2019年10月11日

建国70周年パレード

【中国建国70年、大規模軍事パレードで最新兵器を誇示】
 中国は1日、建国70周年を迎えた。習近平国家主席は記念式典で演説し、平和的発展の道を堅持すると誓う一方、人民解放軍は中国の主権と安全保障を断固として守るとも述べた。また大規模な軍事パレードが行われ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)など、最新兵器が公開された。
 1日に建国70周年を迎えた中国で、大規模な軍事パレードが行われた。中国は、多くの課題に直面している。米国との貿易戦争や、香港の反政府デモなど。だが、華麗な儀式や、最新兵器へと目を背けた。習近平国家主席は記念式典で、自信に満ちた様子で演説。
「いかなる勢力も、中国の地位を揺るがしたり、中国の人民と国家が前進するのを止めることはできない」
 香港を何カ月も揺るがしている社会不安については言及しなかったものの、自らの立場は明確にした。
「中国は香港の永続的な繁栄と安定を維持しなければならない。祖国の完全な統一に向けた努力を続ける」
習主席は軍の近代化に力を入れており、この日、その成果が披露された。習主席は居並ぶ兵士らを称賛し、その努力を称えた。
 人民解放軍は一連の国産兵器を公開。複数の核弾頭を搭載し米国に到達可能なICBM「東風41」など。70台の山車や1万5000人の兵士が参加した軍事パレードは2時間以上も続き、数百万人が生中継を見た。ただ、当局がCO2排出量の厳しい取り締まりに向け懸命な準備をしていたにもかかわらず、空は濃いスモッグに覆われていた。
(10月2日、ロイター)

私も滞在中に一度は見に行きたいと思っているのだが、簡単ではなさそう(たぶん無理)。
私が住んでいるところは、今のところあまりスモッグに遭遇していないが、北京は相変わらず酷いらしい。
北京の学術エリートが、「子どもの成長に悪いから」とわざわざ出世街道を棒に振ってまで、こちらに来るくらいなのだから。

それはさておき、自分もテレビで見るだけになってしまった軍事パレード。
確かに統率も行進も整っており、装備も近代化していて、もはやかつての「旧式人民軍」の姿は見受けられない。
だが、どこか、何か、説明できないのだが、あまり強く見えないところがある。

人づてに聞いた話だが、駐留武官の経験もある自衛官の方に「アジアの軍隊で、どこの兵が一番強そうですか」と聞いてみたところ、

「色々な要素があるから一概には言えないけど、装備面を除けば、一番ヤバそうなのはフィリピン軍」

と答えられたとのこと。
これは意外と腑に落ちる話で、実はアジアの軍隊の中で、最も実戦を経験しているのがフィリピン軍だからだ。
むしろフィリピン軍以外は、近年はほとんど実戦を経験していない。

歴史的にも、大坂の陣で徳川軍は面白いくらいに大坂側の浪人部隊にボコボコにされてしまったが、これは徳川軍が最後に実戦を経験したのが四半世紀前の小牧・長久手戦で、以降、朝鮮戦役も関ヶ原も戦わなかったことに起因していると考えられている。

現代のロシア軍がGDP=国力においてはNATOに圧倒的に劣るにもかかわらず、「めちゃヤバイ」感を発しているのは、ユーゴ内戦、チェチェン内戦、対ジョージア戦、ウクライナ内戦など、常に実戦を経験し、その経験値を継承しているところが大きいのだろう。

その意味で、中国軍にとって最後の実戦は1979年の中越戦争であり、それも一ヶ月で終わっているだけに、軍隊の経験値としてはかなり不安があると言えそうだ。
まぁロシアやアメリカでも無い限り、普通は経験値を積むために戦争しようなんて考えないわけだが・・・・・・
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2019年09月23日

20年後には軍事力でも米中拮抗へ

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我军大校:003航母正在建造 排水量8万吨配电磁弹射

【兵器も安くて高性能…中国製の軍事用ドローンが欧州進出】
 中国の軍事用ドローンが、ヨーロッパに到着予定だ。セルビア軍は準備ができ次第、成都飛機工業公司のドローン兵器、翼竜1を9機受け取る。9月10日(現地時間)、アメリカ国防省が運営する星条旗新聞(Stars and Stripes)が報じた。同公司は、この引き渡しについて「伝統的にアメリカとヨーロッパの兵器メーカーに依存してきた大陸への進出で、中国にとって最も重要なことである」と記した。
 中国は、安くて性能のよい無人戦闘システムを構築していて、中東、中央および南アジアの一部、そして今やヨーロッパにおいても注目を集めている。中国製の軍事用ドローンが初めてヨーロッパに向かったと報じられており、世界各国が戦闘用ドローンに注目する中、中国がこの国際兵器市場の重要な部分で存在感を増していることを示している。
(9月15日、ビジネスインサイダーより抜粋)


