2014年12月24日

解散権を改革する

車からギアがなくなり、カメラからミラーが消え、自転車からはチェーンが失われ、飛行機からは窓が取り払われる。技術革新は発想の転換から来るが、常識を疑う精神が大事。議会政治も同じであらゆる制度が合理的理由から設定されているわけではなく、むしろ一部の者の権益や「何となくの合意」で成り立っていることの方が多いように見受けられる。
例えば議員の任期というのはあまり合理的な根拠がなく、ただ定期的に民意を問う意味しか無い。任期を2年にするか4年にするか10年にするかを決めることに合理的な理由を見つけるのは容易ではない。
だが、任期があるために、任期満了直前に法案の駆け込み審査が行われたり、選挙直前にバラマキが行われたり、(日本では)政権党に有利なときに解散がなされたりする。ところが、本来的には「良い政治」が行われているのであれば、民意を問う必要は無いはずだ。逆に選挙後に公約を違える政策を実施しても、有権者にそれを咎める手立てがないため、自然、選挙公約の価値は下がり、有権者の政治不信を高めている。

そこで考えられるのは、議員の任期を撤廃し、有権者に一票ずつ「解散権」を付与するシステムだ。有権者はいつでも解散権を投じることができ、それが5割とか6割に達した瞬間に議会は自動解散、選挙になるという仕組みはどうだろうか。当然、総理の解散権は内閣不信任を受けた時を除いて否定される。
もちろん選挙が行われたらリセットされるし、一度投じた「解散権」は撤回できない。審議中の法案は自動的に廃案となり、条約の承認は先送りされる。「解散権」の投票割合がどの程度に達したかは特定秘密に指定する必要があろうが、10%上がる毎に公表しても良いかもしれない。
これにより、政権党が公約に反する、あるいは公約にない政策を行えば、「解散権」が投じられて選挙が近づくシステムになるだろう。また解散票が増えてくれば、政権党は自動的に民意に同調せざるを得ない。選挙対策のバラマキをやろうとしても、補正予算を組む前に議会が解散されるだろう。
任期が限定されると、「少なくとも任期中は大丈夫」という緩みが生じ、特に選挙直後は今回の原発再稼働や憲法改正発言のように「何でもあり」の様相を呈するが、任期を不定期にして議会の正当性の判断を有権者に委ねれば、議員は常に緊張感が求められる。

自治体議会も同様で、大した問題も無いのに4年ごとに定期的に選挙が行われるため、有権者の関心が低くなり、固有の支持層を持つ政党が実力以上の議席を有することになる。任期を不定期にしておけば、自治政治に不満を持つ者たちがこぞって「解散権の行使」を求めて運動するため、議会と有権者に緊張が走る構図になる。自治体の選挙も10年に1度とかになれば、もっと投票率が上がるだろう。個人的には「4年に一度の選挙で投票率40%」よりも「10年に1度の選挙で投票率60%」の方がデモクラシーの原理に適っていると考える。
いかがだろうか。
posted by ケン at 13:01| Comment(2) | 憲法、政治思想、理念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
国会議員にもリコール制度を導入すべきでしょう。
Posted by M at 2014年12月24日 21:17
この新解散権がリコール制度でもあるのですが、汚職議員が選挙区で圧勝して戻ってくるような民度では、どのような制度も意図する効果を発揮しないかもしれません。
Posted by ケン at 2014年12月25日 12:34
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