2017年03月20日

バーバリアンズ・ライジング〜ローマ帝国に反逆した戦士たち〜

半年ほど前にスカパー・ヒストリーチャンネルで放映していたが、録画したまま放置していたので、見てみることにした。CM無しの60分が全8話なので、結構な分量だが、見始めると止まらなくなり、2、3話ずつ視聴した。
1000年以上にわたり恐れられ、征服不可能と思われてきたローマ帝国。当時の人民たちには、自らをローマ帝国の支配に委ねるか、抗い続けるしか生きる術がなかった…。
この番組は、そんなローマ帝国に屈することなく抵抗した勇敢な者による叙事詩である。戦争、陰謀、謎、裏切り、復讐によって支えられた血まみれの権力闘争。それをハンニバル、スパルタカス、アルミニウス、ブーディカ、アラリック、アッティラという史上最も象徴的な戦士たちの視点を通して語ってゆく。700年間の歴史を通し、世界を変えるために灯された革命と自由のためのたいまつを民族から民族、国から国へと灯していく。
歴史における自由の戦士として、建国の立役者として、一般の民の代表として近代の世を創り上げた戦士たちを、ここで再び発見していく。
ヒストリーチャンネルHP
 



制作は基本アメリカだが、撮影はブルガリアで行われ、再現ドラマが映画レベルのエンターテイメント性の高いドキュメンタリーに仕上がっている。ドラマ部分も日本の大河ドラマと違ってリアル路線なので、古代の残虐性もしっかり再現されており、CGも上手く駆使して、映画レベルの規模や戦闘シーンを実現している。
この時代の歴史(古代ローマ)は、殆どの場合がローマ側の視点で描かれ、いわゆる「蛮族」は「ローマ文明と市民を脅かす敵対的な異民族」となるわけだが、本作は視点を逆転させて「蛮族」側に合わせ、「ローマの侵略、圧政、差別に対して立ち上がる異民族」を描いている。
「蛮族王」に「オレ達が欲しいのは自由なんだ!」と言わせてしまう辺りは、どこまでもアメリカンなのだが、そこにさえ目をつむれば、気づかぬうちに「蛮族」に感情移入している自分に気づくだろう。



全8話に登場する「蛮族王」のラインナップは、ハンニバル、ウィリアトゥス(ルシタニア、現スペイン)、スパルタカス、アルミニウス(ゲルマン)、ブーディカ(ケルト族、ブリタンニア)、フリティゲルン(ゴート族)、アラリック(ゴート族)、ガイセリック(ヴァンダル族)、アッティラ(フン族)。自分も初見の人物が多く、斬新な視点と映像を含めて、非常に興味深かった。



肝心のドキュメンタリー部分は評価が分かれるかもしれない。コメントする歴史家は少数で、他に退役軍人が軍事的視点から、政治家や市民運動家が政治的あるいは運動論の視点から現代にも共通する様々な課題を述べるわけだが、必ずしもその時代の歴史や登場人物のこととは限らないので、「もっと本人(王)のことを話せよ」という感想が持たれてもおかしくない。ただ、それとなくローマを現代のアメリカに、「蛮族」を現代の中東やアフリカの諸民族に見立てているようなところがあり、この点も非常に興味深い。
posted by ケン at 11:00| Comment(0) | サブカル、音楽、アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: