2021年03月27日

中国における共産党員とは?

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「リベラリストあるある」ですな。
脳内知識と妄想が爆走中。
全体主義を知らないとこうなる典型例。

例えば、中国の場合、国民十数人に一人が共産党員になっている。その大半は大学や職場で優秀と見込まれたものが一本釣りされてのもので、党員であることはむしろ高い能力を担保されている側面がある。逆に入党を勧められたのに、断った場合は、「準危険分子」として準監視対象となる。
私の大学でも級長クラス(大学なのに!)は高確率で共青団の団員を務めている。
つまり、能力で選ぼうとすると高確率で党員になってしまうということ。

共産党員は私の周囲にも何人もいるが、別に特殊な存在でも、際立ったエリートでもない。
日本の場合、政党の党員であることを隠さなければならないという特殊すぎる環境が国際的に通用しない考え方を作り上げているのではないか。

そして、党が本気でスパイを潜り込ませようとした場合、党籍を抜かせ、その痕跡を抹消した上で偽造した履歴書を用意して受験させる。
どこの諜報機関でもやっていることであり、旧軍も同じことをやっていた。CIAも同じだ。
そして、日本の外務省にそれを見抜く能力は無い。そのようなインテリジェンス機能を有していないためだ。

現地採用者の活動範囲を限定するか、そもそも採用しないかしか方法はない。実際、ロシアや中国の在日領事館には日本人スタッフは殆どいない。
やはりソ連学あるいは全体主義学は大学の推奨科目くらいにはすべきなのではないか。
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2021年02月27日

人口急減する中国

【中国、20年の出生数15%減 住宅費や養育費が負担に】
 中国公安省は17日までに、2020年の新生児数が前年比15%減の1003万5千人だったと発表した。4年連続の減少。中国メディアは、住宅費や養育費の負担などが減少の原因と分析している。
 中国では1979年から続けてきた「一人っ子政策」を2016年に撤廃。この年の出生数は増加したが17年以降、減少に転じた。総人口も27年ごろに減少に転じるといわれている。
 中国誌「三聯生活週刊」は、多くの若者が高騰する住宅費のため生活に余裕がないと指摘。また教育費を含む養育費は「中産階級でさえ大きな負担」という。中国の大都市の住宅購入費は年収の十数倍とされる。
(2月17日、共同通信)

日本の人口減少が始まったのは2015年であり、中国は大体10年遅れで人口減少に転じる。
2030年頃には中国のGDPはアメリカを追い越し、2040年にはインドが中国を追い越すとも言われ、その頃には欧米は完全に衰退し、産業革命前の「中国とインドで世界の半分以上」みたいな状況になりそうな気配もある。

問題は中国における人口減少がどの程度まで抑えられるか、減少は不可避としても、減少度を下げ、経済への影響を少なくできるかがポイントとなる。
教育費の方は、高いとは言っても、それは私的支出が増えているという話で、大学を含む公教育の固定費は非常に低く抑えられている。
やはり住宅がポイントだろう。

日本の場合、年収に対する住宅購入費は約5倍(マンションに限れば約4倍)、アメリカの場合は3.5倍程度となる。これが中国だと10倍にもなるというから、若年層には無理な話であろう。
日本ではすでに勤労世帯の40%以上が住宅ローンを抱え、その総額は500兆円を超えて、今も増え続けている。
にもかかわらず、コロナ禍などで住宅ローンの返済が困難に陥る層が増え、投げ売りも許されずに地獄絵図となっている。
中国は持ち家政策ではなく、安価な公共住宅の供給を進めることが肝要であろう。
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2021年02月09日

「プーチン宮殿」の「ファクト・チェック」はしないリベラル派

【「プーチン宮殿」再生1億回 ナワリヌイ氏の暴露動画 ロシア】
 ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の関連団体が公開したプーチン大統領のものとされる「宮殿」の暴露動画の再生回数が、29日までに1億回を超えた。19日の公開からおよそ10日で大台に達した。
 反体制派は31日に2週連続となる抗議デモを計画している。拘束中のナワリヌイ氏は28日、インスタグラムを通じ「(動画の)視聴者の2%が街頭に出れば十分だ。恐れることはない」とデモへの参加を呼び掛けた。
 ナワリヌイ氏側は「宮殿」建設に1000億ルーブル(約1400億円)が費やされたと主張し、内外で波紋が広がっている。プーチン氏は「私や親族のものではない」と述べ、所有を否定している。 
(1月29日、時事通信)

日本のメディアやリベラル派も欧米に倣って一方的な主張を垂れ流してしまっているが、普段言っている「ファクト・チェック」はどうなったのだろうか。
これはあくまでも、米欧の諜報機関が支援するナワリヌイ一派とロシア体制派との情報戦であることを踏まえる必要がある。

件の動画はCGで合成された「完成予想図」であり、その信憑性や正確さは検証されていない。ロシアのメディアが報じた工事現場を見る限り、「チトー宮殿」や「チャウシャスク宮殿」のような豪華さは感じられず、地方領主の館レベルだ。もっとも、「チトー宮殿」の一つには行ったことがあるが、それほど凄いものではなかった。

ロシアでは「持ち主」が登場して、「プーチン宮殿」が否定されているが、米欧メディアはこれが「賄賂」であることをどうやって検証しているのだろうか。

私はかつて1980年のポーランド危機を検証したことがあるが、当時、反体制派「連帯」が主張し、機関紙に書いていたことは事実の検証に役立つことは殆どなく、「連帯が情勢をどう認識していたか」「連帯がどのように煽動したか」程度の参考にしかならなかった。

米欧で「ロシアの反体制派」と言われているものは、日本の新左翼や、良くても「れいわ」程度の存在でしか無い。
「共産党独裁がなくなれば全て良くなる」式の考え方が、今日のロシア、旧ソ連圏、あるいは中東情勢を生み出していることに、リベラル派はもっと自覚を持つべきである。
 
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2020年11月26日

アルメニア軍撤退に思うこと

【ロシア部隊展開でナゴルノ停戦 アルメニアが領土引き渡しへ】
 アゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノカラバフを巡る激しい戦闘は16日までに、停戦合意に基づきロシア軍の平和維持部隊が現地に展開、双方の攻撃は完全に停止した。事実上敗北したアルメニアはこれまで占領していた地域をアゼルバイジャンに順次引き渡す。
 アゼルバイジャン領内にありながら多数派のアルメニア人勢力が実効支配するナゴルノカラバフを巡る戦闘は9月27日から44日間続いた。アゼルバイジャン軍が山岳地帯に南から攻め入り要衝シュシを制圧。アルメニア側は9日、ナゴルノカラバフ全体を失う恐れがあったため自国に不利な条件の停戦合意を受け入れた。
(11月16日、共同通信)

繰り返すが、敗北を認めるのは容易なことではない。
現にアルメニアでは、国会議長が襲撃され、首相の暗殺計画も発覚した。
タカ派が幅をきかし、暴走するのはいつの時代も変わらない。

明治帝政の場合、中国大陸からの完全撤兵を求めるアメリカの要求を拒否して、実質無通告で真珠湾の米艦隊を奇襲、開戦した挙げ句、300万人以上の同胞を殺害し、居住地の半分を焼け野原にして敗北した。
どう見ても、割りに合わない不合理な決断だったはずだが、開戦の決断を責める声は今もって大きくない。
仮に中国からの撤兵を決めたことで、内乱やクーデターが起こったところで、大戦による被害を上回ることはなかっただろう。逆にクーデターが成功して開戦したところで、結果は同じだったのだから、この場合、むしろクーデター派に全ての責任を押し付けることができてよかったくらいだ。だが、現実には東京裁判ですら、「誰が開戦のボタンを押したのか」ロクに明らかにできず、天皇への責任を回避するために便宜的に東条英機が槍玉に挙げられて終わった。

日露戦争については、「日露開戦の代償」で検証したように、開戦前には日露交渉が妥結寸前にあったにもかかわらず、日本側が一方的に開戦した。ポーツマス条約で日本が得たものは、
1.日本の朝鮮半島に於ける優越権を認める。
2.日露両国の軍隊は、鉄道警備隊を除いて満州から撤退する。
3.ロシアは樺太の北緯50度以南の領土を永久に日本へ譲渡する。
4.ロシアは東清鉄道の内、旅順−長春間の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権を日本へ譲渡する。
5.ロシアは関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を日本へ譲渡する。
6.ロシアは沿海州沿岸の漁業権を日本人に与える。

だったが、1と2は開戦前の交渉で妥結済みだったため、実のところ日本が戦争で得たのは、3〜6の部分に過ぎなかった。その代償は、9万人近くの戦死者と3万人近い病死者、15万人以上の負傷者であり、税収が2億円のところに19億円の戦費(うち8億円が外債)というものだった。
この戦費について、外債引き受けを担当した高橋是清は、事前に政府に受けたレクチャーで「継戦期間を一年として4億5千万円」と説明されている。1904年の日本のGNPは30億円でしかなかった。
日露戦争もどう見ても割に合わない戦争だったが、現代においても開戦を批判する声は、私以外からは殆ど聞かれない。

一つの原因として考えられるのは、帝政は君主の絶対権と無謬性を前提としているため、決して過ちを認めない制度である上、実際の権力者にとっては「過ちを咎められない」が故にやりたい放題できるという問題がある。「統帥権の独立」問題はその最たるものだった。
この発想は戦後の昭和帝政にも受け継がれ、今日の菅政権に至るまで継承されているため、愚かしい決断が繰り返される割に、批判も上がらない仕組みになっているものと考えられる。
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2020年11月18日

中国が内需拡大へ長期計画

【中国、内需主導へ転換図る 次期5カ年計画で】
 中国国営新華社通信は3日、共産党が先月下旬の第19期中央委員会第5回総会(5中総会)で策定した第14次5カ年計画(2021〜25年)と35年までの長期目標に関する基本方針を公表し、国内市場の強化を通じて内需主導の経済構造への転換を目指す意向を示した。
 計画期間中の国内総生産(GDP)伸び率目標には言及しなかった。
 習近平国家主席(党総書記)は方針策定に関する説明で、35年までにGDPや1人当たり収入を2倍にすることが「完全に可能」と自信を見せる一方、「外部環境には不確定な要因が多い」として、構造改革に注力する考えを明らかにした。
 次期5カ年計画の基本方針は、習主席が提唱する国内経済に重心を置いて対外依存度の軽減を図っていく「双循環」を盛り込んだ。対米摩擦の長期化をにらみ、科学技術の自立を発展戦略の柱に位置付けた上で、人工知能(AI)や半導体、宇宙技術などの強化を図ると表明。法定退職年齢の段階的引き上げも実施するとした。
 習氏はまた、国家目標に掲げる「小康社会(ややゆとりのある社会)」について、来年上半期に実現を宣言すると述べた。 
(11月3日、時事通信)

よく言われるのは、「米中冷戦で輸出依存度を下げざるを得なくなった」ということだが、米中冷戦を除外しても、中国は成長力を維持するためには内需重視への転換が不可欠になっている。
国際的な労働コスト競争が激化する中で、中国の生産コストは上昇しており、繊維産業を中心に東南アジアへの生産拠点の移行が進んでいる。
とはいえ、軽工業以外はむしろ中国の技術進化と流通体制の充実によって、中国の優位性が高まっている点もある。
エアコン、冷蔵庫、洗濯機など家電製品の世界シェアはこの10年間ほど、中国がトップを維持している。しかし、その生産拠点が移行するとなると、「その次」が問われることになる。

こうした傾向は、1980年代に日本が置かれた立場と酷似しており、私と同世代の方は記憶あるだろうが、当時の日米貿易摩擦は凄まじいものがあった。私も中国の研究所から依頼されて、日中貿易摩擦の解説文を書いて共著出版される予定だ。
日本の場合は、政策的には何でもかんでも先送りにして、最終的には安全保障を理由にして譲歩するという形だったが、中国は安全保障上の問題がないだけに、交渉でも激しく対立する傾向にある。
当時は、日米貿易摩擦下で中曽根政権が「日米親善のために内需拡大」を謳ったが、実のところ日本でも生産コストの上昇に伴い、内需拡大するほかなくなっていたことが現在では判明している。現実には、内需拡大と金融緩和と土地政策の失敗が重なって、土地バブルを発端にバブルが発生、その崩壊後一気に長期停滞に突入していくことになる。
日本の場合、1990年代以降、20年以上も給与水準が上がっておらず、非正規雇用の拡大に伴って、給与格差が拡大、相対的貧困層が増えたことで内需拡大も停止し、長期停滞の最大の原因となっている。人口が増えずに、給与が上がらなければ、停滞は避けられないからだ。

中国に話を戻すと、上海や北京だけ見ると、中国は凄まじい繁栄を享受しているように見えるが、実態としては平均給与(月)は約3500人民元=5万円程度に止まっており、先進国の水準には達していない。
中国人の多くが「世界に冠たる中華帝国」と自画自賛している一方で、インテリ層の相当部分が「まだまだ発展途上国」と卑下するのはそういうことだ。
日本の失敗を踏まえて、中国が成長を持続させるためには、習主席が掲げた「2035年までに国民一人あたりの収入を二倍に」という目標はむしろ控えめなくらいで、実現可能性と成長目標としての現実性を天秤にかけた結果だと思われる。
例えば、日本の場合、1982年の年間平均給与所得は320万円だったが、1992年には455万円になり、2019年は436万円とむしろ低下している。

10億人以上の人口を抱える中国で「所得倍増」を実現するのは容易なことではないが、世界が分断される中で、国内に巨大な市場を抱えていること自体が大きな強みとなっており、日本の反省を踏まえれば、実現可能性は十分にあるのではないか。
例えば、中国では法定退職年齢がいまだに男性60歳、女性55歳(現業職は50歳)となっており、改革の余地は十分にある。
それを見極めることも、私が中国に行った理由の一つだったのだが。。。










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2020年11月14日

アルメニア首相が敗北宣言

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(11月10日、ロシア・ノーヴォスチ通信)

敗北を認めるのは難しい。
アルメニアのパシニャン首相「戦況を鑑みれば他に選択肢は無い。我が軍がアゼル軍とNATOの二軍、テロリストの連合軍に敗れたことは認めねばなるまい。」
現状、アゼル軍の優位は揺るがず、アメリカやロシアからの積極的支援が期待できない以上、泥沼化して状況を悪化させるのは悪手だろう。

しかし、現実にはアルメニア国会の議長車が民衆に襲撃され、議長が引きずり出されてリンチされ、吊されそうになる事件も発生、予断を許さない状況にある。

日本でも1944年7月や45年2月に重臣内で和平交渉の気運が高まったことがあるが、「いま交渉などと言ったら、クーデターか暴動が起きて収拾が付かなくなる」と先送りされた。

現代でも、東京五輪や皇位継承問題など、敗北を認めずに権力にすがる連中が日本を支配している。
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2020年11月06日

中国が日本国債を大量購入

【中国、日本国債を6−8月に記録的大量購入−外貨準備多様化か】
 中国は夏の間に、記録的な日本国債購入を続けた。外貨準備を多様化させているという観測を誘った。
 日本の財務省による2005年以降のデータによれば、6−8月に日本発行の債券を2兆2000億円相当を購入した。これは3カ月として過去最高。データは購入内容を明らかにしていないが、日本国債が大半を占めるとみられる。中国は16年にも同様に購入を急増させたことがある。
 JPモルガン・チェースのストラテジストらによると、これには幾つかの要因が考えられる。世界的な債券利回り低下の中で、日本国債は実質利回りベースで魅力が高まったと見なされている可能性がある。同時に、地政学的な理由もあるかもしれない。 
 JPモルガン・チェース銀行の佐々木融市場調査本部長らはリポートで、現在の地政学的情勢を考えれば、中国による日本国債購入の一部が米国債からの外貨準備多様化であることは想像に難くないと指摘した。
(10月14日、ブルームバーグ)

いまや不都合な報道は普通になされなくなっている日本。
より真実に近づくためには外国メディアを上手く使って情報を積み上げ、政府発表の真意と公表データの意味するところを読み解く能力と作業が求められる。
これは、ソ連崩壊以前においては、日本の大学のロシア語科などでは一定程度の訓練が行われていたが、いまやそれは期待できないだろう。

中国の意図するところは、恐らくリスク分散で、コロナ禍が激化する欧州と、内戦の様相を呈しているアメリカに期待できるところはなく、比較的安定している日本の国債を買うことで、リスク分散を図りつつ、人民元の上昇を抑える、ということだろう。
また、日本の長期債の購入者には、ドル円の為替ヘッジによって一定の利得が約束されているということもあるらしい。

posted by ケン at 12:00| Comment(3) | ロシア、中国、国際関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする