2017年03月30日

アクセルと同時にブレーキ

【<カジノ法>議員立法で依存症対策…自民が提出方針】
 自民党はカジノ解禁に向けた「統合型リゾート(IR)整備推進法」(カジノ法)に関連し、ギャンブル依存症対策を強化する法案を議員立法で策定する方針を固めた。公明党などに呼びかけ、今国会中の提出を目指す。自民党の細田博之総務会長は17日の記者会見で「依存症問題は各党で検討している。できれば法令化して効果のある対策をとる」と述べ、議員立法が望ましいとの認識を示した。
 依存症を巡っては、衆参両院がカジノ法の採決時に「対策強化」を求める付帯決議をした。自民党はすでに法制化の検討に着手。パチンコなど既存の遊技を含めた依存症患者に対応する相談窓口の充実、国や地方自治体の責務を盛り込む。また、政府は17日の閣議で「IR推進本部」(本部長・安倍晋三首相)を24日に設置すると決めた。全閣僚が入り、カジノに必要な規制や対策などを協議。「実施法案」の国会提出を目指す。
(3月17日、毎日新聞)

カジノ解禁と同時に「依存症対策」とか、どこまでも国民を収奪の対象としか考えない連中だな。現状でも競馬を始めとする公営賭博とパチンコのせいで、公式調査で550万人もギャンブル依存症患者がいて、その数は先進国の中で圧倒的に多い。にもかかわらず、「景気対策」としてカジノ(公営名目実質民営賭博)を解禁し、全国に設置しようというのだから、もはや「国民の生命と財産を保護する」という国家の生存理由そのものを否定する所行だろう。依存症患者の大半は50代以上と言われるが、これは高齢者の老後資金や子どもの教育費を収奪していることを意味する。結果として、生活保護を増やし、子どもの貧困を深刻にしているのだから、まさに「売国的」としか言いようが無い。

これと全く同じことは、「働かせかた改革」にも言える。政府が準備している労働基準法改正案の狙いは、「年収1075万円以上の専門職」にはホワイトカラーエグゼンプションで労働時間規制を外しつつ、「年収1075万円未満の一般職」については裁量労働を広範に導入するところにある。法案が成立すれば、年収に関係なく数十パーセントの労働者に対して裁量労働が適用可能になると言われる。要は、現行法では裁量労働の適用が難しいので、労使合意や様々な手続きが適用を難しくしているという使用者側の主張を受け入れて、手続き面を非常に簡素化するという話なのだ。
また、他方で「年間720時間、月上限100時間未満」の残業規制が労使間合意されたが、「過労死ライン」を超える上限が容認されると同時に、労基署業務の民間委託が検討されており、残業時間規制を担保する術は無いも同然になっている。そもそも裁量労働制の拡大により、「残業」という概念すら消失すると考えられるだけに、この残業時間規制自体が殆ど意味を持たない。

カジノ解禁は、高齢者の貧困を加速、医療費や生活保護費が国家財政をさらに悪化させるだろう。労働規制の緩和は、今以上に労働生産性を低下させ、実質賃金も低下させる。過酷な労働環境が健康を破壊し、医療費や保険費を高騰させ、それが子どもの貧困を併発する。
すでに日本は死んでいる。
posted by ケン at 12:07| Comment(0) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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