2015年11月30日

安定した自民党二軍ぶり?

【民主党、安保論議を再開 廃止法案と同時に対案提出方針】
 民主党は24日、国会内で党安全保障総合調査会などの合同会議を開いて安全保障関連法の対応に関する作業を再開し、来年の通常国会に安保関連法の廃止法案と独自の対案を同時に提出する方針を決めた。対案路線を掲げる保守派と、共産党などとの共闘も視野に廃案を唱えるリベラル派の双方に配慮した形だ。対応の検討は岡田克也代表が指示した。会議では、自衛隊法や武力攻撃事態法など10本をまとめて改正した「平和安全法制整備法」と、他国軍の後方支援を随時可能にする新法「国際平和支援法」の廃止法案を提出することで合意した。対案もまとめることに目立った異論はなかった。調査会幹事長代理の大串博志衆院議員は記者団に「領域警備法案などで政府との対比でも論点は詰まっている」と説明した。
 岡田氏は集団的自衛権の行使容認などの「違憲」部分を廃止する法案の提出に意欲を示している。ただ、前原誠司元外相は「一度成立した法律を廃止するのは簡単なことではない」と主張。一方、リベラル派には共産党との連携も視野に「完全廃止」を求める声もあり、路線対立が顕在化することも予想される。
(産経新聞、11月24日)

民主党は次期通常国会で、安保法制の廃止法案と同時に独自の代案を提出する方向で検討に入った。だが、安保法制に賛成する右派と、全面廃止を求める左派の溝は深く、いかにも「足して2で割った」ような形になってしまっている。
私が「対案」(素案概要)を読んでの感想を述べるなら、「仮に政権の座にあったとしたら、現状の国際環境下でこの程度の妥協は仕方ないかもしれないが、それでも自衛隊の海外任務拡大は危険極まりない」というものだった。つまり、「個別的自衛権の範囲に止める」「有志連合に参加は(基本)しない、弾薬等の提供はしない」というものだが、国連PKOの任務拡大に伴うものは受け入れ、戦闘行為を除外しているものの、人道的介入への参加を示唆している。

政権党として政府側と交渉した上での法案というならば理解できるが、果たして来夏に参院選、同じく冬に衆院選を控えて、支持率が低迷している野党が出すような案であるかと言えば、「あり得ない」としか思えない。
と言うのも、「自民党のは戦争法制だからダメだけど、民主党案は戦争しない安保法制です」みたいな主張で、安倍・自民批判層の理解を得られるだろうか、という話である。世論調査を見る限り、安保法制に賛成しているのは3割程度で概ね自民支持層と一致しており、それに対して6割前後が反対しているのだから、民主党の方針はほぼ支持されないものと考えて良い。
民主党は、小沢氏の指導の下で、2007年の参院選と09年の総選挙に際し、徹底したマーケティング調査を行って、「有権者が望む政策」を分析しマニフェストに反映させることで、選挙に大勝した。しかし、2010年の参院選以降、その手法を放棄して「自分たちが主張したいこと」を勝手に「現実的」と解釈して主張し始めてからは、全く勝てなくなっている。今日では、右派からは「非現実的」と非難され、左派からは「自民党と同じ」と白眼視され、国民のどの層からも支持されなくなってしまっているにもかかわらず、本人たちだけが気づいていないという滑稽な状態にある。

ドイツSPDのシュミット氏は、左派政権ながら連邦軍の合理化を進め、冷戦下でパーシング2の配備を決めるなど、保守層からも「現実的」と称賛されたが、社民党内では「右翼」と陰口を叩かれ続けた。そのシュミット氏は、来日時に村山元総理と対談した際、村山が「これからは(日本の)社民党も政権にあった時の成果を前面に打ち出してゆくべきだ」と述べたのに対し、「野党が政権党を批判しないで何の野党か」と反論している。つまり、「政党たるもの、政権時と野党時で主張が異なるのは当然である」というのもシュミット流の「現実主義」だったのだ。

小沢流のリアリズムを捨て、シュミット流のリアル・ポリティクスも有しない民主党に未来は無い。
posted by ケン at 12:32| Comment(0) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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