2016年11月22日

住民差別と家柄差別に関する個人的体験

私が「おぼ」で知られるG星学園の出身であることを知った妄想たくましい人が、「きっと家柄差別とか凄かったんでしょうね」などと聞いてきたが、実情は全く異なった。

私の場合、地元の市立小学校を卒業して、中学受験でG星に入った。だが、家柄あるいは社会的ステータスや貧富の差によるイジメが酷かったのは、地元の公立小の方だった。
公立小では、多数の団地住民の子どもが少数の戸建て分譲地の子どもをいじめ抜き、多くの子が私立に転校していった。私は幸運にもイジメの対象にはならなかったものの、卒業してみれば、近所の中で少数派だった。
当時は無自覚だったため、そういうイジメが存在したことも十分には理解していなかったので、具体的にどのようなイジメが行われていたのかは分からない。だが、後日耳に入ってきたところでは、団地住民の子が分譲地の子をハブにしたり、悪辣な言葉を浴びせたりしたため、親の方が「こんな学校に子どもを置いておけない」と判断し、転校していったのだという。言われてみれば、私はむしろ分譲地の子どもグループに違和感を覚え、団地住民の子とは普通に仲良くしていたので、やや特異な存在だったのかもしれない。
さらに、同じく5年生になって転校した妹の回顧では、同じ団地住民の間にも歴然とした貧富の差別があったという。具体的には、同じ団地の中にも貧困層向けの安価な賃貸と、中間層向けの分譲住宅があり、子ども社会の中にも抜き差しならぬ対立があったのだという。その賃貸住宅の子どもグループの中でも、より貧しい家庭の子どもに対するイジメが見られたという。ちなみに、妹は3歳時の「誰が何を言ったか」という記憶があるという、恐ろしい記憶力の持ち主で、一桁台の記憶がロクに無い私とは出来が違う。
つまり、地域社会の居住ステータスが、学校コミュニティに大きな影を落とし、イジメの原因となっていたのだ。

これに対し、G星の場合、イジメ自体は普通に存在したが、それは家柄や親の社会的ステータスによるものではなく、大半の場合は個々人の事情によるものだった。それは、家柄争いが始まると収拾がつかなくなるためだったと考えられる。
例えば、私の先輩には内親王の婿候補と噂された公家出身者、部活の後輩には長州M家の末裔がいた。彼らからすれば、松平氏や前田氏であっても「新興の田舎豪族」でしかない。また、同期には能役者の息子、先輩と後輩には有名歌舞伎俳優の子がいたが、能役者は室町以来の幕臣貴族であるのに対し、歌舞伎役者は被差別階級の「河原者」でしかない。こんなところで家柄争いが始まれば、どういうことになるか言うまでも無く、子ども心にも分かっていたのだ。

親のステータスという点でも、同期には超大手流通グループのオーナーの子がいたが、家柄という点では「埼玉の土地成金」でしかなく、先祖が終戦後の混乱期に悪辣な手法で土地を買いあさり財を築いた家だった。もし彼が資産に鼻をかけるような人物であったら、とたんにその点を突かれてボコボコにされていたに違いない。
大手食品会社のオーナーの嫡男もいて、三十年以上も昔に「小遣い月20万円」を豪語していたが(30万円だったかもしれない)、今から思えばいいようにたかられていて、密かに侮蔑され、しまいには転校していった。中学生の話である。
これらの点から考えても、家柄自慢や家柄差別は不毛というか、学校社会を崩壊させる要因になると同時に、「まとまり」をつくるのが難しい条件でもあった。

私の親族を中心に団塊世代の何人かに聞いたところでは、あまり家柄差別や貧富に起因する差別を見たり、聞いたりした人はいなかったのだが、これは都会であったからかもしれない。
明治期を表した文献や小説などを読む限り、地域社会の子どもは士族グループと町人グループが常に激しく対立していたことが頻繁に確認されるし、新設された軍隊や士官学校では、士族による平民差別が露骨に行われていたことが分かる。
そう考えると、社会的ステータスによるイジメが解消されたのは、戦後から70年代くらいまでの都市部に限られた現象だったのかもしれない。
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2016年11月19日

陥没事故が示すもの

【博多の陥没、国交省が市交通局に立ち入り検査】
福岡市のJR博多駅前の道路で8日早朝、大規模な陥没が発生し、近隣の商業ビルが停電で休業するなどの影響が出た。市は市営地下鉄の延伸工事が原因と説明。博多湾に面した福岡市は地下水脈が広がっており、何らかの原因で工事中の地下トンネルに上部から水や土砂が流れ込み、地表付近の地盤が緩んで崩落したとみられる。事故は8日午前5時15分ごろに発生。博多駅から西に約300メートルの交差点付近で、長さ30メートル、幅27メートル、深さ15メートルにわたる陥没が起きた。埋設されていた電線やガス管なども破損し、一時、最大800戸が停電。近隣へのガス供給も止まった。銀行のオンラインシステムも一部で使えなくなった。停電した建物内で70代の女性1人が転倒し、軽傷を負った。
市交通局によると、現場付近では当時、地下鉄七隈線の延伸工事中。地下約25メートルの岩盤を掘削して鋼材を取り付け、コンクリートを吹き付けて補強する工法でトンネルを拡幅する作業をしていた。地表から地下16メートルまでは地下水が通る砂層で、その下の厚さ2メートルの粘土層がトンネルの上で水を遮る形になっていた。8日午前4時半ごろからトンネルの天井部分が崩れ始め、コンクリートを吹き付けても止まらなかったため作業員が避難。地上の道路を通行止めにした。その約5分後、陥没が始まったという。
 市は、粘土層に亀裂が生じるなどして砂層からトンネルに大量の水や土砂が流れ込み、引きずられるように地表が陥没したとみている。市は同日から3日かけて穴を埋め、ライフラインの復旧作業をする。周辺の建物に倒壊の恐れはないとするが、避難勧告は一部を継続している。地下鉄七隈線の工事では2000年6月と14年10月にも地上の道路の陥没が発生。00年の事故は地下水が原因とされる。
(日本経済新聞、11月8日)

今回の博多を始め、1990年の御徒町、2013年の麻布十番の事故のように、大きな陥没は報道されるが、その根底にあるのは深刻なインフラの老朽化。麻布十番の崩落事故では、川沿いの道路が30メートル以上崩落した。例えば、東京都区部の下水道の総延長は16,000qで、約1,500qが法定耐用年数の50年を超えている。また、今後20年間で、高度成長期以降に造られたもの約6,500qが新たに増加し、今まで以上のペースで老朽化が進んでくるという状況にある。東京五輪の影響もあり、下水の更新が遅れていることも、状況を厳しくしている。そして、年間700件以上の陥没事故が起きているが、今後はさらに増加すると見られる。なお、日本全体だと、道路陥没事故は年間4千件あまりで、東京への集中が際立っている。

東京の場合、もともと区部の広い範囲が江戸期以来の埋め立て地で、非常に地盤が弱い。東京区部で硬い地盤があるのは市ヶ谷台から練馬にかけての部分くらいで、基本的には関東ローム層と呼ばれる火山灰からなる地層で、不安定なのだ。
陥没事故が起こるのは、地中に電力、ガス、上下水道などの管が密に敷かれ、その上を過積載のトラックが通り、交通渋滞が発生すると、道路に強圧が掛かり、地中の土砂と各種管に過負荷がかかって破損が生じるためだ。
東京に事故が集中するのは、地盤が弱く、地中使用の密度が高いところに、慢性的な交通渋滞が生じているためだと考えられる。同時にこのことがインフラの更新を難しくし、工事が長期化して、渋滞が慢性化するという悪循環に陥っている。
そこに東京五輪で、さらに資材や人件費の高騰が生じ、ますます更新が遅れてしまっている。

ロシアの場合、国防上の理由もあってムダに深いところに地下鉄を走らせているが、日本の場合はパリに倣って便宜性を重視して浅いところを走らせているため、ますます事故のリスクが高くなっている。
また、工事を担う側の高齢化や機材の老朽化も深刻で、機材の故障や破損による工事の遅延も生じているという話もある。

これだけ老朽化したインフラの更新が進まず、維持も難しいなどと騒ぎ、北海道などでは次々と公共鉄道の路線が廃止される一方で、国会の事務所には毎日山のように新規インフラ建設の要望書が届けられている。日本の人口は、50年後には8千万人台になると予測されており、インフラの需要は急速に減じている。実際、北海道では公共鉄道の路線廃止が凄まじい勢いで進んでいるが、今後さらに加速するだろう。
ソ連末期もこんな感じだったのかもしれない。その行き着く先は、ここでしかない。

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Rebecca Litchfied "Soviet Ghosts: The Soviet Union Abandoned: A Communist Empire in Decay"
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2016年11月14日

法律で大家族を強制する愚

【日本会議 「理想はサザエさん一家」啓発 24条改正巡り】
 改憲運動を展開している保守団体「日本会議」(田久保忠衛会長)は、憲法24条を改正すべきだとの主張を強めている。背景には伝統的な家族を理想とする心情がにじむ。家族のあり方は憲法で定めるべきか−−。
 「サザエさんが今も高い国民的人気を誇るのはなぜでしょう」。日本会議の関連団体が制作した啓発DVDの一場面。ナレーターは24条により家族の解体が進んだ結果、さまざまな社会問題が起きているとして、3世代同居のサザエさん一家を理想と持ち上げた。 「個人の尊重や男女の平等だけでは祖先からの命のリレーは途切れ、日本民族は絶滅していく」。日本会議の政策委員を務める伊藤哲夫氏は9月、埼玉県内の講演で、改憲テーマの一つとして24条を取り上げた。安倍晋三首相のブレーンも務める伊藤氏は「家族の関係を憲法にうたうべきだ」と力説した。
こうした家族観は自民党改憲草案や安倍政権と通底する。首相は先月5日、国会で「家族は社会の基礎を成す基盤。憲法にどう位置づけるかは議論されるべきだ」と答弁した。  改憲に意欲を燃やす首相と、それを支える日本会議。両者が24条に言及したことで、9月に発足した市民運動「24条変えさせないキャンペーン」は警戒感を強めている。呼びかけ人の一人、山口智美・米モンタナ州立大准教授(文化人類学)は「憲法で家族を定義し、法律があるべき家族像を示すことは、単身者や子供のない人、性的少数者など多様であるべき生き方を否定し、人権を侵害することにつながりかねない」と指摘している。
(11月3日、毎日新聞)

一応クギを差しておくと、サザエたちが実家に戻って両親と住むようになったのは、マスオが借家の板塀を打ち壊して薪にしようとしたところ、大家に見つかって怒られて、それに逆上したサザエが大家をボコボコして、借家を追い出されたことに起因している。そんなヤツに家は貸さねぇだろ!
もちろん終戦直後の話で、マスオは復員兵という設定。中国戦線などでは、炊飯時に現地人宅の家壁や板塀を壊して薪にするということは普通にやっていたらしく、復員後も無自覚に「つい」やってしまったという話なのだが、実際に終戦直後は良く見られた光景だったらしい。

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日本の核家族化は、一次大戦の大正景気前後から昭和前期にかけて加速度的に進んだものの、太平洋戦争の被災によって大半の住宅が失われたことで、一時的に一族の共同生活が復活しただけだった。その流れで1960〜70年代に公営住宅が大増産されると、一気に核家族化が進み、今日に至っている。

日本会議が称賛するように、帝国期には大家族主義が推奨されたものの、それは個々人の人権を制限すると同時に、家長(戸主)に大きな権限を付与した上で、家族の扶養義務を課すというイエ制度に基づいていた。家長が優秀で、一定の収入が保証されている場合は相応に機能したものの、逆に家長が無能だったり、収入が不安定だったりすると、家族は塗炭の苦しみを余儀なくされ、それを救済する行政サービスも存在しなかった。
このイエ制度は、本質的には封建制度下で家禄が保障されていた貴族や士族だからこそ、成立する話であり、収入も生活もいかなる保障もなされない資本主義の下では基本的条件が成立しない。
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2016年11月06日

加速度的に瓦解する社会

以前からその傾向はあったが、ここに来てまた一段と民族主義的言動が増えている気がする。私が加入しているSNSでも、「日本万歳」的な投稿が増えているし、機動隊員による土人発言を擁護する投稿に凄い数の「いいね!」が付いていたりする。
1つの社会が崩壊するときというのは、凄まじい加速が加わることがある。

例えばユーゴ内戦に際し、1990年5月にボスニアで行われた世論調査では、70%以上の人が民族主義政党を禁止する憲法規定に賛成すると同時に80%以上の人が連邦維持に賛成していた。同年8月の政党調査では、21%が共産党、15%がユーゴ改革同盟を支持しており、民族主義政党は民主行動党7%(ボスニア)、クロアチア民主同盟4%、セルビア民主党3%に過ぎなかった。ところが、11月の総選挙でフタを開けてみると、3つの民族主義政党が240議席中200議席以上を占めていた。その1年後に血で血を洗う内戦が勃発する。

