2018年01月09日

女性議員が少ないワケ

【野田聖子氏「政治分野が一番、出遅れている」 「女性議員増」への協力を要請】
 野田聖子女性活躍担当相は18日、自民、公明両党の幹部と個別に会談し、国会や地方議会で女性議員を増やすため、各選挙で女性候補者を積極的に擁立するよう要請した。
 野田氏は一連の会談で「政治分野が一番、女性の活躍で出遅れている」と指摘。スイスの「世界経済フォーラム」が11月に発表した2017年版「男女格差報告」で、日本は前年より順位を3つ下げ、144カ国中114位となったことなどを踏まえ、女性議員が活躍しやすい環境づくりを進めるよう求めた。
 自民党の萩生田光一幹事長代行との会談後には、記者団に「政治は男性の仕事という固定観念があり、女性がする仕事というイメージがないところに(女性)候補者が立てられない理由がある」と憤ってみせた。
(12月19日、産経新聞)

「親の七光り」と自民党地盤の強い岐阜で苦労せずに当選し続けてきた野田氏ならではの発言だろう。
日本で女性議員が少ないのは、「擁立者が少ないから」ではなく、そもそも希望者が少なく、なり手の基盤が脆弱すぎることに原因がある。そして、その根幹には働き方の問題がある。

国会議員の働き方一つ考えても、日本の議員のあり様は尋常ではない。
例えば開会中であれば、朝7時に駅頭に立ち、その足で上京、議会に出席し、党の会議に出た後、夕方の新幹線で地元に帰って支援者の酒席をハシゴ、深夜に帰宅するという一日は非常に典型的だ。また、土日もありとあらゆる地元行事やイベントを朝から晩までハシゴするため、休日などは存在しない。
日本の国会の場合、議会の日程も議院運営委員会などの与野党協議で決定されるため、前日とは言わないまでも二日前や三日前に質問を割り振られることなどザラにある。結果、夜半まで官僚からレクを受けたり、質問答弁の調整を行ったりすることになる。
つまり、およそ常人には務まらない激務であり、肉体的条件において男性に劣る上、子育てや家事などの負担も大きい女性は、候補者選定の段階で相当に不利な状況にある。

これが欧州の場合、かなり異なる。選挙は基本的に比例代表選挙で政党単位かつ国単位や大きな選挙ブロック単位で行うため、比例名簿に掲載された候補者が必死に地元活動を行う必要は無く、まして平素から有権者の酒席をハシゴするなどという「活動」はあり得ない。そのため、議員は議会活動と党活動に専念できる。具体的には「朝の駅頭立ち」と「夜の酒席」は必要ないため、少なくとも肉体的ハードルはかなり低下する。
また、欧州では議会期制が導入されている国が多く、日本のように2カ月とか半年などの短い会期ではなく、4年ないし5年の任期中が全て会期となるため、日程闘争が行われず、かなり事前に委員会質問がセッティングされるため、余裕を持って準備できる。この点も「誰もが議員になれる」環境だろう。

日本の場合、民間企業と同様に国会議員も「24時間働けますか」という条件が課されており、それを満たせる者しか続けられない。民間企業で女性の役員がいつまで経っても増えない理由も同じで、民間企業や公共機関で女性のキャリアが増えず、議員になる前提条件も過酷であるため、候補者の裾野も議会の入口もどちらも非常に厳しいものになっているのだ。
まずは残業を原則禁止とし、誰もが9時5時で帰れる社会を実現しない限り、ジェンダー問題が解決に向かうことは無いであろう。
posted by ケン at 13:00| Comment(0) | 憲法、政治思想、理念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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