2020年04月23日

マスクがどこにもないワケ

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マスクの需要は通常の冬季だと月1〜4億枚だが、現状では月30〜60億枚が需要となっており、政府が約束した「月産6億枚」が達成されたとしても、需要を満たすことはできないという。一般家庭での需要が急増しただけでなく、際限なき買いだめ需要も大きく影響している。この買いだめ需要を考慮すれば、「月産30〜60億枚」でも「店頭にマスクを満たす」には足りないと考えられる。

また、マスクは中国からの輸入に依存しており、国内の生産能力は「年間」11億枚しかない(2018年)。現在、国内生産を「年20億枚」に増強する計画が進められているが、現状の危機には寄与しそうにない。すでにアメリカは他国が受注したマスクを高値で強奪、フランスは中国政府に秘密裏に10億枚を発注した、との報道もある。

今回のコロナ渦でグローバリズムは終焉を迎え、ブロック経済化が進みそうだ。その一方で、「海外のお友達」がいない人間は何かと苦労しそうな時代になりそうだ。

ソ連学徒的に思い出されるのは1989〜92年のソ連。当時、ソ連では食糧不足が深刻化し、西側では「行列」や「棚が空の商店」ばかり報道された。しかし、マクロ的に見ると、ソ連全体では需要を満たすだけの食料を十分に生産していた。にもかかわらず、行列が発生したのは、流通の不備と買い占め、そして「行列が行列を生む」悪循環だった。まこと、ソ連学は現代社会を分析するための最良のツールである。
posted by ケン at 12:00| Comment(4) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ハイパーインフレ下のジンバブエも外貨もビザもない人間は……という話がありましたが日本でもぐぎぎ。
Posted by スパルヴィエロ大公 at 2020年04月23日 15:52
個人レベルで危機に対応する何らかの術を用意しておくべき時代になったことを、まずは認識するところから始めるのが良いでしょうね。
Posted by ケン at 2020年04月24日 10:45
共産主義の物不足は流通…各人が少しでも売れるものを店に並べようと鵜の目鷹の目で工夫しないことの積み重ね…みたいなことを山形浩生氏が書いてました。
(うろ覚え)
ttps://cruel.hatenablog.com/entry/2019/02/09/084743
Posted by taka at 2020年04月24日 22:48
結局、ソ連型社会主義の失敗は生産手段の「社会化」を国家化として実現、結局は党の専有物になっただけで、それも帰属先が国家であるために、誰も責任を負わないシステムになってしまったということでしょう。経営効率や生産効率が無視され、流通部門が恐ろしく軽視されたことによって、成長が止まってしまい、流通も廻らなくなっていったのです。

コロナ渦の場合、コロナ渦による直接的な負の影響を大きく評価して、経済を止めてしまったことに端を発していますが、これが今後どのように影響していくのか、興味深く観察したいと思います。

私がこう言えるのも永田町の一線から退いた「おかげ」ですが、厳密に言うと、私も代議制民主主義を構成する一員であり、主権者である以上、他人事にしてはいけないのですが(笑)
Posted by ケン at 2020年04月25日 09:33
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