2019年07月25日

石崎議員暴行疑惑の背景を考える

【男性秘書「数百発殴られた」 自民・石崎議員を任意聴取へ】
 自民党の石崎徹衆院議員から暴行を受けたとして、秘書の男性が警察に被害届を提出している問題で、この男性秘書がFNNの取材に答えた。
秘書の男性「彼の暴力はひどいもので、今まで合計すると、数百発殴られている。多いときは1日に30発くらい、何十発も殴られる」
30代の秘書の男性は、FNNの取材に「会合へ移動する際の道の選択が気に入らないなどの理由で暴行を受けた」と主張していて、6月に被害届を提出した。
 警察は、任意で石崎議員から事情を聴く方針。
一方、石崎議員は、「業務上の注意の言葉が、徐々に感情的になってしまったことがあった。大変反省し、恥ずかしい気持ちでいっぱいです」などとコメントしている。
(7月24日、新潟総合テレビ)

トヨマユ事件が忘れられつつあったところに再びバクダンが。
被害届まで出しているのだから、相当部分は事実で、議員が言う「業務上の注意の言葉が、徐々に感情的になってしまった」程度のものではないことは、ほぼ確実だろう。同時に、どう見てもクロの事象に対して、「業務上の注意の言葉」で切り抜けようとする危機管理能力の低さや自己認識の甘さも強調すべき特徴(無能の証拠)だ。

トヨマユと共通するのは、地元の生え抜きではなく、霞が関官僚出身で官界に早々に見切りをつけて自民党から出馬して、あまり苦労せずに「代議士様」になっているところだろう。
かつては自民党に多かった「地元の生え抜き≒地方議員などから国会に転じるケース」の場合、地元の有力者や関係者の推薦で秘書を雇うケースが多く(大切な人を預かる)、暴言や暴行を繰り返すなどしたら、地元での評判が悪化し、支持者との関係も悪化するため、そうそう暴行などできないものだった。
言うなれば武家奉公人のようなもので、有力国人衆の子弟を「お預かり」して「教育」しているのだから、いくら主君といえど、暴行や暴言が繰り返された場合、国人衆のメンツが潰されてしまう。政治の世界でも、特に保守業界はそういう傾向が強かった。
例えば、ケン先生が地元の自民党議員の秘書を務めることになった場合、「大伯父が自民党の元重鎮」「祖母と父は地元医師会の顔」などの属性(価値)が自然付与されるわけで、保守業界的には「地場の准名士のお子さんを大切にお預かりして、社会勉強して頂く」というスタンスを取るのが伝統だった。そんな私を罵倒し暴行を加えるなどのことがあった場合、「あの議員は奉公に上がっている某家の子を傷物にした」ということになるが、それがどのような結果を生むかについては、読者の皆さん自身で想像してもらいたい。
逆に左翼業界では、大名と国人衆のような関係が無かったため、秘書を雇う場合でも誰かに気兼ねするケースは少なく、むしろ人権無視が多かったように思われる(自分も話を聞いただけで、幸いにも被害者にはならなかった)。

ところが、自民党においても候補者不足が深刻となり、一般公募が増え、ルサンチマン(劣等感)を抱えた未熟な若年層が応募し、学歴や経歴だけは「ご立派」な者が候補となって、小選挙区下で苦労せずに当選すると、問題が露呈するようになる。
これらの議員は地元に深い関係がないため、秘書も一般公募のようなもので雇われるケースが多く、しかも財政的後ろ盾が無いため、議員も金欠なら秘書給料も安く、さらに昔のように「陳情処理して謝礼たんまり」ということも減って、国会議員と地方議員、議員と秘書の関係も非常にギクシャクしたものになっている。
議員は候補選定の段階で人格が考慮されなくなり、秘書は「他に仕事が無い」「将来議員になって見返してやる」ような者が急増、議員も秘書を「使い捨ての手下」と考えるようになっている。秘書の数も、昔は地元に10人以上いるのが普通だったが、今では数人になってしまい、議員の要求が高まる一方、秘書の質は低下の一途を辿っている。

本来「なるべきでないもの」が「運良く」代議員になってしまい、万能感に支配され、希薄な人間関係の中で秘書を奴隷のように扱うケースが増えている。これは左右や政党に関係なく見られる傾向だろう。
こうした点も、私が永田町に見切りをつけた遠因の一つであるわけだが、仮に石崎氏を排除してみたところで、根っこはますます腐ってゆくだろう。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
インターナショナルスクールの講師を買春しようとした疑惑(こっちもほぼクロ)もあるみたいですね。

<地元の有力者や関係者の推薦で秘書を雇う
こういう「伝統」こそ守らなきゃいけないんでしょうに、こんなんでも党内ハト派ってのがまた腹立たしい。そらあ宏池会も凋落します罠。
Posted by スパルヴィエロ大公 at 2019年07月25日 17:14
霞が関官僚も自民党議員もこんなのが増えているんですから、世も末ということですよ。
Posted by ケン at 2019年07月26日 10:06
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