2020年12月05日

『トップをねらえ!』リバイバル上映!



なんと、わが青春の『トップをねらえ!』が32年ぶりに劇場に帰ってきた!
少ないとは思うが、若い読者にもわかるように。
西暦2015年。白鳥座宙域で航行中であった「るくしおん」艦隊が、謎の宇宙怪獣の襲来により全滅した。それから15年後、宇宙怪獣の襲来に備えて沖縄に、宇宙パイロット養成学校「沖縄女子宇宙高等学校」が設立された。その生徒の中に「るくしおん」艦長の娘、タカヤノリコの姿があった…。「私もいつか宇宙パイロットになって、父のいた宇宙に出る!」厳しいコーチの特訓の中で、メキメキと才能を発揮していくノリコ! 今、パイロットのトップになるための、そして地球を守るための、辛く険しい戦いの幕が上がる…!!

個人的には庵野秀明監督の最初にして最高の作品だと思っている。
「熱血ロボット根性もの」という新たなジャンルを開拓したかと思いきや、後に続くものなく、唯一絶対の金字塔となり続けている、1980年代の超傑作。そのコピーは「炎の熱血友情ハードSF宇宙科学勇気根性努力セクシー無敵ロボットスペクタクル大河ロマン!!!!!」。

この「どうにでもなれ」感からもわかるように、当時のGAINAXが『オネアミスの翼』で生じた巨額の負債を一度で返すためにやけっぱちとなって、「カレーとハンバーグと唐揚げを混ぜれば、三倍おいしくなるはず!」とばかりに「全部のせ」をやったら、本当に成功してしまったという超レアケースの一作。
「パンしゃぶの構造」でも説明したとおり、普通99%は本来噛み合わない要素を複数盛ると、本来の味が失われて「で、何の話だっけ?」となるのだが、本作だけは例外と言える。
当時の時事ネタや他社アニメ・ネタ、庵野監督の好きな岡本喜八ネタなどがふんだんに盛り込まれ、パロディだらけになっているはずなのだが、全て問題なく成立させてしまっている点、何度見ても傑作としか言いようがない。むしろ、年を経て、元ネタがわかるようになればなるほど、「やり過ぎ」が笑えると同時に泣けてくるところが、ますます超絶技巧になっている。
ストーリーからキャラクターのネーミングまで適当具合もハンパ無いのだが、この面白さと言うか、凄さを他者に説明するのは難しい。特に若い人が見ても、何が面白いのかまずわからないだろう。

光速で飛ぶロボットに乗る主人公だけが年を取らないで、周囲の人間がどんどん年をとっていくのは、結婚しないで子どももいないヲタクへのオマージュだという話もあるが、考えてみれば、自分も周囲には孫もできそうな段階にある中で、確かに自分と旧友のNだけが昔と何も変わらない感じでいる気もする。主人公らは2006年生まれということで、ほぼほぼ私の教え子と変わらない。いやはや考え出すと、色々止まらなくなりそうだ。
posted by ケン at 08:00| Comment(4) | サブカル、音楽、アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 どうも、ケン先生。

 そうですか、先生の初ガイナは、「トップ」ですか。
確か、あれ設定では福井県辺りが吹っ飛んでいた様な・・。
(もちろん原因はららら科学の子)

ちなみに、私の初ガイナは「愛国戦隊大日本」です。
と言っても、インターネット掲示板にアップロードされて
いたのを観てしまって・・・と言う話です。

最初の頃は、「ハイブロウなジョーク」が全く理解できず、
「これはいかんっ!反動勢力の陰謀か?」とか、
「ううむっ、すでに日本の右傾化は昭和末期に
始まっていたのだな!」 など、順当に「その道」に
ハマって行き、とどめを刺したのは・・・・

そう!「サクラ大戦」です!
あの頃は小林よしのり氏の「漫画・戦争論」が物議を
醸していた頃で、頭の悪い中二病のボーズだった私は
「サクラ大戦」をゲームもまともにプレイせずに、
「これは、戦前の暗黒時代を称揚・懐古する右翼の
指金に違いないっ!このような作品が乱発されれば
いずれ日本は再び戦争の道へ・・・」などと
妄想爆発しておりました。
(架空戦記とかスチームパンクとか、全然知りませんでした)

まぁ、当時の人の感性からしたら、
「こんなげーむにまじになっちゃて・・・」ですかねぇ。


Posted by ムラッチー at 2020年12月06日 03:38
かなりコアすぎるところを攻めてらしてようで。
大日本が好きな人は周りにもいたのですが、当時はまだインターネットがなく、私自身は見る機会に出会えませんでした。

サクラ大戦はやはり第一作のセガ・サターン版が懐かしいです。
遠い日の話ですよ。。。
Posted by ケン at 2020年12月06日 21:46
世代的に初見は『オネアミスの翼』ですが、当時は日本サンライズ原理主義者だったのであまり影響を受けず、『〜ナディア』も見ませんでした。でも王立宇宙軍軍歌は歌えるぞ!

『トップ〜』は1992年頃、高田馬場に一瞬だけあったバンダイ直営の劇場で観たような気がします。胸揺れの元祖ですよね。

『愛國〜』は当時からSFファンダム周辺で激しい批判を浴びていたようですが、関係者(や影響を受けたオタクたち)のその後を見るにつけ、あれはギャグでもなんでもなく、ただの本音ダダ漏れだったのだということが証明されてしまいましたね…
Posted by o_tsuka at 2020年12月10日 14:31
同じ世代だと、だいたいそんな感じだよね。
Posted by ケン at 2020年12月10日 18:11
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