2020年06月05日

降ってわいた9月入学論

【21年度からの「9月入学」は見送り 政府・与党方針 教育現場混乱を回避】
 政府・与党は27日、新型コロナウイルスによる学校休校を受けて検討した2021年度からの「9月入学」の導入を見送る方針を固めた。政府・与党は緊急事態宣言中の授業の遅れを取り戻す方策として検討したが、保育の期間にしわ寄せがいくなど課題が多く、教育現場を混乱させかねないと判断した。安倍晋三首相が夏までに正式判断する。
 自民党の秋季入学制度検討ワーキングチーム(WT、座長・柴山昌彦元文部科学相)は27日、9月入学への移行は一定の準備期間や国民的な合意が欠かせず時期尚早だとする提言骨子案を党幹部に提示した。WTは一方で今年度に限り就学期間を1カ月程度延ばす特例措置の検討を政府に要請し、来年の大学入試も2週間から1カ月程度遅らせるよう求める。公明党も21年度までの9月入学に反対する方針で、山口那津男代表は「時間をかけた十分な議論が必要だ」と述べた。
 9月入学は緊急事態宣言の発令に伴う休校長期化を踏まえ、東京都の小池百合子知事らが提唱した。安倍晋三首相も4月29日の衆院予算委員会で「前広にさまざまな選択肢を検討していきたい」と表明。与党内でも「秋入学が多い欧米への留学促進や国際化につながる」などの賛成意見もあり、文科省は来年9月の導入を前提に入学者を「6歳〜7歳5カ月」まで拡大するなど3案を検討した。
 だが、保育の期間が延び、待機児童が一定程度は増えるなどの懸念が広がり、学校現場や市区町村から慎重論も強まった。就職活動時期や関連法令などの見直しなどの必要もあり、文科省も導入の場合は家庭の追加負担総額が2兆5000億円に上るとの試算を示した。25日に緊急事態宣言が全面解除となり「夏休みを活用するなど学習の遅れを取り戻す議論を優先すべきだ」との意見が強まった。首相も25日の記者会見で「9月入学は有力な選択肢」としながら「慎重に検討していきたい。拙速は避けたい」とトーンダウン。首相はウイルス感染の「第2波」「第3波」で休校期間がさらに延びることを警戒しており、9月入学見送りの正式決定までは時間をかける構えだが、首相側近は「もともと導入は難しいことは分かっていた。特にコロナで大変な時はやるべきではない」と述べた。
 一方で、自民党内では9月入学賛成派も多いことから、政府・与党は将来的な9月入学導入についての議論は続ける構えだ。与党内では一律的な導入は当面見送るものの、独自に9月入学への移行を希望する大学などがあれば支援策を行う案も出ている。
(5月27日、毎日新聞)

そもそも小学校の入学時期を多大な労力と資金を投入して四月から九月にする理由がわからない。投資と利益が合わなすぎだろう。
経済界の要求に従うなら、大学だけ九月入学にして、半年分は就労体験やアルバイトなどに充てるという手もある(個人的には将来を見据えて国防学も導入して欲しい)。
しかし、日本の大学生数290万人に対して、海外留学者は10.5万人に過ぎず、ごく一部のエリートのために圧倒的多数を犠牲にする必要があるのか、大いに疑問がある。経済合理性から言えば、少数の海外留学生を優遇措置すれば良い話で、それは各企業の採用に際して考慮すべき話であって、大学や教育行政がどうこうする話では無い。

教育制度論を学んだ立場から言えば、むしろ小学校の入学時期の前倒しと年齢選択化を実施して、小学校を七年制度にして五歳児を入学可能にしつつ、同時に成長度に合わせて五〜七歳まで就学時期を選べるようにするのが妥当だ。しかし、専門家の意見が文科行政に反映されることはまずない。
例えば、中央教育審議会に教育学者は殆どいない。中教審のメンバーを見れば、ダメな理由もすぐにわかるだろう。問題設定からして間違っているのだから、必要な議論が交わされることすらないのだから。
ましてや利権まみれの国会議員が議論するとなれば、ますますロクなことにならないだろう。
色々詰んでいるのである。
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | 教育、法務、司法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: