2017年04月24日

民進党がダメなワケ

【民進・結党以来最低 支持率6・6% 共産にも奪われ 産経・FNN世論調査】
 民進党の支持率低落に歯止めがかからない。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が15、16両日に実施した合同世論調査で、民進党の支持率は6・6%と昨年3月の結党以来、最低を更新。国会で学校法人「森友学園」(大阪市)問題などを追及しても支持には結びつかず、足元では身内が離反する始末で、蓮舫執行部は八方塞がりの状況だ。
 「先週、残念なことが続いたことが、そういう結果になっているのだろうと思う。国民に申し訳ない」
 野田佳彦幹事長は17日の記者会見で低支持率の原因について、長島昭久元防衛副大臣の離党届提出や細野豪志元環境相の代表代行辞任が重なったことを挙げた。「極めて苦しい時期だが、改めて国会対策や選挙対策にしっかりと心して臨んでいきたい」とも語ったが、党勢回復の妙案は見えてこない。
 支持率低迷の最大要因は、旧民主党政権を支えた無党派層の支持が戻らず、一部は共産党にも流れていることだ。今回の調査で「安倍晋三内閣を支持しない」と答えた人に支持する政党を問うと、民進党と共産党が14・5%で並んだ。さらに「支持政党なし」は53%にも上った。
 安倍内閣の支持率59・3%も踏まえると、民進党は政権に反発する数少ない人の支持さえつかんでいない実態が浮かび上がる。
 昨年9月に就任した蓮舫代表には、次期衆院選に向けた「選挙の顔」として無党派層の取り込みが期待された。蓮舫氏は「提案型」の党運営を掲げ、一時は次期衆院選公約に「2030年原発ゼロ」を打ち出せないか模索もした。
 しかし、2030年原発ゼロは党最大の支持団体、連合の反発で表明を断念。前執行部から引き継いだ共産党との共闘路線も「政権担当能力への不安を増幅させ、無党派層への遠心力となった」(党閣僚経験者)面が大きく、支持率は10%前後の低空飛行が続く。
 7月2日投開票の東京都議選をめぐっては、18人いた民進党都議のうち5人が離党届を提出し、さらに1人が提出の意思を固めた。小池百合子都知事が事実上率いる地域政党「都民ファーストの会」に流れる「離党ドミノ」も止まらない。
 党内では、代表のリコールを検討する勢力もあるが、「党の再生を図るより分裂した方が手っ取り早い」(保守系議員)との声すら上がっている。
(4月17日、産経新聞)

サンケイなので悪意剥き出しの記述になっているが、急所は外していない。
民進党の支持率が上がらないのは単純に野党第一党、あるいは政権党の対立軸として認められていないことに起因する。何度も述べていることだが、繰り返したい。

現在のところ民進党の国会議員は大きく三派に分けられる。これは実際に所属する派閥や勉強会とは別に、基本的な政治スタンスで考える。つまり、保守派、中間派、労組派である。
保守派は今回離党した長島氏に象徴されるように、「集団的自衛権」「共謀罪」「原子力発電」「親米外交」「TPP」などの点で自民党と何ら変わらないスタンスを持ちながら、自民党の公認が得られずに民主党から立候補、当選した者たちを指す。多少の温度差はあるものの、党代表の蓮舫氏、党幹事長の野田氏を筆頭に、前原氏や官僚出身者たちの多くもこれに属する。そもそも論でいえば、代表と幹事長を筆頭に保守派が執行部を握っている段階で、自民党との対立軸など打ち出せるはずもない。集団的自衛権にしても、共謀罪にしても、原発再稼働にしても、野田内閣が推進してきた政策であるだけに、反対すれば反対するだけ説得力を失う構造になっている。本来であれば、長島氏が離党するのではなく、野田氏と前原氏が率先して離党して保守新党をつくり、自民党と連携していれば、政界の構図はかなり明快になったはずであり、保守派を除いたメンバーで新たな対立軸をつくることも可能だった。

だが、現実はもっと厳しい。仮に保守派が抜けた場合、党の主導権は連合系が握ることになるが、連合は連合でその政策は現在の民進党よりも自民党に近いからだ。例えば、「集団的自衛権(ゼンセン)」「原発再稼働(電力、電機)」「TPP(自動車)」「リニア新幹線(JR)」などが象徴的だが、実は肝心な労働問題では連合は「同一労働同一賃金」「残業規制」「扶養控除廃止」に反対で、むしろ自民党よりも保守的なスタンスをとっている。それだけに、仮に労組派が主導権を握ったところで、政府・自民党に批判的な大衆の支持を得るような政策を打ち出せる可能性は非常に低い。ちなみにある産別で政党支持のアンケートをとったところ、自民党が3割に対し民進党は2割だったという。

連合はなぜ自民党を支持しないのか 
連合が自民党と合一的である理由について 

中間派は、その場その場のパワーバランスを見て強い方につくだけで、自らの当選、再選しか考えていない連中なので、ここでは考慮する必要は無い。

また政策的には、自民党安倍・麻生の右翼新自由主義路線(緊縮財政、供給者優遇)への対立軸として最も有効だったであろう左翼ポピュリズム路線(積極財政、消費者優遇)を打ち出したのが小沢・鳩山両氏だったわけだが、財務省の影響下に置かれた菅・野田両氏によって全面否定された挙げ句、党を挙げて追放してしまった。その結果、民進党は同じ路線を打ち出せず、かといって代替案も無いまま、ただ「自民党に反対するだけ」になってしまっている。菅や野田氏らを排除しない限り、路線転換もできない状態にある。

まぁ結論としては、サンケイに書かれるまでもなく詰んでいるんだけど。
posted by ケン at 12:06| Comment(4) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ヨーロッパでは中道右派・中道左派の既成政党が共に没落し、極右と急進左派が台頭。中道右派はある程度持ちこたえている一方で、中道左派は極右や急進左派に支持を奪われ、急速に没落しているという構図になっており、日本も同じような構図だと思います。
中道左派陣営は民進党を見限って、左派新党の結成を視野にいれないといけないのではないでしょうか。ただ、日本でいうと、急進左派というと、SルズとかSばき隊が思い浮かびますが、こういった勢力はとかく周囲に喧嘩を売る傾向があるので(民進党・共産党・社民党支持が多かった、表現規制反対派やオタク層をネトウヨ、山田太郎氏を権力の手先扱いするキャンペーンを2016年参院選のときにSばき隊がおこなったため、オタク層や表現規制反対派はことごとく山田陣営にはしった)、リベラル保守の抱き込みも視野に入れた、穏健リベラル・左派の団結をはかるべきだと思います。
Posted by hanamaru at 2017年04月26日 11:59
欧州の中道左派は、政権入りしてエリート化してしまったことが没落の大きな原因になっています。オランドもマクロンも超エリートですから。
日本の中道左派は、総評と同盟に依拠していましたが、非正規労働者が40%に至り、連合加盟員が全労働者の10%強しかいない今、支える基盤が無いのです。

その意味で、労働組合に依拠せず、なお「9割の労働者」に訴えかける党派が必要であり、その政策は小沢=鳩山路線に近い左翼ポピュリズムであるべきだと考えます。これ自体は、民進党が連合と手を切れば実現できますが、一時的に選挙の担い手がいなくなるため、やはりボトムアップ型の党組織を再考すべき時に来ていると考えています。

SルズとかSばき隊はノーサンキューですが、穏健リベラルって、そんなに需要あるんですかね?
Posted by ケン at 2017年04月26日 13:12
世間的にどうかはわかりませんが、首を長くして待ってます。右左を問わず政党の危機は深刻ですね。政党のメッセージが投票者に届いていないかんじ(何がしたいのか分からない)、投票者の声が政党に届いていないかんじ(こちらを向いてもらっていない)、が解消されると良いですね。

個人的にはその選択肢はナシですけど、中道左派は今のところ自民党内左派(存在するんですかね)とか公明党とかに期待するしかないと考えているのではないかと推察します。
Posted by hakoniwa at 2017年04月27日 12:03
評価は色々あると思うのですが、少なくとも小沢氏はマーケティング調査の手法をもって「有権者が望むもの」を調べ尽くして政策化し、民主党の大躍進に繋げています。まぁ現実に掲げた政策は、あまりにもポピュリズム的で実現可能性に欠けたものになってしまいましたが。

結局のところ民意をすくう方法は、ボトムアップ式の政党をつくるか、小沢氏のようにマーケティングの手法を用いるかのどちらかしか無いのですが、自民党は意外とその両方を上手く使い分けてやっているところもあり、侮れません。
Posted by ケン at 2017年04月27日 12:45
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