2018年07月13日

魚は頭から腐る:文科省の場合

【「次官候補」がなぜ 佐野容疑者 政界進出うわさも】
 「信じられない」−。次官候補だった現職局長・佐野太容疑者(58)が逮捕された四日、文部科学省に衝撃が走った。東京医科大(東京都新宿区)に便宜を図り、見返りは自分の息子の不正入学。東京医科大の学生からは「裏切られた」と怒りの声も。昨年の天下り問題に続く不祥事で、教育行政への信頼失墜は必至だ。 
 エリート官僚だった佐野太容疑者は、文部科学省内で「将来の次官候補」と目され、政界進出のうわさも飛び交っていた。かつて一緒に政治家との折衝をしたことがあるという前文科次官の前川喜平氏(63)は、逮捕の一報に「え? 佐野君が?」と目を見開き、「信じられない」と首を振った。
 前川氏が官房長だった二〇一二〜一三年、佐野容疑者は総務課長。当時は「まじめで丁寧。安心して仕事を任せられた」という。「普段は物静かだが、山梨出身ということもあり、ワインにはうるさかった」と振り返る。現役の文科省職員も「間違いなくエリートコースを歩んでいた」「次官になるべき人」と証言するが、佐野容疑者の下で仕事をしたことがある男性職員は「上にはいい顔をするが、面倒な仕事は僕らに押し付けてきた」と不満を漏らす。
 小杉隆元文相の娘婿で、政界進出のうわさも。出身地・山梨の知事候補にも名前が挙がった。同省高等局担当の審議官経験があり、本紙が今年五月、加計学園問題について省内で質問すると、目を合わさずに「その件は取材を受けない」とだけ答えた。
(7月5日、東京新聞)

逮捕された文科省局長は、小杉隆元大臣の女婿とのこと。霞ヶ関の閨閥化と「魚は頭から腐る」を象徴している。学生や教員に対する収奪を強化する一方で、大学行政への中央統制が強化され、エリート官僚の天下りも増える構図。中央権限の強化が、天下りや便宜供与の温床になる好例でもある。

森友・加計など政官業報の癒着構造がおぞましさを増し、表面化しても処罰されなくなっている中で、腐敗が蔓延しつつあることの証左でもある。トップが腐敗を見せ、国会で追及されても最終的に処罰を免れるのであれば、「じゃあ自分も」となるのは自然の話であり、モラル・ハザードそのものであろう。
同時に、大学改革の中で自治が奪われ、文科省の権限が強化されつつあり、大学側としては自らの権益を守るために中央官僚に便宜を図るインセンティブが高まっている。政治家・官僚のモラル・ハザードと大学の従属が、癒着と腐敗を生んでいる。

少し前に始めた"Kingdom Come"という中世欧州を舞台にした洋ゲーで、冒頭のチュートリアルから「Money first, Morals later」と教わり、「やっぱ洋ゲーだよな!」と思っていただけに、笑いが止まらない。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月11日

逃亡奴隷も逃亡幇助の自由民も皆逮捕

【ベトナム人不法就労 助長容疑の男再逮捕】
 外国人技能実習生などのベトナム人16人が失踪し、後志管内ニセコ町のホテルで違法に働いていたとされる事件で、道警外事課などは29日、入管難民法違反(不法就労助長)の疑いで、東京都大田区大森東2、人材派遣業東郷芳弘容疑者(53)=同容疑で逮捕済み=を再逮捕した。逮捕容疑は1月〜5月末ごろ、ニセコ町のホテルで、いずれも就労資格のないベトナム国籍の男(20)=同法違反(不法残留)の罪で起訴済み=と女性(30)の2人を、客室などの清掃員として働かせた疑い。
(6月29日、北海道新聞)

劣悪な待遇に耐えかねて逃亡する技能実習生が増え続けている。2012年の2,005人に比して、2017年には7,089人にまで増加、特にヴェトナムからの実習生の逃亡が増えている。これに対して実習制度に反したと法務省が認定した「不正行為」は、減少傾向にあるという。結果、政府は逃亡した実習生の摘発強化に乗り出し、ここに来て検挙者が急増、逃亡を幇助したと見なされた市民も、上記のような罪状をもって検挙されつつある。

現在ヴェトナムの平均賃金は日本円にして月3万円程度。これに対して技能実習生は時給換算で200〜300円程度と言われ、数字上は12万円程度が中央値のようだが、その少ない収入からまず半分が仲介業者に支払われ、さらに住居費や制服代などが天引きされるというから、「出稼ぎ」としては殆ど用をなさないことが分かる。

外国から騙して連れてきて、一方的に収奪するからこそ制度として成り立たず、逃亡者が続出しているにもかかわらず、待遇を改善するのでもなく、逃亡者を摘発、追放することで制度の存続を図ろうとしているのが現状だ。
実習生の待遇改善が難しいのは、元々正規の最低賃金すら払えない地方の零細企業が、主な制度利用者であるためで、待遇改善は即倒産に繋がる死活問題と言える。この手の悪徳企業が、地方の自民党を支え、政官業報の癒着構造をなしているだけに、不法行為は摘発されず、報道もされないという暗黒を生んでいる。
posted by ケン at 13:02| Comment(0) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月02日

帝室が元愛人を国外追放に?

【小室圭さん、3年の予定で米国へ 眞子さまと結婚延期中】
 結婚が延期されている秋篠宮家の長女眞子さま(26)の相手の小室圭さん(26)が、米国で弁護士資格を取得するため、8月ごろから3年間の予定で渡米することが28日、関係者への取材でわかった。
お二人は昨年9月に婚約が内定したが、「充分な準備を行う時間的余裕がない」として今年2月、結婚とそれに関わる諸行事を「再来年(2020年)に延期」すると発表していた。その後、具体的な予定は明らかにされていない。
 関係者によると、小室さんは今年春、勤務先の法律事務所に渡米の希望を申し出た。すでに米国での通学先は決まっており、現在の事務所に籍を残し、21年に帰国後、再び勤務する予定という。
(6月28日、朝日新聞)

エカテリーナ2世が、用済みになった元愛人を外国大使として飛ばしちゃうアレ。
愛人側が「自主的渡航」を申し出ている辺り、戦時期の特攻と同じ、「あれは命令じゃなくて、彼らが自発的に尊い意の命を帝室に差し出したのである」という論理と恐ろしく酷似している。写真で見る限り、小室氏の笑顔が痛々しく、まさに「謂われの無い罪で告発されながらも、独裁者を賛美する市民」のそれであり、ファシズムそのものであることが分かる。

天皇制の邪悪な無責任体質がよく分かる。これに比べれば、同じ外国に愛人を飛ばすのでも、エカテリーナ2世は、国家の正式な業務命令として大使等に任じ、十分以上の待遇を保証していた。日本の帝室も、せめて渡航費と滞在費くらいは宮廷機密費から支出するのが「人情」というものだが、政府的には「生命と自由があるだけマシ」ということなのだろう。アメリカで「事故死」しないことを祈るばかりである。
posted by ケン at 13:26| Comment(4) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月28日

安全では無くなった仮想空間

【Hagexさん刺殺、犯行声明か 「低能先生と呼ばれ」】
 福岡市内であったIT関係セミナーの男性講師を刺殺したとして、福岡県警は25日、福岡市東区筥松(はこまつ)1丁目の無職、松本英光容疑者(42)を殺人と銃刀法違反の疑いで逮捕し、発表した。松本容疑者は「ネット上(のやりとり)で恨んでいた男性を死なせてやろうと思い、腹と首を刺した」などと話しているという。
 殺害されたのは、「Hagex」の名前で活動するインターネットセキュリティー関連会社「スプラウト」の社員、岡本顕一郎さん(41)。ネットには事件への関与をほのめかす投稿もあり、県警は松本容疑者が投稿した可能性もあるとみて関連を調べる。
 ネットで出回っている投稿に表示された時刻は、松本容疑者が出頭した24日午後10時50分の直前。福岡県警が松本容疑者を逮捕して、名前や年齢を発表する前だったが、「42歳」と正しく記述されていた。投稿では、自身がネットで複数の人から「低能先生」と呼ばれてきたなどと主張しつつ、「これから近所の交番に自首して俺自身の責任をとってくるわ」などと書き込んでいた。
 事件が起きた起業家支援施設は繁華街・天神の近くにあり、一時騒然となった。福岡市は25日、施設を一時的に閉館した。
(6月25日、朝日新聞)

ロシアでは、反政府系のジャーナリストが殺害される事件がたびたび起きているが、ついに日本でも始まったようだ。
警察は怨恨の線で収める意向のようだが、この手のケースの場合、全体主義学徒としてイメージされるのは、当局が殺害したい人物に対し怨恨を持つ人間を唆し、暗示・心理操作を行って怨嗟を増幅させるパターンである。自分で手を下す必要が無く、失敗したとしてもリスクは殆ど無いため、頻繁に使われているとみられる。『フンタ』にも「精神異常の暗殺者」が登場するが、あれである。
ソ連学徒的には、「不倫による怨恨が原因」で片付けられた政治局員セルゲイ・キーロフ暗殺事件が思い出されるが、日本史では明智光秀による信長殺害がある。いずれも単なる怨恨で片付けるには闇が深すぎるケースだ。特にキーロフ暗殺は、スターリン期の大粛清の端緒となった事件であるだけに、非常に興味深い。

権威主義体制に移行しつつある日本においても、当局がロシアやソ連の手口を学習したとしてもおかしいところは何も無い。そもそも財務大臣が「ナチスの手口に学べ」と言っているくらいなのだから。

被害者が殺害された理由は判然とせず、十分に分析する必要はあろうが、「三十六計逃げるにしかず」でもある。
本ブログでは、機密情報は扱わないし、スキャンダルも滅多に取り上げず、政府批判も控えめにしているはずだが、「○○先生に対する批判は止めた方が良い」とアドバイスされたこともあり、どこで何が恨みを買っているか分からないところは、ネットの怖いところでもある。
また、1937年に起きた人民戦線事件では、諸先輩方の大半はごく些細な理由から検挙されているし、戦時中に起きた横浜事件では、出版社の温泉旅行を共産党再建のための謀議と見なした特高によって治安維持法違反で60人以上を逮捕、拷問で4人が獄中死している。

こうした事件を想定した上での「共謀罪」導入だったと考えた場合、私の安全は、もはや一刻の猶予も無いと考えて良いだろう。
posted by ケン at 12:57| Comment(3) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月24日

ファシズムは笑顔を強要する

【笑顔でないと出勤登録できず 出退勤管理システム開発 外食産業向けに】
 顔認証技術を使って笑顔かどうかを測定する機能を設けた出退勤管理システムを、業務用ソフト制作のイー・カムトゥルー(札幌)が開発した。従業員の出勤時間登録に顔認証を使い、一定のレベルを上回る「笑顔度」であるとシステムが判断すると、出勤登録できるようにする。担担麺専門店を展開する175(いちななご)=札幌=が導入を決定。笑顔の接客を心がける飲食店での普及を目指す。
新しい出退勤管理システムを搭載したタブレット端末の画面に自分のIDを打ち込むと、端末のカメラが作動し、顔写真を撮影。ID登録している人物と同一かどうかを確認するとともに、口角が上がっているかなどの表情の要素から、笑顔かどうかを判定する機能を持たせた。「笑顔度」は数値で表示され、値が低いと「笑顔度が規定値より不足しています」との表示が出て、出勤の登録ができない。再びカメラの前で、しっかり笑顔を作ることが求められる。
札幌や東京などに担担麺専門店「175。(ひゃくななじゅうごど)DENO担担麺」を展開する175は来年中に全7店でこのシステムを導入する。同社のシステム管理者、柳橋優樹さんは「笑顔はサービスの一つで、顧客満足度の高さにつながる。従業員に毎日の笑顔をチェックをする習慣にしてほしい」と話す。既に導入済みの札幌北口店のある従業員は「前日に寝不足の時は、翌朝の顔認証で表情の硬さに気付くときもある」と話した。
 かつて、出退勤の管理にはタイムカードが使われていたが、不在の従業員のカードを他人が記録するなどの不正を防げなかった。顔などの生体認証を使ったシステムは他人では記録できない。アルバイトなどの出勤管理目的でも普及が進んでおり、NECなど大手企業の参入も増えている。
(6月17日、北海道新聞)

たとえ親や子が謂われの無い罪で一方的に処断されようと、独裁者や支配体制を賛美し続けなければならないのがファシズム、全体主義である。仮に件の職場が心地よいところであるならば、上から強制せずとも自然と笑顔に近い表情になるだろうが、そうではないからこそ強制が必要となるのだ。ブラック企業ほど、朝礼や社歌斉唱が強要されるとの同じ構造と言える。

サービス業が笑顔を強制するのは、コストダウンや市場競争に起因するもので、賃金を上げることなく感情労働を強制することで、「質の高いサービス」を提供するのが狙いだ。要は労働搾取の一変種である。
ところが、元手がかからないため、どこの企業でも「スマイルゼロ円」を始めた結果、サービスのデフレ・スパイラルが発生すると同時に、社会のストレスを上昇させている。また、感情労働の強制によって精神に変調を来す者が続出、「働けない者」を増やしてしまっている。
日本の企業が、実際のサービスの質を上げるだけのコストを投入できなくなっており、労働搾取を強化することでしか対応できなくなっていることを示している。

ケン先生も昨年の選挙では、「顔が怖い」だの「応対が雑だ」などと言われて、「有権者にいちいち笑顔で送迎サービスしなきゃならんのか!」と思ったもので、それも退職する遠因になっている。
従業員に笑顔を要求すること自体、パワハラ認定すべきだと考えている。
まぁ人手不足時代にそんな会社で働きたいと思う若者がいるとも思えないのだが・・・・・・
posted by ケン at 00:00| Comment(0) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月20日

骨抜きされた受動喫煙対策法案

【受動喫煙法案、国民民主が規制厳しい対案 厚労委で審議】
 受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案の本格的な審議が13日、衆院厚生労働委員会で始まった。国民民主党は、店舗面積30平方メートル以下のバーやスナック以外の飲食店は原則屋内禁煙(喫煙専用室は設置可)とする、改正案より規制が厳しい対案を提出した。与党は今国会での成立を目指しているが、規制内容をめぐり、意見が対立している。
 加藤勝信厚労相は委員会で、「(改正案は)新たに開設する店を原則屋内禁煙とするなど、対策が段階的に進む実効性のある案だ」と述べ、法改正への理解を求めた。
 改正案は、焦点だった飲食店を原則屋内禁煙とするが、例外的に客席面積100平方メートル以下で個人経営か中小企業の既存店は「喫煙」「分煙」などと表示すれば喫煙を認める。国民が今回出した対案は、より厳しい内容で、施行時期も改正案より前倒しにし、2019年のラグビーワールドカップ開催までとした。
(6月13日、朝日新聞)

「東京五輪の開催前には、国際標準程度には規制する必要がある」として準備されたはずの受動喫煙対策法案だったが、たばこ業界や飲食業界などの強烈なロビー活動が行われた結果、骨抜きにされてしまった。

例えば、飲食店への規制を見た場合、新規開店や客席面積100平方メートル超の飲食店では「原則屋内禁煙」ではあるものの、喫煙専用室を設置すれば喫煙が認められる。他方、「客席100平方メートル以下」で「個人経営や資本金5000万円以下」の既存店の場合、「喫煙可能」とさえ表示すれば、喫煙が認められる。厚生労働省の推計によると、適用が除外される飲食店は55%に上るという。

野党でも対応が分かれた。国民がやや厳しめの対案を示した一方、立憲はたばこ労組や喫茶店組合などからのロビー活動を受け、労組幹部に喫煙者が多いこともあって沈黙している。ある議員に言わせれば、「見ないフリして嵐が通り過ぎるのを待つだけ」とのこと。この連中がどこを見て政治しているか、よく分かるだろう。立憲は最終的に政府案に反対したが、表向きは「政府は生ぬるい」という理由だったが、内実は組合や業界団体の圧力を受けてのものだった。
他方、国民は採決で自党案が否決された後、政府案に賛成したことで、一部から非難を浴びているそうだが、これは「規制が無いよりはマシ」というもので、立憲よりもよほど理性的な判断だった。マスゴミや世論の犠牲者と言えるだろう。

いまやあの喫煙大国だった中国でさえ、屋内完全禁煙が実現され、喫煙者が急減しているというのに、日本では喫煙者や業界団体の既得権が保護され、国民全体の健康は二の次にされている。
posted by ケン at 11:59| Comment(0) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月11日

多選批判者が多選めざす腐敗

【調布市長選 長友氏、5選出馬表明 市政継続に意欲】
 任期満了に伴う調布市長選(7月1日告示、同8日投開票)で、現職の長友貴樹氏(65)が1日、5選を目指して無所属で立候補する意向を表明した。長友氏は2002年の市長選で、当時の吉尾勝征市長の5選出馬を批判して初当選した経緯があり、「批判されても仕方ない。(自分自身の)不明を恥じなければならない」と述べる一方、市政の継続に意欲を示した。
 長友氏は市内で記者会見し、東京五輪のサッカー会場などが市内に決まり、さらに昨年5月に都市長会会長に選任されたことで「5期目を意識した」と説明。また、多選による組織の硬直化や人事停滞などの弊害については「出馬をあきらめるほど、(市の)組織全体がおかしくなっているとは思わない」との認識を示した。
(6月2日、毎日新聞)

長友調布市長が五選出馬を決意したとのこと。自分は三選出馬に際して党内会議で多選に疑義を呈し、執行部に「最適任である」「他に選択肢が無い」ことを確認した上で同意した。四選出馬に際しては、明確に反対を表明、遠回しに「まだ自民党と相乗りする方がマシだ」くらいの意見まで述べたが、捨て置かれた。リベラリズムは、価値観や人間関係の硬直が腐敗の温床となり、共同体内の対立を招く原因になることから、代議員や首長の多選を忌避する。どちらの会議でも、自分以外に多選批判を表明した者はいなかったことは、日本の政党人の大半がリベラリズムを理解していないことを示している。
posted by ケン at 12:22| Comment(2) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする