2018年08月25日

止むこと無き自由修正主義史観

【プラハの春「侵攻は正しい」 ロシア世論調査で3分の1】
 50年前の1968年8月に当時のチェコスロバキアにソ連軍などが侵攻し、「プラハの春」と呼ばれた民主改革を圧殺した事件について、ロシアの独立系世論調査機関「レバダ・センター」は21日、ロシアの回答者の3分の1が「侵攻は正しかった」とした調査結果を発表した。当時のチェコスロバキアの民主改革を「反ソ分子による政変」「西側による策動」と否定的にとらえる回答は計44%にも及んだ。
 「プラハの春」ではチェコスロバキアの共産党政権が自ら民主化を進め、「人間の顔をした社会主義」を目指した。しかし、ソ連など社会主義諸国からなるワルシャワ条約機構軍は68年8月20日深夜にプラハに侵攻。抵抗した多数の市民が犠牲になり、後に東欧革命が起きた89年にはソ連も当時の侵攻を誤りと認めた。
(8月21日、朝日新聞より抜粋)


これも意図的に事実を単純化、矮小化して報道する印象操作。ソ連、東欧側の内部文書が公開されて、日本でもそれなりに研究が進んでいるのに、いまだ50年前と変わらない自由主義史観に基づく報道は害悪でしかない。
ロシア駐在員にはソ連学を必修とすべきだ。

史実的には、「脱スターリン化」が進まなかったチェコスロバキア共産党が遅ればせながら改革を始めたところ、保守派、改革派、スロヴァキア独立派の三派に分かれて対立を深め、統制不能の事態に陥り、ソ連側の交渉にも殆ど応じなかったことに起因している。ソ連側はソ連側で同盟国からの介入要請を抑えながら、チェコ側とアメリカの反応を注視しつつ、非常に慎重な判断を下している。
「チェコスロヴァキアの民主化をソ連が軍事力で打倒した」などというのは、「日本の軍部が暴走して勝手に侵略戦争を始めた」というのと同じくらい有害な暴論である。

興味のある方は、私の研究を参照されると良い。

・「プラハの春」とカーダールの苦悩

・「プラハの春」−ソ連の対応と誤算 
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | ロシア、中国、国際関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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