2017年11月21日

目上の暴力こそ日本の伝統では?

【菅義偉官房長官「力士は土俵外でも伝統の重みを受け止め行動を」と苦言 「迅速な事実解明が大事」】
 菅義偉官房長官は15日午前の記者会見で、大相撲の横綱日馬富士による暴行問題に関連し「力士は土俵の外においても、長い伝統の重みをしっかり受け止めながら、稽古に精進し、心技体を極め、行動することを多くの国民が求めている」と苦言を呈した。
 菅氏は「詳細は承知していないので政府の立場としてコメントは控えたい」としたものの、「大相撲はわが国の国技であり、国民の関心も極めて高いスポーツだ」と述べた。
 その上で「まずは相撲協会で、しっかり調査を行うという報告を受けている。迅速に事実関係を解明することが大事だ。その結果を踏まえて、文部科学省において適切に対応していく」と述べた。
(11月15日、産経新聞)

これも色々突っ込みどころ満載。
中小企業の社長や大会社の部長が、嫌がる部下を飲みに連れて行って、酔っ払って部下に対して説教を始め、「態度が悪い」などと難癖をつけてぶん殴るなどというケースは、日本企業では「伝統」の部類に入るだろう。日馬富士は、むしろ「日本型組織の伝統」に忠実だったとみるべきで、少なくともエリート層から非難されるいわれは無い。
自分の経験でも、中学校だかの部活動で、くだらないことで先輩から延々と説教された挙げ句、「態度が悪い」と小突かれた覚えがある。日本社会では、軍隊でも学校(部活動)でもごくありふれた日常風景であり、日馬富士の問題は程度の話に過ぎない。もちろん、そうした文化・伝統が野蛮で非人道的なものであるというのは別の話だ。

さらに言えば、これも個人的な体験に由来するが、モンゴル人の飲み会というのは相当に野蛮なものであるケースが多く、例えば私が学んだ大学の留学生寮では、たびたびモンゴルからの留学生がどんちゃん騒ぎをして、設備を破壊するなどの問題を起こしていた。ロシアの大学でも同様の話を聞いたことがある。

こうした「文化」はかつての日本でも見られた。例えば、明治初頭に薩摩人が大量に上京してきた際には、「薩摩人が宴会やるたびに料理屋が一軒潰れる」などと言わるほど薩摩人の酒乱ぶりは有名で、彼らは飲むと必ず大暴れして、大乱闘になった。また、宴がたけなわになると、天井から銃をつるして、クルクル回す「ロシアンルーレット」も本当にあったらしい。
それは、明治政府の大官となったようなものでも同様で、重要な案件で会議が煮詰まると、殴り合いの喧嘩で決めるといったようなことすらあったらしい(当然、薩摩人同士の時に限るが)。
鉄道敷設をめぐって、逓信大臣の黒田清隆と参謀次長の川上操六が対立した折も、双方主張を譲らず、最後には黒田が、「陸軍さえよければ、鉄道で国が滅びてもいいのか!」とテーブルを叩きながら怒号した挙げ句、「まだ文句を言うなら、表に出ろ!」と掴みかからんが勢いになったため、周囲のものが必死に止めたという。
この黒田は、首相すらも務めたが、凄まじい酒乱で、酔うと刀を抜いて、所構わず斬り、自分の妻すらも斬り殺してしまったという伝説が残っている。

初期の海軍兵学寮は、薩摩出身者が多かった。
日露戦争時の海軍大臣だった山本権兵衛などは、典型的な「薩摩っぽ」で、
「山本権兵衛首謀となりて、しばしば教官排斥の運動を起こし、教官室に乱入し、あるいは教官と乱闘し、あるいはテーブル、イスなどを破壊し、流血の暴挙を演ずるに至れり」
『伯爵山本権兵衛伝』

と書かれるような始末だった。明治7年(1874年)のことである。
それ以前に明治5年には、
「爾今海軍兵学寮園内にて立小便するを禁ずる」
なる布告が出されていた。当時、休憩時間や放課後になると、生徒たちがどっと出てきて、兵学寮の庭先でズボンをずりおろし、我先と立小便をするような有様だった。
日本人士官が生徒を追い立て、英国人教官が、生徒を便器の前に立たせて、ズボンのボタンをはずさせて、用を足させるよう指導することから、日本の海軍教育は始まった。

話を戻そう。モンゴル人社会では、「偉い人は何をしても許される」「目上には絶対服従」などの文化が色濃く残っているらしく、今回の事件は過剰な形で発覚しただけのことだった。そして、それは日本社会にも共通するものであることを、我々は重々承知しておく必要がある。

なお、角界の蛮性については、ちばてつや先生の名作『のたり松太郎』を参照されたい(最初の10巻程度で十分)。

【追記】
で、こうなるわけです。
【貴ノ岩も殴っていた!夏巡業中、同じモンゴル人力士を…日馬富士激怒の一因か】
大相撲の横綱・日馬富士=伊勢ケ浜=に暴行を受けた前頭8枚目・貴ノ岩=貴乃花=が、今年の夏巡業中に同じモンゴル人力士を殴打していたことが18日までに分かった。
(11/19、スポーツ報知より抜粋)
posted by ケン at 13:02| Comment(3) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
管長官、暴走してますよね。

>菅氏は「詳細は承知していないので政府の立場としてコメントは控えたい」としたものの、「大相撲はわが国の国技であり、国民の関心も極めて高いスポーツだ」と述べた。

『国技』ですって?
記者会見で誰も突っ込まなかったのかなぁ。
東京新聞は排除されていたのかなぁ・・・
「ポスト真実」ですねぇ。

官房長官、これは事実?
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017112002000120.html

Posted by TI at 2017年11月22日 00:32
国鳥とかと勘違いされているのでしょうw

今どきの新聞記者の役割は政府発表を右から左に流すだけの簡単なおしごとですからw
Posted by ケン at 2017年11月22日 12:53
国技と官房長官が言ったというのはただならぬ事態だと思うのですが。
ポスト真実ですね、あの人は本当に。
Posted by TI at 2017年11月22日 15:38
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