2020年12月31日

マクロン、おみゃあもか!

【仏政府が「6人まで」要請する中…マクロン大統領は10人超で会食 感染判明で同席者が自主隔離】
 フランスでマクロン大統領の新型コロナウイルス感染の余波が広がっている。クリスマスを前に仏政府は「会食の参加者は6人まで」と国民に求めていたが、マクロン氏自身が感染判明前夜に10人以上で会食していたことが判明。参加者が次々と自主隔離する事態に、仏メディアは「クラスター(感染者集団)化の恐れもある」と報じている。
 マクロン氏は17日朝にPCR検査で感染が判明。その後もオンライン会議に出席するなど執務を続けたが、せきや疲労感の症状があるという。仏政府は午後8時以降の外出禁止令を発令中だが、16日夜のエリゼ宮(大統領府)での会食は未明まで続いた。参加者は与党の有力議員や大統領顧問ら10数人で、マクロン氏の最も近くに座ったカステックス首相やフェラン国民議会(下院)議長らが保健当局の指示で自主隔離を始めた。大統領府は「政治課題を話し合う目的で、感染防止のため700人収容の大広間を使用した」と説明。参加者の1人は公共ラジオのフランス・アンフォに「1.5メートル間隔で座り、換気もして、食事中以外はマスクを着けていた」と証言した。
 コロナ軽視の姿勢を貫いた末に10月に感染したトランプ米大統領らと異なり、マクロン氏は「外出時は消毒液を持参するなど常に用心していた」(政府広報官)という。感染判明前まで各国首脳らとの会談や会食も重ねており、会談相手の自主隔離も相次いでいる。先進7カ国(G7)の首脳ではジョンソン英首相が3月に感染しており、マクロン氏は3人目となる。
(12月18日、東京新聞)

実はフランスも同じだったわけだが、政府に対する国民の反応は全く異なる件。

政治家というのは、本質的には「オレが作った法律を他人に守らせる」仕事であり、多くの場合、自分は「法律を守る側でもある」自覚がすっぽり抜け落ちてしまっている。
支持者は支持者で利権目当てで権力者に群がり、市民的自覚のない政治家は便宜供与して支持を強化する。往年の名作ゲーム「フンタ」の原理は、現代の民主国家においても健在である。

危機下において権力が集中、強化されればされるほど、権力の腐敗と市民的自覚の喪失が加速していく構図にある。
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2020年12月30日

古代日本語の発音は?補



ご質問いただいたので、補足しておきます。

どうしてこのような再現が可能になるかというと、万葉仮名は漢字を仮名として当てているわけですが、万葉仮名の音は呉音(唐の標準語)で発音されており、呉音に応じて当てられていると考えられます。中国には声調があるため、同音異義語は声調で識別されるため、昔の発音もかなり正確に把握できるわけです。その呉音と万葉仮名に従って、再現したものが本動画になります。

例えば、奈良時代の呉音の「H」「W」音は存在せず、「P」音で発音されていたため、フジワラはプンティパラになっていたという理解です。
さらに言うと、呉音は当時の唐の標準語であり、その呉音の名残を残しているのが現在の福建語と広西語で、両語からの類推というのもあります。「蝸牛考」の原理です。
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2020年12月29日

「敵基地攻撃能力」結論先送り

【「敵基地攻撃能力」結論先送り 政府、イージス代替は2隻増艦】
 政府は18日午前、年内にまとめるとしてきた敵基地攻撃能力を含む「ミサイル阻止」に向けた方策に関して「抑止力の強化について、引き続き政府において検討を行う」とする方針を閣議決定した。検討の期限は示さなかった。地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア(地上イージス)」の代替策としてイージス艦2隻を増艦する方針も決めた。
 閣議決定では地上イージスの配備断念を受けて「イージス・システム搭載艦2隻を整備する」と明記。イージス艦は海上自衛隊が運用するとし、具体的な装備は引き続き検討を行う考えを示した。防衛省は令和3年度予算案に関連経費を計上する。
 また、閣議決定では12式地対艦誘導弾の射程を伸ばし、離島防衛に活用するとした。12式は改良により現行の射程200キロから1千キロ近くまでになるとみられる。現在は地上配備型ミサイルとして陸上自衛隊が運用しているが、航空機や艦艇からも発射可能とする。
 政府は12式を「脅威圏の外から対処を行うためのスタンドオフ防衛能力」と位置づけ、敵基地攻撃能力ではないとしている。敵基地攻撃能力に関しては、安倍晋三前首相が首相談話で言及した「ミサイル阻止」の文言も記載しなかった。
 安倍氏は退任前の6月の記者会見で敵基地攻撃能力の取得を検討する考えを表明した。9月の首相談話で「ミサイル阻止に関する安全保障政策の新たな方針」について与党との協議を経て、年末までに「あるべき方策」を示すとした。
 だが、連立与党の公明党は当初から敵基地攻撃能力に否定的な姿勢を示していた。9月に発足した菅義偉(すが・よしひで)政権は公明党の主張に配慮する形で年内の結論とりまとめを見送り、検討の期限も示していない。
(12月18日、産経新聞)

今回は選挙が近いので、KM党に配慮した形となった。
しかし、米国で軍産複合体が支持するバイデン氏が大統領に選出されたこともあり、今後も導入の議論は止まらないだろう。

とはいえ、現実には偵察と諜報を米国に依存し、憲法第9条の縛りが強い日本が保有しても、「宝の持ち腐れ」にしかならないのだが。

【参考】
【メモ】基地攻撃能力保有に関する議論の現状
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | 外交、安全保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月28日

自民党が選択的夫婦別姓を拒否

【選択的夫婦別姓の是非、慎重派が巻き返し 自民党内は容認論拡大】
 自民党は15日の党会合で、選択的夫婦別姓制度の記述をめぐり紛糾していた政府の第5次男女共同参画基本計画案を了承した。当初、政府が盛り込んだ制度導入に前向きな記述を大幅に削除し、過去の基本計画にならって文言を短縮した。ただ、党内は制度導入への慎重派が優勢だった情勢から拮抗へと変化しており、夫婦別姓に慎重だった安倍晋三政権の退陣に伴い容認論が増えたとの見方がある。
 この日了承された案では「戸籍制度と一体となった夫婦同氏制度の歴史を踏まえ、家族の一体感、子供への影響なども十分に考慮し、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえ、さらなる検討を進める」などと書き込んだ。
 さらに、旅券(パスポート)や免許証などに旧姓併記が認められていると指摘した上で、「引き続き旧姓の通称使用の拡大や周知に取り組む」とも記した。子供への影響や通称使用拡大などは慎重派が重視した論点だ。
 一方、推進派は制度導入に向けて「必要な対応を行う」と踏み込んだ表現を求めたが、最終的には反映されなかった。しかし、将来の制度導入に余地を残すべく、「司法の判断も踏まえ」との文言は残った。
 自民党は長く夫婦別姓に慎重な立場だったが、近年は女性の社会進出などを背景に賛成意見が増えた。8日の会合では19人が慎重意見を、18人が推進意見を述べ、賛否が拮抗した。
 風向きが変わりつつあるのは、夫婦別姓に慎重だった安倍政権の退陣も一因だ。慎重派の党ベテランは「今回はなんとか踏ん張ったが、新たな案をまとめる5年後は危ないかもしれない」と語る。安倍氏は今回、推進派に誰が名を連ね、どのような活動を展開したかに関心を示していたという。
(12月15日、産経新聞)

自民党に期待するほうが間違っており、自民党=霞ケ関=帝政を打倒しない限り、伝統回帰はありえない。
ここで復習しておきたい。

日本は歴史的には夫婦別姓だった。
まず、源頼朝と結婚したのは「北条」政子であり、足利尊氏の母は「上杉」清子、同妻は「赤橋(北条)」登子、足利義政に嫁いだのは「日野」富子であることを思い出してもらいたい。皇室でも同様で、桓武帝の母は「高野」新笠、後醍醐帝の母は「五辻」忠子である。幕末の例で言えば、徳川慶喜の妻は「一条」美賀子だった。

江戸時代の苗字は現代人が考えるファミリーネームとはかなり異なるものだった。例えばわが先祖である幕臣鈴木家の場合、おおよそ「馬一頭、銃一丁、槍三本」とそれに付随する人員の常備が義務とされた。100石超の家禄は当主である鈴木豊吉の個人的給与では無く、装備の維持費や従者郎党の給与まで含んだものだった。大名家は恒常的に家禄を支給し、禄の世代継承を保障する対価として、各家は軍事的義務を負う、というのが封建的契約関係だった。つまり、苗字は法人名に近い存在だった。

大政奉還を経て明治政府が樹立すると、明治3年(1870)に「平民苗字許可令」、同8年(1875)に「苗字必称義務令」が発布される。当初、全国民に苗字使用の許可が下されたものの、苗字使用は普及せず、国家による強制が必要だった。しかも、苗字導入時には夫婦別姓が原則(同姓選択制)であり、夫婦同姓が制度化されたのは、明治31年の民法改正によって夫婦同姓に基づく「家」制度が確立したことによる。明治9年に苗字使用を義務化するに際して、太政官法制局が夫婦別姓を採用したのは、「妻は夫の身分に従うとしても、姓氏と身分は異なる」「皇后藤原氏であるのに皇后を王氏とするのはおかしい」「歴史の沿革を無視」という理由からだった。さらに、明治31年の民法改正に際して、司法省がドイツ式の夫婦同姓案を提示したところ、当時の保守派から「日本古来の家父長制に反する」と大反発を受け、戸籍に絡めて「妻ハ婚姻ニ因リテ夫ノ家ニ入ル」とすることで折り合いを付ける始末だった。

そして、現代において夫婦同姓が強制されている国は、いまやインドとトルコを残すのみとなっているが、そのトルコすらも制度改正されて、混合姓(ミドルネーム)の選択が可能になっている(揺り戻しの話もあるようだが)。インドの場合は慣習であって、法律で夫婦同姓が規定されているわけではないという。タイでは2005年に選択的夫婦別姓が導入された。フィリピンでは、混合姓が採用されていたが、2010年に法改正されて選択的夫婦別姓が導入された。右翼の論理が正しいとすれば、日本とインドがその他の国々に比して家族の一体感が強固であることが証明されなければならない。が、そんな分析は存在しない。あるいは、近年別姓が選択できるようになったタイやフィリピンで、以前に比して家族崩壊が進んだという事実も確認できない。むしろ日本における家族共同体は同姓制度にもかかわらず、弱体化の一途を辿っている。つまり、姓名の問題でないことは明らかだ。

夫婦同姓は明治帝政によって捏造された悪しき新伝統であり、伝統に回帰するためには、自民党=霞ケ関=帝政を打倒する他ないのである。

【参考】
夫婦別姓は当たり前・続
苗字廃止論
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2020年12月26日

国債依存度が6割突破

【国債依存度が6割突破 コロナで歳出膨張止まらず】
 政府の2020年度の一般会計歳出は、3度の補正予算編成に伴い総額175兆円超と空前の規模に膨らむ。
 新型コロナウイルスの影響で税収が落ち込むため、歳入に占める国債依存度は初めて60%を突破。財政は異常事態だが、コロナ感染の「第3波」が続く中で政府・与党の危機感は乏しく、歳出増加の圧力は緩みそうにない。
 国債依存度は近年30%台で推移してきたが、20年度は2次補正後で56.3%と、リーマン・ショック後の09年度決算(51.5%)を上回り過去最高を更新。3次補正後はさらに64.1%まで上昇する。
 20年度の国債発行額は、前年度の3倍超の112兆5539億円に達する。赤字国債だけで約90兆円と、例年の一般会計の予算総額に迫る水準だ。しかし、与党内では「今は出し惜しみをする時期ではない」(自民党中堅議員)と積極財政を支持する声が目立つ。
 21日に閣議決定する21年度予算案では、国会の議決がなくても政府の判断で使用できる予備費を5兆円確保する予定。柔軟にコロナ対策を行う狙いがあるが、巨額予備費は財政規律の緩みを加速させかねない。
 21年度予算案の歳出規模は、過去最大だった20年度当初予算(102兆6580億円)を上回ることが確実。予算を査定する財務省は「思い切った歳出を求める声が予想以上に強い」(幹部)と頭を痛めている。
 20年度の債務償還や利払いに充てる国債費は3次補正後で23兆246億円と、当初段階から3269億円減少した。日銀の異次元緩和による金利低下の恩恵を受けた格好だ。しかし、財政が一段と悪化して国債の格付けが引き下げられれば、金利上昇を招く可能性も否定できない。
 東短リサーチの加藤出社長は「超低金利の長期化により、日本中で財政感覚のまひが起きている」と指摘し、「借金を増やしていくとどこかで限界を迎える」と警鐘を鳴らしている。 
(12月16日、時事通信)

色々な「仕方ない」を積み重ねていくとこうなるわけで。
戦争しているわけじゃないから、他国に迷惑をかけないだけマシではあるが、いつかはツケの支払いが回ってくるのも事実。
信用貨幣だから、みなが「大丈夫」と思っているうちは大丈夫かもしれないが、誰かが「もうダメだ。さっさと全部返せ」と言い出した瞬間に突然破綻が訪れる可能性がある。
「財政感覚のまひ」とは「借金のまひ」のことで、借金はすればするほど金銭感覚が麻痺してくるわけで、それは一国の財政も変わらない。

「コロナ禍だから仕方ない」は是としても、「東京五輪だから仕方ない」は否であると認められないことが、麻痺を加速させる。
「五輪だけダメなのはおかしいじゃねぇか」という理屈に反論できるものがいないため、財政感覚の麻痺が拡大する。
本来、議会制民主主義では野党が非を咎める役割を果たす制度設計になっているが、現代の議会ではその役割が十分に果たされなくなっている。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 財政、社会保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月25日

200万円で被曝地移住を誘致?

【政府、福島移住に最大200万円 原発事故再生へ支援金】
 政府が2021年度、東京電力福島第1原発の周辺12市町村に移住する人に対し、最大200万円の支援金を支給する制度を設けることが14日分かった。避難した住民の帰還が進んでいないのが背景。移住者を呼び込み、発生から来年で10年となる原発事故からの再生を後押しする。移住してから一定期間の定住や、就業などを条件にする考えで、詳細を詰めている。併せて、受け入れ側の自治体が実施する移住促進事業も支援する方針。財源は復興庁が福島県や市町村に配分する福島再生加速化交付金を活用する。
(12月14日、共同通信)

「(最大)200万円あげるから、被曝した福島に移住してよ!」って軽すぎじゃね?
殆ど満州移民レベルだろう。
そもそも浪江町は、満州からの引揚者が開拓した土地であり、何重にも酷すぎる話だ。

政策を見ても、どう見ても一桁少ないだろう。
出すなら、少なくとも土地と家付き、さらに1千万円とか出さないと、話にならない。
中途半端な資金援助は、「200万円目当て」の詐欺が続出するだけのこと。

こうした意図不明な「やってる感だけ」の政策は「百害あって一利なし」である。
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2020年12月24日

まさかの文学講座開設要望

学生からまさかの文学講座の開設要望。

普段小説なんてあまり読まないのだが、私の文学の話は一定の人気があり、一学年に一人二人はこうした要望が上がってくる。
語学教員兼政治研究者としては、色々フクザツすぎる。。。
専門家ではないので、純文学にこだわらず、SFや推理小説、あるいはライトノベルをも教材に取り上げるからなのかと推察される。

確かに自分も担当している4年生の読解は文学なのだが、その国家指定教科書が恐ろしくつまらないもので、あまり逸脱もできず、教員、学生ともにモチベーションを下げているとしか思えない。まぁ、いかにも全体主義国なのだが、学生には気の毒としか言いようがない。
逆に、指定教科書を読むだけなら、中国人の教員で十分であり、ネイティブ教員が担当する必要はないはず。この辺は人員配置の問題であろう。

もっとも、私に好きに文学を語らせたら、南條範夫「一族自刃、八百七十名」や「駿河城御前試合」を読んで、延々と修羅物の話をしてしまいそうで、やっぱりダメなんじゃないかと思うが(笑)
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