2020年12月01日

『リベレーター: 勝利へ、地獄の行軍500日』



先日Netflixで配信開始された新作戦争ドラマ。
実写とCGを併用するTrioscope Enhanced Hybrid-Animationを駆使している。
確かに「実写っぽく見えるアニメ」で、アメコミ調にも見える。
わざわざアニメ化する必要あるのきゃ?と思わなくもなかったが、ドイツ軍の戦車や装備が嘘っぽくないし、陰惨な場面を軽減する効果もあり、見ているうちに違和感はなくなった。

オクラホマの歩兵第157連隊の中隊長として赴任した主人公が、先住民、ラテン系、懲罰兵などを率いて、シチリア、アンツィオから、フランス上陸、ヴォージュ山脈(独側のノルトヴィント作戦)、アシャッフェンブルクまでの戦いを描く。
二次大戦における米軍の死傷者はドイツ戦線で約25万人だが、主人公が所属する第45歩兵師団だけで1万人以上の死傷者を出しており、ほぼ師団まるごと人員が入れ替わっている有様だった。

Netflixらしく、決して「アメリカ万歳」にはなっていない。主人公は英雄らしくは描かれているが、悩み苦しむ人間であり、超人ではない。
米軍による蛮行も描いている一方、SSについても蛮行と強さの両面を描いており、重層的な作りになっている。
ただ、50分前後のエピソードが4話だけなので、訓練、イタリア、フランス、ドイツで、あっという間に終わってしまう。
登場人物はみな「あまりにも長く戦い続けて心が壊れていく」と言うのだが、ペースが早すぎて共感できないところがある。10話もあれば、共感できたのだろうが。
見どころはやはりSS山岳猟兵と戦うヴォージュ山脈戦(ノルトヴィント作戦、米第七軍は一時崩壊寸前に)と、ドイツ国内の市街戦を描くアシャッフェンブルク戦で、アニメながらも十分な迫力と演出で描いている。
物語の最後にパットンが登場し、主人公と対話するのだが、これがなかなか「らしさ」が出ていて、楽しませてくれる。

アメリカでの評判は必ずしも良くないようだが、ケン先生的には十分にお勧めできる作品である。

参考:"The True History of Netflix’s ‘The Liberator"
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | サブカル、音楽、アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする