2021年03月31日

隔離明けから一週間

隔離明けから一週間が過ぎた。
何せ一年以上も家を空けた上、始業からも2週間が過ぎており、同時並行で就労許可や居住許可証の更新手続きを進めなければならないので、とにかく忙しかった。

寮のマンションの部屋は時々事務方の先生に見てもらって、カビやネズミ、ゴキブリなどが発生していないか確認してもらっていたし、私が来る直前に清掃もしてもらっていたので、大きな問題はなかった。
カビもゴキブリもダニも発生していなかった。むしろ人がいなかったからとも言える。
上海の冬は湿気が多いので、そこは少し心配だった。

許可証の類は、幸いにしてうちの大学の事務方が優秀であるため、私は身一つで外国人登録所に出頭すれば概ねOKであるうえ、事務員が付き添ってくれるので、全く問題ないが、そうは言っても時間はとられる。
ーと思ったが、普段は行列をなしている外国人登録所には誰もおらず、職員も超暇そうにしており、あっという間に終わってしまった。
そりゃそうだ。大半の外国人はビザが下りず、私のほうが特殊な事例だったからだ。

やはり大変だったのは学校の方だった。
初日などは、隔離明けでホテルを出た後、寮の部屋にトランクを突っ込んで、教材だけ持ってそのままタクシーを拾って(予約)大学(郊外キャンパス)に向かい、授業しなければならなかった。
夕方まで授業した後、帰って荷物などを整理し、翌朝は6時起きで7時のシャトルバスに乗る始末。
今学期は月曜火曜に授業が集まっていて、最初が大変だった。
そもそも今期は授業数が多く、色々ついていない。
さらに三週間の隔離で体力は落ちているわ、血圧は上がっているわ、立って授業するのは1年半ぶりだわで、なかなかにしんどかった。

とはいえ、オンラインでは学生の顔もロクに見ないで、一方的に教員がしゃべることが多かっただけに、久しぶりの対面の授業は新鮮だった。
何せ今学期教える学生は全員、リアルでは初顔合わせとなるのだから、まず顔と名前を一致させていく必要がある。
(秘書だったくせに)私は顔と名前を覚えるのがあまり得意ではないので、これまた時間がかかりそうだ。
教えること自体は、むしろ好きな方なので、ようやく「日常」を取り戻しつつあるという実感もある。
キャンパスの中はかなり広いので、とにかく歩く距離も増えるので、色々少しずつ回復していくのではないか。
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2021年03月30日

本当のことを言われてキレる奴ら

【中国の「属国」発言、「全く受け入れられない」…官房長官が強い不快感】
 加藤官房長官は19日の記者会見で、中国外務省の趙立堅(ジャオリージエン)副報道局長が日本を米国の「属国」と発言したことについて、「日本政府として全く受け入れられない」と述べ、強い不快感を示した。
 趙氏は、16日に開かれた外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、日米両政府が中国を名指しして批判したことを受け、「喜んで米国の戦略的属国になった」と日本を批判した。
 日本外務省の関係者によると、中国は日米同盟について、「冷戦の産物」などと批判したことはあるが、日本を「属国」と侮蔑(ぶべつ)したことはこれまでなかったという。日本側は外交ルートでも中国側に反論した。
 外務省幹部は中国側の発言について「バイデン米政権が次々と中国への対抗策を打ち出し、日米同盟を強化していることへの焦りだろう」と指摘した。
(3月19日、読売新聞)

外国軍に常時駐留され、その経費の多くを負担し、外国軍機は自由に空を飛べるのに自国機は自由に飛べない国のことを「属国」「衛星国」と言わずして、何を言うのだろうか。
あえて言えば、北朝鮮は中国やロシアの属国ではないことは明らかだろう。

数年前、日米貿易摩擦の歴史を読み返したが、言うべきことを言ってないわけではないが、最終的なところでは安全保障で米国に依存している以上、「これ以上は逆らえない」と日本から譲歩するのが常だった。

仮に「属国」が「侮蔑」であるなら、冷戦期の東ドイツやポーランドを属国、衛星国と罵ってきたことを公式的に謝罪すべきだろう。
本ブログの「プラハの春−ソ連の対応と誤算」や「ソ連は何故ポーランドに軍事介入しなかったのか」で検証したように、冷戦期の東欧諸国は西側人の想像以上に自己主張していたのだ。
彼らの属国性が日本以上であったことを確信する材料を私は持たない。

例えば、冷戦期のポーランドにはソ連軍は常駐していなかった。また、「プラハの春」に際しても、ソ連軍はチェコスロヴァキアには駐留しておらず、ワルシャワ条約機構の軍事演習の名の下に集結し演習を行った後(実際に演習の予定があった)、一度ポーランドとハンガリーに退去して、再度軍事介入が実施された。外国軍の駐留というのは、それくらい重いものであるという理解が、現代日本人には決定的に欠けている。さらに「プラハの春」では、ルーマニアが最初から不参加を表明、東ドイツは直前になって不参加を決定、ソ連に通知している。イラクに派兵した日本と比べてほしい。
やはりソヴィエト学は大学の必修科目にするべきである。

そもそもアメリカ軍の常時駐留を熱烈に求めたのは昭和帝であり、武装化による対米自立を志向した岸信介を排除したのはかつての自民党だった。
昭和帝政は、アメリカの属国であることを統治の正統性として担保し、成立してきた歴史が戦後民主主義の根底にある。
霞が関の連中は、それを堂々と主張すれば良いだけのことだ。
そして、ソ連軍の撤退とともに東欧の共産党政権が倒れたのと同様、在日米軍の撤退は戦後帝政の終焉に直結するであろう。
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2021年03月29日

外国人の入国規制は継続

【宣言解除後も外国人の入国制限は「当分の間」継続】
 政府は緊急事態宣言が今月21日で解除された後も、外国人の新規入国を原則認めない現在の措置を「当分の間」続けると発表しました。
 変異した新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府は去年12月以降、海外からの入国制限を徐々に厳しくし、緊急事態宣言が出た今年1月以降は、原則としてすべての国からの新規の入国を認めない措置を執っています。
 これらの措置は、「緊急事態宣言が解除されるまで」とされていましたが、変異ウイルスが依然、世界で広がりを見せていることから緊急事態宣言が解除される今月21日以降も、現在の入国制限を「当分の間」続けることを決めました。日本人の帰国や在留資格を持つ外国人の再入国、また「特段の事情」がある外国人の入国はこれまで通り認めるということです。
(3月18日、TBS系)

まぁ感情的に支持する声が高いようだが、合理的には中国のように空港検査と入国後の隔離を徹底することを条件に外国人の入国を許可したほうが良い。
これが続くと、ビジネスでも留学でも日本は続々と対象から外されていってしまうからだ。
むしろ「コロナ禍でも入国できる」ことを売りにしたほうが良いくらいだ。

英国では6月にもワクチン接種が終了するということで、その後は「解禁」されるだろう。
しかし、日本では「年内中には」くらいの話であり、出入国の解禁は来年以降になる。
そうなれば、ますます国際市場から見放される恐れがあり、早めに手を打っておくのが合理的なのである。
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2021年03月27日

中国における共産党員とは?

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「リベラリストあるある」ですな。
脳内知識と妄想が爆走中。
全体主義を知らないとこうなる典型例。

例えば、中国の場合、国民十数人に一人が共産党員になっている。その大半は大学や職場で優秀と見込まれたものが一本釣りされてのもので、党員であることはむしろ高い能力を担保されている側面がある。逆に入党を勧められたのに、断った場合は、「準危険分子」として準監視対象となる。
私の大学でも級長クラス(大学なのに!)は高確率で共青団の団員を務めている。
つまり、能力で選ぼうとすると高確率で党員になってしまうということ。

共産党員は私の周囲にも何人もいるが、別に特殊な存在でも、際立ったエリートでもない。
日本の場合、政党の党員であることを隠さなければならないという特殊すぎる環境が国際的に通用しない考え方を作り上げているのではないか。

そして、党が本気でスパイを潜り込ませようとした場合、党籍を抜かせ、その痕跡を抹消した上で偽造した履歴書を用意して受験させる。
どこの諜報機関でもやっていることであり、旧軍も同じことをやっていた。CIAも同じだ。
そして、日本の外務省にそれを見抜く能力は無い。そのようなインテリジェンス機能を有していないためだ。

現地採用者の活動範囲を限定するか、そもそも採用しないかしか方法はない。実際、ロシアや中国の在日領事館には日本人スタッフは殆どいない。
やはりソ連学あるいは全体主義学は大学の推奨科目くらいにはすべきなのではないか。
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2021年03月26日

中国で初の受診

中国に来て三年目になるが(うち一年はコロナ禍で日本)、初めて病院に行った。
大学の医務室には、ものもらいができて薬をもらいにいったことが一度あったが、病院は初めて。

と言っても、さほど深刻なものではなく、血圧が高止まりしているため、降血圧剤をもらうため。
もともと平時から上が130前後だったわけだが、どうも150を超えているようで、ちょっと頭痛がしたり、少し頭がふらつくことがあった。
日本にいる間は症状はなく、中国に来てしばらくしてからなので、恐らくはホテル隔離で一日中全く動かなかったことが災いしたのだろう。
三週目は必要な外出は認められたので、歩くようにはしたのだが、ほとんど役に立たず、そもそも体力も落ちまくっており、隔離明けに中国人の先生に相談して、同行してもらうことにした。

まず学校に医務室に行ったが、降血圧剤は処方しておらず、「学生相手だから当然か」となり、仕方なく病院へ。
先に国際交流課の事務方に相談したところ、「年間500元(8000円)以上については大学が負担するが、それ以下については自費」ということだった。
ある意味、非常にわかりやすく、かつ良心的だ。

郊外キャンパスから歩いて十分ほどのところに大病院(「人民病院」!)があり、そこは都合が良かった。
新しい街なだけに、かなりデジタル化が進んでおり、最初の手続きの場所だけ歩き回ったが、始まってしまえば、外国人の私でもかんたんに手続きできた。とは言っても、色々日本とはシステムが異なるので、中国人の先生がいなかったら、話にならなかっただろう。

最初の受診登録以外は、全部機械で予約、登録し、番号札をもらって待合室で待つこと約一時間。
見た感じ、かなりのスピード受診で、ここは日本と同じで「1時間待って、3分診療」らしい。
番号が呼ばれるが、パネルにも表示されるので、ここでも間違いはない。
もっとも、実際の診療は血圧はかって、いくつか問診があっただけで、3分もかかったかどうか。
しかも、1カ月分の薬をくれるらしい。色々ありがたい。

薬はオンラインで自動的に回されるようで、診察費と薬代をAli-Payで納めると、薬局の番号札がもらえる。
薬は院内でもらえるらしい。
この辺はあっという間で、薬が出てくるのも10分も待ったかどうか。
受診後はおそらく15分くらいで薬をもらって帰途についた。
待合室で待つ以外は、あっという間だ。
降血圧剤は一ヶ月分で75元(1千円強)。安すぎて怖いが、危険な薬ではないだろう。

新しい街とはいえ、郊外の病院でこの手際の良さはちょっとしたもので、もはや日中間に違いはないか、一部では中国のほうが進んでいるような感じだ。
やはり、人々の生活に直結した部分を見ると、色々わかることも多く、勉強になった。

薬を飲んで、今は安定している。まずは軽い運動と減量から始めなければ。
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2021年03月25日

意味のない検証は止めろ!

【“接待で行政ゆがめられたか”検証 初会合】
 総務省で17日朝、民間企業からの接待により行政がゆがめられたかを検証する第三者機関の「情報通信行政検証委員会」の初会合が開かれました。
 東北新社の接待問題に端を発したこの委員会には、行政学の原田久立教大学教授、映像処理技術に詳しい宍喰善明明治大学専任教授、女性経営者の人材紹介などを行う企業「コラボラボ」の横田響子代表取締役がメンバーです。座長には、検察官出身の吉野弦太弁護士が就きました。
 武田総務相は当初、新谷正義副大臣が率い、弁護士も参加する形を検討していましたが、野党からの指摘も踏まえ、中立性・客観性を持たせようと第三者のみの組織にしました。今後、幹部職員の会食の調査とは別に、接待に近い時期の許認可や政策決定を調べ、接待が影響したかどうか検証する方針です。
 総務省幹部は「NTT関連の接待の影響も調べることになるので、結論までには、かなり時間がかかりそうだ」と話しています。
(3月17日、日本テレビ)

目的がない接待はあり得ない。
権限を有する総務省の担当幹部が接待されるのは、利益誘導が見込まれるからだ。
そうでなければ、民間企業は成り立たない。あくまでも投資の一環だからこそ、接待費=交際費が支出される。

しかし、実際の接待の場で何が話し合われたかを検証するのは、準備された内部告発がない限り不可能であり、接待と利益誘導の関連性を証明するのは至難の業である。
だからこそ、摘発されることは殆ど無く、制度的に報告義務があっても誰も行わないのだ。
例えば、1945年から47年にかけて、宮内省はGHQや東京裁判関係者を接待漬けにしたが、接待の効果によって天皇の免罪が果たされたかといえば、そうではないだろう。しかし、接待の効果が何一つなかったかといえば、そうでもないだろう。つまり、接待とはそういうものなのである。

行政官僚は公正中立を旨とする。それは、行政権の正当性を担保するものであり、公正性が歪められれば、正当性に疑問符がつく。
接待はその公正性に疑問符が付けられる行為であり、悪事の証明が難しいからこそ、接待そのものが禁止されるべきなのだ。
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2021年03月24日

「Warsaw 1920」(BG)を初プレイ

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二週間の隔離を経て、三週間ぶりにゲーム。中国では一年三ヶ月ぶりとなる。
中国ではごく一時期あるいはごく一部を除いて外出規制はなされておらず、ほぼ平常運行している。
ゲームサークルは海外に出ていた留学生などが帰ってきている関係で、一時的に人が増えているそうだが、この日の参加者は少なかった。

今回は私が日本から持ち込んだBonsai Game「Warsaw 1920」をプレイ。
なんだかんだで日本では一対一でプレイする機会が多くなく、つい先送りにしてしまったので、持ち込むことにした。

中黒靖氏(ご快復を祈念申し上げます)のデザインで、1920年の蘇波戦争をシミュレート。
実際の戦争は20年春のポーランド軍による攻勢(リトアニア、白ロシア、ウクライナ)に始まるが、本作は7〜8月の労農赤軍によるワルシャワ進撃とポーランド軍の反攻を再現している。

赤軍は騎兵を駆使して、ポーランド軍を包囲、殲滅しつつ、ワルシャワに迫らないといけないが、補給に限界があり、補給ポイントをコントロールしつつ、勝利得点の最大化を図るか、ワルシャワ占領によるサドンデスを狙う必要がある。
これに対し、ポーランド軍は遅滞戦術をもって赤軍の進攻を止めつつ、攻勢限界を見極めて反撃に移る必要がある。

1ヘクス30kmで、西はキエフから東はワルシャワまで。
ユニットは師団もしくは旅団で、全部で100ちょっと。
1ターン=1週間で全8ターン。
全ターンプレイしても1日はかからない感じだ。

赤軍は3つのフェイズを持ち、各々移動または攻撃を選択するが、2つの正面軍(方面軍)はそれぞれ補給ポイントを消費しないと、移動力と戦力が半分になってしまう。
ポーランド軍は0、1、2、3と段階的にフェイズ数が増えていく。

最初はポーランド軍はほぼ赤軍に蹂躙されてしまう形だが、赤軍の戦力も十分とは言えず、「EX」の結果がブラッディであるため、下手すると凄い勢いで両軍ともに戦力が減っていってしまう。
騎兵だけが2ヘクスの戦闘後前進が可能で、移動力も歩兵の4に対し、6あるため、赤軍は騎兵を上手に使わないと、求められる戦果を上げるのが難しい。

「これは赤軍のほうが楽しいだろう」と思って、Z氏に赤軍を譲ったものの、Z氏は騎兵を使いこなせず、平押しで3ターン目にミンスクに取り付く有様で、「これではとてもワルシャワなんて無理」と早々に投了。
Z氏は日本の基準ではベテランとは言えないが(日本基準だと20年以上???)、中国ではベテランゲーマーと言えるだけに、「あれ?」という感じ。

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代わってケン先生が赤軍を持って再戦。
第1ターン、北部で大突破して、ミンスクを落とし、ヴィルノの一歩手前まで迫り、前線の4個師団を包囲した。
日本の40年選手として、「手本」を見せた感じだが、「教育」し過ぎてしまったのか、Z氏はそこで戦意喪失し、投了してしまった。
「いやいや、ゲームはここからでしょ!」と言いたかったが、そうも言えず、検討して終わってしまった。

確かに、ルールやユニット数など見た目を見ると簡単そうに見え、実際にルール自体は簡単なのだが、プレイしてみると、攻撃側も防御側もかなりの技術と構想力が求められ、プレイの難度はそれなりに高い感じがした。
赤軍は騎兵を戦車のように使う必要があるが、戦車のように打撃力があるわけではないので、使い方が難しい。
一方、ポーランド軍は初期配置が重要で、予備戦力を置かずに前線に戦力を集めると、あっという間に終わってしまう。特に騎兵の後方配置の位置が非常に重要となるが、これが難しい。

結局最後どころか、最初の「触り」しかプレイしていないので、何とも言えないが、ソ連学徒のわたし的には決してマイナーなテーマではなく、最後までプレイしたいところである。
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする