2019年01月04日

腐敗官僚による天下りの連鎖

【懲戒処分の元文科官僚が組織委入り 東京五輪・パラ】
 文部科学省を巡る接待汚職事件に関与した元コンサルティング会社役員から飲食接待を受け、辞職した前文科省初等中等教育局長の高橋道和(みちやす)氏(57)が2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会入りする。3日、関係者が明らかにした。
 高橋氏は15年10月に発足したスポーツ庁で長官に次ぐ初代の次長職を務めており、スポーツ行政の手腕が評価された。大会開催を翌年に控え、準備を加速させるための組織強化とみられる。高橋氏は昨年9月、国家公務員倫理規程に基づき減給の懲戒処分を受け、辞任を申し出ていた。
(1月3日、毎日新聞)

新年早々おめでたいニュースが。
腐敗役人が準公的機関に天下りしたのでは、何のために辞めさせたのか分からない。
むしろ先をとって辞任したことで、責任追及を逃れ、天下り先に転身したと見るべきだろう。
これでは腐敗構造が蔓延するばかりであると同時に、オリンピックそのものが腐敗構造の中核をなしていることを示している。

数年前、野党議員にも誠実に対応してくれた某省の局長が定年退職する際、「天下り先もまだ決まっていない」と嘆いておられたが、日本社会が能力や職務に対する誠実さで人物を評価するのではなく、組織に対する忠誠度や人間関係で評価される社会であることを示している。
日本社会が制度だけでなく、文化や慣習面においても堕落、腐敗していることの現れと言えよう。
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2018年12月30日

霞が関連続データ改ざん事件が意味するもの

【勤労統計、全数調査怠る 都内実施は約3分の1 厚労省】
 厚生労働省が公表している「毎月勤労統計」について、本来とは違う手法で一部調査されていたことが28日、分かった。従業員500人以上の事業所はすべて調べなくてはいけないが、東京都分は3分の1ほどしか実施していなかった。調査結果は国の経済規模を示す国内総生産(GDP)の算出などにも使われており、重要な統計の信頼性が揺らぐ恐れがある。
 この統計は、統計法に基づく政府の基幹統計の一つ。賃金や労働時間などの動きを示す指標で、労働者1人当たりの現金給与総額や前年同月と比べた変化率などを厚労省が毎月公表している。調査は、都道府県を通して実施している。対象は全国で約3万超の事業所。従業員5〜499人は抽出して実施するが、従業員500人以上の事業所6千弱についてはすべてで行うことになっている。政府関係者によると、東京都の500人以上の事業所は約1400ある。ところが、厚労省側で約3分の1の500事業所ほどを抽出し、東京都に対象事業所のデータを渡していた。いつから、どのような経緯でこうした調査をすることになったかは、厚労省が現在調査しているという。
(12月28日、朝日新聞より抜粋)

企業におけるデータ改ざんは、多くの場合、実現不可能な目標を上から一方的に命令され、それを形式上「実現」するために行われている。
霞が関によるデータ改ざんやデータ不正が次々と明らかにされているが、これは通常の調査方法では、政治(自公政権)が掲げる「アベノミクスの成功」を証明することができなくなっているため、データや統計数値を改ざんすることによって、形の上だけ証明しようとしている傍証と言えよう。

このことは、国家そのものが通常あるいは正常なる方法では成長あるいは現状を維持することができなくなっていることを意味している。1970〜80年代のソ連などでは、政治レベルで不正データを掲げて「社会主義の偉業達成」をアピールしていたが、これと同じことが現代日本で起きているのである。
この分では、2030年代に入るか入らないかくらいで大崩壊するイメージだ。
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2018年12月27日

広河問題は氷山の一角

【世界的人権派ジャーナリストに性暴力疑惑 7人の女性が証言】
 チェルノブイリ原発事故、薬害エイズ問題などに取り組み、常に被害者の側に立ってきた人権派フォトジャーナリストとして世界的に知られる広河隆一氏(75)に、職場の女性へのセックス要求、ヌード撮影、セクハラなどの疑いがあることが「週刊文春」の取材でわかった。
(12月25日、文春オンラインより抜粋)

広河氏のことは、議員会館などで何度か見かけたことがあるが、人づてにその人柄を聞いていたこともあって、私も横柄な権威主義者のイメージを抱いており、できれば関わりたくない人物の一人だった。同じく、人づてではあるが、周囲の人間を怒鳴りつけたり、居丈高に命令したりといった話も聞いていただけに、驚くことはなかったが、ここまで酷いとも思わなかった。特に親しかったわけでは無いが、知っている女性が出入りしていたこともあって、手遅れかもしれないが、心配している。

一般的に権威主義は右翼や保守に多いと見られがちだが、現実は逆で、左翼の中でも左に行けば行くほど権威主義の度合いが高まる構造にある。言うまでも無く、その本家本元がNK党であり、旧社会党にあっては最左派の社会主義協会派がそうだった。彼らは、多数派に依拠していないがために、マルクス主義や社会主義のドグマという権威に、権力の正統性を依拠する他ないことが原因と考えられる。
むしろ旧来型の自民党は、多数の市民や団体の支持を受けなければ議員でいられないがために、一般的には横柄や権威主義とは程遠いところにあった。いわゆる人格者は圧倒的に自民党に多い、いや多かったのだ。
過去形にせざるを得ないのは、最近は自民党も人材不足となり、地場の名士ではなく、公募で集めて「当選しそう」という基準で選ばれたものが候補者となり、小泉あるいは安倍人気の下で当選しているだけに、旧来型の「人のいいおっちゃん」や「ワルだが気遣いや人垂らしのプロ」みたいな者が絶滅危惧になり、頭でっかちで変なルサンチマンを抱えた横柄な人物が横行している。

この問題の根が深いところは、平素人権保護やジェンダー平等を訴える左翼あるいはリベラルの中に、この手の権威主義者が無数に存在している点にある。少し前に問題になった鳥越某の例をあげればよく分かるだろう。
この点、最初から「女は厨房でメシをつくってろ」というスタンスの保守派においては、ハナからこうした問題が起こりにくい環境にある。いずれにしても、女性にとって地獄であることに変わりはないのだが。

また、権威主義的かどうかは別にしても、議員をやる、あるいはやりたがるような人物は、色々な意味でパワーが有り余っているものが多く、性欲についても同様で、わが男性同志の中にもある男性議員に押し倒されそうになったところを這々の体で逃げてきたものがいるから、良くわかる。
少なくとも話を聞く限り、他にも女性の議員秘書で、議員からセクハラあるいは性暴力を受けたものは少なくない。政党や党派に関係なく、まだまだ性暴力が蔓延しているのも事実だ。永田町を厳密に調査すれば、おそらく国会議員の3分の1以上がパワハラないしはセクハラの加害者である、というのが、永田町に15年間勤務した私の直観である。

闇は深い。

【2018.12.29 追記】
この闇がさらに深いところは、一つは女性議員におけるパワハラ等の深刻さに見出すことができる。有名どころでは、タナマキやトヨマユが、現役を見てもジェンダー平等を訴えるRM党ですら、IMやWYらを筆頭に女性のパワハラ議員あるいはパワハラ疑惑は枚挙に暇がない。この構造は、人権擁護を訴えるリベラル層に権威主義者が多いことを軌を一にしている。それだけに、この業界は救いがないのである。
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2018年12月15日

日本政府が苦肉の?ファーウェイ排除

【政府、中国通信2社製品を排除方針】
 政府は、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)が中国情報機関との結び付きを指摘されていることを踏まえ、2社の製品を政府調達から事実上、排除する方針を固めた。政府関係者が7日明らかにした。
(12月7日、共同)

まさに「泣く子と地頭には勝てない」である。
フェイスブックが米当局に協力していたことに象徴されるように、権力から求められた通信事業者が奉仕を拒否するのは難しく、それはアメリカだろうが中国だろうが変わらないだろう。
今回の件は、米中貿易戦争でアメリカ側に出せるカードが少ないことから起きた話で、言うなれば日本は親が勝手に始めたヤクザ戦争に巻き込まれてしまった弱小の下っ端組織みたいなものだ。しかも、戦争相手はいまや最大の取引先になっているのだから、頭を抱えるばかりに違いない。
日本の事業者は喜ぶかもしれないが、競争が無くなれば、技術の劣化が際立つだけではないか。
これも「日米同盟」が対等でないことの現れと言える。まぁ当然の話なのだが、いつまで続けられることやら。
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2018年11月10日

TPP11で著作権が厳格化

【著作権保護期間が50年から70年に延長。一部非親告罪化も】
 著作権法が改正され、著作権保護期間が50年から70年に延長される。変更されるのは、映画以外の著作物、実演、レコード。映画に関しては現行法の公表後70年のまま変更はない。TPP11協定が日本国について効力を生ずる日である2018年12月30日から施行される。改正の趣旨は以下の5つ。

(1)著作物等の保護期間の延長
(2)著作権等侵害罪の一部非親告罪化
(3)著作物等の利用を管理する効果的な技術的手段に関する制度整備(アクセスコントロールの回避等に関する措置)
(4)配信音源の二次使用に対する使用料請求権の付与
(5)損害賠償に関する規定の見直し

(1)については、周知の変名を含む実名の著作物は著作者の死後70年、無名・変名の著作物、団体名義の著作物は公表後70年、実演は実演が行なわれた後70年、レコードはレコードの発行後70年となる。なお、周知の変名の例として、著作権情報センターでは手塚治虫を挙げている。

(2)については、改正前には著作権者等の告訴がなければ公訴を提起することができなかったが、改正後には下にある要件に該当する場合に限り、非親告罪とし、著作権等の告訴がなくとも公訴を提起できることとなる。

要件とは「侵害者が、侵害行為の対価として財産上の利益を得る目的又は有償著作物等(権利者が有償で公衆に提供・提示している著作物等)の販売等により権利者の得ることが見込まれる利益を害する目的を有していること」「有償著作物等を『原作のまま』公衆譲渡若しくは公衆送信する侵害行為又はこれらの行為のために有償著作物等を複製する侵害行為であること」「有償著作物等の提供又は提示により権利者の得ることが見込まれる『利益が不当に害されることとなる場合』であること」の3つ。

例えばコミックマーケットにおける同人誌等の二次創作活動については、非親告罪とはならず、親告罪のままとなるものと考えられるという。その理由は、「一般的には、原作のまま著作物等を用いるものではなく、市場において原作と競合せず、権利者の利益を不当に害するものではないこと」としている。

(3)については、著作物等の利用を管理する効果的な技術的手段(いわゆる「アクセスコントロール」)等を権限なく回避する行為について、著作権者等の利益を不当に害しない場合を除き、著作権等を侵害する行為とみなして民事上の責任を問いうることとされた。また、当該回避を行なう装置の販売等の行為については刑事罰の対象となる。

(4)については、放送事業者等がCD等の商業用レコードを用いて放送または有線放送を行なう際に、実演家およびレコード製作者に認められている使用料請求権について対象を拡大。CD等の商業用レコードを介さずインターネット等から直接配信される音源(配信音源)を用いて放送や有線放送が行なわれた場合も、商業用レコードと同様に二次使用料請求権を付与することとなった。

(5)については、著作権等侵害に対する損害賠償請求について立証負担の軽減を行なうための見直しとなる。

著作権法の改正は、TPP11協定が署名されたことを受け、「環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律の一部を改正する法律」(TPP11整備法)が2018年6月29日に成立し、7月6日に平成30年法律第70号として公布された。
(11月8日、Impress Watch)


アメリカ抜きでもTPPをやることにどれほどの意義があるのか、いまだに疑問は隠せないが、オーストラリアなどの農産物が安く輸入されて、国内農業が打撃を受ける流れに変わりはない。これも高齢化と後継者難で、TPPに関係なくいずれ時間の問題だったかもしれないが。

問題はむしろ貿易以外のところに隠されていることが多い。
著作権もその一つで、著作権保護期間が50年から70年に延長される上、色々厳格化されることになる。特に非親告罪の導入は一歩間違えれば、検閲などにつながる恐れすらある。今のところ「二次創作に影響はない」と言われているが、そのようなものは政府のさじ加減でどうにでもなる。かの治安維持法ですら「乱用はありえない」と繰り返し答弁していた連中の後継者が何の反省もないまま(治安維持法は合法との立場)運用するのだから、最悪の事態に備えておくべきだろう。

著作権保護期間が20年延長になるとして、果たして誰が得をするのか。そもそも作家の死後50年を経てなお出版される作家は、出版作家のうち2%にしら満たないという。さらに権利関係が安定的に相続されているものを限定するとすれば、もっと少なくなるだろう。つまり、実質的には1%以下のスーパースターの親族がウハウハするだけで、他の大多数は加速度的に忘れられてゆくだけになるのだ。
どうにも馬鹿げているとしか思えない。そして、青空文庫の行方が気になる。

まぁそう思うからこそ亡命したのだが(爆)
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2018年11月06日

良書は減税、悪書は増税なる不倫

【書籍の軽減税率適用めぐり出版団体が攻勢に 財務省は反発】
 消費税率の引き上げが来年10月に迫る中、有害図書を除く書籍や雑誌に対して、税率を低く抑える軽減税率の適用を求める出版社団体と、適用に慎重な政府との対立が顕著になってきた。団体は軽減税率が適用される新聞同様、書籍や雑誌も「知識を得るため負担を減らすべき対象だ」と訴える。年末の税制改正に向け、政治家を巻き込んで軽減税率の適用を勝ち取ろうと攻勢を強める。ただ、財務省は適用に強く反発しており、しばらく両者の攻防が続きそうだ。
 書籍や雑誌に対し軽減税率を適用するよう求める活動方針をまとめたのが、日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本出版取次協会、日本書店商業組合連合会といった出版社を代表する4団体だ。超党派の国会議員でつくる「活字文化議員連盟」と「子どもの未来を考える議員連盟」が6月11日に東京都内で合同総会を開き方針を採択した。
 書籍や雑誌の軽減税率については、平成28年度の税制改正大綱で「有害図書排除の仕組みの構築状況などを勘案し、引き続き検討する」と提言している。出版団体はこの提言を受け、民間の管理団体が有害図書を区分する仕組みを構築する案をまとめた。
 具体的には、法曹関係者や大学教授による第三者委員会を立ち上げ、有害図書の基準を作成。軽減税率が適用される書籍には「出版倫理コード」を付与し、各出版社は基準に照らして自主的に倫理コードを付与して出版する。コードを管理する団体として書協など4団体で構成する管理機構を設立する。さらに、出版後に有害図書の疑いがある書籍が見つかれば第三者委の審議にかけ、有害図書と判断された場合は標準税率に戻すという。
 団体は年末の31年度税制改正を視野に、今夏から与党税制調査会の幹部に方針案を説明にまわるロビー活動を積極的に展開している。子どもの未来を考える議連会長の河村建夫元文部科学相ら有力議員の後押しもあり、相当な手応えを感じているようだ。
対する財務省も団体の動きに反発を強めている。ある主税局幹部は「憲法の租税法律主義で税率は法律で定めている。民間団体が書籍ごとに税率を決めるのは違法行為だ」と反論。団体の主張を完全にシャットアウトする構えだ。
 ただ、団体側も黙ってはいない。民間団体である日本オリンピック委員会(JOC)が決める選手への報奨金が非課税になることを例示し、「非課税対象を民間団体が選ぶことが認められるのであれば、民間が書籍の税率区分を判断するのも問題ない」と指摘。すると財務省側は税率が複数になることによる流通の混乱など次々と問題点を突きつける。これに対して団体は通常のバーコードを倫理コードに利用できるので流通に問題がないことを主張する。両者の論戦は着地点が見えない状況で、果たして年末の税制改正でどのような決着をみるかが注目される。
(11月1日、産経新聞)


不況にあえぐ出版業界が、自ら「悪書と良書を自分たちで選別するから、良書だけでも減税してくれ」と必死の嘆願を行っているという。どこまでも愚劣かつ不道徳な連中である。あの連中は、「ユダヤ人の書いたものはキッチリ焼却するから、オレたちのは許してくれ」というナチス期のドイツ人と全く同じことをしていることに全く気づかないらしい。
たとえ主体が誰であれ、悪書と良書の選別など始めれば、システム自体が悪用されるのが世の常であり、その刃はいずれ自分に向けられるだけの話である。学校のイジメと同じで、「自分がいじめる側にあれば、自分は大丈夫」という発想に立っている時点で、連中の脳みそは小学生と同レベルであることを示している。

こんな連中が検閲を行うくらいなら、いっそのこと全て悪書としてしまった方が話が早いだろう。
日本はすでに地獄の入口にあるということだ。
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2018年11月04日

石高制になったワケ

銀決済の革命性についての続き。

戦国時代、織豊期を経て江戸時代になり、日本の統治は石高制を基礎として統一が完成した。
室町期には一度成立したはずの貨幣経済がなぜ先祖返りして、税を米を納めて、給料を米で受け取るような原始的な現物主義に回帰してしまったのか。これは私にとって小さな疑問だったが、優先度が低かったため、自分で調べては来なかった。

その原因は戦争と混乱にあった。
15世紀後半に応仁の乱などによって室町幕府の統治力が低下、同時に倭寇が跋扈するようになり、明朝が支配する中国大陸は「北虜南倭」と呼ばれる内憂外患の時代を迎えていた。
結果、日明貿易が中断され、明銭の輸入が途絶え、日本国内は次第に貨幣不足に陥っていった。
そして、欠けるなど劣化した悪弊の受け取りを拒否する「撰銭」が横行、室町幕府は撰銭を禁止する撰銭令をたびたび発するが効果はなく、借金を棒引きする債務放棄の徳政令を連発したこともあって、社会的信用を基にした流通経済が瓦解していった。

16世紀に入ると、国内の貨幣不足はますます深刻化し、米による現物給付に依拠する他なくなっていった。
金山を開発した武田信玄ですら、部下に対する恩賞は金粒で渡していたことからも、貨幣を鋳造して流通させるには、強力かつ統一した政権の誕生が不可欠だったのだ。

江戸幕府ですら、寛永通宝をつくったのは1636年のことであり、流通するのは足尾銅山や別子銅山の採掘が本格化するのを待たなければならなかった。その頃には、石高制は完全に封建支配の基礎をなしてしまい、改革することもできなくなっていた。結果、江戸時代を通じて、幕府も各大名家も含め、米で禄をもらう全武士に至るまで、米価の低迷による困窮に苦しめられるところとなった。

日本で貨幣が鋳造されたのは、963年の乾元大宝以降、1606年の慶長通宝(流通には乗らなかった模様)を待たなければならなかったことを考えると、誠に貨幣鋳造は国家の一大事業であることが分かる。

【参考】
江戸武士の収入を考える
posted by ケン at 15:30| Comment(0) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする