2018年08月02日

中国就労ビザが下りるまで

あれこれあってようやく就労ビザが下りた。
恐らく普通に手続きしていれば、もう3週間くらい早く出たと思うのだが、大学側が手続きに手を抜こうとしたため、いささか話がこじれてしまった。出発の一カ月以上前に出たのだから、よしとすべきではあるのだが。
この際、教員として中国に就職する際の流れを記録しておきたい。

自分の場合、10年パスポートが来夏に期限切れとなるが、就労許可を得るためには一年以上期限を残している必要があり、パスポートの更新から始まった。しかし、パスポートの更新は期限切れから一年以内が原則であり、わずかにオーバーしていた。そこで、勤務予定の大学から英文の採用通知をもらって、それを提出することで、期限外の更新を認めてもらった。
すごいことに、この採用通知は、自分が事務方(国際交流課)に問い合わせたところ、その日の夕方には学部長の印が入った文書がPDFで送られてきた。日本だったら、早くて数日、下手すれば十日くらいかかりそうな話である。

パスポートを更新しつつ、大学院で修士課程の修了証明と学位証明を申請。自分が出た大学院は、日本でもトップ級の外国語大学で、「グローバリゼーション」を強く謳っていたはずだが、証明書の作成には和文で1週間、英文で2週間かかることが判明した。
今時、役所でも住民票も戸籍も申請したその場で受領できる。大学もオンライン化が進んで、書類自体はすぐさまプリントアウトできるはずだが、決済印を押すのにそれだけの時間が掛かるらしい。これでは、諸外国の作業スピードに太刀打ちできるはずもなく、いかに連中が謳っている「グローバル化」が大衆を煽るためだけの文句に過ぎないか、よく分かった。
考えてみれば、戦前も「総力戦」「総動員」などと謳いながら、ロクに実現しなかったわけだから、明治帝政の尻尾に過ぎない今の連中にできるわけもないのかもしれない。グローバリゼーションの特長の一つは、「より早く、より遠くに」「徒歩から鉄道、鉄道から飛行機、飛行機からインターネット」であるが、連中は何一つ理解していないのだ。

・総力戦体制とは何だったのか 

さらに、修了証明などの他に、犯罪履歴証明書(無犯罪証明)を警察(自分の場合は桜田門の警視庁)で申請。自分はそんな証明書があること自体知らなかっただけに興味深い。証明書自体は、簡単な申請書を書けば、無料でもらえるのだが、両手の指紋を全部採取されてしまうので、いわば日本国内におけるプライバシーや人権の喪失を引き替えだった。これは約1週間で出る。

修了・学位証明と無犯罪証明を持って、次は外務省に向かう。外務省では、それらが正規の文書であることを政府として証明する「公印認証」を受ける。これは二日ほどで出て(無料)、各証明書に認証印が押される。

次いで、中国大使館の出張所である東京ビザセンター(東京の場合)に赴き、大使館の認証(中国政府が日本の公文書であることを確認)を受ける。これは中三日ほどでもらえるのだが、証明書ごとに約8千円もかかり、お安くは無い。
これを大学に送って、大学が現地政府に就労許可の申請を行う。事務方は二週間くらいで出ると豪語していたが、三週間ほど掛かってしまう。
発行された就労許可証(中文と英文、PDF)を印刷して、ビザ申請書とともにビザセンターで就労ビザの申請を行う。これも中三日で出て(約8千円)、今に至っている。このビザが貼られたパスポートを画像にして、大学の事務方に送付すれば、一応手続きは終了だ。

ケン先生の場合、永田町に勤務しており、朝一番や昼休みに職場を抜けて手続きに行けるから、非常にスムーズだったが、大半の人は相当に時間が掛かってしまうだろう。大学の証明書も、郵送だったらさらに一週間近くかかっていたはずだ。
ロシアの就労ビザを取った時の方が、もう少し楽だった気もするのだが、あれはあれで、ものすごい時間が掛かった気もする。

いずれにせよ、手続き上は全て終了した。あとは授業準備と中国語である。
posted by ケン at 13:10| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
トランプによる米中覇権争奪戦の開始が習近平政権の予想を上回る早さで開始されたとは言え、いずれは、起こり得る不可避の事態であったことは、衆目の一致するところです。

ところで、僕が気になるのは、ビザの問題。
トランプはヒスパニック系不法移民を締めだそうとやっきになってるわけですが、そればかりでなく、アジア系もその余波でビザ取得が厳しくなってるとか。以前なら認められやすかったテック系技能者も労働ビザが取るのが難化とか。中国系はまさにターゲットですよね。

ならば、中国が逆に積極的に外国人技能者に門戸を開いていく政策を取ることが、米中覇権争奪戦においては、意外と重要ではないか。やはり、古今東西、ローマ帝国以来、覇権国が覇権国たらんとするためには、積極的に海外勢力、外国人を取りこむことが不可欠だと思うからです。グローバル化に適応することが帝国の必要条件でしょうから。

人口過剰、非移民国家の中国ですが、米国に膝を屈するつもりでないならば、賢く門戸開放政策を実施してほしいと思っています。
Posted by はなはな at 2018年08月03日 17:04
外国人材は帝国の繁栄を示す大きな指標でして、発展途上段階では大いに受け入れて拡大再生産しますが、没落し始めると締め出しに掛かり、縮小再生産してゆきます。アメリカは正にそれですよね。

ただ、中国は必ずしも世界覇権を持つつもりは無いと、私は見ています。彼らはインターネットの断絶に象徴されるように、閉じた世界をどこまで拡大できるかという無理のある難題に取り組んでいるようです。

トッド先生も時代の覇権国家は中国では無いと言われており、おそらく覇権国家無き時代が来ると見ています。
Posted by ケン at 2018年08月04日 09:07
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