2020年06月25日

河井事件の背景にあるもの

【河井夫妻を強制捜査へ 東京地検特捜部、買収容疑】
 自民党の河井案里参院議員=広島選挙区=の陣営による公選法違反事件で、議員らに現金を配布した買収疑惑について、検察当局が案里氏と夫で前法相の克行衆院議員=自民、広島3区=の捜査主体を東京地検に移送して立件する方針を固めたことが16日、関係者への取材で分かった。広島地検内で保管されていた証拠資料などを東京地検特捜部が改めて精査するなどし、国会閉会後の18日以降の夫妻への強制捜査に向け、最終調整を進めているもようだ。
 また、夫妻が離党の意向を関係者に伝えていたことが16日、分かった。17日にも離党届を提出する方針。案里氏陣営をめぐっては、車上運動員に法定上限を超える報酬を支払った違法報酬事件に加えて、夫妻がそれぞれ広島県内の首長や議員、元陣営スタッフらに現金を手渡すなどした買収疑惑も浮上し、広島地検が捜査していた。関係者によると、現金は約100人に配られた疑いがあり、1人当たりの受領額は数万円〜100万円近くと幅がある。検察側が押収した資料には配布総額が2千万円超になることを示すものもあるという。
 最高検は、現職の国会議員の捜査には昨年12月以降、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業をめぐる汚職事件で現職国会議員を17年ぶりに収賄罪で逮捕、起訴するなどした東京地検特捜部の政界捜査の経験などが必要と判断したとみられる。すでに特捜部の検事も広島へ応援に入って重要な参考人の取り調べなどを担当しており、オール検察で捜査を進めていた。
(6月17日、産経新聞)

永田町の論理で説明すると、これは菅官房長官の直系である河井と、岸田政調会長の側近である溝手との「仁義なき戦い」と言える。岸田は安倍首相の長州閥の後継と見なされている一方、これに対抗する菅が広島に楔を打ち込む。さらに新長州閥の肥大化を嫌う二階幹事長が菅を後援する形で、数億円の不明金が河井系列に拠出され、ばらまかれた。あの手の不明金を出せる権限を有するのは幹事長だけで、二階は小沢に手法を学び、小沢は田中に学んでいる。

さらに溝手は東大出で、宏池会直系の地元エスタブリッシュメントであるのに対し、河井は一応広島出身だが貧しい家庭で大学も慶応。つまり、譜代の上級武士である溝手に対して、外様の足軽出身の河井という構図もある。
「有り難くカネを頂戴せよ」みたいな河井の尊大さも祟って、広島では「ヤツは外様の成り上がりだから、どうなってもいい。ヤツの代わりなどいくらでもいる」という扱いになっている。

安倍氏は貴族意識が強く、菅を実力から官房長官に据えているものの、内心では「成り上がり者」と侮蔑し見下しており、プライベートでは自宅に誘ったことも無いという。菅が後継を希望しても、安倍は「(総理に)なるというなら実力でなれ、俺はお前には絶対やらせない」という態度なので、後継レースが苛烈化している。

端的にいえば、総理後継レースに伴う自民党の内部抗争であるわけだが、階級差別や女性蔑視も相まって、色々見るに堪えない話になっているのだ。
posted by ケン at 12:00| Comment(3) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
庶民と関係ないところで泥試合されてもな、、、ちなみに、ケン先生からみて、この河井氏の業績に見るべきものはありますか?
Posted by ガースー at 2020年06月25日 12:13
「溝手氏が安倍氏を批判したから対抗馬を立てた」みたいな話をよく週刊誌では語られますがあればフェイクということですかね。
まだ菅と二階のほうがマシな気もしますが、目糞鼻糞ですねえ。
Posted by カンカン at 2020年06月25日 20:51
河井氏は人格的には最低なようですが、とにかくパワフルな行動派で、人がやりたがらない仕事でも引き受けて調整を行っていたとのことです。昨今では、この手の「良く動く政治家」がいなくなってしまったので、自民党の中でも重宝されていたようです。大臣としてどうだったのかはよくわかりませんが、50代で法務大臣はよほど評価されていたと見て良いでしょう。

建前としては「溝手氏が安倍氏を批判」ということが言われたかもしれませんが、それも菅や二階の側の言い分であって、岸田派としては別の言い分もあるでしょう。週刊誌の場合は、面白おかしく書くことに力点が置かれていますから、100%鵜呑みにするのは危険です。
Posted by ケン at 2020年06月26日 10:52
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