2021年02月02日

要請に従わなかったら命令、罰則?

【休業・時短、入院拒否に罰則 与野党、週明けにも修正協議 特措法改正案など】
 政府は22日、新型コロナウイルス対策の特別措置法と感染症法、検疫法の改正案を閣議決定し、国会に提出した。
 休業や営業時間短縮に応じない事業者への過料や、入院を拒否した感染者への懲役刑の導入が柱。政府・与党は2月初旬に成立させ、同月中の施行を目指すが、野党は罰則に対する慎重意見が根強い。このため、与野党は週明けにも修正協議に入る見通しだ。
 菅義偉首相は同日の参院本会議で「個人の自由と権利に配慮し、必要最小限の私権の制限とした上で、支援や罰則の規定を設けるなど、必要な見直しを検討した」と強調した。
 同日の政府・与野党連絡協議会で、野党側は刑事罰を含む罰則規定の修正を要求。与党側は柔軟に応じる姿勢を示した。
 特措法改正案では、緊急事態宣言の発令中、都道府県知事が飲食店などの事業者に対し、休業・時短を「命令」できると規定。違反した場合は行政罰として50万円以下の過料とする。
 また、宣言の前段階として「まん延防止等重点措置」を新設。休業・時短を拒否すれば30万円以下、立ち入り検査を拒否すれば20万円以下の過料をそれぞれ科す。
 この措置の要件について、坂井学官房副長官は記者会見で「『感染が拡大する恐れがある』『医療提供に支障が生ずる恐れがある』と認められるといった内容を想定している」と説明した。
 一方、休業・時短の影響を受けた事業者には、国や自治体が支援策を「効果的に講ずる」と明記した。
 感染症法改正案では、入院を拒否したり、入院先から逃げたりした感染者に、刑事罰として「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」を設ける。保健所が感染経路を調べる「積極的疫学調査」で、協力拒否や虚偽回答には50万円以下の罰金を科す。
 病床確保に向け、医療機関に患者の受け入れを「勧告」できるよう、厚生労働相や知事の権限を強化。正当な理由がなく従わなければ病院名の公表を可能とする。
(1月22日、時事通信)

いろいろ変なことになっている。
もともと「自粛要請」だったはずのものが、「要請に従わなかったら命令、罰則」できるように法改正するという。
「要請に従わなかったら命令」までは仕方ないとしても、宣言の前段階での「休業・時短を拒否すれば30万円以下の罰金」は、すでに「自粛に従わなかったら罰則」であり、「自粛、要請」の域を超えている。
そもそも政府や自治体が「自粛要請」しているのは、補償が伴うことを避けるためだが、現状で自粛要請に対して財政補償が行われている以上、最初から命令を出せるようにすべきなのだ。
さらに言えば、自粛は「個々人の判断」であるはずで、有り体に言えば「勝手に休んでいるだけ」のはずだが、これに公的補償を与えている時点で、本来的には合理的整合性が成り立っていない。

緊急事態なのだから、政府が国民の生命財産を守るために私権制限を可能にする命令を出すのは当然の話で、それは現行憲法でも否定はしていない(明示もしていないが)。
つまり、「緊急事態=命令」の関係はすでに成立しており、変に細かく多段階的に制度を作ろうとして整合性が成り立たなくなっているのだ。

さらに変なことは、入院拒否に対する罰則である。
すでに東京都では2万人以上が「入院できない」状況にあると言われており、私が聞いた話でも「市中の民間検査で陽性が出たものの、病院どころか保健所も取り合ってくれない」という。
すでに医療体制が破綻している中で、罰則規定だけ新設するというのは、旧ナチス・ドイツ軍の脱走兵狩りや旧日本軍の「戦陣訓」を彷彿させるものがある。
現実には検査しないで逃げ回る人が増えるだけだろう。
そもそも日本政府は、東京五輪を開催するために感染者を統計的に少なく見せるために検査数を少なくしているのだから、実質的には「検査はしないけど、罰則だけ加える」という話になっている。

以上を行うのであれば、ここまで東京五輪にこだわって感染拡大を許した政治家と官僚に対する問答無用の罰則規定を設けるべきである。
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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