2020年12月19日

医療崩壊は政策無策に起因

【旭川市に自衛隊派遣要請の北海道知事「猶予できない事態」】
 北海道旭川市で新型コロナウイルス感染が急拡大している事態を受け、鈴木直道知事は8日、自衛隊に同市への看護官派遣を要請し、「国内最大規模のクラスター(感染者集団)となるなど猶予できない事態」とするコメントを発表した。看護官約10人が約2週間、吉田病院と重症心身障害児(者)施設「北海道療育園」に派遣される。
 道によると、国と道はこれまでに医師や看護師延べ約300人を同市に派遣してきたが、医療体制の逼迫(ひっぱく)度が高まり、道と市は体制の改善が必要との認識で一致したとしている。
 一方、同市の旭川赤十字病院は8日、同院で5日に出産した30代女性の陽性が判明したと発表した。新生児は陰性。同院は出産業務を当面停止し、旭川医大と市立旭川病院に引き継ぐ。
(12月8日、毎日新聞)

公式発表的では、「国と道はこれまでに医師や看護師延べ約300人を同市に派遣してきた」とのことだが、同8日の市立旭川病院院長の話では、「入院患者32人に対し看護師3人」という、「○○決戦」の様相を呈している。大本営発表と、最前線の実感はそれくらいに異なるものなのだ。

「自衛官派遣」も同様で、「自衛隊を派遣する」ことばかりが喧伝されているが、実際の数字は「看護官約10人」で、「いないよりはマシ」としても穴埋めにはならないだろう。

こうした医療崩壊が起こるのは、病院内でコロナ感染者が発生し、そのたびにスタッフが隔離され、隔離されたスタッフが高確率で「フェード・アウト」(辞職)してしまうためだ。
隔離されたものは、周囲から差別され、子どもを保育所に預けることもできず(保育所が拒否)、買い物にも難儀することになる。
本人が職場復帰を望んでも、家族から反対され、断念するケースも多いらしい。
フェード・アウトするスタッフが増えると、残ったスタッフにかかる負担が増え、体調を崩すものが増加、離職につながっている。

こうした過酷な労働環境に対し、日本の場合は相応の待遇が保証されておらず、それが離職者を増やす原因になっている。
医療に自由競争を適用している米国では、派遣看護師の給与は「週100万円」にまで上がっているとされる。つまり、それくらい需要(価値)が高まっているのだが、日本では逆にボーナスが出なかったり、給与が下がってしまっている。
これでは、「コロナが落ち着くまで休職して、後のことは後で考えよう」となるのが合理的となる。

「医療関係者に感謝の気持を」などと言っているだけの日本は、「竹槍でB29を!」と言ってた75年前から一歩も進化していない。
posted by ケン at 12:00| Comment(3) | 財政、社会保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする