2013年07月15日

委員会別選挙の提案

国会議員の選出方法について興味深い意見を拝聴したので、私なりに補足、整理して記しておきたい。
国会で議論が深まらないのは非専門のプロ政治家が有権者の歓心を買うために非現実的な政策を掲げて選挙に臨み、当選後も政党などの都合で各委員会に配属されていることにある。特に小選挙区制の場合、あらゆる政策がパッケージ化され、対立候補と中間層をめぐって争うことになるため、みな同じような政策になる上に、都合の悪いことには触れない主張となる。
さらに言えば、小選挙区制の場合、重要なのは二大政党の公認を得ることであり、勝敗は候補者個人の資質よりも二大政党の風向きや候補の人気・知名度に左右されるところが大きい。そのため、公認候補を選定する政党側も「勝てそう」「人気が出そう」「知名度がある」ものを優先し、政策知識や見識などは二の次にされてしまう。結果、「元気のいい、人当たりのよいニイチャン・ネエチャン」か「三バンを持つ世襲」が増えることになる。

これを回避するためには、地域の代表を選出する現在のシステムを改め、各分野の専門家を選出することを目的とする必要がある。「厚生労働」「外交」「文部科学」などの委員会ごとに専従の議員を選出するのだ。
仮に衆議院に15の委員会を設定した場合、委員会ごとに30人の定数を決め(委員会によって定数が違ってもよい)、全国一選挙区あるいは全国を東、中、西の三選挙区に分けて10人ずつ選ぶ(大選挙区制)。有権者は委員会別に15の票をもって、15人の専門議員を選ぶことになる。
選出された議員は4年間の任期の間は、予算、決算、各特別委を除いて他の委員会と兼任できないこととする。委員の差し替えも禁止、委員会と本会議への出席義務を強化する。議員には委員会と本会議の出席を義務付け、出席時間が開会時間の7割を下回った場合、自動的に失職。補欠選挙は行わずに繰り上げ当選のみとする。さらに、現職議員の場合、得票数に対して委員会出席割合が掛けられる。仮に委員会出席時間が開会総時間に対して8割だった場合、得票数に対して8割が有効票となる。

公職選挙法は廃止し、選挙活動と政治活動の別をなくす。もともと公選法は買収を抑止し、公平な選挙を実現するとの建前で制定されたが、現実的には行政府による立法府統制・議員選別を目的とした。
買収が現実的に不可能(超大選挙区)で、インターネットによる活動を前提とする以上、大政翼賛会志向の公選法は時代錯誤でしかない。「選挙期間」なる設定を廃止した場合、選挙区の大きさを考慮すれば、地元への利益誘導を目的とした「地回り」や街宣車による宣伝活動は費用対効果が低すぎることになる。
もともと明治時代に設定された「地域の名士を代表者として国会に送り込んで御上に嘆願する」システムが21世紀の今日まで使いまわされていることに、我々はもっと疑問を抱くべきだろう。

一人15票もって15人選ぶ点で、有権者の負担は過大になるが、選挙期間をなくすことで、普段から「次は誰に投票するか」を考えることになり、これこそが間接民主制における本来の主権行使の姿であろう。そもそも15人全員に投票する必要はなく、関心ある分野の候補者にだけ投票することだって可能だろう。
専門に特化した政策による主張を比較して候補者を選定することになるため、有権者にも一定の知識が求められることになり、情実選挙の弊害を減らすことにもなるだろう。
他にも課題を挙げればキリがないが、従来のアプローチとは全く異なるデザインであり、十分に検討する価値があると考える次第である。
posted by ケン at 08:13| Comment(0) | 憲法、政治思想、理念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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