2017年02月23日

10年で倍になる貯金は夢か幻か

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若人たちがツイッターで、「信じられない」「あり得ない」「夢のようだ」「どこの銀行?」「さすがドラえもん」などと呆然としていたけど、ありますよ(微笑)

ルーブル建てロシア国債が年利7.94%、複利だから10年で2.14倍になりますよ(ドーン)

(本ブログの読者には少ないと思うが)若者向けに補足しておくと、これはドラえもんの未来の道具の話では無く、本当にあった話。

ちなみにこの頃、つまり『ドラえもん』の連載が始まった1970年代初頭に医療技官となった母の初任給が4万5千円、当直手当は500円だった。その9年後には、給与25万円、当直代1万円になったとのこと。つまり、1970年代というのは給料が10年で5倍になり、貯金すれば10年で2倍になる時代だった。まさに「夢の時代」だったのだ。

具体的に見てみよう。郵便貯金の定額貯金3年以上の金利(利子)は、1973年で8%、1978年で4.75%、1990年で6.33%だった。通常貯金(市銀の普通預金に相当)ですら、1973年で4.32%、1978年で2.4%、1990年で3.48%だった。それが今や、定額貯金で0.01%、通常貯金で0.001%である。
実際に計算すると、金利8%の10年複利で計算すると、1万円が21500円になる。4.75%でも15900円だ。現代の0.01%だと、10年預けても10010円である。物価との兼ね合いは別にしても、団塊世代が一生懸命貯蓄に励んだ一方、現代人が貯金するインセンティブを欠くのは当然だろう。

さらに続けると、ケン先生が学部生だった頃(四半世紀前)に比して、現在の大学の学費は170%、給与水準は90%になっており、金利の急低下と相まって、中産階級の子弟が大学に行くためには、自ら借金するほかない構造になっている。
団塊世代は、「教育保険」などで積み立てれば、学費と金利のミックスで、何とか学費くらいは貯金でまかなえたわけだが、今の世代は子どもの学費を積み立てたところで、全く金利がつかない上に、学費は高騰、給与は下がり、雇用は不安定化するという感じで、学費分を用意するのも厳しくなっている。現実に大学生の約半分が、学生ローンを借りていることがこれを裏付けている。

そう考えると、いまどき子どもをつくっている連中には例外なく「財務計画を提示しろ!」と言いたくなる。
そして、低金利時代というのは、それ自体が「夢の無い時代」なのだと言えよう。

【追記】
金利が下がるのは、自由市場が機能していると仮定した場合、資金需要が低下しているためと考えるべきだろう。資金需要が低下しているのは、市場の需要に対し生産力が過剰になっているからだ。これがデフレの原因であるわけだが、デフレ下では利潤効率が下がるため、企業は労働力を搾取することで利潤を守ろうとする。西欧諸国の場合、労働運動が存在するため、容易に搾取できない構造になっているが、日本では労働運動が貧弱であるため搾取が容易になっている。結果、雇用形態の転換(非正規への移行)と長時間労働(労働単価の切り下げ)が横行し、労働価値が急低下、個人消費が低迷し、企業利潤がさらに低下、さらなる労働搾取へと繋がっている。社会主義者としては心苦しいが、「夢の無い時代」は「マルキシズムが機能しない」ことにも一因があると考えられる。
posted by ケン at 00:00| Comment(0) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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