日本を見た場合、戦前期最後の民主的投票となり、社会大衆党が躍進した総選挙は1937年4月30日に行われた。だが、同年7月には盧溝橋事件から日華事変が勃発し、12月には穏健左翼が一斉に検挙された人民戦線事件が起きている。
これまで私が昔話を聞いてきた古老の中で、盧溝橋事件が起きた1937年7月の段階で日中全面戦争を予測したというものは1人もいなかった。当時の一次資料を読む限り、37年7月の総選挙で社会大衆党が躍進したことを受けて、政治腐敗の一層と軍国主義の回避に期待する声が多かったくらいなのだ。

社会がいったん暴走を始めると、理性などは何の役にも立たず、事態の制御はほぼ不可能になる。我々は、このことを良く自覚した上で、保身に配慮する必要がある。
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2016年11月02日

イジメは内部では解決しません

【<いじめ>相撲クラブで前歯折る 指導の職員も口裏合わせ】
 新潟県糸魚川市能生の相撲クラブで起きたいじめ問題で、市立能生中の3年生が1年生を殴って前歯を折る大けがをさせた際、加害生徒らによる「練習中の事故」との口裏合わせに、指導する同校の男性職員も加担していたことが新たに分かった。市教育委員会によると、男性職員は県体育協会から競技力向上を目指して派遣された「育成指導者」。親元を離れて生活する相撲クラブの生徒をサポートするため同校に常駐し、生徒らのケアや周辺児童の指導に当たっていた。
 暴力事件が起きたのは9月7日朝。合宿所の清掃時に3年生が1年生1人の顔や腹などを殴り、前歯1本が根元から折れたという。このとき、加害生徒は周りにいた生徒に「練習中の事故にしよう」と口裏合わせを指示。男性職員は、登校してきた被害生徒と加害生徒に校内で会った際に異変に気付いたが、「練習中の事故」との説明をうのみにしたという。さらに同日夕方に被害生徒を歯科医に連れて行った際、生徒から暴行の事実を打ち明けられたが、学校に報告せず放置していた。翌8日になって、同校の教諭が別の生徒から暴行があったことを聞き、学校側が9日に加害生徒を問いただして発覚。男性職員にも確認したところ、当初は練習中の事故と説明していたが、加害生徒が認めたことを話すと認め、「発覚したら、被害者、加害者とも相撲ができなくなると思った」と釈明したという。
 また他の教諭が勧めたにもかかわらず、被害生徒をすぐに病院などに連れて行かなかったことについて「生徒が大丈夫と答えたから」と説明。被害生徒の保護者は「すぐ受診していれば、永久歯を失わずに済んだのではないか」と憤っている。男性職員は今月になって、市能生総合事務所に異動した。市教委は異動の理由について「処分ではない」とし、相撲大会の準備や小学生対象の相撲教室開催のため「動きやすいからだ」と説明している。
(10月24日、毎日新聞)

このテーマもたびたび取り上げているが、繰り返したい。
イジメは、閉鎖的空間に多数の人間を入れて長期間拘束した結果、過大なストレスが生じ、それを解消すると同時に一定の秩序を維持するために行われるもので、いかなる組織でも起こりうる問題である。戦時中、駆逐艦や潜水艦のような小艦艇ほどイジメが少なく、空母や戦艦のような大艦ほど多かったと言われる。

日本型組織でイジメが深刻な問題として生じるのは、他国の組織に比べて様々な拘束が多いためと考えられる。日本の学校は、課される義務が多く、同時に校則も厳しい上、やたらと拘束時間が長いため、どうしてもストレス負荷が過大になりがちだ。会社文化で見ても、欧米の会社は自分の仕事だけしていれば良いが、日本の会社では他人の仕事を手伝わなければならない暗黙の義務があり、社内ルールもやたらと多く、残業は無制限の上、飲み会やら社内イベントも多い。

イジメの原因となっているストレス要因は明らかであり、これを除去すれば、イジメは劇的に減少すると考えられる。具体的には、学校ならば、出席義務や校則を緩め、長時間拘束の原因である部活動を廃止すれば良い。学校の場合、学級と担任制が閉鎖空間を生じさせているので、大学のような単位制度を導入して、1つのクラスに何十人という生徒を閉鎖空間に押し込めるのを回避すると同時に、1人の教員が圧倒的権威を持つ担任もなくしてしまえば、イジメを発生させる空間的要因も除去できる。会社の場合は、残業を禁止し、個々の社員の業務を明確にして「共同の仕事」を極限まで減らすと同時に、飲み会を含む社内イベントを廃止すれば良い(この場合、解雇規制を緩和して、勤務時間内に仕事を終わらせられない従業員、あるいは処理不可能な作業量を要求する管理職を容易に解雇できる仕組みも必要になるが)。
日本型組織では、過大なストレスがイジメを発生させると同時に、学習効率や労働生産性を阻害しているが、これを問題視する主張は殆ど見られず、放置されている。

また、日本型組織は閉鎖性が強いため、第三者や他の部署からのチェックが入りづらく、問題を隠蔽する傾向が強い。学校のイジメの場合、教員にとって、教室内のイジメを解決するメリットは非常に少なく、むしろ手を突っ込んで問題が表面化することで、自分の厄介事が増えるリスクの方が大きい。担任の任期は一年であるため、回避可能な問題は「無かったこと」「見えなかったこと」にしてやり過ごす方が、はるかにコストが安い。
これは、ゲーマーの視点で考えると分かりやすい。勝利得点にならない高難度の課題に自ら手を出すものは、普通いない。むしろその課題が「義務」とならないように画策したいくらいだ。
それだけに、イジメ問題の解決を教員や学校に任せるのは、むしろ隠蔽や改竄のための時間を与えるような話でしかない。さらに、内部で解決させると、学校や教員側の責任を減らすために、事態を軽く扱い、加害者側への処罰も軽減させる方向に働く。これは、組織の自己防衛本能に基づくもので、これを回避するのは難しい。

イジメはそもそも発生を抑制させる他なく、発生してしまったイジメを解決するのは非常に難度が高い。それだけに、学校も会社も根本的に組織改編しない限り、イジメを減らすことすら難しいと思われる。
posted by ケン at 13:13| Comment(0) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月31日

ジェンダーギャップが世界111位

【日本の男女格差、111位に悪化 G7で最下位】
 ダボス会議で知られる世界経済フォーラム(WEF)は26日付で、各国の男女格差(ジェンダーギャップ)を比較した今年の報告書を発表した。日本は世界144カ国中111位となり、主要7カ国(G7)で最下位。前年の145カ国中101位から大きく順位を下げた。「経済活動への参加と機会」「政治への参加」「教育」「健康と生存率」の4分野の計14の項目で、男女平等の度合いを指数化して順位を決める。
 日本は教育や健康の分野では比較的格差が小さいが、経済と政治の両分野は厳しい評価を受けた。国会議員における女性比率で122位、官民の高位職における女性の比率で113位、女性の専門的・技術的労働者の比率で101位とされた。過去50年で女性の首相が出ていないことも、低評価の一因だった。安倍政権は2014年から「すべての女性が輝く社会づくり」を掲げるが、報告書は日本について「教育参加などで改善が見られたものの、専門的・技術的労働者の男女比率が著しく拡大している」と指摘した。1位アイスランド、2位フィンランド、3位ノルウェーと北欧諸国が上位を占めた。近隣国では中国が99位、韓国が116位だった。G7ではドイツ13位、フランス17位、英国20位、カナダ35位、米国45位、イタリア50位だった。
(10月26日、朝日新聞)

「女性活躍」を掲げる国でジェンダー格差が広がってしまう現実。111位というのは、つい最近まで女性が1人で外出することも許されなかった中東某国よりも劣っており、いわゆる先進国で日本と同水準にあるのは韓国だけで、ともに儒教国であることは何かを暗示している。

ちなみに、衆議院における女性議員の割合は9.5%、今年1月現在で、世界の下院を比較した場合、191カ国中156位。地方議会を見た場合、昨年末の段階で女性議員の総数は4127人、総定数の12.3%。さらに女性議員が1人もいない議会は、全国1788議会中、368議会と20%以上に上る。議会別に見ると、2014年版男女共同参画白書によれば、特別区議会は25.9%だが、都道府県議会では8.8%、町村議会では8.7%と圧倒的に少ない。

まぁ女性議員が少ないから格差が縮まらないのか、格差が大きいから議員が増えないのか、そこは「卵が先か、鶏が先か」なのだが。
クォーター制などで強制的に増やすことは可能だが、女性議員を水増しすることにしかならない。自民党の女性議員の面々を思えば、あまりお勧めできない。代議制議会の水準を下げてしまうと元も子もなくなってしまうからだ。
ゲッベルス夫人やチェウシェスク夫人みたいなのばかりになったら、目も当たられないからな〜〜
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2016年10月30日

馬鹿というヤツがバカな話

【2島返還「馬鹿も休み休み言え」 野田・民進幹事長】
 与党幹部が解散風をビュービュー吹かすような発言を繰り返しています。自民党は、当選1、2回の若手を対象に「選挙塾」を開きました。独自の選挙区情勢調査も行うようです。そして、通常は1月に開催する党大会を、3月に延期しました。早期に衆院の解散・総選挙を行う状況証拠は、十分過ぎるくらいそろっています。(中略)この時期の解散・総選挙は極めて疑問です。(中略)2月にプーチン・ロシア大統領が訪日しますが、日露首脳会談で北方四島の帰属問題が進展するのではないかと、期待が高まっています。そして、そのことをもって信を問うという人もいます。果たして、この外交課題が信を問うようなことでしょうか。  仮に、国後、択捉、歯舞、色丹の4島のうち、歯舞と色丹の2島が返還されるとしましょう。これは全体の半分を返すという話ではありません。この2島の面積は、4島全体の約7%にしかすぎないのです。すなわち、約70年前に100万円を奪った強盗が、今ごろになって7万円だけは返してやるよと言っているのと同じです。馬鹿も休み休み言えってところです。  この程度の政治決断なら、歴代政権はとっくにやっています。笑止千万です。それを国民は外交成果として認めるのでしょうか。(24日付の(野田佳彦)ブログで)
(10月24日、朝日新聞)

自分が任期を1年近く残して解散したことを棚に上げて、安倍総理が2年で解散することを非難している。民進党のブーメラン体質はいまも健在であり、治りそうに無い。いわゆる「7条解散」は、民主党政権も同じ憲法解釈を採用しており、その解釈に基づいて解散を実施した(そして自党を大崩壊に導いた)張本人が、他者による行使を非難している時点で「天ツバ」になってしまっている。

日露外交・北方領土の下りに至っては、自分がなしえなかったことを棚に上げて、安倍総理による交渉を非難しているのだから、もはや人として間違っているとしか言いようが無い。しかも、間違った外交解釈を延々と述べることで、ますます恥をさらしてしまっている。

現状で日露が接近するのは自然な流れにある。アジアの孤児と化しつつある日本が、欧州の孤児となったロシアと手を組もうというのは、「嫌われ者同士」なのだから当然過ぎる話だろう。また、中国に対して「封じ込め戦略」を採用する日本と、対中依存を少しでも減らしたいロシアの思惑は、一致する部分が多い。また、大規模金融緩和とデフレにより企業や銀行に貨幣が滞留してしまっている日本と、欧米からの資金が途絶えて原油安が続くロシアという点でも利害が一致している。二国間の利害が激しく一致している今以外に、いつ交渉するというのだろうか。このことは、野田氏に全く総理大臣の資質が無かったことを示している。

また、野田氏はロシア(ソ連)を強盗に喩えているが、これも恐ろしく事実を誤認している。1945年8月10日あるいは14日に日本政府が行ったのは「ポツダム宣言受諾表明」だが、これは軍の作戦行動を中止させる法的根拠にはならず、それは休戦条約の締結をもって保証される。せいぜいのところ、休戦協定の締結交渉中は作戦行動が自粛される程度の話だろう。その休戦条約の締結が、1945年9月2日に先送りされたため、それまでの間、ソ連軍の侵攻を止められなかっただけのことだった。ただ、歯舞と色丹は、休戦協定の成立後にソ連が占領しているだけに違法性が問われる。故にソ連は、1955年の日ソ共同宣言で二島の「引き渡し」を約束したのだ。
その日ソ共同宣言には、
【賠償・請求権の放棄】
ソヴィエト社会主義共和国連邦は、日本国に対し一切の賠償請求権を放棄する。
日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、千九百四十五年八月九日(ソ連の対日参戦の日)以来の戦争の結果として生じたそれぞれの国、その団体及び国民のそれぞれ他方の国、その団体及び国民に対するすべての請求権を、相互に、放棄する。

とある。つまり、休戦条約が成立する前にソ連が占領した国後島と択捉島に対する請求権を、日本はすでに放棄しているわけで、北方四島を要求すること自体、本来は日ソ共同宣言(正規の条約)に違背しているのだ。

野田氏は、総理・代表として民進党を大敗に導き、今度は幹事長としてまたぞろ大敗させようとしている。日露交渉に大反対している点でも、一体誰のために政治家をやっているのか疑われる。敢えて野党に残ることで、「弱い野党」を演出しようとする政権・政府側のスパイなのではないかという陰謀論すら感じられる。
posted by ケン at 12:00| Comment(5) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする