2015年02月10日

少子化は政策上の帰結デスから!

【<セックス離れ>若い男性、性の「絶食化」 3000人調査】
 若い男性の「セックス離れ」が進んでいることが、一般社団法人日本家族計画協会がまとめた「男女の生活と意識に関する調査」で分かった。夫婦の約半数がセックスレスという実態も判明。専門家は「男性は『草食化』どころか『絶食』傾向。若年層の労働環境の悪化など、社会背景も関係しているのではないか」と分析している。
調査は昨年9月、全国の16〜49歳の男女3000人を対象に実施し、1134人(男519人、女615人)から有効回答を得た。2002年から隔年の調査で、7回目になる。 今回、特に目を引いたのが、29歳以下の男性の性行動を巡る事情だ。性交経験率が5割を超える年齢は「29歳」で、08年の「23歳」、10、12年の「26歳」と比べて一気に高年齢化した。一方、女性は「28歳」で、過去の調査結果(24〜27歳)より高かったが、男性ほどの変化はなかった。
 また、セックスについて、「あまり、まったく関心がない」と「嫌悪している」を合わせた男性の割合が18.3%で過去最高に。特に若年層ほど関心が低く、16〜19歳で34.0%▽20〜24歳で21.1%▽25〜29歳で21.6%−−となり、45〜49歳(10.2%)も上回った。若い男性のこうした傾向は10年の調査で初めて明らかになった。以降、「無関心」または「嫌悪している」割合が年々高くなり、今回は08年に比べほぼ倍増した。「草食男子」だった10代が20代半ばになっても草食のままで、かつこうしたケースが珍しくなくなってきたのかもしれない。なお、女性の場合、08年に比べすべての年齢層でセックスへの無関心・嫌悪の傾向が広がった。
(2月5日、毎日新聞抜粋)

2010年に発表された国立社会保障・人口問題研究所の「第14回出生動向基本調査」は、16歳から24歳までの女性の45%、男性の25%が「性的な接触に関心がないか、嫌悪している」とした上で、日本人の半数以上が独身で、かつ18歳から34歳までの独身女性の49%と独身男性の61%はいかなる恋愛関係にもない、といった報告を行っており、性に関する無関心が進行していることに警鐘を鳴らしている。

政府や財界は少子化、少子化などと騒いで色々と予算をつぎ込んでいるが、そもそも性交しないのだから、解決の入口にすらたどり着けないのだ。「婚活」を支援することがいかに馬鹿げているか、いい加減理解してもらいたいところだが、あれはあれで利権なのかもしれない。
この問題はずいぶん前から取り上げているので、参考にして欲しい。

少子化対策という愚策 
少子化対策は規制緩和で 

問題の根底には、社会からエロスの観念が徹底的に排除されていることが大きい。私のような初老世代の人間からすれば、子どもの頃は周囲にエロスが溢れていたことが思い起こされる。テレビ深夜枠には「11PM」や「トゥナイト」に代表される、お色気を売りにした番組が無数にあり、子ども向けアニメですらパンチラや入浴シーンが隠されることもなく放映されていた。路上や空き地で捨てられたエロ本を発見する確率は非常に高かった気がする。

ところが、1990年代後半か2000年に入って以降、「ワイセツ」の定義が非常に厳格に採られるようになり、厳罰化が進んでいく。放送倫理コードが厳格化され、お色気番組は消え、アニメのパンチラすら少なくとも地上波放映では絶滅が危惧されるようになった(DVDを売るための二重基準という見方もあるらしいが)。成人向け漫画が摘発され、裁判所で猥褻認定がなされて有罪になったことも、この傾向を加速させた。
また、ゴミ回収が個人別になり、デジタル化の進行と共に、路上等で「放置エロ本」が「発見」されることもなくなった。遊べるような空き地が無くなって、隠せる空間が無くなったことも関係しているかもしれない。友人や親戚関係の希薄化に伴い、エロ本やエロビデオなどが「譲渡・継承」されるような関係も消失しているのだろう。

実はこうした人間関係や社会空間は、江戸期や明治期の方が緩かった。詳しくは「エロスの伝統?−森鴎外の場合−」をお読みいただきたいが、森鴎外のような良家でも現代人の想像以上にエロスが溢れていたことが分かる。

こう言うと、「今はいくらでもネットで見られるだろう」と返ってきそうだが、現実には子どものスマホやPCには厳格なフィルタリングが課されており、よほどの子どもでなければ外せないようになっている。しかも、ネットの場合、当時者が主体的に見ようとする必要があるわけで、かつてのような偶然性や遭遇性は非常に低くなっている。

さらに全国の都道府県で「青少年健全育成条例」(淫行禁止)やら「夜間外出禁止条例」などが施行されるに及んで、法律の内容がどうであれ、現実には「青少年の恋愛関係は不健全」という理念・原則が確立した。未成年者の性的関係や夜間外出を禁止すれば、社会道徳や秩序は保たれるかもしれないが、青少年の関心が他に移るのはごく自然の流れだろう。
そして、学校を出て社会人になれば、そこには朝6時に家を出て24時過ぎに帰宅、休日は家で一日グッタリという労働地獄が延々と続くことになる。
つまり、現代日本において18歳までは性に関心を持つことが社会的に禁じられ、高卒あるいは大卒で社会人になると肉体的にも生活環境的にも性に関心を持つことが難しくなる。現実には大学2年までに単位を取り、3・4年次には就活に邁進するという大学環境では、大学生もまた初老世代のような「サークルでウハウハ」などになりようがなく、やはり性的関係を持つような環境から遠ざかっているようだ。

ところが、実際に勧められている政府の施策は、青少年に対する道徳教育を強化しつつ、さらに「淫行」や「ポルノ」を取り締まる方向で進めている他、大学でも出席や成績を重視するだけでなく職業教育も強化、そして労働法制から残業規制を撤廃しようとしているのだから、これで「最近の若者は性に対する関心が薄れている」「少子化が加速している」などと言われたところで、「何バカなこと言ってんの?Sねばいいのに!」と答えるほか無いではないか。
posted by ケン at 12:28| Comment(7) | 恋愛、結婚、魔術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まあ、あとは「時間もカネも」ケータイ(スマホ)会社に取られて余裕がないというのがあるのでは。
若者のクルマ離れや趣味・熱中できるものがないというのも、同じ原因な気がします。

昔から、都市部より田舎のほうが性行動が盛ん・初婚年齢が低いという傾向がありましたが、要は田舎は他にやることがないというのが原因だったようです。
Posted by 反「個」主義 at 2015年02月10日 14:03
 このニュースはネットで広まっていますね。「今までの政府の施策の結果じゃねーかw」と若い人たちがコメントしています。2010年の東京都の青少年条例改定騒動のときに、保坂展人先生が「今の日本は18歳までは性への関心を持つなと教育し、18歳になったら恋人を作れ、子どもを作れと強要する」とおっしゃっておられましたね。

青少年行政が警察の利権になっている上に、JM党は宗教団体に牛耳られていて、出版・アニメ・ゲーム業界は意思統一が出来ない上に、目先の利益にしか興味がなく対抗できないというどうしようもない状況なので、革命でも起きない限り、今の状況を根本から変えることは無理でしょうね。仮に性に興味を持っても、出産にかかる費用がバカ高く、自治体の助成金では賄えず、さらに若者にお金がないので、子どもを作ることはほぼ不可能でしょう。ロシアのように第三子以降には補助金支給とかしないと出生率回復は無理なんじゃないでしょうか。こういう政策はJM党が猛反発するのが目に見えていますが、JM党は少子化をどうしたいんでしょうかね。(移民を安い労働力として入れればいいぐらいしか考えていないんでしょうけど)
Posted by hanamaru at 2015年02月10日 23:02
だいたい皆考えることは同じなんでしょう。
地方で初婚年齢が低くなるのは、進学と労働年齢の問題もあります。特に地方の女性は都会に出るか、結婚して地元に残るかという選択になってしまうと思われます。

たぶん今の日本では第三子以降に手当を出したところで、よほどのお金を出さないと人口増加には寄与しないと思います。お金もらったところで、そもそも交際や性交に至らないのですから入り口にもたどり着けないですよ。
政府も政党も騒いでいますけど、まともな代案を見たことがなく、本気で解決する気はないと見ています。現実問題として、有効な手は何一つ打たれていないのですから。
Posted by ケン at 2015年02月11日 18:23
データに誤りがあった模様。なお、本文中の「初交開始年齢を遅くする要因」から考えると、やはり性に限らず全般的な「道徳化」が進んだことが背景にあるかもしれません。
http://www.jfpa.or.jp/pdf/7th-report_apology.pdf
Posted by M at 2015年02月23日 21:31
教育と道徳(監視)強化は大きな要因なのでしょうが、そもそも人口減と人口密度減によって異性と出会う、異性と交流する機会そのものが減っていることも大きいと思います。その極端なのが、「出会っちゃたから仕方ない、交尾しておくか」みたいなトラの社会なのでしょう(笑)
Posted by ケン at 2015年02月24日 12:44
お初です。
あと女性が強くなりすぎ恋人を求めない、もしくは男性が働きかければセクハラや迷惑条例、痴漢冤罪のリスクも2000年代より高まったとおもわれ。その環境下で男性が恋愛できず委縮し、ゲイや異性装が心地よいという人が次第に増えて、そして恋愛に引っかからくなった女性が男性にひかれないために女性的魅力がないと感じ仮想現実に身を投じるということが多くなり互いに性自認を錯誤する機会が増えてLGBTというジャンルが生まれてきたのだろうと思うけどなあ
Posted by (=´ω`)っ魚 at 2017年02月13日 08:20
LGBTは潜在化していたものが顕在化しただけの話で、時代による濃淡はあっても昨今特別に増えているとは思えません。
「セクハラと騒がれそうだから女性に話しかけられない」男性がどれほどいるのかも、よく検討する必要があるかと。
Posted by ケン at 2017年02月13日 12:56
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: