2019年11月21日

USが日本に中距離ミサイルを配備?

【中距離ミサイル沖縄配備、国防総省「現段階で計画ない」 玉城知事が直接確認も否定】
 訪米中の玉城デニー知事は18日、国務省で国防総省国防長官府筆頭部長東アジア担当のメアリー・ベス・モーガン氏と国務省日本部長代行のテッド・シーガー氏、連邦議員らと面談した。玉城知事は本紙が報じた沖縄への中距離弾道ミサイル配備計画についてモーガン氏に直接確認した。同氏は「沖縄への地上発射型の中距離ミサイルの配備は発表も計画もない」と否定したという。
 玉城知事によると、モーガン氏は沖縄への中距離ミサイル配備計画について「開発には時間がかかることが予想されるので、現段階でどこに配備するかというのは発表できない」と発言。
 これに対し、玉城知事は「過去にオスプレイの配備計画が事前に伝えられていたにもかかわらず、日本政府が県に対して通報したのは配置の1カ月前だった」と指摘し、国防総省側に「そのようなことがないよう情報の共有はしっかりと行うべきだ」と申し入れた。
 記者団に計画が伝えられた場合の対応について問われ、「政府からそのような話があった場合はしっかりと対応したい」と述べた。
 一方、辺野古新基地建設の現場でみつかった軟弱地盤や活断層の問題について、玉城知事の説明を受けた議員の数人から「(軟弱地盤や活断層の存在や、維持管理など)示された懸念について調査をしたい」との発言があったという。玉城知事は「無謀な計画を見直すべきだと説明したことをしっかりと受け止めていただいた。手応えはあった」と振り返った。
(10月19日、琉球新報)

日本国内では沖縄メディア以外報じていないし、米国内でもフリージャーナリストのレベルでしか報じていないので、私も全くスルーしてきたが、何故か中国では、「日米の高官が合意済み」みたいな報道がなされ、ちょっとした騒ぎになっている。私のところにまで問い合わせがあり、正直迷惑している。

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米国防省が中距離ミサイルの極東配備を検討しているのは確かで、アメリカによるINF条約破棄を受けて、新たな軍拡競争が遡上に上る中、特に日本と韓国への新配備が検討されているようだ。
防衛省とも意見交換はしているだろうし、報道にもあった10月18日の「会議」はそれを指している模様だが、あまりに政治的に重大な話であり、米軍と自衛隊・防衛省の話し合いで済むものではない。

もし実際に配備するとなれば、日本のどこに配備するのかという問題が生じる。沖縄紙が報じたように、仮に沖縄が配備先となる場合、沖縄県民はただではすまないだろう。そもそも、日本に配備する場合、配備箇所が限定されすぎて、現実に役に立つのか疑問もある。いくら日本国内に米軍基地が山ほどあるとは言っても、実際に配備できる箇所は限られるだろうし、本土となった場合、地元の合意が得られる可能性は非常に低く、「岩国で勝手にやってくれ」と言われるのがオチだろう。
ただでさえ不安定な沖縄の世論に油を注いで火を付けるようなものだ。

それ以上に外交上の影響は大きく、すでにロシア側が激しく反発して、プーチン大統領が極東への中距離ミサイル配備の可能性を述べたように、今でも厳しい日露交渉は完全に頓挫するだろう。また、改善の兆しが見える対中関係も急悪化するなど、外交上の影響が大きすぎて、今ひとつリアリティが感じられない。

普通に考えるなら、米中露が互いにブラフの掛け合いをして、「どこまでならOKか」の探り合いをしているようなイメージなのだが、とはいえ、現実にアメリカ政府から提案、要求された場合、日本政府は断れないだろうから、中国政府が危惧するのもわからなくはない。

しかし、現実的に考えられるのは、ミサイル競争を生じさせることで、日本と中露の関係を緊張させた上で、USが日本政府にミサイル配備を要求、日本が穏便に済ませようとしたところ、「じゃあ、自衛隊が買って配備してくれ」と持って行くパターンだ。
商売という視点で見ると、この辺が現実的なのだが、ミリオタを喜ばせるだけになりそうだ。
今後も注視していきたい。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 外交、安全保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
秋田・山口に配備予定のイージスアショアは、ミサイル迎撃だけでなく、既存の巡航ミサイルや今後開発予定の新型巡行ミサイル(いずれも対地攻撃用)を発射可能との説があります。
(ジョン・ルード政策担当国防次官の発言内容)
Posted by ゼウスの盾 at 2019年11月26日 12:57
まぁそうなんでしょうね。計画上は。
ただ、システム上発射可能であるということと、実際に中距離ミサイルを配備するということはかなり違いますから、政治上の問題がクリアされない限り、どうにもならないでしょう。

さすがに本土に対中、対露攻撃用のミサイルを配備するとなれば、さすがの日本も「はいそうですか」とは言えないと思います。最終的に押し切られるとしても。
Posted by ケン at 2019年11月27日 23:01
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