2017年03月16日

スマホとかあり得ないよね

【ロ外相、スマホ不携帯を告白 CIAによるハッキング疑惑受け】
 米中央情報局(CIA)によるハッキング疑惑を内部告発サイト「ウィキリークス」が暴露したことを受けて、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は9日、ハッキング被害を回避するため、「デリケートな問題」が絡む協議にはスマートフォンを持ち込まないようにしていると明かした。ドイツのジグマル・ガブリエル外相とモスクワで臨んだ共同記者会見の場でラブロフ氏は、「私自身は、デリケートな問題が関わる協議には電話を持ち込まないようにしている」と話し、「少なくとも私は今のところ、不都合な状況には陥らなくて済んでいるようだ」と述べた。ラブロフ氏はさらに、CIAはスマートフォンだけでなく「冷蔵庫にも」侵入できると聞いたと、冗談めかした口調で付け足した。
(3月10日、AFP)

私の周囲にいる政界人もまず9割以上の人がスマホを装備しているが、情報や諜報に対する意識の低さ、あるいは国政に対する責任の自覚が疑われる。
日本の警察・公安あるいは自衛隊も、遅れてはいるものの、通信傍受部門を拡大させつつあり、アメリカの諜報機関との連携を考えれば、どのような情報が「筒抜け」になっているか分かったものではない。「ガラケーなら大丈夫」ということはないが、スマホは便利であるが故に、全ての情報が集約されてしまい、盗聴する側にとっても「カモネギ」だからだ。

開示された情報に寄れば、CIAはスマホはおろか、自宅などのインターネットに接続していないPCへのアクセスを可能にしているということであり、死角自体が無くなりつつあると見て良い。それどころか、自動車の制御系にウイルスを展開させて、事故を擬装しての暗殺をも試みているというのだから、もはや大手メディアによる「事故死」報道すら、実は「フェイク・ニュース」である可能性があることを示している。つまり、現代において「トゥルー」と「フェイク」の境界線はますます曖昧になっており、「フェイク・ニュース」と騒いでいる連中こそが「フェイク」の発信源だったということも常態化しつつある。
そして、日常生活に必要なあらゆる機器がIT化、AI化されつつあるだけに、外部からの不正操作に対してますます脆弱になっている。ラブロフ氏ではないが、冷蔵庫すら、「アナログ」でないと不安な時代になっているのだ。

不正アクセスや偽情報の発信は、ロシアの専売特許ではなく、当然アメリカも力を入れている。西側社会でテロ戦争や難民問題の実像、あるいは金融不正などが報道されないのは情報操作の成果だろう。
少なくとも我々は「そういう」時代に生きていることを自覚する必要がある。
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2017年03月10日

いざ!1億総スポーツ社会

【「1億総スポーツ社会を実現」 基本計画を答申】
 スポーツ庁長官の諮問機関、スポーツ審議会は1日、2017年度から5カ年の施策の指針を示す「第2期スポーツ基本計画」の内容を鈴木大地長官に答申した。20年東京五輪・パラリンピック開催を契機に、スポーツ参画人口の拡大による「1億総スポーツ社会」の実現を掲げ、施策の数値目標を現行計画の8から20に増やした。新計画ではスポーツによって「人生が変わる」「社会を変える」「世界とつながる」「未来を創る」の4つを基本方針に、医療費抑制や地方創生など国の課題解決に取り組む姿勢を示した。施策の数値目標としては、▽障害者のスポーツ実施率(週1回以上)を現状の2倍の40%にする▽スポーツが「嫌い」「やや嫌い」の中学生を半減させ8%にする▽国内スポーツ市場の規模を20年までに10兆円、25年までに15兆円にする――などを追加した。五輪とパラリンピックでの過去最多の金メダル獲得に向け、支援も充実させる。今月下旬にも松野博一文部科学相が最終決定する。鈴木長官は「非常に重要な5年間になる。教育としてのスポーツだけでなく、楽しさを伝えることに注力したい」と語った。
(3月1日、日本経済新聞)

東京五輪と合わせて、巨大な「東京スポーツ宮殿」が建てば、ナチ化完成。まぁギガントマニアに成りきれないところが日本人の弱いところかもしれないが、奈良大仏や戦艦大和の前例もあるからなぁ。

ナチに限らず全体主義国家はほぼ例外なくスポーツが大好きで、五輪のメダルの数を競う傾向が強い。これは、スポーツが、国家と国民を結ぶ紐帯としての機能として高く評価されているためだ。ソ連でもナチス・ドイツでも、国が各種スポーツ団体を主宰し、国民を動員、統合の手段としてきた。
同時にスポーツは容易に軍事に転用することができる。ドイツのグライダー協会が新設空軍の人材供給源になったことは良く知られている。

五輪で獲得メダル数を競うのは、国家威信に固執する権威主義精神の発露であり、国を挙げてメダル数を騒ぎ立てる日本は、表面上は民主主義を奉じているが、潜在的には権威主義に親和的で、自民党一党優位体制の根幹をなしている。

政府・自民党がこうした政策を打ち出すのは、根源的には森氏に象徴されるように、自民党の利権がスポーツ団体に集中しているためだが、背景的には企業福祉国家の瓦解に伴って国民統合力が低下する中で、国民統合を下支えする装置が求められていることがある。また、国民の不満を逸らす「サーカス」として東京五輪が準備されているが、1936年のベルリン・オリンピック同様の国威発揚の機会としても考えられている。

だが、現実には五輪を開催するために限られた予算を投じるため、社会保障を切り下げるほかなくなっている。また、スポーツに国民を動員しようとしても、高齢者ばかりで1億人をスポーツに参画させようとすれば、60代まで動員する必要があり、とても現実的とは言えない。東京五輪も、もともと4割以下しか賛同者がいなかったところを、必死に情報操作して6割まで水増しして誘致を果たしているだけに、伯林五輪のような熱狂を期待するのは難しいだろう。まして、近隣諸国がボイコットでもすれば、「斜陽国での五輪開催」としてモスクワ五輪を彷彿させる事態になりかねない。
いずれにせよ、自民党員や官僚が期待するような結果にはならないとは思うものの、今後さらに権威主義、全体主義にシフトしてゆくのかと思うと、憂鬱にならざるを得ない。
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2017年03月06日

どこまでも人に金を出さない国

【ボランティア数百万人…障害者支援で政府計画案】
2020年東京五輪・パラリンピックに向け、障害者が暮らしやすい社会の実現を図るため、政府が策定する行動計画案の概要が19日、分かった。障害者や高齢者を支援するボランティアを20年までに全国で数百万人育成することなどが柱だ。行動計画案は障害者への考え方を変える「心のバリアフリー」と、障害者や高齢者に配慮した「ユニバーサルデザイン」の街づくりの2本立て。20日に関係閣僚会議を開いて正式決定する。安倍首相は会議で、政策立案段階から障害者に参加してもらい、必要な法改正を行うよう指示する。
(2月20日、読売新聞)

もはやボランティアというよりも勤労動員色が濃くなっている。そもそも障害者を支援するボランティアを「オリンピックに向けて」育成するという説明からして意味不明だ。五輪が開催されなければ不要だったのだろうか。
すでに記事にしているが、東京五輪では外国語通訳もボランティアで賄おうとしており、どこまでも正当な報酬・対価を払わずに人に労働力を提供させようとする、政府・五輪委員会の醜悪なる姿勢、あるいは収奪の意志が見て取れる。

巨大な祭典は、祝祭によって市民の不満を逸らすことと、巨大な公共投資によって景気増大を狙うことを目途とする。東京五輪はもともと支持者が3〜4割程度しかいなかったものを、広告会社などを利用した情報操作によって6割程度に水増しすることで強行しているだけに、「市民の不満を逸らす」目的は十分には成立しがたい。自民党や霞ヶ関は後者の名目にかこつけて腐敗・汚職の機会を設けて自己利益の拡大に努めている。巨大な五輪施設の建設には、全く金に糸目を付けずにつぎ込む一方で、運営要員にはまったく利益配分するつもりがないところからも、連中の狙いがどこにあるか分かるだろう。

この結末はハッキリしている。五輪用に建設される巨大施設は、他に転用する術が無く、何の生産にも寄与しないまま、遊休施設となる。しかも、維持費や解体費ばかりが巨大な負債として残される。市民はただ無給のボランティアとして動員されるだけで、後日、巨大な財政赤字が増税あるいはインフレとなって、市民生活を直撃するだろう。まさに末期のローマである。

自民党員と官僚ばかりが肥太って、市民はひたすら収奪される。にもかかわらず、自民党が支持されるのだから、もはや破断界は免れないだろう。まぁ、民進党も五輪を支持している時点で選択肢すら無いわけだが。
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2017年03月02日

FBやらずば殺られなかった?

【フェイスブックが命取りか=工作員が利用の可能性−正男氏暗殺】
 マレーシアで暗殺された金正男氏について、フェイスブックを利用していたため、北朝鮮の工作機関に居場所を突き止められた可能性があるとの見方が浮上している。英BBC放送やデーリー・メール紙などによると、正男氏は死亡時に所持していた旅券の名義と同じキム・チョルという名前でフェイスブックに登録。ホテルやカジノのそばに立つ自らの写真などを投稿していた。また、ジュネーブのインターナショナルスクールに通った経験があり、マカオ在住と記載。好きな歌手として五木ひろしさんを挙げていた。韓国の元情報当局高官は北朝鮮専門ニュースサイト「NKニューズ」に対し、「殺害の恐れがあった人物とは思えないほど隙のある行為。油断が死につながったのかもしれない」と指摘している。
(2月17日、時事通信)

まさに「キジも鳴かずば撃たれまい」を地で行く話。
画像や地図の検索精度が格段に上がったことで、いつ誰がどこで何をしているのか、わざわざ「ビッグ・ブラザー」を使わずとも、普通にSNSをチェックしていれば分かるようになっている。それだけに、稀にならともかく、「どこで何を食べた」とか「子どもと何をした」などという写真をネットにアップするのは、虚栄心を満たすだけで自分や家族の安全を犠牲にしていることに留意すべきだろう。
正男氏については、以前より治安関係者から「リスク管理が甘すぎる」と指摘されており、同時に北朝鮮当局などから暗殺の対象にされているという噂も流れていただけに、ハナから「カモネギ」の状態にあった。ただ、中国国内で暗殺すると、中共のメンツが潰れてしまうだけに、外交関係的に影響の小さい外国を狙っていたものと思われる。

本件に限らず、IT時代は利便性とプライバシーがトレードオフの関係になっている。伊藤計画的に言うならば、ある自由は他の自由を犠牲にすることで成り立っている。ネット通販で欲しいものを買うのは非常に容易かつ便利だが、趣味や消費傾向、あるいは住所や銀行口座、カード番号などが知られてしまい、あまつさえ「ビッグデータ」などとされて勝手に資本や国家に利用されてしまう。逆にネット時代にプレイバシーを守ろうとするなら、ネットに一切アクセスせず、監視カメラの視界外を歩かなければならない。
現実には個々人がバランスを考えながら取捨選択してゆくのだろうが、「水は低きに流れる」で、どうしても利便性に流れやすい。結果、人間は利便性の快楽に包まれつつ、急速に自由を失いつつある。

文学的に言うならば、正男氏は仮想空間に生を求めた結果、物理空間で抹消されたのである。
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2017年02月28日

ヤクニンに例外を認めるとロクなことにならない話

長時間労働も公文書廃棄の問題も、実は同じ根を抱えている。
例えば、労働基準法は32条で、
「使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない」
「使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない」

と定めており、このままにしておけば何の問題も起きなかったはずだが、以下に延々と例外事項を設けることで無限地獄を可能にしてしまっている。
【36条】「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。ただし、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は、一日について二時間を超えてはならない。」

自衛隊の日報破棄問題も同じだ。公文書管理法は第5条で、
行政機関の職員が行政文書を作成し、又は取得したときは、当該行政機関の長は、政令で定めるところにより、当該行政文書について分類し、名称を付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を設定しなければならない。

としている。また、第8条では、
行政機関(会計検査院を除く。以下この項、第四項、次条第三項、第十条第三項、第三十条及び第三十一条において同じ。)の長は、前項の規定により、保存期間が満了した行政文書ファイル等を廃棄しようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議し、その同意を得なければならない。この場合において、内閣総理大臣の同意が得られないときは、当該行政機関の長は、当該行政文書ファイル等について、新たに保存期間及び保存期間の満了する日を設定しなければならない。

として、容易に廃棄できないように規定している。ところが、同7条(行政文書ファイル管理簿)には、
行政機関の長は、行政文書ファイル等の管理を適切に行うため、政令で定めるところにより、行政文書ファイル等の分類、名称、保存期間、保存期間の満了する日、保存期間が満了したときの措置及び保存場所その他の必要な事項(行政機関の保有する情報の公開に関する法律 (平成十一年法律第四十二号。以下「行政機関情報公開法」という。)第五条 に規定する不開示情報に該当するものを除く。)を帳簿(以下「行政文書ファイル管理簿」という。)に記載しなければならない。ただし、政令で定める期間未満の保存期間が設定された行政文書ファイル等については、この限りでない。

とあり、防衛省はこれを盾にして「南スーダンの日報は保存期間1年未満の行政文書ファイルなので、公文書管理法8条の規定は該当しない」と強弁している。だが、7条で書かれていることは「行政文書ファイル管理簿」についての話であり、「政令で定める保存期間一年未満の文書だから自由に廃棄できる」などという解釈は、ルールの恣意的な解釈で、これを認めれば「何でも保存期間一年未満にしてしまえばOK」というルールの穴になってしまう。
こういうことを平気でやるのが、日本のヤクニンなのだ。

ヤクニン(ルールブック)に「例外」とか「等」を許すと、まずロクなことにならない。
長時間労働問題は、「例外を規制しよう」などというワケの分からない議論をしているからこそ、まとまるものもまとまらないのである。
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2017年02月27日

「約束の国」に向けてまた一歩

【大阪・森友学園 寄付募った名称は「安倍晋三記念小学校」】
 小学校用地として取得を望んだ国有地が隣地の「10分の1」という破格の安値で払い下げ――。不可解な国有地売却問題が浮上した学校法人「森友学園」(大阪市)が問題の小学校設立の寄付を呼びかけた際、ナント「安倍晋三記念小学校」なる名称を用いていた。「1口1万円で寄付を呼びかけられたのは、2014年のこと。森友学園がちょうど大阪府に小学校の新設認可を申請していた時期で、経営する『塚本幼稚園幼児教育学園』の園児の保護者に、ゆうちょ銀の払込取扱伝票を何度も配っていました」(保護者のひとり)
 伝票(写真)には「安倍晋三記念小学校」の文字がしっかりと記されている。この幼稚園は園児に「教育勅語」を暗唱させる“愛国教育”で知られる。「14年4月には安倍首相の妻、昭恵夫人が訪問。園長が『安倍首相ってどんな人?』と問いかけると、園児が『日本を守ってくれる人』と答える姿を見て、いたく感動したそうです」(関係者)
 その後、昭恵夫人は、問題の「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長の座に納まっている。森友学園には「安倍晋三記念小学校」という名称で寄付を募った経緯を繰り返し問うたが、「担当者不在」を理由に実質、取材拒否だ。学園の籠池泰典総裁は、日本最大の右翼組織「日本会議」の大阪代表・運営委員。総裁が幼稚園のHPに掲載した「インターネット上での当園に対する誹謗・中傷記事について」と題する声明文には、こんな表現がある。〈専門機関による調査の結果、投稿者は、巧妙に潜り込んだK国・C国人等の元不良保護者であることがわかりました〉〈日本精神をとりもどすためにも、(中略)断固として立ち向かう所存です〉ぜひとも調査結果を公開して欲しい。
(2月15日、日刊ゲンダイ)

安倍晋三記念小学校」、ロシア語にすると、"Частная школа имени Абэ Синзо"だが、私立なところが今ひとつピンとこない。まぁこの調子で「稲田朋美記念陸軍士官学校」とか、「世耕弘成記念原子力発電所」とかつくられ続ければ、かなりソ連っぽくなってくるな(爆)

【<厚労省>保育所 3歳以上に国旗や国歌の文言】
 厚生労働省は14日、保育所に通う3歳以上の幼児に対し、国旗や国歌に親しむことを求める文言を初めて盛り込む保育所保育指針改定案を公表した。同日文部科学省が公表した幼稚園の教育要領案に表現を合わせた形だが、保育所は学校教育法に基づく施設ではなく、保護者から幼児を預かる福祉施設のため、過度の押しつけにつながる可能性があるとの懸念が出そうだ。
 保育所保育指針改定案には、国旗について「保育所内外の行事において国旗に親しむ」、国歌については「正月や節句など日本の伝統的な行事、国歌、唱歌、わらべうたや日本の伝統的な遊びに親しむ」という表現が盛り込まれた。国旗は現行の幼稚園の教育要領、国歌はこの日公表された教育要領案と同じ表現となっている。
 保育指針改定案はパブリックコメント(意見公募)を実施し、18年度から施行する予定という。厚労省は改定について、「幼稚園と保育所の一体化を進めており、文科省の教育要領の見直しに合わせた。国旗掲揚や国歌斉唱を強制するものではない」と説明している。幼稚園は学校教育法で義務教育前の教育を担う場、保育所は児童福祉法で保護者に代わって保育する場とそれぞれ位置付けられており、本来の目的は異なっている。
(2月14日、毎日新聞)

いずれは保育所でも、国歌斉唱時に起立しなかった保育士を追放したり、保護者を糾弾したりということになるのだろう。反政府、反体制の親を持つ子どもは育児サービスすら受けられなくなることを意味する。

先の記事も合わせて、いよいよ「約束の国」が近づいてきたぞ。惜しむらくは、「パンの値段は50年間不変」ではなく、「ブラック企業にもしっかり補助金」というディストピア度の高さにあるわけだが。これは、社会主義を実現するために権威主義化を図るのでは無く、社会保障を放棄するために権威主義化を図るところに起因しているのだろうと推察される。
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2017年02月20日

封建制下での兄弟殺しは当たり前

【金正男氏暗殺 亡命政権構想引き金か 脱北者らの擁立を警戒】
 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の親族を擁立して亡命政権を樹立しようという動きが北朝鮮国外であり、当局が国外に住む親族への監視・警戒を強めていたことが16日、複数の消息筋の話で分かった。マレーシアで殺害された異母兄の金正男(ジョンナム)氏(45)が亡命政権を計画する脱北者と接触していたとの情報もあり、加担を疑われて当局に暗殺された可能性がある。
 「『北朝鮮亡命政府』金平一(ピョンイル)擁立の声高まる」。こう書かれたビラが1月1日、韓国から北朝鮮に向け、風船で飛ばされた。在英脱北者団体が仕掛けたものだ。正恩政権崩壊後を見すえた亡命政権構想は、昨年ごろから米国や欧州の一部脱北者団体の間で持ち上がったという。
 金平一とは、金委員長の叔父の金平一駐チェコ大使(62)のことだ。金日成(イルソン)主席の息子という北朝鮮国内で絶対視される「白頭血統」を持つことから、亡命政権の首班として目をつけられたようだ。平一氏は、金正日(ジョンイル)総書記との後継者争いに敗れ、約30年間、東欧の大使を転々としてきた。
 正恩政権は以前から平一氏を警戒し、2014年末に監視のため、秘密警察、国家安全保衛部(現・国家保衛省)幹部をチェコに派遣していた。ただ、平一氏は目立った反応を示さず、昨年には、平壌に一時帰国し、大使館業務の改善を訴えるなど正恩政権に恭順の姿勢を見せているという。
 亡命政権構想の動きを受け、北朝鮮の治安当局内では、平一氏らの排除を主張する強硬論も台頭していたと伝えられる。
 脱北者団体関係者が次善の候補として接触したとされるのが正男氏だ。だが、平一氏と違い、正恩政権からの再三の帰国指示にも従わず、殺害されるに至ったとみられている。
 北朝鮮情勢に詳しい李英和(リ・ヨンファ)関西大教授は「亡命政権は構想にすぎないが、北朝鮮当局が過剰反応し、暗殺につながった可能性がある」と分析する。1月中旬には、金元弘(ウォンホン)国家保衛相が解任されたとされるが、正男氏と脱北者との接触を察知し、報告することを怠った責任を問われた可能性も指摘されている。
(2月17日、産経新聞)

「弟が兄をとか怖い」なんていっている人は自国の歴史を見直した方がよい。
古くは壬申の乱(叔父と甥)、奥州合戦(頼朝と義経)、観応の擾乱(尊氏と直義)に始まり、江戸期には徳川吉宗や井伊直弼による兄数人の毒殺疑惑がある。宇喜多直家の弟忠家は、兄が死ぬまで、自分はいつ殺されてもおかしくないと怯えながら暮らしていたという。
近年でいえば、昭和帝は秩父宮がいつクーデターを起こすか常に警戒し、何とか遠隔地に追いやろうとしていた。
封建制や王政に対するイメージが貧困すぎるのだろう。

現代の立憲君主国で兄弟争いが生じないのは、君主に実権がなく、「自由を謳歌した方が楽」という風潮が普遍化しているためだ。君主が財産と権力を一手に持ち、自由などどこにも存在しない時代には、「王になるか、臣下として犬のように生きるか」の選択肢しかなかった。
同時に、王侯貴族にとって自らの地位を脅かす最大の脅威は外敵ではなく身内だった。親族は「血が繋がっている」だけで継承権を持ち、怪我や病気で容易に死に至る保健衛生水準も相まって、権利を獲得するには外敵を排除、略奪するよりも身内を罠にはめて殺害する方が効率的だった。日本でも、『太平記』などを読めば、「それしかない」くらい親族間の争いしか存在しないことが分かる。戦国期でも、美濃斉藤家や尾張織田家の内戦は凄まじいものがあった。それ故に、中世には後継者が決定した瞬間、他の兄弟は全員殺害あるいは国外追放という事例が数多く存在した。
今日にあっても、より立憲的で民主的な平成帝と浩宮に対し、日本会議などが自衛隊と組んで秋篠宮を担いで「王政復古」クーデターを起こす可能性は「ゼロ」とは言えないだろう。

北朝鮮は、王制を地で行っているだけの話であり、我々はもっと想像力を働かせる必要がある。
posted by ケン at 12:35| Comment(0) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする