2020年07月10日

『ドヴラートフ レニングラードの作家たち』


『ドヴラートフ レニングラードの作家たち』 アレクセイ・ゲルマン・ジュニア監督 ロシア(2018)
ソビエトで活動するロシア人作家ドヴラートフは、友人であった詩人ブロツキーとともに、自分たちの才能を誇り、世間に発表する機会を得るために闘うが、政府からの抑圧によりその才能をつぶされていく。彼らはすべてをかなぐり捨て、移民としてニューヨークへと亡命する。厳しい環境下であえぎつつも、精彩を放ち続けたドヴラートフの人生における郷愁と希望の狭間で格闘した究極の6日間を追った。


ソ連を知る最後の世代として非常に興味深く鑑賞。1970年代のソ連の再現度がハンパなく、にもかかわらず魅力的に写っている。ただ、内容は端的に言えば、「自作を発表できない冴えない作家が酒飲んでクダ巻いてる」だけなので、中級レベル以上のソ連学の知識が無いと、そもそも何の話をしているのかもわからない。例えば、作家同盟に加盟していないと作品を掲載してもらえないとか、工場ごとに新聞があるとか、なぜ詩人が線路技術者なのか、闇商売とは何か、などなど。

私はソ連最末期にホームステイしたことがあり、自称芸術家たちのパーティーにも連れて行ってもらったことがあるので、彼らの鬱屈した感情はよくわかるのだが(ホントにクダを巻いてるだけだった)、果たして「本当は凄い才能があるのに、イデオロギー支配によって才能の開花を拒まれた」人がどれほどいたのかと考えると、微妙にしか思えない。

もっともゲルマン監督の同名の父君が、まさに「映画を撮らせてもらえない映画監督」だったので、それを思うと、まぁそういう時代だったよね、という結論にはなる。

【参考】
フルスタリョフ、車を!
道中の点検
わが友イワン・ラプシン
posted by ケン at 09:19| Comment(0) | サブカル、音楽、アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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