2014年10月04日

公休増やすな、有休とらせろ!

【「秋の9連休」の実現可否、有識者会議で議論】
 内閣府は、秋に9日間の連休を実現するための有識者会議をスタートさせた。企業の協力を得て、休日と有給休暇を合わせて大型連休を設定する上での課題を探る。有給休暇の取得を促して長時間労働を改めるほか、観光による経済効果も期待する。雇われている男性のうち、週50時間以上働く長時間労働者の占める割合(2011年)は、フランスの12・4%、米国の15・5%に比べて、日本は38・8%と高い。一方、労働時間当たりの生産量は、日本は他国に比べて少ない。だらだら働いて効率が悪い状況を示しているとみられる。
 このため、政府は6月にまとめた「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)で、労働者がより効率良く働けるようにするため、休み方の改革に取り組む考えを示した。休みをしっかり取ってメリハリのある仕事ができるようにする狙いだ。有識者会議では今後、先進的な企業の実例を聞くなどして、秋の連休を実現する方法を探る。10月末をメドに報告書をまとめる予定だ。
(9月29日、読売新聞)

てっきり支持率が激減した民主党政権が断末魔的にブチ上げた構想だと思っていたら、自民党政権になっても廃案されずに継続審議されていた!これまでに何度も取り上げているので、読者の皆さんは「またか」と思われるかもしれないが、許されたい。

祝日を増やしたところで、結局のところは年休の消化が減るだけの話であり、一方で観光地には客が集中し、その時期だけ宿泊費などが上がることになる。また、その期間は学校も休みになるため、授業日程が過密になってしまうか、あるいは時間が足りなくなってくるだろう。ゴールデンウィークの混雑が秋にも出現するのかと思うと憂鬱にしかならない。

国際的に見て祝日は年間7〜10日程度の国が大半であるところ、日本の16日というのは圧倒的に多い。
他方、厚生労働省の調査によれば、2011年の1年間に企業の正社員が取得した年次有給休暇は1人平均8.6日で、取得率は過去最低の48.1%となっている。ちなみに、従業員1000人以上の大企業では、取得日数は10.5日で、取得率は55.3%なのに対して、100人未満の企業は8.4日の46%にとどまっている。

日本の年休法は、勤務期間によって10〜20日を最低日数として定めており、平均で18日となっている。これに違反して休暇を与えない使用者は罰せられることになっているが、実際には年休は「労働者の権利」として扱われているため、年休の約50%が行使しないまま放棄されている現状となっている。
これ以外にも、「病気休暇」が設定されているものの、「病休を取ると昇進や昇給に影響が出る」という空気が支配的なことが多く、手続きが面倒な場合もあったりして、実際には年休を取って済ます例が多い。そのため、取得年休のうちの10〜20%(2〜4日)は病気理由によると言われている。そうすると、実質的な年休取得率はわずか30%前後に過ぎない、という話になる。

日本の公休の多さは残業の多さとも関連があると考えられる。個々人が有給休暇を取得する場合は、ある程度は職場の同僚がカバーするだろうが、公休で全職務がストップしてしまうため、平日の作業量が増え、労働効率が悪化、残業が増える構造になっている。特に、海外との取引が急増している今日では、「日本だけ決済が遅れる」というケースが多くなり、外国取引に大きな支障が出ているだけでなく、外国と取引のある企業では休日出勤が常態化する傾向が強い。つまり、公休を増やすことは、グローバル競争力を低下させるだけで、実のところ政府の方針に反する結果しか生まない。

常々述べているが、日本はとにかく祝日を半分程度にして、有休消化の義務化を実現することが、消費と労働効率のバランスを維持する上でも上策なのである。
頼むからヤクニンは余計なことをしないでくれ!!

【参考】
「山の日」に見る業界至上主義 
祝日廃止論 
posted by ケン at 12:46| Comment(2) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ほんと余計なことをと思います。
サービス業に従事する方々はその分休めるわけじゃないですからね。
Posted by TI at 2014年10月04日 14:13
公務員も同じで、祝日が増えた分、平日の残業が増えて、ローテーションにも無理が生じています。人は減らされて業務は増えているんですから無理な話ですよ。色々なところにどんどん無理が生じているのに、誰も問題にしない辺りは、15年戦争期の戦争指導と一緒ですね。
Posted by ケン at 2014年10月05日 10:22
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