2020年11月05日

都構想、住民投票で否決

【サービス低下、懸念強く コスト削減理解得られず 大阪都構想】
 今回の「大阪都構想」の制度案は、2015年の前回案から移行にかかる初期コストを抑え、各区で格差が生じないよう人口規模もそろえた。
 しかし大阪市の権限・財源の一部が大阪府に移ることに伴う住民サービス低下への懸念や、130年以上続いた市がなくなることへの抵抗感も強かった。
 制度案では、4特別区の新庁舎を当面建てず既存の庁舎を使うことで、初期コストを前回案の約600億円から約240億円に抑制。公明党の提案を受け、現行の24区役所の窓口機能も維持した。府が特別区に10年間で計370億円を追加配分する規定も設け、サービス低下の懸念払拭(ふっしょく)に努めた。
 住民投票ではサービスの変化が最大の焦点になり、反対派の主張を賛成派が打ち消す形で論戦が激化。制度案では「特色あるサービスは内容や水準を維持する」と明記し、維新は財政効率化で住民サービスは「グーンとUP」とビラで訴えた。
 反対は新型コロナウイルスの影響で法人関係税や大阪メトロの配当金収入が減る中、特別区の財政運営が成り立つかを問題視。自民党は庁舎を建設した場合、その費用も含め全体で1340億円のコストが15年間でかかるとの独自試算を公表した。この数字はビラなどで使われ、市民に一定程度影響を与えたとみられる。 
(11月2日、時事通信)

実のところ「大阪都構想」とは何だったのか。
大阪市民の大半は「大阪市が廃止されること」「大阪都にはならないこと(府のまま)」すら知らないまま投票していたとされる。
他方で、大阪維新は「住民サービスはグーンとUP」などとメリットのみを強調、拡大解釈して、TVCMだけで4億円をつぎ込んで宣伝したという。
まさに「ナチスに学んだ」手法を採用したわけだ。

確かに否決されたとはいえ、大阪維新とKM党だけで49.6%の支持を獲得したのだから、あと1億円も宣伝につぎ込んでいれば勝っていたかもしれない程度の誤差だった。もっとも、そのKM党では実際には反対に投票した者の方が多かったようなのだが。

ケン先生がかねてから主張している「住民投票の危うさ」はまさにここにある。
今回は否決の結果が出たものの、リベラル派はここぞとばかりに維新攻撃に図り、市長や府知事の即時辞任を要求しているが、反対派は50.4%に過ぎず、それを大義名分として残り49.6%を全否定して攻撃する手法は、デモクラシーを利用したファッショと同じである。
一方、維新は維新で、一度は否決されたものを、ほぼ同じ内容で「賛成するまで繰り返す」手法を採った。これはEUの参加可否を問う国民投票にも通じるが、「気に入らない結果が出たから、何度もダイスを振り直す」ことを正当化すべきでは無い。
つまり、憲法改正と同様、真に重要な案件は過半数ではなく、「3分の2」あるいは「6割」とすべきなのだ。

確かに今回の否決で維新勢力は一時的に衰退傾向に向かうかもしれないが、49.6%の維新支持者がいる限り、大阪市民のファッショ的傾向は今後も続くと考えるべきだろう。
posted by ケン at 00:00| Comment(4) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
早速草津町議会でも最悪の事態が起きてしまいましたが、経緯をざっと見るに発端のハラスメント問題の法廷闘争が決着しないまま町長側が「リコールだ!」とぶちあげてしまっていて、これはやはり上からのクーデターで議会制民主主義のハックだなぁと。
では今度は横浜同様に首長をリコールで……となると、同様の問題が繰り返されるわけで。

月並みな意見ですが、投票と多数決が民主主義だ!というなんとなく浸透してしまった「常識」を一旦解体するしかないのでしょう(それがいつまでかかるか……)。
Posted by スパルヴィエロ大公 at 2020年12月08日 10:19
草津の場合は、何というか町ぐるみのヘイト運動な感じもして、街全体が暗黒化しているようにも見えます。状況だけ見ると、まさにおっしゃる通りなのですが、本当にそれだけなのか、ちょっと慎重に見たいところです。

一方で、リベラルを自称するものたちも、失言した政治家に対して半ば脅迫的に辞職を強要するケースが散見され、果たしてそもそも代議制民主主義の原理が理解されているのか厳しい感じです。
少なくとも共通認識は失われているように思われます。
Posted by ケン at 2020年12月08日 17:37
足立区議会議員に対する闘争を行いましたが、その点は注意し、議員辞職は求めませんでした。(厚生委員長辞任は要求し、勝ち取りました)。

案の定、「辞職を求めるなど傲慢」などという批判がいくつも寄せられ、「われわれ辞職など求めていませんが何か」と何回も書く羽目になりましたw
Posted by o_tsuka at 2020年12月10日 14:11
確かに辞任を求めないとなると、運動論的には「では何を要求するのか」が難しいよね。
Posted by ケン at 2020年12月10日 18:10
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