2020年06月29日

迷走の挙げ句、宇都宮にしたものの

【都知事選、現職の小池氏が安定した戦い…読売情勢調査】
 7月5日投開票の東京都知事選について、読売新聞社は世論調査と取材を基に情勢を分析した。過去最多となった22人の候補者の中で、現職の小池百合子氏(67)が他候補を大きく引き離し、安定した戦いを展開している。ただ、有権者の2割以上が態度を明らかにしていない。
 ほかの主要候補では、元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(73)が続き、前熊本県副知事の小野泰輔氏(46)とれいわ新選組代表の山本太郎氏(45)は横一線だが、いずれも支持に広がりを欠いている。
 支持政党別で見ると、自民支持層と公明支持層のそれぞれ約7割が小池氏を支持。立憲民主党の支持層でも、約4割が小池氏を支持し、2割強が宇都宮氏、1割強が山本氏を支持している。
 都市部で選挙結果に影響を及ぼすことが多い無党派層では、約5割が小池氏を支持し、宇都宮氏が約1割、山本氏が1割弱の支持を得ている。小野氏は新宿区や港区など都心部の有権者の1割強の支持を得ている。
 新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中で行われている都知事選で、争点として重視する問題(複数回答)を尋ねたところ、「新型コロナウイルス対策」が82%と最多となった。さらに、「高齢化対策や福祉政策」と「景気や雇用対策」が各72%など、感染拡大の影響が大きい課題が続いた。一方、「五輪・パラリンピックへの取り組み」は40%にとどまり、来年に延期された東京大会に対し、他の争点に比べて関心があまり高まっていないことが浮かび上がった。
 調査は6月25〜27日、東京都を対象に、無作為に作成した番号に電話をかける方法で実施。有権者在住が判明した1309世帯の中から766人の回答を得た。回答率59%。
(6月27日、読売新聞)

立民支持層の4割が小池支持で、宇都宮支持は2割強。これでは、「最初から小池を支持すべきだったのでは」と言われてしかるべきだろう。実際、連合東京は小池を支持している。連合の場合は、自らの利権で現職を支持しているわけだが、恐らくは加盟員にアンケートを採っても同様の結果になっただろう。

これは、自ら候補者を立てられず、衆院選がらみで山本にすり寄り、ダメそうだからと共産党がらみで宇都宮支持に至ったという迷走ぶりが祟っている。
立民は当初は独自候補を擁立しようともしたようだが、打診先には断られ、他に適当な候補も見つけられなかった。

他方、「れいわ」は、来秋までに行われる衆院選で、東京の選挙区に大量擁立をめざしており、立民としては選挙協力を持ちかけたいところだった。もっとも、「れいわ」は深刻な資金不足に陥っており、大量擁立するにも資金がなく、N国などと同様、山本が知事選に立候補することでカネを集める算段をしていた。
そこで、立民は山本に知事選における支援と総選挙における選挙協力のバーターを持ちかけたが、山本は逡巡したらしい。その理由は不明だが、恐らくは、以前の参院選で獲得した票よりも少なかった場合、総選挙とそのカネ集めに打撃を受けることを心配していたようだ。最近の「れいわ」の支持率を見れば、そうだろう。

一方、宇都宮は当初「山本が出るなら自分は出なくても良い」と考えていたようだが、山本の逡巡に業を煮やして出馬を表明。
宇都宮出馬の反応を見た山本は、「これなら自分も行けるかもしれない」と判断して出馬を表明したようだ。

立民は、NK党との選挙協力を重視して、宇都宮支持を決定するも、実際のところは国会議員が応援演説に来るくらいで、実質的な支援は無いも同然らしい。
もっとも、宇都宮の選挙事務所も実質的にはNK党員と怪しげな活動家集団に牛耳られており、立民関係者や一般市民が入り込む余地など全く無いという事情もあるらしい。
同時に、山本が「後出しじゃんけん」で立候補してしまったため、山本に遠慮して宇都宮支援に一本化できない事情もあるという。立民内には、自らの選挙区事情を考えて、自分の選挙区にれいわ候補が立てられないように、山本を支援する向きも少なくないと聞く。
こうした全くやる気が感じられない立民のスタンスは、NK党関係者を激怒させており、野党共闘にも影響が出るかもしれない。

いずれにしても現職再選は避けられない情勢だが、問題は二位争いで、仮に宇都宮が三番手以下になった場合、立民とNK党や社民党の関係にひびが入るだろう。そして、山本が100万票近い票を得た場合(無さそうだが)、山本は集金に成功して、東京で本格攻勢に出るだろう。

立民は戦略的には小池を支持すべきだったかもしれず(国政と地方は違うと強弁して)、戦術的には「山本潰し」に全力を挙げるべきだった。
そこには、「国会議員の、国会議員による、国会議員のための党」であることの弊害しかない。
posted by ケン at 09:16| Comment(9) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
リベラル・左派の、政略面での「無能」というのが、より市民に広がったって思えます。

保守は、政略は有能でも、政策は庶民殺し。

リベラルは、政策は見るべきものが多くとも、政略はアホ以下。

まあ、地獄ですはね。


Posted by 遍照飛龍 at 2020年06月29日 12:34
「ハズレばかりのガチャ」で選挙と言われても、何処に民意の反映を見出すかも期待すればいいのか分からず、もはや選挙の意味もあまり無いですね。 投票所に行くのも億劫です。
Posted by ガースー at 2020年06月29日 19:13
態度をぐずつかせた挙句に後出しじゃんけんなら二位なんてとてもとても、と思いつつも、2007年の浅野氏は160万以上獲って二番手につけているのでしたね。どうなることやら。
(タレント議員に逃げられた党?もう知らん)

誰でもいいから五輪白紙撤回だけでも実行してくれ、と(他県民としては)願うばかりですが……
Posted by スパルヴィエロ大公 at 2020年06月29日 19:57
参院選の山本個人得票数が96万票だから、野党統一候補で出れば軽々超えそうに思えるので、その予想はどうでしょうね。
また、山本が宇都宮の得票を超えれば、れいわも含めた野党共闘が進みそうなものですが、新たな感情的な軋轢を生み出すだけということですかね。
もう私みたいな素人から見ると、「選挙弱いんだから、一つになって選挙の上手い小沢あたりを使えよ!」って思います。
Posted by コヨーテ at 2020年06月29日 23:04
政略面での「無能」の問題は、政界の実務担当としては頭が痛い問題です。これだけ貧困が深刻化し、階級没落が進んでいながらも、社会主義的な主張は殆ど顧みられることなく、無関心化が進む一方で、投票する貧困層はむしろ保守や新自由主義への投票が増えているのですから、「俺にどうしろと?」という話です。

恐らくは無関心層がますます増え、保守の無能と腐敗が進行、政治の劣化が加速する中で、経済危機が勃発する流れにあります。

五輪撤回については、「なぜ宇都宮氏は争点化しなかったのか」と言われていますが、弁護士である氏は「五輪を撤回する権限は知事にはなく、あくまでも組織委員会がIOCに辞退を提言して、IOCが決定する制度になっているため、争点化できない」と答えたそうです。その組織委は、森喜朗を頂点とする自民党利権ですから、後はわかるでしょう。

政治はあくまでも人間がやるもので、それも集団で行うため、感情のもつれは非常に大きな影響を与えます。ただでさえ、山本氏は自己中すぎて、他人の話をロクに聞こうとしませんし、他者と協同して何かをやるようなタイプではないのです。もっとも、それは立憲も同じで、枝野氏と福山氏はともに一匹狼で、他者と協同する能力に欠けています。
Posted by ケン at 2020年06月30日 15:57
「〜の、〜による、〜のための〇〇」って
国文法の「の」の用法なり現代英語の「of」や「-ment」の
意味を知った上で使ってるんですかね…?
the people govern the people for the people
(人民が人民の為に人民を統治する)
→ government of ~, by ~ , for ~
党は対格動詞形になりませんしpartyも自動詞ですし…
Posted by ㄌㄧㄣ at 2020年06月30日 17:31
今回は選対に入ってませんが、
「怪しげな活動家集団に牛耳られており、立民関係者や一般市民が入り込む余地など全く無い」
はあまりな仰り様。
いつもの宇都宮親衛隊が仕切っており、社民・新社会・緑・市民共闘系は全面協力、今回はじめて選挙やってるような人も取り込んでますよ。
Posted by o-tsuka at 2020年07月01日 06:09
あ、でも「立民関係者」が蛇蝎の如く嫌われているのは事実。
前回選挙での行動を親衛隊は許してません。
まぁ浅野選挙でも民主都連ひどかったよね?
Posted by o-tsuka at 2020年07月01日 06:15
まぁ人の印象、主観なんて様々ですから。
社民党系の選挙事務所も似たようなものが多かったですから。
外部の市民に対する対応というのはなかなか難しいもので、私も何度か「もっと愛想良くできないのか」と咎められたものです。

民主党の都道府県連や本部の職員は酷いのが多かったことは事実ですが、今の立憲には旧民主の人は少ないはずです。とはいえ、あくまで事務員であって、政治運動家ではないので、やはりその辺の対応は期待できないでしょう。
Posted by ケン at 2020年07月02日 10:30
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