2017年09月26日

マクロン節はどこまで通じるか

【フランスの小学校で少人数学級制スタート、マクロン大統領が公約】
 フランス各地で4日、貧困地域の小学校における教育水準を高める目的で1学級の人数を12人に縮小する制度が始まった。少人数学級制度は、エマニュエル・マクロン大統領が大統領選で公約の目玉の一つとして掲げていた。
 少人数学級制度が「優先的」に導入されたのは、古くから学業成績が低く貧困率の高い地域の小学校で、5〜6歳児の学級が対象。フランス全土の計2500の学級で、児童数が現行の25人から最小で12人まで縮小された。
 マクロン氏は大統領選で教育制度の不平等に取り組むと約束していた。小学校で夏休みが終わり新年度初日を迎えたこの日、同氏は東部フォルバックの小学校を視察に訪れた。
 パリに本部を置く経済協力開発機構(OECD)の学力調査では、フランスの順位は加盟国中27位。調査は15歳を対象に読解力や数学などをテストするもので、フランスの教育制度についてOECDは、優秀な生徒には有効である一方で基礎学力の低い生徒に対応できておらず、学力格差が生じていると分析している。
(9月5日、AFP)

フランスのマクロン大統領の支持率は就任から4カ月で半分以下の24%にまで低下している。提唱した労働改革に対しては、パリなどで大規模デモが発生、国内不穏が高まっている。

貧困地域を中心に超少人数学級への移行を進めるというのは英断ではあるが、「いま優先的にやるべきことか」と考えると、疑問を禁じ得ない。少人数学級の教育的効果は認めるが、そもそも貧困を放置し、むしろ新自由主義政策で貧困を加速させる方向に進めながら、「教育の均等」だけを優先するというのはちぐはぐに思えるからだ。こうしたエリート主義的発想は、今後ますます国民大衆の意思と乖離してゆきそうだ。

もっとも、いまだ一学級40人制(小学1年生だけ35人)を堅持している日本からすると羨ましい限りなのだが、日本ではいまだ大学級制に対する信仰が根強く、少人数学級に対する忌避感(社会性が育たないとか行事に支障がでるなど)も強く、何よりも財政上の都合(OECD諸国で最低の公費負担)から、その実現性は限りなくゼロに近い。
【フランスで改正労働法に反対する初の大規模抗議行動、労組発表で40万人】
フランス各地で12日、エマニュエル・マクロン大統領(39)の経済改革の目玉である改正労働法に反対する抗議行動が行われた。マクロン大統領による企業寄りの経済政策に対する初の大規模な抗議行動となった。
 仏内務省は約22万3000人がデモ行進に参加し、13人が逮捕されたと発表。一方、鉄道労働者、学生、公務員らに約4000のストライキと180の抗議行動への参加を呼びかけていたフランス最大の労組連合組織、フランス労働総同盟(CGT)は計約40万人が参加したとしている。
 抗議行動は、パリで無政府主義者と警察が単発的に衝突し催涙ガスが使用されたほかは極めて平穏に行われた。CGTのフィリップ・マルティネス委員長はパリで記者団に対し「これは最初の抗議行動で、成功だったようだ」と語ったが、鉄道網や航空管制、公共サービスへの影響は限定的だった。
 高止まりする失業率の引き下げを目指している今回の改正労働法が施行されれば、企業は雇用条件について従業員とより柔軟に交渉できるようになるほか、従業員を解雇する際に必要となる費用も減少する。
 企業や投資家らはフランスの制約の多い労働法や強い力を持つ労働組合について以前から不満を訴えていた。マクロン大統領は、フランスを地元企業や外国人投資家にとってより魅力的な場所にしたいと考えている。
 ストライキやデモが行われたこの日は、停滞する経済の立て直しに賭ける若き大統領、マクロン氏にとって試練となった。マクロン大統領は先週、批判勢力を「怠け者や皮肉屋、過激派」と呼び反感を買っていた。
 抗議行動の参加者数はマクロン大統領の経済政策に対する抵抗の尺度となるため精査されている。速報によると参加者はフランスで最近行われたほかの抗議行動よりも少なかった。
 調査・コンサルティング企業ポリングボックスの政治アナリスト、ジェローム・サントマリー氏はAFPに「今日の参加者はあまり多くはなかった」と述べ、労働法改正はマクロン氏が選挙公約で訴えていたことであり、この問題ではマクロン氏が優位に立っていると指摘した。映像は、首都パリで行われた改正労働法に反対する抗議行動。
(9月13日、AFP)

この規模のデモやストライキはフランスでは珍しいことでは無いので、今すぐどうかなるわけではないが、今後の不穏を予測させるには十分であろう。

マクロン氏の新自由主義路線は、さらなる移民や外国人労働者を呼び込んで、国内の労働条件を悪化させ、経済格差や地方の疲弊を加速させる可能性が高く、同時にフランスのドイツ従属(欧州銀行への従属)を強める結果にしかならず、「反EU」「排外主義」「保護貿易」支持層を増やすのは間違いない。EUというのは、域内での経済的自由を保障する一方で、地域の経済的自立を保障せず、かといって日本の地方交付金のような域内の格差を是正するシステムも無いだけに、圧倒的に「強い者が勝つ」システムで、敗者を救済する術を持たない。
オランド政権下で実施された富裕税も、同じ社会党政権下でマクロン氏らの主導によって廃止してしまっており、所得再分配機能も大きく低下している。また、マクロン氏はシリアに対する武力介入を支持、ロシアに対する制裁強化を主張するなど、対外タカ派(介入主義)でもあり、この点でも国内対立を促進させる恐れがある。
マクロン氏の「自由」に特化したリベラリズムは、地域コミュニティや国民統合を破壊する方向に働く可能性が高く、今後フランス国内は混沌化が進むものと見られる。
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2017年09月22日

ロシアで寿命増と乳幼児死亡率低下

久しぶりにロシアネタ。
9月11日のロシア保健省の発表によると、ロシア人の平均寿命が72.5歳と新記録を達成。男性67.5歳、女性77.4歳で、心血管疾患、腫瘍、結核、呼吸器・消化器疾患による死亡率減少に加え、暴力による死亡も減少しているという。
乳幼児死亡率も減少傾向にあり、モスクワとボロネジ州で3.6、チュバシ共和国で3.7(1000人中)と西欧先進国の水準に至っている。同省は、全国43の地域で世界最高の水準に達しているとした。
なお、2000年代前半におけるロシアの乳幼児死亡率は12〜17だった。また、平均寿命は1994年に64歳にまで低下していた。

E・トッド先生がソ連の乳幼児死亡率の増加をもって「10年から30年のうちにソ連は崩壊する」と予言されたのは1976年だった。
1976年に、私はソ連で乳児死亡率が再上昇しつつあることを発見しました。その現象はソ連の当局者たちを相当面食らわせたらしく、当時彼らは最新の統計を発表するのをやめました。というのも、乳児死亡率(1歳未満での死亡率)の再上昇は社会システムの一般的劣化の証拠なのです。私はそこから、ソビエト体制の崩壊が間近だという結論を引き出したのです。
エマニュエル・トッド『最後の転落』

ロシアの乳幼児死亡率低下は、欧米の論者による「ロシア崩壊論」の逆を行く数字を示している。寿命の増加や乳幼児死亡率の低下は、公衆衛生と社会保険制度の整備を意味すると同時に、社会の安定そのものの指標でもある。
特に近年では、あのロシアでも若年層を中心にウォッカ離れが進んでおり、「そもそも酒を飲まない」「飲むのはワインだけ」という者も増えているという。つまり、現在の50代以上の層が寿命を迎えると、さらに寿命が延びる可能性が高いと言えよう。
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2017年09月21日

勉強会でポデモス

私も主宰の一人である研究会で、スペインの新政党「PODEMOS」の報告を聞く。
ちなみに私は以前の回でフランス大統領選挙における左派候補の政策を報告した。

ポデモスは2014年に結成された左翼政党。既存の社会労働者党や共産党(統一左翼)の支持層が高齢化し、若年層を中心とした不満層の支持が得られなくなったことを受け、マドリードのコンプルテンセ大学の教員や社会運動家が中心となっている。デモクラシーと人権の促進と防衛を理念としていることからも、既存の社会主義政党とは一線を画している。
登録された市民(党員のようなもの)がネットなどを通じて直接討議し、平等な投票を行う(一人一票)「市民総会」を最高意思決定機関とし、そこで選出された執行部が党運営を担う。この点、日本の自民党や民進党のような保守政党からは考えられない「デモクラシーの希求」が感じられる。
なお、ポデモスの名称は西語の「Poder」(できる)の一人称複数形で、英語で言うと「We can」になる。同時に「Demos」は古代ギリシア語の市民大衆を指す。

2016年の総選挙では統一左翼(共産党を中心とした左翼連合)と選挙連合「Unidos PODEMOS」を組んで45議席、得票率21%を獲得、他党と会派を組んで第三会派となっている。書記長のパブロ・イグレシアスは39歳、政策委員長のイニゴ・エレホンは35歳という若さである。
総選挙で掲げた政策をピックアップしてみよう。
・累進課税強化
・最低賃金を月800ユーロに引き上げ
・パートタイム労働者の待遇改善
・不公正な解雇からの労働者保護
・ベーシック・インカムの導入
・週35時間労働制
・科学博物館の月1無料開放

・公的保健予算を88億ユーロ増額
・教育予算を137億ユーロ増額
・子どもの宿題を無くして家庭時間を充実
・手話を公用語に
・軍隊、警察における女性へのハラスメント防止
・家事労働者の権利保護
・付加価値税の低減

・予算執行過程における市民監査制度の導入
・NATOにおける自律性の確保
・高速鉄道網整備の一時凍結

基本的には先に紹介したフランス大統領選のメランション候補の主張と良く似ている。
つまり、長く政権党を経験したことで、与党体質がこびりつき、中枢人材がエリート化してしまった既存の社会民主主義政党が大衆の支持を失って社会的不満を増大させていることが共通する背景になっている。こうしたエリート主義は例えば、日本では民進党の「財政再建のために消費増税は不可避」というスタンスに象徴される。
また、社会的エリートが労働貴族と談合して作文した政策と異なり、庶民大衆の声を広く吸い上げたものなだけに、個性的な政策も散見される。こうした「個性的」政策は、従来の支持層から阻害された社会層の利益を反映するものであるため、幅広い連携の基礎となり得る。

日本の場合、フランスの社会党やスペインの社労党に相当する日本社会党が解体して保守中道党に移行、一方で「不服従のフランス」や「ポデモス」に相当する既存の左翼政党が包摂できなかった社会層の政治的意思を反映する政党も存在しないという状況にある。
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2017年07月09日

フランスも社会統制強化へ

【シャンゼリゼ突入事件、監視対象だった容疑者が銃所持免許を保持】
 フランスの首都パリのシャンゼリゼ通りで銃器やガスボンベを積んだ乗用車が警察車両に突っ込み、乗用車側の運転手が死亡した事件で、イスラム過激思想を持つ運転手が治安当局の監視対象になっていたにもかかわらず銃所持の免許を取得していたことが分かり、批判が上がっている。
アダム・ジャジリ容疑者(31)は、イスラム過激思想の影響を受けているとして2015年から当局の監視対象になっていた。容疑者の車からは、拳銃2丁とカラシニコフ銃1丁が見つかり、自宅からは複数の銃器の隠し場所が発見された。
 捜査に詳しい関係筋によると、ジャジリ容疑者がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」最高指導者のアブバクル・バグダディ容疑者に忠誠を誓う手紙1通も見つかったという。
 既に身柄を拘束されているジャジリ容疑者の父親はAFPに対し、息子は競技として射撃の練習をしていたと語っていた。捜査に詳しい関係筋によると、容疑者は複数の拳銃とアサルトライフル1丁を含む、登録済みの9個の武器を所有していたという。
 フランス射撃連盟会長によると、警察当局がジャジリ容疑者の所属する射撃クラブを訪れ、同容疑者について尋ねたことがあるといい、容疑者が銃に強い関心を持っていたことについて、疑いの目が向けられていたことを示唆している。
 今回の事件を受けて、ジェラール・コロン内相は20日、銃所持の免許保持者のうち過激思想の影響を受けているとして当局の監視対象になっている人物に対して調査を行うよう命じた。
 1か月前に発足したばかりのエマニュエル・マクロン政権は、厳格化した新たなテロ対策法を発表する構えだ。またエドゥアール・フィリップ首相は、ジャジリ容疑者が銃所持の免許を保持していたことについて遺憾の意を表した。
 フィリップ首相は仏テレビ局BFMと仏ラジオ・モンテカルロ(RMC)に対し「現段階で私が把握しているのは、この人物が当局の監視対象になる前に最初の銃所持の免許が発行されたことだ」と説明しながらも、容疑者が監視対象となってからも危険な武器を所持できていたことに「納得している人などいない。もちろん私もだ」と述べた。
 フランス射撃連盟のフィリップ・クロシャード会長によると、ジャジリ容疑者は6年前に銃所持の免許を取得したという。また捜査に詳しい関係筋は、容疑者が2月に免許の更新を申請していたと明らかにした。
(6月22日、AFP)

本件といい、ブリュッセル駅爆破事件といい、英国での連続テロ事件といい、どれもが組織的なテロルというよりも、スタンド・アローンによる自発的な個人テロの色彩が強い。
このことは、共謀罪の制定に際して日本政府が「テロ団体等、綿密な計画、犯行合意、準備行為」とした構成要件が当てはまらないことを暗示している。現代のジハーディストの自爆テロは、志願者に自爆用ベストを渡して行き先を指示するだけであり、果たして誰を対象にどこまで要件を成立させられるのか、疑問は深まるばかりだ。これは、政府が1970〜80年代に起きた極左テロを想定して法案を策定したものの、現代のテロリズムには十分に対応できない可能性を示している。そう考えると、日本政府はむしろテロリズムではなく、より単純な労働運動や市民運動に対する弾圧を想定していたと見るべきかもしれない。
一般的にテロリズムと言えば、一連の9・11テロや中東における自爆テロ、あるいは日本の地下鉄サリン事件などが思い出され、社会に対して直接的被害を与えることが目的であるかのように考えられており、政府やマスコミもそのように捉えている。だが、本来のテロルの効用は、文字通り社会・大衆に「恐怖」を植え付け、熱狂を促進させ、価値観の変容を強制することにある。

昭和のテロリズムは、個々の政治家や財界人や学者を死傷させたことではなく、明治憲法に明文化されていない多元支配の構造(明治末年から大正期にかけて理論化された)を否定し、天皇による一元支配と擬装された軍部支配を実現した点に真の効果がある。同じ意味で、大正期の国際協調主義を否定し、軍国主義を促進させた点も大きい。テロルの副次的効果として、マスコミが便乗して大衆を扇動、リベラル派の知識人が沈黙し、官僚が自らこぞって国家主義・軍国主義に転向していった。また、(左翼)テロに対する警戒を理由に治安維持法などが制定されて恐怖支配が正当化された。
テロルの効用について、2014.10.2

ジハーディストによるテロルは、欧州市民を「反イスラム」へと駆り立て、域内に住むムスリムへの差別、弾圧を強めるだろう。そして、その反動としてムスリムの中からジハードへの共感者が増加、テロリスト志願者が増える構図になっている。同時に、欧州諸国を対中東全面戦争へと駆り立て、軍事介入への傾斜を深める方向に働く。軍事介入は、ソ連のアフガニスタンやアメリカのヴェトナム、イラクを見れば分かるとおり、一時的な軍事的勝利は獲得できても、最終的には敗北させ、国家財政や社会基盤に大きな打撃を与えることになる。

仮に為政者が歴史に学んでいても、国民の熱狂に抗して冷静を保つよう訴えるのは難しい。国家権力は、暴力の独占によって成り立っているが、その暴力は国民の生命と財産を守ることを前提としている。言い換えれば、国家は暴力装置を独占する権利を有する代わりに、国民を保護する義務を負っている。故に、テロルによって国民が害されると、国家は義務を怠ったことになり、権力の正統性が揺らぐことになる。結果、国家は暴力を行使してテロルを弾圧するほかなくなるわけだが、弾圧対象をテロリストだけに絞るのは難しく、社会全体に対して統制が強化されることになる。監視カメラ設置を支持する国民が圧倒的に多いことに象徴されるように、国民も統制強化と暴力行使を望む傾向が強まる。

こうした状況は客観的に見ると「誰得」なのだが、この愚かなまでの非合理こそが人間の人間たる証でもあるのでどうしようもない。
posted by ケン at 13:00| Comment(0) | ロシア、国際関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月22日

フランス国民議会選挙2017

【仏総選挙第2回投票 マクロン陣営、議席6割 二大政党は惨敗】
 フランス国民議会(下院、定数577)選挙の第2回投票は18日、開票が行われ、内務省の暫定最終結果では、マクロン大統領の新党「共和国前進」陣営が約6割に相当する350議席を獲得した。マクロン氏は安定的な政権運営に必要な議会基盤を固めた。
 フィリップ首相は18日、「議会を新たにしようと望む国民のおかげだ。明白な多数派だ」と勝利宣言。前進は連携する中道政党を除く単独でも過半数(289)を確保。欧州連合(EU)強化や国内改革などの公約実行に大きな弾みとなる。
 内務省によると、前進以外では保守系の共和党陣営137議席▽左派の社会党陣営44議席▽共産党を含む急進左派27議席▽極右の国民戦線(FN)8議席。FNのマリーヌ・ルペン党首は下院初当選を果たした。
 共和党は2012年の前回選挙時から議席をほぼ半減。社会党は8割以上を失う惨敗となり、両党が中心となってきた仏政治の勢力図は激変することになる。
 一方、前進陣営は第1回投票での善戦後、一部で予想された7割以上の議席獲得には至らなかった。他陣営が第2回投票に向けた選挙運動で議会のチェック機能維持のため、前進の「1強」回避を有権者に訴えたことが影響した可能性がある。
 投票率は約43%。11日の第1回投票の約49%よりも落ち込み、第2回投票としては過去最低に近い水準に低迷した。
(6月20日、産経新聞)

フランス国民議会選挙第二回投票が行われ、議席が確定した。一般的な報道だけでは見落とす部分が多いので、補足しておこう。
先にフランス下院選挙の投票制度をおさらいしておこう。学術的には「小選挙区単記2回投票制直接普通選挙」と呼ばれるもので、基本的には単純小選挙区制だが、一回目の投票で過半数かつ登録有権者の25%以上の得票が無かった選挙区では、上位二候補による決選投票が行われるというもの。実際、今回の選挙で第一回投票で確定したのは4選挙区に過ぎなかった。

その意味で、30〜40%程度の相対多数得票で当選してしまう日本の投票制度よりは民意の反映度が高いと言えるが、今回の選挙を見た場合、第一回投票で32%しか得票しなかった共和国前進が6割の議席を得ている。だが、その一方で不服従のフランス17、共産党10、国民戦線8、左派系諸派8、右派系諸派6など、決選投票付きの小選挙区でこれだけの多様性が保たれるのも非常に興味深い。詳細な獲得議席は下記。

また、国民議会の総定数は577。フランス本土から539人、海外県・海外領土から27人、在外フランス人から11人が選出される。「在外枠」という考え方も非常に面白い。棄民傾向が強い日本とは、「国民」に対する考え方が本質的に異なる。共和国ならではかもしれない。
では、党派別獲得票、得票率(第一回)と最終獲得議席数を見てみよう。

極左諸派:175,214票、0.77%、0議席
共産党:615,487票、2.72%、10議席
不服従のフランス:2 497,622票、11.03%、17議席
社会党:1,685,677票、7.44%、30議席
急進左翼:106,311票、0.47%、3議席
左翼諸派:362,281票、1,60%、12議席
エコロジスト:973,527票、4.30%、1議席
諸派:500,309票、2.21%、3議席
諸地域政党:204 ,049票、0.90%、5議席
共和国前進:6,391,269票、28.21%、308議席
民主運動:932,227票、4.12%、42議席
民主独立同盟:687,225票、3.03%、18議席
共和党:3,573,427票、15.77%、112議席
右翼諸派:625,345票、2.76%、6議席
立ち上がれフランス:265,420票、1.17%、1議席
国民戦線:2,990,454票、13.20票、8議席
極右諸派:68,320票、0.30%、1議席


まず、有権者総数4729万人のうち第一回投票者は2317万人で投票率48.7%、うち白票36万票、無効票16万票。第二回投票者は2016万人で投票率42.6%、うち白票140万票、無効票60万票。
見ての通り、フランスとは思えない投票率の低さと白票・無効票の多さがあり、これ自体が「国民全員参加」を大原則とするデモクラシーの危機を表している。同時に第一回投票における有権者総数に対する「共和国前進」の投票率はわずか13.4%に過ぎず、それが全議席の53%を占める結果となっている。言い換えれば、フランス人の8人に1人程度しか投票していない「マクロン大統領派」が議会の過半数を得てしまっている状況にある。「前進」と協力関係にある「民主運動」を加えれば6割の議席になる。
逆にルペン氏率いる国民戦線は299万票で得票率13.2%もありながら、獲得したのは8議席(議席占有率1.3%)に過ぎなかった。これは決選投票で敗北したためだが、ファッショを避けるための制度が議会に対する民意の反映を抑制し、棄権や無関心層を増やす結果に繋がっていると推測される。
メランション氏率いる「不服従のフランス」も同様で、250万票、11%も得票しながら17議席(同3%)に終わっている。もっとも、「不服従のフランス」は大統領選で共産党、エコロジスト、左派系諸派と合同してメランション候補を立てたが、今回は総選挙ということで個別に戦ったことが災いしている。「不服従のフランス」と共産党の選挙連合は、直前まで検討されたが実現しなかったことが大きい。とはいえ、下院選挙で政党連合を組んでしまうと、政党のアイデンティティが問われる事態になるため、そこは単純には評価できない。そうは言っても、「不服従のフランス」と共産党とエコロジストの三者の票を足しただけで共和党を優に超えるのだから、フランスの政治的多様性は面白い。

放置すると超多党制になってしまうラテン的な政治文化を抑制するために小選挙区制度が導入されているのだが、現実に民意が全く議会に反映されず、投票意欲が激しく低下する事態を招いている。「選択肢が無い」日本からすれば非常に羨ましくもあるのだが、フランスはフランスでデモクラシーの危機を迎えている。
少なくとも「マクロン派が勝利した万歳」とは行かないことだけは間違いない。
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2017年06月21日

ロシア人の安保観を代弁する・下

前回の続き)
具体的な話をすると、1997年、上記の口頭了解が破棄されて、ポーランド、ハンガリー、チェコの3国がNATO加盟の交渉に入った。当時ロシアは経済危機の真っ只中にあり、これに反対できるほどの力はなかった。そのため、ロシア側の安全保障の観点から「NATO−ロシア協定」が締結され、NATO圏の東部境界地帯に対する恒常的かつ実効的な戦闘部隊の駐留を放棄するというものだった。ところが、2008年に米国はポーランドにミサイル防衛施設の設置を開始し、同協定を一方的に反故にした。ウクライナ危機でもポーランドに対するNATO軍の常時駐留が検討され始めており、ロシア側を刺激している。ことほどさように、西側諸国の協定違反については殆ど報道されないのに、ロシアの協定違反は10倍過剰に報道されている。

日本人の大半は忘れ去っているが、そもそもNATOは「反共産主義」「反ロシア」を理念として立ち上げられた軍事同盟であり、最終的・理念的には「共産主義・ロシアの抹消」を目指しており、ロシアにとっては現代日本にとっての中国よりもはるかに深刻な脅威なのだ(少なくとも中国は日本の撲滅を狙ってはいない)。そのNATOの先兵がすでにエストニアに達してサンクトペテルブルクを脅かしており、万が一ウクライナのNATO加盟が実現すれば、NATO軍がハリコフやドネツクにまで配備されることになる。ロシア人の気持ちを日本人に例えれば、沖縄や九州が独立して人民解放軍が小倉や大分に配備されるような状態を想像してもらいたい。

ソ連がアフガニスタンへの軍事介入を決めた理由の1つは、「カブールの共産党政権が倒壊し、米国の影響の下でイスラム共和国が成立、同国に巡航ミサイルが配備され、米国の基地がつくられた場合、ソ連の「弱い脇腹」に匕首を突きつけられる格好となる」というものだった(国防省の見解)。
これと全く同じことは、クリミア併合でも言われた。それは、「ウクライナがNATOに加盟して、セバストポリに核ミサイル搭載艦が配備された場合、ロシアには対処する術が無い」というものだった。NATOがロシアを打倒するために存在する軍事同盟である以上、ロシアの危惧は当然のものなのだ。
同じく、ロシアがウクライナ内戦で東部分離派を支援するのも、ウクライナがNATOに加盟して対露侵略の先兵となる恐れが現実化する中で、少しでも緩衝地帯を設けておきたいという「次善の策」なのであって、本質的にはウクライナに親露政権が樹立して、NATO不加盟を宣言すればノープロブレムな話なのだ。

「ベルリンの壁」崩壊以降、様々な約束を反故にして、かつ反露政策を剥き出しにして対露包囲網を狭めてきた西側諸国に対し、ロシア・エリートは非常に強い不信感を持っている。この状況を招いたのは、相当部分がゴルバチョフの外交的失敗に起因すると考えられるが、それ故にゴ氏は西側で評価が高く、ロシアで最低の評価しか与えられていない。国家反逆罪で裁判にかけられないのはプーチン氏らの温情と言える。同時に、「ヴェルサイユのくびき」を脱したナチス・ドイツがソ連を崩壊寸前にまで追い込み、今度は「ドイツ併合」をなした新生ドイツが「欧州統合」を隠れ蓑に全欧州を支配下に置いて「欧州の支配者」となり、NATOを率いてロシアに圧力を加えている。

日本を含む西側諸国では、「ロシアの軍事的脅威」ばかりが強調される。だが、現実には2016年の国防費を見た場合、アメリカが6112億ドル、英独仏伊(EU主要国)で1730億ドルに対し、ロシアは692億ドルでしかない。つまり、軍事費でNATO主要国に対してわずか8.8%の規模なのだ。アメリカを除くEU諸国に対しても30%程度を維持しているに過ぎない。
GDPで見た場合、それはさらに悲劇的となる。2016年の名目GDPを見た場合、EUは16兆4080億ドル、アメリカが18兆5690億ドルで、合計すると約35兆ドルにもなる。これに対し、ロシアは1兆2800億ドルと米欧の4%に満たなず、EU単独に対しても8%に満たない。
現代の軍事力は完全に工業力と技術力に依拠しているだけに、生産力と軍事費の差はそのまま実力差となる。つまり、現代ロシアは「ロシア内戦(革命干渉戦争)」以降で最大の危機に瀕しており、今の状況に比べれば、ナチス・ドイツと対峙したスターリン期のソ連など全く「カワイイもの」でしかない。例えば、1939年のGNPを見た場合、ドイツの2411億ドルに対し、ソ連は4303億ドルであり、本来的には「負けるはずがない」ものだったからだ。
つまり、表象的な軍事力が過剰に喧伝されているだけで、ロシアには全くNATOと戦争できる体力が無い。逆に戦力格差(戦争遂行能力)が大きすぎるため、ロシアは核戦略に傾斜せざるを得ない状況に追い込まれている。

結果、工業・経済力で20倍もの優位に立つNATOがロシアに対する敵愾心を丸出しにして、対露包囲網を構築、圧力をかけてロシアを滅ぼそうとしている、というのがロシア・エリートの抱く一般的な安全保障観になっている。故に、ロシアとしては中国の拡張主義を脅威に覚えつつも、「背に腹はかえられない」ことから「中露同盟」を結び、さらに「日露協商」を目指すのは、欧州方面の圧力が極大化する中で「唯一の選択肢」になっている。
同時に、NATOがロシアを圧迫すればするほど、ロシアは国内の統制を強化せざるを得なくなっている。例えば、軍事費の対GDP比はEU平均で1%強、アメリカでも3%強であるところ、ロシアは5%以上も拠出している。結果、国内市場や社会保障が圧迫され、国民不満が上昇、これを抑えるために社会統制を強化するわけだが、欧米諸国はそれを「人権侵害」と称して非難し、さらに軍事あるいは外交的圧力を強めるという構図になっている。
この構図は、1920年代のソ連とよく似ている。西側諸国による軍事介入が成立したばかりのソ連を荒廃させ、国内統制を強化して戦時体制の長期化を余儀なくされたにもかかわらず、欧米はそれを理由に外交関係の樹立を拒否して経済封鎖を進めた。レーニンからスターリンに至る過酷な独裁を招いたのは、欧米による軍事介入と経済封鎖だったという側面があること、同時に日欧が意味不明な理由からロシアに戦争を仕掛けて侵略し続けてきた歴史を理解していないと、ロシア・エリートの考え方は決して理解できない。

日本の対ソ・対露分析の大半が的外れのものである理由は、「日本の国益」「日本人の視点」から見ている点にある。その最たるものが、太平洋戦争末期にソ連による満州侵攻の予兆を否定し、最後までソ連に「連合国との仲介」を期待した戦争指導部だった。その本質は今日でも全く変わらない。
世間一般で読まれているロシア分析も同様で、その殆どがビジネスに基づいた「読者・視聴者が望むネタ」でしかなく、つまり「日本スゲェ」と裏返しである「ロシア悪玉論」が幅をきかせることになる。逆に、ロシアの「西側にとって不都合な真実」を話す者は、商業ベースに乗らないため、アカデミーの世界で肩をすぼめて生きるほか無い。学術書や論文を除いて、商業ベースで売られているロシア分析の本や雑誌は、かなり用心して読まないと騙されることになるだろう。私が「売文屋」にならない理由もそこにある。同時に軍事あるいはプーチン氏などの個人に特化したロシア分析は、「木を見て森を見ず」になりがちなので、読む際には注意が必要だろう。
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2017年06月20日

ロシア人の安保観を代弁する・中

前回の続き)
そして、一次大戦の延長上に、日本では「シベリア出兵」として知られる「極東介入戦争」がある。1917年の二月革命と十月革命によってロマノフ朝は瓦解し、ボリシェヴィキ政権が樹立する。ロシアの大戦からの脱落と東部戦線の崩壊を恐れた連合国は、ボリシェヴィキ政権を打倒すべく、軍事介入を決断する。日本は日本で、朝鮮と満州の利権を確立しつつ、シベリアに影響力を拡大、さらにロシアとの緩衝地帯を設けるべく、シベリアに傀儡政権を打ち立てることを視野に、宣戦布告無しでシベリアに侵攻した。日露戦争で排除しきれなかったロシアの軍事的脅威を完全に排除する目途もあった。
日本では学校でまともに教わることも無く、しかも「出兵」などとされているが、ロシア人的には全く言われ無き侵略であり、その死傷者は民間人を含めて50万人以上に上った。
ロシア人エリート的には、日本の国家イメージは「話し合いの通じない、いつ襲いかかってくるか分からない、鋭利な刃物を持った狂人」でしかない。これを理解せずに、日本固有のイメージで「ロシア人は凶暴で何を考えているか分からない」などと考えていると、日露関係に関わる時に大きな誤解が生じることになる。
また、極東以外でも内戦、介入戦争は1922年まで続き、連合国は白衛軍(反ボリシェヴィキ)を支援し続けた。このことは、現在でも民主化勢力を支援し続ける米欧列強に通じる。

極めつけは第二次世界大戦である。一次大戦後、ドイツはヴェルサイユ条約で過重な賠償金と軍備制限を課されたが、外交的に孤立していたソ連とラパロ条約を締結、蜜月時代に入る。両国はともに苦しい状況下にあって、ソ連は天然資源やドイツ軍用の実験場と訓練地を提供、ドイツは各種技術を提供した。この関係は、反共を掲げるナチズムの台頭によって途絶するものの、欧州情勢の緊迫化に伴い、独ソ不可侵条約となって復活する。ソ連はドイツとの資源貿易を再開するが、これはドイツを英仏と戦わせて双方を疲弊させるためでもあった。
ところが、バトルオブブリテン(英本土航空戦)で敗退すると、ヒトラーは「ソ連に背後を突かれる前にやってしまえ」との判断に傾き、バルバロッサ作戦(対ソ戦)を発令する。スターリンの下には、ドイツの対ソ開戦を示唆する様々な情報が集まるが、全て欺瞞情報として退け、逆に前線の軍事行動を制限して挑発行為を戒める有様だった。その結果、それだけが理由では無いものの、赤軍は緒戦で大敗北を喫し、レニングラードは包囲され、モスクワの郊外まで攻め立てられ、南はクリミア、コーカサス山地まで攻め込まれた。ソ連側の死者数は少なくとも2千万人以上に達した。

戦後、あるいはソ連崩壊後に資料が公開されて、「ソ連による先制攻撃計画があった」という話も流布されたが、どれも裏付けは弱く、せいぜいのところ「構想はあった」程度のものだった。つまり、ロシア人的には、今回も意味不明な理由で侵略を受け、数千万人が家を失い、国家滅亡の危機にさらされたとのイメージを強くした。
ソ連にとって二次大戦後の東側のブロック化は、「ナチズムに替わる反革命勢力による再侵攻」に備えるために必要不可欠の「緩衝地帯」「前進防御」だったが、それは一次大戦で一度は破綻したはずのドイツによって、ソ連が崩壊寸前にまで追い込まれた反省に基づいていた。

ところが、東欧諸国を陣営化して西側連合国との防衛線にするという構想は、「ベルリンの壁」崩壊によって瓦解する。
歴史に言う「ベルリンの壁崩壊」は1989年11月9日に起きるが、ドイツ社会主義統一党(SED)の独裁政権が同時に倒壊したわけではなかった。まず89年10月にホーネッカー書記長が辞任、改革派のモドロウ政権が樹立して、民主化と憲法改定を行い、一党独裁規定を削除した後、1990年3月18日に東ドイツ国内における最初で最後の自由選挙が行われた。ここでキリスト教民主同盟を中心とする保守系三派連合が多数を確保してデメジエール政権を樹立、西ドイツとの統一の方針が確認された。最終的には90年10月3日、東ドイツが西ドイツに吸収される形で統一が果たされた。

その際に最大の問題となったのは東ドイツに駐留する34万人(38万という数字もあり、さらに他に家族や軍属が20万人)からのソ連軍の扱いと統一後のドイツのNATO加盟問題だった。何と言ってもソ連の駐兵権は第二次世界大戦の戦勝によって得られた正当な権利であり、東独を吸収することはソ連の駐兵権を引き継ぐことをも意味していただけに、西ドイツにとっては重大な問題だった。
この件について、当時のコール西独首相とゲンシャー外相は、ブッシュ米大統領とベーカー国務長官と調整、「統一ドイツはNATOに帰属する、しかし東ドイツ領域はNATO管轄領域としない」ことで合意された。しかし、ドイツ国内には中立化論が根強く存在しており、他方でアメリカや近隣諸国は「ドイツ再軍備」を危惧して「NATOの拡大」を支持する向きが強かった。他方、ソ連ではドイツ統一そのものに反対するものが多かったようだ。現状を見る限り、現在ロシアが置かれている苦境の大半はドイツ統一を許したことに起因していることを考えれば、ロシア・エリートが欧州をどう見ているか想像できよう。

そして、90年2月9日、ベーカーはゴルバチョフと会見して、「統一ドイツがNATOから離脱するのと、統一ドイツはNATOに残るが、NATO現状から1インチたりとも東に入らないのと、どちら良いか?」と尋ねたところ、ゴルバチョフは「NATOの領域拡大は受け入れられない」と回答したという。
これを受けて、2月10日、コールはゴルバチョフに、「NATOは領域を東独まで拡大しない」と確約、ゲンシャーはシュワルナゼ・ソ連外相に「統一ドイツのNATO加盟は複雑な問題を生むが、一つだけ確実なことは、NATOは東に拡大しないということだ」と述べ、東独だけでなく東欧全体に適用されることを前提に「NATOの不拡大は、全般に適用される」と付け加えた。この「保証」を受けてゴルバチョフはドイツ統一とソ連軍の撤収に同意するが、この時に合意文書がつくられなかったことが後の禍根となる。
さらに同年10月、ソ連邦の維持すらも困難をきたし始めたゴルバチョフは、駐独ソ連軍の撤退保証金をドイツ政府に要求、コールは150億マルクの借款と引き替えに「NATOの東ドイツ部分への適用拡大」を要求し、ゴルバチョフはこれを呑んでしまい、これがさらに問題を複雑にしてしまった。

最終的に「ゴルバチョフ・コール合意」は幻となり、完全に反故にされた。1991年12月にソ連が崩壊すると、99年にはチェコ、ハンガリー、ポーランドがNATOに加盟、続いて2004年にはスロバキア、スロベニア、バルト三国、ブルガリア、ルーマニアが、09年にはクロアチア、アルバニアが加盟した。いまやロシアにとって西側との緩衝地帯はベラルーシ、ウクライナ、モルドヴァだけであり、NATO加盟国のエストニアとは直接国境を接している。あとは、セルビアなどの旧ユーゴ地域の一部が未加盟な程度だ。つい最近モンテネグロのNATO加盟が決まり、ロシア人の警戒心はますます強まっている。
(以下続く)
posted by ケン at 12:03| Comment(0) | ロシア、国際関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする