2020年01月27日

不登校対策でスマホ禁止?

【スマホやゲームの利用「ルール化を」大阪市長】
 小中学生がスマートフォンやオンラインゲームに依存するのを防ごうと、大阪市の松井一郎市長は15日、スマホの使用時間を条例でルール化することも視野に、実効性ある対策を検討するよう市教委に指示した。
 松井氏は同日市役所で開かれた会議で、不登校の要因の一つがスマホやゲーム依存であるとの実態が紹介されたことを受け、「夜は何時までとか、条例でルール化したらどうか」との考えを示した。
 市内では旭区が平成26年に、スマホやゲーム機を午後9時以降は使用しないなどのルールを決定。校長判断で各校で適用されているが、市教委として統一したルールは定めていない。
 松井氏は、使用制限に強制力を持たせたり罰則をつけたりすることは難しいとの認識を示した上で「理念的なものにはなるが、(大阪市として)ルールを作ったよというのが(不登校を減らすのに)大事なのかもしれない」と述べた。
 スマホやオンラインゲームの使用制限をめぐっては、香川県が子供がインターネットやゲーム依存になるのを防ぐ全国初の条例制定を目指している。今月10日の検討委員会ではスマホやゲームは「平日は1日60分まで」などとする条例素案が示されたが、ネット上でも賛否が分かれるなど物議をかもしている。
(1月16日、産経新聞)

相変わらず頭の悪そうな政策ばかりが提起されている。
正直、スマホ・ゲーム禁止は関ヶ原以西だけにして欲しい(笑)

そもそも、「ゲームで寝不足になって不登校」なのか「不登校で暇だから仕方なくゲーム」なのか、普通に考えれば、後者の方が圧倒的多数を占めると推測できるだろう。
仮にスマホとオンラインゲームが不登校の要因なら、2010年前後を起点に不登校が急増しているはずだ。しかし、現実にはそれ以前から断続的に増えており、スマホ・オンラインゲームとの関連性を証明するのは困難なはずだ。つまり、エビデンスが存在しない。

いじめや体罰などが放置されていたり、教員が多忙すぎて子どもと向き合えなかったり、学校環境そのものの悪化を放置して、どう見ても枝葉に過ぎないゲームをやり玉に挙げるのは、戦争や人種差別で批判の矛先を別の方向に目用とする権力者の常套手段と同じだ。

繰り返すが、不登校は学校環境の問題であり、まずは学校環境を変えなければ、何も変わらない。
仮にゲームを禁止してみたところで、家の中でボーッとしているだけになる可能性が高い。もともと不登校の子どもが「ゲーム禁止されたから学校にでも行くか」と思うだろうか、思うわけ無いだろう。

いじめを減らすのは、実はさほど難しくない。いじめは閉鎖空間における濃密すぎる人間関係のストレスから発生するものであって、まず学級制度を廃止して、全教科を単位制にすることで、一つの教室に同学級の人間が長時間同室する環境を廃する必要がある。
同時に、部活動を全廃して、部活内での閉鎖的人間関係や閉鎖空間、あるいは歪な上下関係を廃止する必要がある。また、部活動を廃止することで、教員の労働時間を約二割削減できる。
さらに空間的には、教室の壁を全て取り払うことで、「死角」空間を限りなく減らしていく努力も必要だろう。権威主義的(上下関係を固定化し、疎外を正当化する)な学校行事や修学旅行も全て廃止した方が良い。

だが、現実には不登校やいじめを減らすための努力は殆どされずに、むしろ不登校やいじめを増やす恐れのある「改革」が進められようとしている。
こうした点でも、日本の未来は絶望的に暗い。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 教育、法務、司法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
原因と結果の取違ですね。
文科省という国家の下位機関としての学校は廃止して、全ての学校を私塾化するのはどうでしょうか。
教育方針も内容も、全部自主任せでよいのでは。
現代では、公教育は既に使命を終えているのでは。
今の学校は、競争原理の働かないかつての国鉄と同じだと思います。

Posted by 分割民営化 at 2020年01月28日 12:18
公教育の目的は、国民(市民)全般の教育水準を高めることで、生産性を高めると同時に個々人の生活水準を高め、また階級の固定化を抑制することにあります。教育を個々人に委ねてしまった場合、階級分化と固定化が促進されると同時に、労働力の質と生産力そのものが低下していくでしょう。従って、公教育の役割そのものは終わっていないと思いますが、19世紀型の製造業を前提とした教育体系はすでに時代に適応できなくなっていると考えます。

競争原理が働けば、良い教育が生まれるのか、という問題もあります。
Posted by ケン at 2020年01月28日 13:46
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