2019年07月03日

大学教員の研究は労働時間の3割で減少の一途

【労働時間の3割だけで研究? 大学教員、他の仕事多く…】
 大学教員が研究に使えるのは働いた時間の3割強で、16年前より10ポイント以上減っていることが、文部科学省が26日に公表した調査でわかった。学生を教育するのに費やす時間や、医学教員が診療する時間の割合が増えたことなどが影響した。事務作業には2割弱が割かれており、担当者は「事務時間を研究に回せる対策が必要だ」と話している。
 調査では、常勤の教授と准教授、講師、助教をまとめた大学教員の昨年度の研究時間は、働いた時間の33%だった。2002年度は47%、08年度は36%、13年度は35%で、減少が続いている。
 立場ごとでは、教授が32%、准教授が33%、講師が29%、助教38%。任期付きの研究者らが77%、博士課程の学生は86%、大学病院で診療しながら研究もする「医局員」は15%だった。政府は23年度までに助教の研究時間を5割以上にするなどの目標を掲げているが、なお隔たりがある。
 理学や工学、農学の研究時間の割合は08年度以降、あまり変わっていなかったが、医局員ら保健分野で研究時間の割合が減ったことが全体を押し下げたとみられる。
 今回初めて、競争的資金を申請するための書類作成に費やした時間も調べた。平均して年間43時間で、研究時間の5%、働く時間の1・7%だった。
 調査は大学教員や博士課程の学生らをそれぞれ無作為に選び、計9440人から回答を得た。回収率は57・5%。調査は02年から約5年ごとに実施している。
(6月26日、朝日新聞)

これも典型的な負のスパイラル。
研究分野の「選択と集中」を進めると同時に、教育費の削減を続け、さらに「学部教育の適正化(授業数の増加)」を行った結果、事務と教育と雑務ばかりが増加、肝心の研究時間は15年前に比して70%にまで低下してしまっている。

「選択と集中」は攻めているときや勝っているときはプラスに働くが、守っているときや負けているときにやると、全般的に戦線が薄くなるだけで、逆効果になってしまうことが多い。
インパール作戦や「ラインの守り」作戦(バルジ)などは典型例だろう。

競争的資金を獲得するための書類作成と申請手続きに年間43時間もかかっているが、まさに非効率に極みである。
そういえば、某市では1億円のプレミアム商品券を配るために3千万円の経費が予算計上されたという話を聞いたことがあるが、似たような話である。
システムというのは基本的にシンプルなほど効率的で、複雑なほど非効率的なものだ。軽減税率などその最たるものであろう。

この点だけ見ても、日本の衰退は止めようがないように思われる。
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | 学問、文学、教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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