2010年11月02日

ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに

警察小説で有名な今野敏氏によるガンダム小説と聞き、興味をそそられて読んでみた。
氏の警察小説そのものは、読んだことはないのだが、母が好きらしく、よく居間のテーブルにのっていたので、名前だけは知っていた。
実は大学の大先輩のようである。

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『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』(上・下) 今野敏 メディアワークス文庫(2010)

軍事法廷がストーリーのメインとなるガンダムという時点で、「パンしゃぶ」の臭いがプ〜ンと立ちこめているのだが、実際に読んでみると、全然違和感なかった。

以下、ネタばれ注意!

全体の流れとしては、『Zガンダム』の一局面とその後日談をストーリーとしている。
そのため、ガンダムとZガンダムの基本的な知識がないと、何が何だか分からないだろう。
グリプス戦役前後における、あるティターンズの士官が「犯した」とされる罪を裁く軍事法廷が舞台となる。
ティターンズを裁くことで自らの正当性を誇示する地球連邦軍の意志が働いているわけだが、その裏には、ティターンズが開発していた新兵器開発計画を闇に葬り去ろうとする意図があった。
そこで、その士官に振りかけられた容疑とは、

1. 30バンチ事件に加担。
2. 地球連邦軍の基地司令部にビームライフルを向けて脅迫。
3. コロニーレーザー争奪戦で敵前逃亡。
4. 敵前逃亡の際に新兵器を無許可で持ち出し、それを破壊。

だった。
軍が、その士官を極刑にしようとしていることは明らかだった。
形式上、被疑者には弁護人を付けられるが、担当することになった連邦軍の法務官は、元モビルスーツ乗りだったこともあり、あからさまな冤罪に反感を覚え、無罪を勝ち取るべく動き出す。
ストーリーは、容疑をめぐる事件の数々と法廷闘争の二つの時間軸を行き来しながら進んでいく。

法廷ものとして見ると、いささかご都合主義的なところと、いま一歩ひねりが欲しい面もあったが、「ティターンズ士官からの視点」は非常に興味深い。
政局が一転すれば、どんな英雄でもスケープゴートにされるのは世の常であり、二次大戦後のナチス親衛隊しかり、現代の小沢チルドレンしかり、である。
本編の『Zガンダム』が一方的にエゥーゴの視点から描かれていただけに、なかなか感慨深いものがあった。

本作も、かなりマニアックではあるが、十分お薦めできる作品と言えよう。
posted by ケン at 12:55| Comment(2) | TrackBack(0) | サブカル、音楽、アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
次は
『提督たちの大和』(ハルキ文庫)
のレビュー希望。
Posted by o-tsuka at 2010年11月03日 15:20
では読んでみましょう。
少々お待ちを。
Posted by ケン at 2010年11月04日 00:44
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