2020年05月23日

日本の文化芸術は壊滅寸前?

【芸術文化は壊滅的、急がれる生活支援「賃貸料は待ってくれない」】
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、芸術・文化活動の多くが中止や延期に追い込まれている。俳優や演奏家、制作陣ら関係者を対象にした各種アンケート結果から、早急な金銭的支援が必要な実態が明らかになった。ライブ・エンターテインメント市場の統計調査を行うシンクタンク「ぴあ総研」によると、感染拡大防止のため、音楽コンサートや演劇、ミュージカル、スポーツなどの公演や試合が中止・延期で売り上げがゼロもしくは減少した総数は3月23日現在、8万1千本(確定値)にのぼる。
 また5月末まで自粛が続いた場合、さらに7万2千本(推計値)が追加され計15万3千本となり、損失額は3300億円に達するとみられる。昨年の年間のライブ・エンターテインメント市場は推計9千億円規模だったが、今年は大幅減少が予想される。コンサルティング会社「ケイスリー」(東京・渋谷)が4月にアーティストら芸術・文化関係者に実施したアンケートによると、8割以上が「収入が低下した」と回答。また行政の金銭的支援策については96%が「不十分」と答えた。調査は先月3日から10日にかけインターネットを通じて行われ、3357人が回答。回答者の71%がアーティスト(俳優、演奏家、ダンサーなど)で、続いて制作者・制作側(技術者・スタッフ含む)が34%を占めた(複数回答)。回答者からは「3カ月先の仕事もなくなり生活が困窮」「収入が途絶え、他の仕事を探すも、どこの業界もコロナでバイト求人さえ少ない」として生活への早急な支援を求める声も寄せられている。
 協同組合「日本俳優連合」(理事長・西田敏行、会員数・約2600人)が俳優や声優を対象に4月14〜19日に集計した実態調査アンケート結果によると、4月の収入が減った人は7割を超え、うち3割近くが無収入と回答している。こうしたフリーランスのアーティストたちを支援する「持続化給付金」などがあるが、収入減少の証明が必要だ。普段、銀行振り込みでなく現金で受け取っている場合は、記録が残っていないことも少なくない。申請のハードルが高いといった指摘も出ている。自由回答欄には「現時点で収入がなくても、賃貸料は待ってくれない」「他国のような素早い支援を求める」といった多くの声が寄せられていた。
 ぴあ総研の笹井裕子所長は「過去経験したことがなく、インパクトは大きい。この状況が長引くと、活動を断念する個人事業主や団体も出てくるのでは。自粛解除後も元の状態に戻るのには2、3年、あるいはもっとかかるかもしれず、先が見通せない」と話す。
(5月12日、サンケイビズ)

ロシアでもヨーロッパでも、俳優、バレエダンサー、オペラ歌手から舞台職人まで基本的には劇場の被雇用者であるため、国や自治体、あるいは民間が劇場を支援すれば雇用は守られる。だが、日本の場合、劇団は存在しても劇場からは切り離されているため、支援の方法からして難しい。また、ヨーロッパの場合、職能ごとに全国組合が存在するため、交渉力がある。例えば、バレエ・ダンサーの組合が文化大臣と交渉するのである。日本の場合は何も無いので、ほぼ野垂れ死ぬのを待つだけになっている。

日本のある劇団がロシアで公演した際、劇場の職員用食堂でご馳走になり、「職員用食堂があること」「激安であること」に感動、ロシア人俳優に伝えたところ、「給料安くても、これで食える。ソ連の遺産だね」と、どこまで本音で、どこから皮肉なのかわからないが、そう言われたという。
posted by ケン at 12:00| Comment(3) | サブカル、音楽、アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
江戸のころは、仕事の合間に趣味で芸術ができた。

だから「贅沢な」だったと思う。

でも、明治を経て現在・・・・

芸術を趣味にする人はまずいない。

その上に束の間の博打はたくさんある・・・



なのに、「芸術ばかりで贅沢な」ってのが日本人の意識。

現実と意識が乖離している。




国家もそれほど自前の芸術を大事にしない。

そもそも外交で正式に喰う飯は、全部まだフレンチ。服も制服は洋服だけ。

まあ自前の文化を屁ともおもってないから、できる。


そんな感じです。
Posted by 遍照飛龍 at 2020年05月23日 17:46
いや、私は非正規雇用で観光業に身を置いていますが、
会社は売上ゼロ、給与も1/4(75%減)。
フリーランスではないので持続化給付金もありません。
やっぱり転職・バイトを考えますが、求人が少ないのも同じ。
芸術・文化も観光も贅沢ですよ。

でも業種の問題ではなく本質は内部留保の有無の差で、個人でも企業でも体力のない者から淘汰されるのは同じ。ほどなく他の産業からも失業者が出てきたらその人数は「芸術・文化」を上回るのではないでしょうか。

大変難しいことですが、ベーシックインカム的な業種に関係ない支援策を考える契機となってほしいと考えます。
Posted by yb-tommy at 2020年05月24日 03:38
日本の場合、貴族が芸術のパトロンを務めてきた歴史が浅い上に、江戸時代に大衆文化が普及してしまったこともあって、「保護すべき対象」という意識がどうしても低くなってしまうのだと思います。
確かに政府の庇護が無くても、コミケは存続するでしょうが、果たしてそれだけで良いのかという話ですね。
とはいえ、一方で芸術の幅が広がりすぎて、何をどこまで保護すべきなのかというのも難しくなっていると思います。

日本企業の内部留保が大きいのは、要は「先が無いのに投資しても仕方ない」として内部にため込んでいただけの話で、それを放出してしまえば何も残らないんですね。本来は生産性を向上し、効率化を図るために投資すべきだったものをため込んでいたわけです。
とはいえ、実際こうなると、内部留保の大きい大企業が残って、中小から先に淘汰されるわけですが、それも本質的には生産性の低いものから淘汰されるので、理論上はより生産性の高い業種に資本と労働力が移動して、経済成長が進むはずなのです。しかし、日本にはそれに相当する新業種が存在しないところが苦しいわけです。

AIと自動化が進んだ社会では、人の労働力そのものの価値が低下、二極分化する可能性が高いので、どこかの時点でベーシックインカム的な政策が議論される日が来るのかとも思いますが、あまり自信を持っては言えません。
Posted by ケン at 2020年05月24日 20:35
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