
確かに、藤原=プンティパラとか、タイ人かと思ったが。
琉球語にも近いかもしれない。

中学や高校の古典の授業でやった音読とか、マジで意味ないじゃん。
タイムスリップや転生ものなんて、実際には言葉が通じないことがよくわかる。

漢字の最も古い読み方を呉音と呼ぶのは、古代から中世にかけて日中貿易の中国側拠点が呉国(主に浙江省)であったことに起因していると考えられる。日本仏教の経典の大半は呉音読みをしており、例えば食堂はお寺では「ジキドウ」と読まれる。これは、最澄や栄西、道元らが浙江省に留学したこととも関係していると考えられる。
つまり、中国から輸入した言葉や、中国との貿易で使われる言葉が、音韻の基礎となったということだろう。
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2020年11月28日

経済と衛生の両立はイコールGoToではない

【GoTo、コロナ拡大でも継続 菅首相「感染防止に全力を」 政府】
 政府は、新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多を更新するなど、全国で感染再拡大が顕著となっていることに警戒を強めている。
 20日に対策分科会を開き、専門家の分析を踏まえた対応を協議する。ただ、観光支援事業「Go To トラベル」は継続する方針で、感染防止と経済再生の両立を目指す姿勢を堅持する。
 菅義偉首相は18日、西村康稔経済再生担当相、田村憲久厚生労働相と首相官邸で会い、国内の感染状況などについて報告を受けた。その上で「感染拡大を防ぐため、全力を挙げて取り組むように」と述べ、都道府県知事と連携し、高齢者施設でのPCR検査の徹底などを指示した。
 加藤勝信官房長官は記者会見で「最大限の警戒感を持って感染状況に応じた対策を図る必要がある」と強調。その一方で、GoToトラベルについて「感染拡大防止を徹底しつつ、適切な事業の推進を図っていきたい」との意向を示した。
 分科会はGoToトラベルをめぐり、感染者の急増状況を示す「ステージ3」に該当する場合、対象地域の除外を検討するよう提言している。これに関し、加藤氏は「対策をしっかりやってもらえれば、旅行による感染リスクは低減できる」と述べた。
 加藤氏はまた、日本医師会の中川俊男会長が感染拡大地域への「移動自粛」を求めたことに対し、「県をまたいだ移動について一律に自粛を要請する必要があるとは考えていない」と反論した。 
(11月18日、時事通信)

経世済民と公衆衛生の両立が求められているのは理解できるが、それが「GoTo強行」という結論になってしまう点は全く理解できない。
いかにもヒトラーが「貴君らは戦争経済を理解していない」として、コーカサスとスターリングラードの両方を戦略目標に掲げ、どちらも確保できなかった故事が思い出される。

GoToは色々な点で不公平感が強く、医師会からは「感染拡大の最大要因」と名指しされているのだから、中止して「事業継続補助」の直接給付に回せばよいだろう。
「国家が一度決めたことは止められない」という論理は、昭和帝政の無謬論に基づいており、再び国民に犠牲を求めている。

結局20日に至って「見直しの検討」を宣言したものの、実際の対応は相当に遅れそうで、「各知事に判断を委ねる」とした国の対応も混乱を呼んでいる。これも、インパール作戦の決裁について第15軍と大本営が責任のなすりつけ合いを演じた経緯とよく似ている。
まさにダメな組織の典型と化しているのだ。
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2020年11月27日

セルゲイ・ロズニツァ『国葬』


『国葬』 セルゲイ・ロズニツァ監督 ロシアほか(2019)

セルゲイ・ロズニツァ『国葬』を観る。スターリンの葬儀と全ソ連で行われた告別式の映像が、延々と2時間以上続く。同じようなプロパガンダとスピーチの連続で、ナレーションもセリフも無い。見続けるのはなかなか苦痛なのだが、全体主義を学んできたものとしては、全体主義の要諦が大衆動員にあることを改めて認識させてくれて、助かった。
デジタル処理やカラー化の具合がよく、葬儀に参列した大群衆の表情があますところなく再現されており、ソヴィエト人民の「偉大なる指導者の死」への向き合い方がよく伝わる。そこから大衆心理をイメージしていく過程も、全体主義研究の一つと言える。

欧米では一般的には、全体主義下の大衆心理は「強制・矯正された感情」と認識されているが、「あれは洗脳された可愛そうな人たち」という認識を持つ限り、全体主義は理解できない。
日本には、戦時下の明治帝政という異形の全体主義を経験している上、靖国神社のような洗脳・動員機関がそのまま存続を許されている特殊な環境にありながら、どうにも全体主義への理解が足りないのは何故だろうか。

一方で考えてみれば、中曽根の「国葬」なんて、非公開にせざるを得ないほど不人気であったのだから、実のところ全体主義とは真逆のところにあることを再確認した次第。もちろん、「権力者の国葬」という発想自体は権威主義のそれではあるのだが、「大衆動員できない」「非公開にせざるを得ない」というのは、自民党が全体主義を理解していない、または都合よくに解釈するなら、「全体主義をやる気はない」ことを示している。
まぁ文科省あたりの出来の悪い官僚は、「意識的に全体主義を志向しているが、全体主義とはなにか理解していない」典型的なパターンでありそうだが。
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2020年11月26日

アルメニア軍撤退に思うこと

【ロシア部隊展開でナゴルノ停戦 アルメニアが領土引き渡しへ】
 アゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノカラバフを巡る激しい戦闘は16日までに、停戦合意に基づきロシア軍の平和維持部隊が現地に展開、双方の攻撃は完全に停止した。事実上敗北したアルメニアはこれまで占領していた地域をアゼルバイジャンに順次引き渡す。
 アゼルバイジャン領内にありながら多数派のアルメニア人勢力が実効支配するナゴルノカラバフを巡る戦闘は9月27日から44日間続いた。アゼルバイジャン軍が山岳地帯に南から攻め入り要衝シュシを制圧。アルメニア側は9日、ナゴルノカラバフ全体を失う恐れがあったため自国に不利な条件の停戦合意を受け入れた。
(11月16日、共同通信)

繰り返すが、敗北を認めるのは容易なことではない。
現にアルメニアでは、国会議長が襲撃され、首相の暗殺計画も発覚した。
タカ派が幅をきかし、暴走するのはいつの時代も変わらない。

明治帝政の場合、中国大陸からの完全撤兵を求めるアメリカの要求を拒否して、実質無通告で真珠湾の米艦隊を奇襲、開戦した挙げ句、300万人以上の同胞を殺害し、居住地の半分を焼け野原にして敗北した。
どう見ても、割りに合わない不合理な決断だったはずだが、開戦の決断を責める声は今もって大きくない。
仮に中国からの撤兵を決めたことで、内乱やクーデターが起こったところで、大戦による被害を上回ることはなかっただろう。逆にクーデターが成功して開戦したところで、結果は同じだったのだから、この場合、むしろクーデター派に全ての責任を押し付けることができてよかったくらいだ。だが、現実には東京裁判ですら、「誰が開戦のボタンを押したのか」ロクに明らかにできず、天皇への責任を回避するために便宜的に東条英機が槍玉に挙げられて終わった。

日露戦争については、「日露開戦の代償」で検証したように、開戦前には日露交渉が妥結寸前にあったにもかかわらず、日本側が一方的に開戦した。ポーツマス条約で日本が得たものは、
1.日本の朝鮮半島に於ける優越権を認める。
2.日露両国の軍隊は、鉄道警備隊を除いて満州から撤退する。
3.ロシアは樺太の北緯50度以南の領土を永久に日本へ譲渡する。
4.ロシアは東清鉄道の内、旅順−長春間の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権を日本へ譲渡する。
5.ロシアは関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を日本へ譲渡する。
6.ロシアは沿海州沿岸の漁業権を日本人に与える。

だったが、1と2は開戦前の交渉で妥結済みだったため、実のところ日本が戦争で得たのは、3〜6の部分に過ぎなかった。その代償は、9万人近くの戦死者と3万人近い病死者、15万人以上の負傷者であり、税収が2億円のところに19億円の戦費(うち8億円が外債)というものだった。
この戦費について、外債引き受けを担当した高橋是清は、事前に政府に受けたレクチャーで「継戦期間を一年として4億5千万円」と説明されている。1904年の日本のGNPは30億円でしかなかった。
日露戦争もどう見ても割に合わない戦争だったが、現代においても開戦を批判する声は、私以外からは殆ど聞かれない。

一つの原因として考えられるのは、帝政は君主の絶対権と無謬性を前提としているため、決して過ちを認めない制度である上、実際の権力者にとっては「過ちを咎められない」が故にやりたい放題できるという問題がある。「統帥権の独立」問題はその最たるものだった。
この発想は戦後の昭和帝政にも受け継がれ、今日の菅政権に至るまで継承されているため、愚かしい決断が繰り返される割に、批判も上がらない仕組みになっているものと考えられる。
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2020年11月25日

社民党が分裂へ

【社民党が事実上分裂 所属国会議員の残留は福島瑞穂党首のみ】
 社民党は14日、臨時党大会を東京都内で開き、立憲民主党への合流を希望する所属議員の離党を認める議案を賛成多数で可決した。国会議員4人のうち、福島瑞穂党首を除く3人は立憲に入党する見通しだ。党は存続するが、事実上の分裂が決まった。
 議案は「社民党を残す」と同時に「立憲へ合流して社会民主主義の継承発展を目指す選択のいずれも理解し合う」との内容。可決を受け、吉田忠智幹事長、吉川元国対委員長、照屋寛徳衆院議員は、立憲への合流手続きに入る。20超の都府県連が合流する見通しだが、方針を決めていない組織もある。
 社民党は前身の旧社会党を含めて75年の歴史を持つ。2019年参院選で政党要件を満たしており、党は存続する。福島氏は大会後の記者会見で「残念だが離党する人もいる。(議案は)社会民主主義を拡大する確認なので、これからも社民党が支援いただけるように頑張りたい」と語った。
 党大会は、昨年12月に旧立憲の枝野幸男代表が旧国民民主党と社民党に合流を呼びかけたことを受けて開かれた。旧立憲と旧国民は今年9月に合流している。
(11月14日、毎日新聞)

問題となった「離党容認」議案については、賛成84、反対75での可決となり、吉田幹事長の解任議案は賛成70票で否決されたという。
いずれも僅差であり、党内で激しい議論が交わされたことが想像される。
こうした僅差の採決は、ある意味で民主的な議論が尽くされたことの表れではあるのだが、同時に禍根を残しやすいという問題もある。
しかし、民主主義を標榜する以上は、議論と採決は免れず、そこを含めたリスク管理が必要となる。
社民党の場合、党内で左派・社会主義協会派が相対的多数派を形成していたものの、一部を除けば、党内では一般党員を含めて頻繁に会議が開かれ、一般党員が意見表明する機会もあり、民主的な運営がなされてきた(ここ20年くらいの話は人づてに聞くだけだが)。民主的な運営がなされてきたからこそ、民主党や立憲民主党への合流を拒否する声が常に多数派を占め続け、個別に離党者を出してますます勢力を弱めてしまったことは、皮肉な結果と言えよう。

逆に、約半数が合流すると見られる立憲民主党は、その前身の旧立民は党員制度そのものが存在せず、党内議論すら存在しなかった。その前身である民進・民主党は党員制度はあったものの、実際には党員は自治体議員と労組幹部などに限られており、一般党員の発言権など無いに等しかった。その党運営は、党が指名した支部長と、支部長が指名した幹事長が実質的な独裁権をもって行われていた。

離党・合流となれば、立憲側からすれば、「個別に離党してうちに来るだけ」となり、社民離党者の意見を聞く必要はなく、実質的な吸収合併となる。
社民側の自業自得であるとは言え、色々と残念な結果でもある。
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2020年11月24日

東京五輪で海外客の隔離措置を免除へ

【東京オリパラ、海外からの観客の14日間隔離措置緩和を検討 政府】
 来夏の東京オリンピック・パラリンピックで海外からの観客を受け入れる際、政府は新型コロナウイルス対策で通常求めている入国後14日間の待機措置を免除する緩和策の検討に入った。12日、東京都、大会組織委員会などと首相官邸で開いた感染症対策調整会議で提案した。具体的な措置は国内外の感染状況を踏まえて来春までに決定する。
 通常通り2週間の隔離と公共交通機関の不使用を求めることは観戦を事実上、困難にするとして、出国前・入国時の検査や入国後の行動・健康管理を条件に緩和を検討する。待機措置の免除は10月から、国際大会などから帰国した日本オリンピック委員会(JOC)の強化指定選手らを対象に導入されている。会議では、この対象を五輪本番を待たずに、日本での国際大会に出場する海外選手に拡大することも報告された。
(11月12日、毎日新聞)

国民の安全を二の次にする昭和帝政。
さすがは、「国体護持が保証されない」として一億総玉砕をやろうとした連中の末裔だけある。
その発想は同根で、「国家が一度決めたことを止めると、国体に傷が付く」というもの。
国体とは必ずしも天皇そのものを指すのではなく、帝政全体を指す。
しかも、今の霞ヶ関と自民党は、「国体が護持されたから、日本は戦争に負けていない。条件付き降伏だから、ナチとは違う」と平気で言ってのける連中でもある。まぁ私も全否定はしないが、アメリカを国体護持の条件を受諾を条件付き(国民の承諾)で受諾したのは、対ソ戦を考えてのものであって、日本の都合ではない。

いずれにしても重要なのは、霞ヶ関と自民党が、たとえ一億二千万の国民がコロナに感染しようとも、「聖戦(五輪)の完遂」を企図していることであり、これはもはや「人道に反する罪」「自国民の計画的殺戮を企図」として国際刑事裁判所に訴えても良いレベルであると言えよう。
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2020年11月23日

安保の尖閣適用宣言はただの年中行事

【米の尖閣防衛義務を批判 中国外務省】
 米大統領選で当選が確実となったバイデン前副大統領が菅義偉首相との会談で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)が日米安全保障条約の適用範囲だとの見解を示したことについて、中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は12日の記者会見で「釣魚島とその付属島嶼(尖閣諸島の中国側名称)は中国固有の領土だ」と反発した。汪氏は日米安保条約について「冷戦の産物だ。第三者の利益を損なったり、地域の平和と安定を脅かしたりすべきではない」と主張した。
(11月12日、産経新聞)

バイデン氏の発言と中国からの反発を受けて、外務官僚どもは小躍りして喜んでいる。
しかし、尖閣が日米安保の適用対象であることは、アメリカの歴代政権が表明していることで、真新しいことではない。
要は、一年間の有期雇用に過ぎない町方同心が、年末に奉行所に伺候して「来年もよろしく頼む」と言われて喜んでいるようなものだろう(わかりにくい?)。
この問題も本ブログで何度も触れているが、おさらいしておこう。日米ガイドラインは、
2.日本に対する武力攻撃が発生した場合
b.作戦構想
C.陸上攻撃に対処するための作戦

自衛隊及び米軍は、日本に対する陸上攻撃に対処するため、陸、海、空又は水陸両用部隊を用いて、共同作戦を実施する。

自衛隊は、島嶼に対するものを含む陸上攻撃を阻止し、排除するための作戦を主体的に実施する。必要が生じた場合、自衛隊は島嶼を奪回するための作戦を実施する。このため、自衛隊は、着上陸侵攻を阻止し排除するための作戦、水陸両用作戦及び迅速な部隊展開を含むが、これに限られない必要な行動をとる。

自衛隊はまた、関係機関と協力しつつ、潜入を伴うものを含め、日本における特殊作戦部隊による攻撃等の不正規型の攻撃を主体的に撃破する。

米軍は、自衛隊の作戦を支援し及び補完するための作戦を実施する。

と書かれている。
つまり、日本の防衛は島嶼であろうと本土であろうと、自衛隊が担うものであり、米軍は自衛隊の作戦を「支援」するだけでしかないことが明確に規定されている。

そして、日米安保第5条。
各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。

このキモは「日本の施政権下にある領域」にある。北方四島に対して日米安保が適用されないのは、「施政権下に無い」からで、このことは従来政府も認めている。
問題は、島嶼の場合、敵国が占領してしまった場合、一時的であれ日本は施政権を失ってしまうため、「施政権下にある領域」でなくなってしまう点にある。少なくとも、米国側はそういう主張ができるので、仮に尖閣が他国に占領された場合、米政府が手のひらを返して「もうそこは日本の施政権下に無いから安保の適用外」と主張を一変させたところで、日本政府としては返す言葉も無い。

マスゴミどもは、官邸や外務省のプロパガンダを流しているだけで、どこまでも有害でしかない。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 外交、安全保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする