2019年07月19日

参院選2019 東京情勢と国会議員の選び方

議会制民主主義をほぼほぼ見限った私だが、職務上の分析は続けなければならない。
全体的には政権党が安定的な強さを誇り、一人区の大半をキープ、野党を圧倒する流れにある。
立憲は比例区でこそ安定的な強さを見せているが、選挙区はどこも苦戦しており、複数区ですら当落線上にあったりする。風頼みの体質と党組織に対する嫌悪は民主党時代のままであり、今後も厳しそうだ。
一部で話題の「れいわ」はカルト的な人気を誇っているだけで、比例で1人通るかどうかというレベルらしい。
野党が混迷する中、NK党と維新がそれなりに安定した強さを見せている。

東京では、丸川、山口、吉良が当選圏内。
残る3枠を、音喜多、武見、塩村、山岸が争う形となっている。
ブンヤの分析では、音喜多と山岸が最終議席を争う形になっているようだが、丸川に票を奪われまくりの武見も厳しく、塩村は女性から嫌われて苦しく、誤差の範囲内としか言いようが無い。山岸は「東大」「朝日新聞」がパワーワードになってしまい、逆効果になっている気がする。
東京の場合、立憲から二人、国民から一人出ているため、苦しい展開になっているところもあるが、概ね健闘していると言えそうだ。

個人的には社民党の朝倉氏を推したい。
全国一般という中小企業や非正規の労働組合の支部書記長であり、経験的にも経歴的にもスタンス的にも申し分ないからだ。
しかし、社民という倒産寸前の政党から出馬しているため、完全に当選圏外にあるところが、いかんとも苦しい。
この点でも、代議制民主主義が本来期待される機能を発揮していないことが分かる。

例えば、丸川はまるっきり政策論争できない半分芸能人みたいなものであり、吉良は白井同志が挑んだ「マルクス論争」を「まだ勉強中なので」と避けてしまう程度の「なんちゃってコミュニスト」、山口は弁護士出身かもしれないがカルト教団の代弁者である。
このほか、音喜多は政党漂流の機会主義者、塩村も同じようなもの。山岸についてはよく分からない。
つまり、東京選挙区で当選圏内にあるもので、曲がりなりにも国会議員としての資質がありそうなのは、自民党の武見(政治学者)だけという悲惨な状況にある。

代議制民主主義は、本来「主権者が主権を委ねる代行者を適切に選ぶ(はずだ)」という前提の上に成り立っているが、現実にはただの人気投票になってしまっている。立候補するものの多くは「議員になりたい」だけであり、投票する方は「本当に国会議員として適切か」ということを考えない。
ケン先生が考える「代議員に必要な資質」は以下の三つ。

・法案を読み込み、(東大法学部出身の)官僚と議論できる(経験と能力)

・主権者の一定層の利害を代表できる(代表性)

・主張と行動の一貫性(信頼性)


東京で言えば、丸川と吉良は経験と能力に疑問符が、山口、音喜多、塩村には信頼性と代表性に疑問符が付けられる。
それだけに、「弱い労働者」の代表であり、労働運動の経験が豊富な朝倉氏こそ国政にふさわしいはずだが、残念ながら当選しそうに無い。この点、代議制民主主義の機能不全として強調しておきたい。
posted by ケン at 10:00| Comment(5) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月22日

共同がまたぞろフェイクニュース

【XG政府、廃案受け入れを表明】
XG政府は21日、「逃亡犯条例の改正作業は完全に停止した」とし、改正案が廃案となる事実を受け入れると表明した。
(6月21日、共同通信、対策上一部改変)

自治政府は「立法作業を凍結したので、来年7月で自動的に廃案になる」という従来の見解を繰り返しただけ。
なぜ共同は言ってもいないことを報道しているのか。

ロシアでも中国でも外信の水準が恐ろしく低下しているように見えるのだが、これは何に起因しているのだろうか。
現場記者がそのままネットに流すケースが増え、校閲の不在も影響しているとは思うが、それだけではないだろう。

共同には関係者がいるから聞いてみてもいいが、なんだかバカバカしい。

posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月12日

国連対日勧告の何故

【表現の自由「日本は勧告をほぼ履行せず」国連特別報告者】
 言論と表現の自由に関する国連の特別報告者デービッド・ケイ氏が、日本のメディアは政府当局者の圧力にさらされ、独立性に懸念が残るとの報告書をまとめた。「政府はどんな場合もジャーナリストへの非難をやめるべきだ」とした。
 ケイ氏は2016年に日本を訪問し、翌年に報告書をまとめて勧告を行った。今回は続報として勧告の履行状況などを報告。政府に対する勧告11項目のうち、放送番組の「政治的公平」などを定めた放送法4条の撤廃、平和的な集会や抗議活動の保護など9項目が履行されていないとした。
 今回、ケイ氏からの問い合わせに日本政府は答えなかったとしている。報告書は国連人権理事会に提出され、審議されるが、勧告に法的拘束力はない。
(6月6日、朝日新聞)

右派を中心にまた「国連ガー」と騒ぎになっている。
こちらもまたぞろ説明するが、外務省が「国際連合」などと真実を隠蔽するための訳語をつくったことに起因している。
国連は英語では「United Nations」で、要は連合国である。中国語の「联合国」を見れば一目瞭然だろう。
せめて日本の国連センターくらいは「連合国」と掲げて、マスコミに対して「連合国」の訳語使用を求めれば、国民の認識も変わるだろうに。

さて連合国(国連)憲章には「旧敵国条項」というのがあり、第53条などで二次大戦期の枢軸国が再び侵略戦争に向けた準備や領土奪還などを求めることを禁止、必要に応じて武力行使を含む制裁を例外的に無条件で(安保理の裁定無しで)許可するというもの。
ネトウヨのミナサンはご存じないようだが、日本は枢軸国側で参戦し、米英中ソと戦争して敗北している。

つまり、日本が(北方領土含む)領土要求を行ったり、全体主義的あるいは(軍拡含む)好戦的な政策を採った場合、連合国旧戦勝国は安保理の裁定を待つこと無く、「侵略防止に向けた措置」を取ることが許されている。
そして、日本やドイツなどにおいて、ファッショ、ミリタリズム、集産主義などの兆候が見られるか監視するのも、連合国=国連の役割の一つになっている。
国連機関が日本に対して厳しい姿勢を貫いているのは、このためであり、日本は連合国側の疑念を払拭する義務があるはずだが、北方領土要求を含めて、果たしているとは言えない状況にある。

ロシアのラブロフ外相がたびたび厳しい要求を日本政府に突きつけてくるのも、根源はここにある。
だからこそケン先生は、ソ連=ロシアが旧敵国条項を持ち出さないようにするためにも、日露平和条約を結ぶ必要があると主張しているのだ。

旧敵国条項に照らし合わせてみて、日本はかなり危険な状況にある。
世界第七位の軍事大国である上に、政権党内では「軍事費倍増計画」が議論されており、国内では外国人差別や韓国、朝鮮、中国に対する排外的・侵略的言説が流布されている上に放置されている。
政権党内では、憲法の全体主義的、軍国主義的、権威主義的改正案が策定されている。
首相と内閣の権限は、明治期に内閣制度が発足して以降、最大となっており、かなり独裁的権限を持つに至っている。
表現の自由、女性や性的多様性に対する差別、権威主義的教育、警察権や裁判制度の非人道性など、どれを見ても、旧敵国条項に背反している。

要は日本人が「オレは大丈夫」と思っているだけで、現実あるいは周囲はそうは考えていない、ということなのだ。
posted by ケン at 12:00| Comment(4) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月11日

