2021年01月13日

結局のところ責任のなすりつけ合い

【政府、緊急事態宣言に慎重姿勢崩さず 「責任転嫁」の都に不信感】
 東京都など1都3県の知事が新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を求めたのに対し、政府は即座の再発令に慎重な構えを崩さなかった。飲食店にさらなる営業時間の短縮を要請しない東京都に対するいらだちもあり、再発令の前に知事が必要な措置を取るべきだとする立場を鮮明にした。
 「国からは、直ちに行う措置として知事に次のような要請を行った」。西村康稔経済再生担当相は2日夜、小池百合子都知事らとの会談後、記者団にこう述べ、飲食店の営業時間を午後8時までに短縮することなどを求めたと明らかにした。
 政府は飲食店での大人数での会合が主な感染源とみているが、時短要請の権限は都道府県知事にある。特に新規感染者数が1日1300人を超えてもなお、午後10時までの営業が可能な都の対応を問題視してきた。しかし、小池氏は「現実は厳しい」として応じていなかった。時短は飲食店にとって死活問題で、反発を招く恐れもある。政府側からは、都が反発を恐れて政府に責任を転嫁しているようにも映る。
 観光支援事業「Go To トラベル」などをめぐり政府と温度差もあった分科会も、東京都への厳しい視線では足並みをそろえる。尾身茂会長は「感染のボリュームが多い地域(東京)は、他の地域より強い対策をするのが当然ではないか」と述べ、時短の実施を求めていた。
 政府・与党内にも再発令に言及する声はある。代わりに午後8時までの時短を促すなど、都の重い腰を上げさせる契機とする考え方で、西村氏も実際、時短を「条件」に掲げた。西村氏は午後8時以降の不要不急の外出自粛、テレワークの徹底、職場や学校での感染防止策の徹底、イベント開催要件の厳格化も求めた。
 ただ、緊急事態宣言は「伝家の宝刀」で、効果がなければ決定打を失うことになる。知事の要請後、政府高官は「知事にできることはまだある」と再発令に重ねて慎重な姿勢を示した。
(1月2日、産経新聞)

最終的には政府が限定的な緊急事態宣言を行うことになったわけだが、この件では徹頭徹尾、知事と政府による責任のなすりつけ合いに終止した。

小池都知事は、自分で十分な対策を打つことなく、ただ感染拡大を放置していたが、これは飲食店などの営業規制を行った場合、来年の都知事選に与える影響が大きいと考えられたためだった。さらには、都が営業規制を行った場合、都が休業補償をしなければならないことも、規制を回避した理由だった。
データは、都心部における夜間の飲食店がクラスタ化する可能性が大きく、むしろそれ以外の可能性は少ないことを示していた。
つまり、12月初めにも都知事が都内の飲食店の夜間営業自粛を要請していれば、今日の惨状は避けられた蓋然性が高かったのである。

政府が緊急事態宣言を行えば、規制対象を限定したとしても、その影響は全国に波及し、感染者を出していない県にまで影響を与えることになる。政府が「都道府県で対応してくれ」と言うのは、ある意味で妥当だったと考えられる。
とはいえ、政府は政府で、五輪への影響や休業補償の責任を持たされることを回避したかった思惑もあり、誰もが「ボタンは他人に押させたい」と考えていたのも確かだった。

小池都知事は政府に緊急事態宣言を要請するだけで、「責任は私にはない」と主張できたからだ。
政府が拒否すれば政府の責任になるし、政府が宣言を発令すれば、それはそれで政府の責任になるわけで、「小池氏の懐は傷まない」寸法だった。
どこまでもゲスな知事であるが、これを選んだのは都民であり、議会制民主主義の末路であると言えよう。
posted by ケン at 12:00| Comment(4) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする