2019年09月21日

ロシアとタリバンがモスクワ会談

【ロシアがタリバン代表とモスクワで会談、米との交渉再開促す】
 国営ロシア通信(RIA)は14日、ロシア外務省の話として、モスクワでロシアとアフガニスタンの旧支配勢力タリバン代表による会談が行われたと報じた。RIAによると、外務省報道官は「ロシアのザミル・カブロフ・アフガニスタン担当特別代表がモスクワでタリバンの代表団を迎えた」と語ったが、会談の日時には言及しなかった。
 これに先立ち、ドナルド・トランプ米大統領はタリバンとの和平交渉打ち切りを発表している。
 ロシア側がタリバンに対し、米国との交渉再開の必要性を強調したところ、タリバン側も米政府と対話を積極的に進める意思があると認めたという。
 米国とタリバン間の和平交渉をめぐっては、米側が駐留軍の規模を縮小し、タリバンが過激派グループを排除し安全を保証するとの内容で合意に達するとの期待が着実に高まっていた。
 しかし、トランプ大統領は7日、アフガニスタンの首都カブールで米兵を含む12人が死亡した自爆攻撃を理由に、米国で予定されていたタリバン幹部らとの極秘会談を急きょ取り止め、タリバンとの和平協議は「終わった」と宣言した。
 一方、米国とタリバンとの和平交渉に影響力を行使したいロシアは、今年に入ってからモスクワでアフガン政治指導者らとの会談を2回開催している。
(9月15日、AFP)

ロシア外交の強かなところだろう。
アメリカが鷹罠にはまっているなら、それはそれで良いが、タリバンがロシアを頼って和平交渉の調停を頼むなら、「それも良し」ということ。
ロシアとしては、アフガニスタンに対して影響力を行使できるようになって、ロシア南部の安全が担保されるのであれば、選択肢の一つになるだろう。イスラム原理主義の脅威は残るものの、中央アジアに反米国家ができるのは悪くないからだ。この点、「ISよりはタリバンの方がマシ」という判断もあるかもしれない。

シリア問題でも、アメリカが匙を投げたものを、色々問題はあるにしてもロシアが助けて一応は安定化に導いたことで、中東における一定のプレゼンスを確立しつつある。また、ロシアはトルコとも関係を改善させつつあり、「非欧米」諸国の有力な後ろ盾をなしつつある。
確かにロシアがシリアに投入したコストは非常に大きなもので、欧米のシンクタンクや識者には「割に合わない愚行」とする考察が多い。しかし、短期的なコストは過大でも、長期的には「非欧米」「反欧米」諸国が増えることこそ、ロシアの安全保障に貢献するものであって、カラー革命によって中東が全て「親欧米」になってしまうことこそ、悪夢だったに違いない。

タリバンとロシアの組み合わせなど、三十年戦争でフランスがプロテスタント側で参戦するような話だが、時代が再び混沌へと移りつつあることの象徴と考えるべきだろう。
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | ロシア、中国、国際関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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