2016年12月24日

己を律する権力者

T先生は自治官僚出身の大ベテランで、後輩である総務大臣の携帯に電話して「ちょっと来てくれないか」と言ってしまう方だったが、副大臣時代は省庁に行くときは公用車を使い、議員会館に戻る時は歩きだった。「省庁に行くのは公務だが、自分の事務所に戻るのは私事だから」という理由からだ。さすがに大臣になると警視庁から懇願されて常に公用車で移動するようになったが、それくらい公私の別に厳しかった。「(国会議員なんだから)これくらいは許されるだろうという甘えが、モラルハザードを引き起こす」というのは正にその通りだ。

伯父は戦時中、自分が校長を務める学校に、高松宮を迎えることになったが、教頭が張り切って全校生徒を動員して出迎えようと企画するのを耳にし、これを止めた。「宮様は皇族として視察に来るのでは無く、一軍人として折衝に来るのだろう。馬鹿なことをするな、(日本は立憲君主制なのだから)教育に悪い」ということだった。伯父は、宮殿下が応接室に入ったのを見計らって自ら挨拶に赴き、相応の礼儀を尽くしたとされる。

前ボスも己を厳しく律する人だったが、こういう政治家は100人のうち10人もいるかいないか、というのが永田町に身を置く私の実感である。
posted by ケン at 00:00| Comment(0) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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