色々辛すぎるニッポン

まぁ金融庁の件は一応擁護したけど(ケン先生は比較的大蔵系に優しい)、全体的に見ると、日本で生きるのは辛すぎる感じ。以下眺めてみよう。

「長生きするなら1千万以上用意しろ」
「住む家は自分で買え」
「消費税は15%をめざすぞ」
「子どもは3人以上つくれ」
「学校では十分教えられないから塾へ行け」
「男も女も最低70歳まで働け」
「年収200万以下で文句言うな」
「副業、兼業はどんどんやれ」
「生活保護はどんどん削るぞ」
「残業規制は月100時間にしてやったから感謝しろ」
「ストやデモはもってのほか」
「女はハイヒール履け」
「表現の自由は時代錯誤」
「上級国民には人権適用」
「チューゴクが攻めてくるから軍拡だ」
「日米同盟が大切だから中東戦争に軍事介入するぞ」
「図書館や公民館は赤字だから廃止する」
「医者や教師が待遇について文句言うな」
「資産流出を防ぐために金持ちは優遇するぞ」
「ニッポンに生まれて幸せすぎる」

これはもう「合成の誤謬」では済まされないよな〜〜
ま、政治家のミナサンガンバッテクダサイな。
posted by ケン at 12:00| Comment(3) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月10日

身分に関係なく人間を不幸にする日本型システム

【川崎殺傷事件の影響、供述 長男殺害容疑の元農水次官「迷惑かけたくなかった」】
 東京都練馬区の自宅で無職の長男を刺したとして元農林水産事務次官が殺人未遂容疑で逮捕された事件で、熊沢容疑者が川崎市で児童ら20人が殺傷された事件に触れて「長男も人に危害を加えるかもしれない。周囲に迷惑をかけたくなかった」との趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材で判明した。事件の数時間前には、近所の小学校の音を巡って長男とトラブルになっており、警視庁練馬署は動機を慎重に調べている。
(6月3日、毎日新聞より抜粋、氏名削除)

リベラル派は「また上級国民か?!」と息巻いているようだが、さてどうだろうか。

「世間様にご迷惑を掛けるくらいならいっそ自分の手で・・・・・・」

というのは、ある種日本の伝統であり、それは身分を問わない。
かつて明治初めの薩摩では「薩摩には警察は要らない。罪を犯せば、捕まる前に腹を切るのが武士の習いである」と言われたというが、これも「お上の厄介になるのは家の恥である」という伝統に起因するものだった。

これに限らず、江戸期には「押し込め」というシステムがあり、問題を起こす可能性のある人物は当局に申請して、その家が一定の金額を納めれば、座敷牢に入れてもらえる(公儀が犯罪予備者を管理する)というものだった。
問題の元次官殿も江戸期であれば、後ろめたい思いはしても、自ら子を殺すようなマネはしないで済んだはずなのである。

ところが、明治期に入ってこうした伝統的システムは全て否定される。
見た目的には人道的措置かもしれないが、天皇制の下で全て自己責任になっていった。

例えば、日露戦争期には後半戦に入ると兵力に不足が生じ、予備役が続々と動員されるが、その中に小さな子が二人いる父子家庭の父親がいた。その父は村役場に残される子の扶養を頼みに訪れるが、「役場の関知するところにあらず」とけんもほろろに扱われて追い出され、手立てを失った父は子二人を殺害した上、連隊本部に出頭したという。平民新聞に掲載された記事だというが、残念ながら本文は確認できていない。しかし、いかにもありそうな話である。なお、この平民新聞は日露戦役から5年後に起きた大逆事件の煽りを受けて、廃刊している。
同様のことは、日中戦争以降にも起きているようだ。

最近では、未成年者ならば児童相談所などに相談する術もあろうが、息子とは言え、私と同年代の初老者ではどうにもならないだろう。
精神に不調のある者を拘束する従来の精神医療は否定される傾向にあるし、強制的に心療内科に連れて行く手段も無いとなれば、選択肢は限られてしまう。
まして国家官僚トップの次官ともなれば、なおのこと「家の名誉」も気にするだろう。
仮に元次官殿が不真面目であったなら、息子を置いて夜逃げしてしまえば良かったのであり、まだその方がマシだったかもしれない。
相談する術も無ければ、逃げることも考えられない、という日本社会の閉鎖性が悲劇を生んでいるのではないだろうか。
posted by ケン at 12:00| Comment(3) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月09日

静岡なのに三河すぎる件

【参院選・静岡 自民候補、牧野氏に一本化】
 自民党県連の上川陽子会長と竹内良訓幹事長ら県連四役は6日、東京・永田町の自民党本部に二階俊博幹事長を訪ね、今夏の参院選静岡選挙区(改選数2)で2人目の候補者を立てず、現職の牧野京夫(たかお)氏(60)に一本化する方針を伝えた。二階氏も了承したという。
 会談終了後に上川会長は「参院選では県議、国会議員が一致団結して牧野氏一本で取り組みたいと申し上げ、(二階)幹事長にもご理解いただいた。最終的な結論だ」と方針決定に至った経緯を説明した。
 同選挙区には牧野氏のほか、国民民主党現職の榛葉賀津也氏(52)▽立憲民主党新人の徳川家広氏(54)▽共産党新人の鈴木千佳氏(48)−が出馬を予定。野党側の候補者調整が成立せず3候補が名乗りを上げ、旧民進党系は現新2氏が分裂選挙を戦うという状況だ。
(6月6日、産経新聞より抜粋)

どうでもいい話だけど、静岡なのに三河勢ばかりじゃないの?
榛葉氏は遠江だが、それ以外の徳川(松平)、牧野、鈴木の三氏はもともと三河(現愛知)の名族ばかり。

牧野氏は今川氏の配下にあって、松平氏の三河統一に最後まで抵抗した家柄。後に譜代扱いされたとはいえ、かなり外様寄りの譜代だった。今川家での待遇は篤く、本来的には松平氏に対して「色々思うところがある」一族だ。

三河鈴木氏は、ケン先生の遠い先祖にもなるが、三河一揆に際して一揆側に付いたため、徳川幕府が成立した後も大名にはなれず、良くて旗本、わが先祖の場合は御家人だった。

改めてこうしてみると、自民が今川・牧野、立民が松平、NKが鈴木氏を立てて戦う構図は、マニアックに興味深い(笑)
posted by ケン at 12:00| Comment(3) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月04日

「面倒な話は選挙後に」は日本の常

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中国の皆さんも「不利な合意は選挙後にってことだろ、いくら何でも国民は騙されないでしょ」と言って下さるのだが、歴史的にはよくある事だった。

例えば1969年11月の日米首脳会談では、翌12月に総選挙を準備していた佐藤首相がニクソン大統領に懇願して繊維交渉についての合意を先送りしてもらい、沖縄返還についてのみ発表、12月の選挙で大勝している。その後、繊維交渉はアメリカ側が交渉のハードルを上げ、難航、最終的に妥結したのは71年10月のことだったが、大幅に日本側が譲歩する形となった。

1983年の牛肉、オレンジ交渉が妥結したのは83年12月の総選挙後の84年4月のことだった。農協の支援無くして選挙を戦えない自民党では、農産物輸入自由化に反対する議員連盟に200名以上が参加、選挙で大勝した後、翌84年4月に輸入枠を2倍以上にする日米合意がなされた。ここでは「完全自由化は阻止した」との弁明がなされた。

最近では安倍首相がTPP交渉への参加を表明したのは、2012年12月の総選挙後の13年3月だった。第46回衆議院議員総選挙に際しては、自民党候補の多くが選挙公約として「TPP(交渉参加)反対」を掲げた 。この総選挙で自民党は多数議席を占め、民主党から政権を奪回したが、翌2013年1月に自民党内で結成された「TPP参加の即時撤回を求める会」には203人が参加し、党所属議員の過半数を占めた 。現実には、同2013年3月15日に安倍晋三首相がTPP交渉への参加を表明し、自民党の選挙公約は実質的に反故にされている。

日本における議会制民主主義とはそういうものなんですよ!
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする