2017年02月17日

化学総連が自民支持を決定

【化学総連は自民を支援 次期衆院選 連合離脱、民進離れ加速も】
 昨年まで民進党最大の支持団体である連合に加盟していた「全国化学労働組合総連合」(化学総連)が次期衆院選で自民党を支援する方針を決めたことが13日、分かった。化学総連幹部が同日、自民党本部で茂木敏充政調会長らと面会し、意向を伝えた。政府が進める働き方改革への要望やエネルギー政策についても意見交換を行った。
 大手化学各社の労組でつくる化学総連(昨年7月1日現在、組合員4万6348人)は昨年5月、春闘などで連合との窓口になっていた「日本化学エネルギー産業労働組合連合会(JEC連合)」との協力関係を解消し、連合を離脱した。
 「独自に政策提言したい」との理由だったが、昨夏の参院選に向け共産党との選挙協力を進めていた民進党への不満があったとみられる。産別労組全体の離脱は平成元年の連合発足以来初めてだった。
 連合では最近、「民進党離れ」が加速。神津里季生会長の出身産別である基幹労連が昨年4〜5月に組合員に支持政党を尋ねたところ、自民党が約23%で、民進党の約18%を上回った。
 今月9日には、連合の有力産別である電力総連の小林正夫参院議員が代表世話人を務める民進党の「連合組織内議員懇談会」が野田佳彦幹事長と面会。次期衆院選公約で執行部が検討している「2030年原発ゼロ」について慎重に判断するよう申し入れた。
 一方、神津氏は昨年12月に安倍晋三首相と会談し、働き方改革などで意見交換。同年11月には自民党と連合の幹部が5年ぶりに意見交換会を開き、政策協議を行う機会が急増している。
 神津氏は民進党と共産党との共闘を批判し、連合の次期衆院選基本方針でも「連合が共産党と連携することはあり得ない」と明記。今後、化学総連のような動きが加速する可能性もありそうだ。
(2月14日、産経新聞)

化学総連が連合を脱退した件は、すでに「遠心力働く連合」で扱ったが、早くも自民支持を決定した。
連合が自民党と合一的である理由について」で説明した通り、すでに正社員互助会と化した連合の利害関係は、民進党よりも自民党に近くなっており、連合が民進党を支持する理由はすでに大方失われている。にもかかわらず、連合が民進支持を保持し続けているのは、「野党第一党の最大支援組織」としてのポジションを保つことが政府、自民党に対する最大の影響力となり得るという判断に起因している。だが、もう一つは、「民進支持を止めて自民支持に転じる」だけの交渉コストを支払うだけの体力が、すでに連合に無いことに依る。

化学総連が連合から脱退したのは、もともと巨大な加盟費に比して得られる利益が少なすぎることと、もはや民進党を支持し続けることに組合員の合意が得られなくなっていることが原因になっていると考えられる。
これは化学総連に限った話ではなく、連合傘下の組合の大半に共通する問題で、基幹労連のような右派組合はおろか、いまや自治労やJPでも組合員の2割以上が自民党に投票していると言われ、旧総評や同盟といった枠組みとは無縁であることが分かる(基幹労連も総評だが)。むしろ旧同盟系の方が組合内の内部統制が強固であるため、民進党への投票が多いという話も聞くくらいだ。

「野党第一党の最大支援組織」であり続けたい連合と、選挙に勝つためにはNK党との連携が不可欠になるまで力を失っている民進党の利害は、今後ますます一致点が少なくなってゆくものと見られる。同時に、連合内で「民進支持」の合意が保持されなくなるのは時間の問題であり、「自民支持」に舵を切るか、分裂するかの選択肢を迫られる日が近づいている。
posted by ケン at 13:06| Comment(2) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先日は返事ありがとうございました。
しかし、この事態やはり残念ですね。。溜め息が。。
感想を二つほど。
一つは企業別組合の行き着く先ですね。あとは電力がどう出るかで、それで決まり(終わり?)だと思います。連合分裂?良いじゃないですか?新しい再編は物事を鮮明にしますよ。本当の意味での55年体制の崩壊です。まぁ憲法は改悪されるでしょうが。。
二つ目、企業利益の追求にひた走るのは、ある意味革命か物取りかの右往左往路線の裏返しで、やはり、現場労働者や、他の労働者の声や意見をしっかり聞いていないことが反映されているような気がします。
現場労働者や他の労働者、まぁ庶民の実感を大切にしないという意味では、左派と称する労働組合も同じような傾向があると思うので、我が身に振り返り反省が必要かと。
しかし、どんどん格差が拡大していくことの表れのような気がします。労働組合法改悪されなきゃ良いな。
情報紹介ありがとうございました。失礼します。
Posted by 高橋良平 at 2017年02月17日 13:32
労働組合というとどうしても最大組織の連合ばかりが注目を浴びるわけですが、それは大企業で組織化しやすいからというだけで、労働者性の表れでも、必要に迫られてでも無いんです。結果的に、大企業で既に一定の恵まれた環境にある正規社員ばかりが組織化されているだけのことで、それが6千万人からの被雇用者のうちの600万人というわけです。

圧倒的多数の中小企業職員や現在の非正規職員は完全に労働運動の埒外に置かれているわけで、それは日本の労働運動のあり方の問題であって、そこまで連合の責任にするのは難しいでしょう。

すでに満たされた環境にある連合の組合員が現状維持を望むのは当然でして、だからこそ電力総連や電機連合が組合を挙げて原発を推進しているわけです。

大多数の労働者を組織できない結果、労働者に依拠する社会主義政党も現れず、教義上は労働者を啓蒙する前衛政党としての共産党だけが残っていますが、労働者を組織化できていない現状は、彼らの教義が機能していないことを指しています。つまり、「上から」も「下から」も機能しないが故に、「権力者と資本家に懇願する」ほか選択肢が無いという状況になっていると考えられます。
Posted by ケン at 2017年02月18日 13:01
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