上の中国紙の記事は、中国軍大佐の講演録で、三隻目の建造中の空母の概要を明らかにしている。
「8万トン近い規模」「電磁カタパルト」「第四世代艦載機」「将来的には10万トン級の原子力空母」などなど。

中国軍は2030年までに空母四隻態勢を組む計画。現状、アメリカの空母は全11隻で、横須賀の第七艦隊に配備されているのは一隻。アメリカ的には、沖縄基地のリスクが高まると同時に、第七艦隊を増強するか、グアムないしハワイまで戦線を下げる選択が迫られている。日本は大軍拡するか、新たな日中関係を構築するかの選択を迫られるだろう。

ドローンの分野でも、「安価で十分すぎる性能」という中国製スマホなどと同様の評価が確立しつつある。
科学技術全体の投資額も中国はアメリカに接近しつつあり、量子コンピューターも実現も視野に入っている。
私が主張している「2030年代に米中は拮抗する」は、当の中国人すら信じたがらないのだが、スケールメリットが活かされる時、圧倒的な力を見せるのだ。

一方、衰退する帝国というのは、大英帝国でも大清帝国でもソ連邦でも、衰退を食い止めるのは容易ではなく、「どこまで持ちこたえられるか」という話でしか無い。

そうした中にあって、日本の外務省は自国の国会議員に対するレクの中で、「ロシアの報道なんて全部ウソですから、真に受けないで下さい」と平気で言うような連中。中国についても同じだろう。あの連中にまともに中国の分析などできそうにない。
自民党の議員は「戦争はうあってみないと分からない」と言って戦争を始めた連中を擁護している連中なだけに、これまた「在日米軍が撤退する前に一発かましたれ!」くらいに思っている人が多そうで、とても安心できる状況にはない。
明治帝政と米帝の衰退と共に一掃されると良いのだが。。。
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2019年09月21日

ロシアとタリバンがモスクワ会談

【ロシアがタリバン代表とモスクワで会談、米との交渉再開促す】
 国営ロシア通信(RIA)は14日、ロシア外務省の話として、モスクワでロシアとアフガニスタンの旧支配勢力タリバン代表による会談が行われたと報じた。RIAによると、外務省報道官は「ロシアのザミル・カブロフ・アフガニスタン担当特別代表がモスクワでタリバンの代表団を迎えた」と語ったが、会談の日時には言及しなかった。
 これに先立ち、ドナルド・トランプ米大統領はタリバンとの和平交渉打ち切りを発表している。
 ロシア側がタリバンに対し、米国との交渉再開の必要性を強調したところ、タリバン側も米政府と対話を積極的に進める意思があると認めたという。
 米国とタリバン間の和平交渉をめぐっては、米側が駐留軍の規模を縮小し、タリバンが過激派グループを排除し安全を保証するとの内容で合意に達するとの期待が着実に高まっていた。
 しかし、トランプ大統領は7日、アフガニスタンの首都カブールで米兵を含む12人が死亡した自爆攻撃を理由に、米国で予定されていたタリバン幹部らとの極秘会談を急きょ取り止め、タリバンとの和平協議は「終わった」と宣言した。
 一方、米国とタリバンとの和平交渉に影響力を行使したいロシアは、今年に入ってからモスクワでアフガン政治指導者らとの会談を2回開催している。
(9月15日、AFP)

ロシア外交の強かなところだろう。
アメリカが鷹罠にはまっているなら、それはそれで良いが、タリバンがロシアを頼って和平交渉の調停を頼むなら、「それも良し」ということ。
ロシアとしては、アフガニスタンに対して影響力を行使できるようになって、ロシア南部の安全が担保されるのであれば、選択肢の一つになるだろう。イスラム原理主義の脅威は残るものの、中央アジアに反米国家ができるのは悪くないからだ。この点、「ISよりはタリバンの方がマシ」という判断もあるかもしれない。

シリア問題でも、アメリカが匙を投げたものを、色々問題はあるにしてもロシアが助けて一応は安定化に導いたことで、中東における一定のプレゼンスを確立しつつある。また、ロシアはトルコとも関係を改善させつつあり、「非欧米」諸国の有力な後ろ盾をなしつつある。
確かにロシアがシリアに投入したコストは非常に大きなもので、欧米のシンクタンクや識者には「割に合わない愚行」とする考察が多い。しかし、短期的なコストは過大でも、長期的には「非欧米」「反欧米」諸国が増えることこそ、ロシアの安全保障に貢献するものであって、カラー革命によって中東が全て「親欧米」になってしまうことこそ、悪夢だったに違いない。

タリバンとロシアの組み合わせなど、三十年戦争でフランスがプロテスタント側で参戦するような話だが、時代が再び混沌へと移りつつあることの象徴と考えるべきだろう。
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2019年09月16日

アフガンで鷹罠に嵌まってるアメリカ

【和平交渉、振り出しに=米、タリバンとの協議中止−アフガン戦争の出口見えず】
 合意間近とされていた米国とアフガニスタンの反政府勢力タリバンの和平交渉が振り出しに戻った。
 トランプ米大統領は8日に予定されていたタリバン指導者との会談を取りやめ、和平交渉も中止すると表明。タリバンも「米国民にさらなる被害が出るだろう」と態度を硬化させた。2001年の同時テロ以降続く「米史上最長の戦争」の出口は再び閉ざされた。
 「もうだめだ。できない」。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、トランプ氏は5日、アフガンの首都カブールで起きた自爆テロで米兵を含む12人が死亡したことを聞き、タリバンとの会談中止を決めた。
 同紙によれば、和平交渉が大詰めを迎えた8月下旬、トランプ氏はホワイトハウスでの側近との会合で、最後の交渉を首都ワシントンで行うことを思い付いた。数日後にはアフガンのガニ大統領だけでなく、タリバン指導者もワシントン近郊のキャンプデービッド山荘に招くことを発案。9月8日の「劇的な和平合意」演出に向けた計画が動き始めた。
 米政府は昨年7月以降、タリバンと和平交渉を繰り返した。9月1日に終了した9回目の協議では、米政府を代表するハリルザド・アフガン和平担当特別代表が135日以内に米軍約5000人を撤収させ、今後1年余でさらに段階的撤収を進めることを約束した。
 一方、タリバン側は国際テロ組織アルカイダと決別し、アフガンを対米テロ活動の拠点にしないことなどで「大筋で合意」した。だが、カブールでの自爆テロ後、タリバンが「外国軍の車列を狙った」と犯行声明を出したことで、トランプ氏の構想は崩れた。
 トランプ氏がタリバン指導者とガニ大統領との「秘密会談」を予定していたのは、くしくも米同時テロから18年の数日前。トランプ氏がツイッターで会談計画があったことを暴露すると、与党共和党内からも「キャンプデービッドは、米指導者が同時テロ直後にアルカイダと後ろ盾であるタリバンへの対応を協議した場所だ。タリバンを招くようなことがあっては断じてならない」などと批判が噴出した。
 米政府は、タリバンが力を誇示し、アフガン政府との今後の交渉で優位な立場に立つためにテロを続けていると分析。ポンペオ国務長官は、タリバンがテロ攻撃をやめれば交渉再開の余地はあると示唆した。
 交渉中止は「タリバンの暴力を止めるための戦略だ」(アフガンの政治評論家アフマド・サイーディ氏)と評価する声もある。だが、トランプ氏が来年の大統領選に向け、アフガンからの米軍撤収を目指しているのは周知の事実。米シンクタンク大西洋評議会のジャビド・アフマド上級研究員は「タリバンは戦場でも交渉の場でも勝っている」と述べ、成果を焦るトランプ氏に対し、タリバンが依然として優位な立場にいると指摘している。
(9月10日、時事通信) 

GMT「A Distant Plain」をプレイしたことのある人なら、超納得できる話。

現時点でアフガニスタンに駐留している米軍は約1万4千人。アメリカはまず5千人を撤兵しようとタリバン側と交渉したが、断念した格好になっている。
現状、アメリカ軍は米以外の全世界に約45万人を駐留させているが、一時的にでもタリバンを制圧させるためには30万人以上を投入する必要があると言われている。

興味深いことに、この数字はソ連がアフガニスタンに軍事介入した1970年代末から80年代にかけてと同じである。
ソ連軍が介入する前に、参謀本部は「アフガニスタン全土を制圧するには最低30万人、できれば50万人は欲しい」との数字を出し、「中ソ国境の防衛を考えれば、非現実的」との見解を出していた。
当時のソ連軍よりもよほど装備が近代化されている米軍をしても、一国を制圧するには物量に頼るほか無いことを表している。これはイラクでの経験が反映しているのだろう。

さらに面白いのは、現地のアフガニスタン政府軍が公式上は19万人も存在しているわけだが、多く見積もって国土の6割を抑えているに過ぎず、タリバンの影響圏は実質的には国土の半分以上を占めている。
「A Distant Plain」でも、1クールが終わると、政府軍と警察は3分の1が消失(自動除去)される仕組みになっており、戦力的にも米軍の半分以下で、「いないと困るけど、使い物にならん」状態が良く再現されている。

アメリカ側としては20年近くも戦果を挙げられないままウダウダやっている上、建前上は「民主政府」を守らねばならないため、とにかく駐留させざるを得ない。アメリカ人的には「アルカイダを叩いただけで、アフガニスタンのことなどはどうでもいい」のが本音だが、それを言ってしまったら、アメリカの価値観が根底から崩れることになる。ただし、トランプ氏はそのつもりのようだが。

他方、タリバンは勝利こそ収めていないものの、「侵略軍と戦う民族聖戦」を正義の旗として掲げている以上、下手な妥協はできないし、戦いを有利に進めている以上、不利な妥協をする必要も無い。
ベトナムと同様、もはやアメリカ、NATOが撤兵するほかに手立ては無い状態にあり、「誰がどのタイミングで決断するか」という問題でしかない。
しかし、ロシアからすれば、アメリカには少しでも長くトラップに嵌まっていて欲しいわけで、あれこれ手を打っているだろう。
さらに言えば、アメリカはタリバン勢力を抑えるために、アフガニスタンのISを陰で支援しているという噂もあり、三十年戦争くらいに訳が分からない状態になっている。

まさに泥沼である。
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2019年09月13日

これじゃあ中国は戦争なんてできないッス!

出勤すると、学生の何割かが迷彩服を着て歩いている。
去年もたまに見かけたが、こんなまとまった人数では無かった。
同僚の先生に聞いてみると、大学生二年生は軍事教練を受ける決まりになっているが、去年までは夏休み中に二週間にやっていたものが、今年からは新学期が始まってから最初の一週間で行うことになった、とのこと。
つまり、大学二年生の軍事教練らしい。

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だが、学生はそこかしこに座り込んでスマホをいじっているし、整列しているのを見ても、ロクに真っ直ぐ立っていられず、そもそも「整列」とすら言えない状況にある。
そもそもメガネ女子率が高めなので、ますますコスプレにしか見えない。
実際の教練の場面を見たわけではないが、およそ「軍事」にも「教練」にも似つかわしくない。
外国人ながら、

「米帝が攻めてきたら、どうするんじゃあ〜〜!!」

と叫びたくなってしまう。
いや、日本のように誰にも国防の義務がなく、自衛隊が国家傭兵として「米軍が来るまで戦うことになっている」と割り切ってしまうなら、それはそれで良いのだ。だが、その場合は一般国民は教練など不要だろう。
しかし、中国の場合、憲法が全公民に国防の義務を課しており、軍役の有無は別にして、国民は国防の義務を有している。それだけに、一応とは言え、社会的エリートを養成する建前にある高等教育機関における軍事教練は、本来であれば、重要な責務と課題を担うはずなのだ。

ケン先生がこう考える(嘆く)のは、ソ連帰りだからでもある。
ソ連のコムソモール(共産主義青年同盟)では、夏休みには一ヶ月程度の合宿があり、そこでは軍事教練も行われ、パルチザン訓練がなされていた。
それは、NATO軍が攻めてきた場合、同盟員がリーダーとなって、戦線後方でパルチザンを組織し、遊撃戦を展開するという想定の下にプログラムが組まれていた。
NATO軍に対抗するワルシャワ条約機構、あるいはアメリカ軍に対抗するソ連軍という世界トップレベルの軍事力を保有していたにもかかわらず、当のソ連共産党は米軍がソ連領内に深く攻め込んでくることを想定していたのである。
コムソモール員は必ずしも社会的エリートのみで構成されていたわけではなく、普通に高卒者も多かった。私が仲良くしていた女性は、日本で言えば美大出身で、「いかにも」なロシア美人だったが、私服で軍事教練を受けている時の写真を見せて、色々話してくれた。私服で軍事教練するところが一層パルチザンを思わせ、どこまでも徹底していた。

これは、長年「ソ連の脅威」「ロシアの伝統的拡張主義」などと西側史観を叩き込まれてきた西側人には全く想像もつかないだろうが、ロシア人というのは本質的には悲観的で防御的なのである。
革命内戦、革命干渉戦争(シベリア出兵)を経て、スターリンの独裁体制が完成してなお、スターリンは「必ずやポーランドと日本が東西から挟撃してくる」と恐れて軍備拡張を進め、現実にはドイツに宣戦布告無しで侵攻され、日本の関東軍も侵攻を準備していた(関特演)。

その意味で、日中戦争はあったと言えど、革命干渉もなく、冷戦においても主要は米ソ対立であったがために、中国の安全保障環境は、ソ連に比べると格段に緩かったのかもしれない。
ソ連学徒的には、軍の近代化は近代化として進めるも、それとは別に米軍や日本軍(自衛隊)の侵攻に備えて、国内で遊撃戦を行う体制を組んでおくのが統治者の責務であるように思われるのだが、現代中国(中共)はそうは考えていないようだ。

普通に考えて、アフガニスタンやイラクの事例を考えれば、突然アメリカが宣戦布告なしで侵攻してきて、中国の一部を占領し、自衛隊が「復興支援」と称して後方支援や治安任務を行うことなど、ソ連学徒的には「いつ起こってもおかしくない」くらいに現実的な想定だと思うのだが、全く謎である。
posted by ケン at 12:00| Comment(4) | ロシア、中国、国際関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月10日

ポーランドがドイツに賠償請求?

【ポーランド侵攻から80年、復活するドイツへの戦後賠償要求の動き】
 第2次世界大戦の口火を切ったナチス・ドイツによるポーランド侵攻から1日で80年を迎えた。だが、ナチスによる爆撃の音は、80年が経過した今も両国の戦後賠償論争の中にこだましている──。
 隣り合わせの両国はここしばらく、北大西洋条約機構(NATO)、そして欧州連合(EU)の同盟国として、第2次大戦のページをめくったようにも見えていた。
 しかし、2015年のポーランド総選挙でその様相ががらりと変わった。与党となったEU懐疑派の右派政党「法と正義(PiS)」は、EUやドイツとの関係を政治的駆け引きの道具として利用し、また戦後賠償に関する論争も再開させたのだ。
 ポーランドのマテウシュ・モラウィエツキ首相は先月、「ポーランドはいまだ適切な補償をドイツから受けていない…第2次大戦でわが国は600万人の国民を失った。大きな補償を受け取った国々よりもその数はずっと多い」と発言していた。
 2017年、PiS党首のヤロスワフ・カチンスキ氏はこの問題を再提起した。それ以来、議会の委員会が戦時中のポーランドの人的・物的損失の規模について見直す分析を行ってきた。
 その規模については、大戦直後の1947年に行われたポーランドの算出額を上回り、現在の換算で約8500億ドル(約90兆円)に相当すると、PiSのアルカディウシュ・ムラルチク議員は語る。
 AFPの取材に応じた同議員は「第2次大戦が終わって随分たつが、ドイツは自らの過去を反省していない。ドイツは法の支配による民主的な基準を守り、人権を尊重することよりも、自国の予算の安定を気にかけているのだ」と述べた。
(9月2日、AFPより抜粋)

すでにギリシアがドイツに対して同様の賠償請求を行っているが、隣国のポーランドが公式に賠償請求するとなると、他国の追随も起こりうるだろう。バルト三国やウクライナ、チェコ、旧ユーゴ諸国など、可能性を考えれば枚挙にいとまが無い。あるいはフランスやイタリアですら、「やっぱ俺も納得いかん」となるかもしれない。
これが本格化すれば、EUなどひとたまりも無さそうだ。
もともとEUは、二つの世界大戦を繰り返さない理念の下に始まったものであり、歴史問題を蒸し返し始めると、ドイツ人ですら「ヴェルサイユ条約が〜〜」「ドイツ分断が〜〜」と始めてしまう恐れがあり、もはや理念崩壊だ。

ギリシアの場合、ドイツは1960年の多国間戦後補償解決の一環としてギリシアに対しても一定額を払っており、「解決済み」としている。これはやや日韓の問題と似ている。

ポーランドの場合はより厄介で、保守系議員たちは「共産党政権が行った東ドイツとの合意は、ソ連の強要によって傀儡政権が行ったものであり、何重にも違法」という主張を行っている。確かに全否定できないところが厄介なのだが、これを認めてしまうと、東欧諸国やウクライナ、ベラルーシ、バルト三国も、「じゃあ、俺も」となるだろう。ウクライナとベラルーシはソ連の構成国だが、「ソ連加盟は強要されたものであって違法」と言い出せば終わってしまう。
厄介のは、西側自由主義史観ではそれを認めざるを得ないところにある。「ソ連=独裁=悪」という史観に立てば、共産党政権や一党独裁自体が市民の合意なくして成立した不法の政権であって、それに強要された契約はすべて不成立であると言われれば、それを否定するのは難しいだろう。

さらに難しいのは、仮にドイツに対して賠償請求を行った場合、「じゃあロシアに対してはどうなるんだ?」という意見が必ず出てくることだ。ポーランドやバルト三国などの場合、いわゆる「往復ビンタ」状態になり、それが被害を拡大させた原因になっているだけに、ソ連の後継であるロシアに対して賠償請求しないとなれば、異論が出るのが自然だろう。
そうなった場合、またぞろドイツとロシアに「なんだ貴様は!」と言われ、両国で対ポーランド感情が急悪化することは間違いないだろう。

どう見ても理性的には得策ではないと思われるが、より過激な主張をした方が(デモクラシー的に)票を集めてしまうところが非常に危険になっている。この点、今の日韓も同様で、より激しく相手を罵倒した者が喝采を浴びる状態にまで来ている。

世界はより不穏で不安定な時代に突入していきそうだ。
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2019年09月01日

青瓦台「米軍基地早期返還」を要求

【青瓦台、NSC会議後に「米軍基地早期返還」を公に要求】
 青瓦台(韓国大統領府)は30日、鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長の主催で国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、竜山など米軍基地26か所の早期返還と平沢基地(キャンプ・ハンフリーズ)への早期移転を積極的に推進したいと発表した。青瓦台がNSCまで開いて在韓米軍基地の「早期返還」を公に要求するのは異例と評されている。韓日軍事情報包括保護協定(GCOMIA)破棄決定の後、米国政府は公に不満を表明してきており、韓国政府はハリー・ハリス駐韓米国大使を呼んで「自制」を要求した。こうした韓米対立の状況での米軍基地早期返還要求は、米国に対する公の圧迫措置と解釈されている。
 青瓦台はこの日、NSCの後に出した報道資料で「在韓米軍再配置計画に基づく早期返還を積極的に推進することとした」として、「竜山基地返還手続きは今年中に開始し、基地返還が長期間遅れている原州、富平、東豆川地域の4基地は最大限の早期返還を推進することとした」と発表した。
 青瓦台は仁川市富平のキャンプ・マーケット、江原道原州のキャンプ・ロング、キャンプ・イーグル、そして京畿道東豆川のキャンプ・ホビー射撃場の名前を具体的に挙げつつ「基地返還が長期間遅れていることにより社会的・経済的困難が生じている」とも主張した。米軍が当初合意した日程の通りに基地を移転せずにいることから、移転ができるだけ速やかに実現するよう措置を取りたいという意味だと解されている。青瓦台の関係者は「韓米合意に基づく平沢基地への移転を、定められた手続きどおりに推進しようというもの」だとして、「米国側に事前通知を行った」と語った。
 一部からは、韓国政府がGSOMIAをめぐる韓米対立や米国の急激な防衛費分担金引上げ要求に対する反発で「米軍基地早期返還」を要求したのではないか、という見方も出ている。青瓦台は、このところ韓米対立の状況について「同盟より国益が優先」とコメントしてきた。
 シン・ウォンシク元合同参謀本部次長は「米国が抗議すると分かっていても今回のような措置を取った」として、「GSOMIA破棄後に米国が反発したことを受け、むしろこのチャンスに対立角をはっきり立てようとしている」と語った。だが青瓦台の関係者は「返還が予定されていた米軍基地80カ所のうち、これまでに54カ所が返還されて26カ所が残っており、進め続けてきたことに速度を付けたいという意味」だとして、「GSOMIA終了決定などとは全く関連がなく、別の韓米の安保懸案とも関係ない」と語った。
 安全保障の専門家らは、竜山の韓米連合司令部の本部まで平沢に移転した場合、ソウルなど韓国首都圏の防衛戦略は弱体化しかねないと懸念してきた。
(8月31日、朝鮮日報)

冷戦の最前線は日本海へ」の補足情報。
繰り返し説明はしないので、本文参照。
posted by ケン at 00:00| Comment(2) | ロシア、中国、国際関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする