2017年12月08日

老朽化で陥没、崩落が相次ぐ?

【笹子トンネル事故5年 トンネルや橋の補修進まず】
 5年前の笹子トンネルの事故を受けて、国が橋やトンネルの定期点検を自治体に義務づけた結果、点検は進んだものの、安全確保に必要な補修は十分に進んでいないことがわかりました。義務化によって点検する箇所が増えた結果、補修の予算の確保が難しくなっていることが背景にあると見られ、専門家は「予算の確保に努める一方、統廃合も検討すべきだ」と指摘しています。
笹子トンネルの事故を受けて、国土交通省は、3年前、道路を管理する自治体などに、橋やトンネルを5年ごとに点検するよう義務づけました。
国土交通省によりますと、この義務化を受けて、ことし3月末までに点検が行われたのは、橋がおよそ40万、トンネルが5000余りといずれも対象のおよそ半数に達し、ほぼ計画どおりに進んでいるということです。
 この結果、去年3月末までに、およそ2万4000の橋とおよそ1400のトンネルが「早期の補修が必要」と判定されましたが、このうち実際に補修工事に着手できたのは、橋は3085と13%、トンネルは409と28%にとどまり、安全確保に必要な補修は十分に進んでいないことがわかりました。
 これについて、NHKが、補修が必要と判定された橋やトンネルを抱える自治体に取材したところ、その多くから予算の確保が難しいといった声が出ていて、中には義務化によって点検する箇所が増えた結果、補修に予算を回しにくいと答えた自治体もありました。
(12月2日、NHKより抜粋)

すでに何度も取り上げている話だが、既存インフラの老朽化が加速度的に進んでいる現状があるにもかかわらず、毎年年末になると、永田町の国会事務所には自治体のヤクニンや自治体議員が大挙してやってきて、新規インフラの予算要望を手渡してゆく。それは、大げさではなく、積み上げれば軽く天井まで届くほどだ。逆に「補修予算が足りないから地方交付金を増やしてくれ」などという陳情は受けたことが無い。自治体とか自治体議員とか「マジいらね」と言いたくなる。

こういう中で、東京五輪が開催されるわけだが、ソ連学徒としてはモスクワ五輪とかぶる。
ソ連が1986年に開始したペレストロイカは、軍需部門の供給が過大で、民生部門や食糧の供給や流通が極めて脆弱だったのに対し、家庭等には貨幣が溢れかえっていた不均衡を改革することが目的とされた。軍需を制限し、民営化や規制緩和を進めることで、民生部門の供給を増やして流通を改善、滞留した貨幣を回収して民生部門の投資に回すことで経済成長を目指した。にもかかわらず、ゴルバチョフは「ウスカレーニエ(改革加速)」と称して西側から得た借款を生産財につぎ込んで全てムダにしてしまった。

日本の場合、賃金が低く、民間需要が低迷しているところに、アベノミクスで供給を拡充して、需要を抑え、デフレを加速させるという愚にもつかない政策を続けている。東京五輪が巨大建造物を新築する一方で、運営は全て無償ボランティアというのは象徴的だ。五輪のチケットは7千円からというが、一体誰が買えるのだろうか。

こうしたことは、マルクス経済学を学んだもだからこそ説明できるわけだが、1990年代にソ連崩壊を経てマルクス経済学者がアカデミズムから放逐されたため、「労働者は安価で長時間働かせるのが吉」という認識が「常識」になってしまっている。
posted by ケン at 12:17| Comment(2) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
民主党政権が誕生する直前、NHKで橋の崩落に関して特集番組が放送され、新規作成に予算がつきやすいが、修繕には予算がつきにくい点が指摘されていました。民主党政権に予算配分の見直しを期待しましたが、特段の改革は行われませんでした。残念です。土建業の知人に聞くと、建設は参入しやすいが、修繕は特別の技術が必要で、参入できる企業が限られるという問題もあるようです。
Posted by hanamaru at 2017年12月08日 12:57
結局民主党、特に鳩山政権ではゼネコン重視の小沢派が主導権を握ったため、自民党と同様の予算配分になってしまったんですよね。

確かに新設と修繕は別というのはあるかもしれません。が、補修の容量を超えるインフラ新造を行うのは行政の怠慢でしょう。
Posted by ケン at 2017年12月11日 15:34
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