2019年10月07日

森口博子「GUNDAM SONG COVERS」

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森口博子「GUNDAM SONG COVERS」
01 水の星へ愛をこめて/ with 寺井尚子 (「機動戦士Ζガンダム」オープニングテーマ)
02 哀 戦士/ with 押尾コータロー (「機動戦士ガンダムII 哀・戦士編」主題歌)
03 ETERNAL WIND ~ほほえみは光る風の中~ (「機動戦士ガンダムF91」主題歌)
04 BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~ (「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」主題歌)
05 嵐の中で輝いて/ with 田ノ岡三郎 (「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」 オープニングテーマ)
06 フリージア/ with 塩谷哲 (「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」エンディングテーマ)
07 JUST COMMUNICATION/ with 猪野秀史 (「新機動戦記ガンダムW」オープニングテーマ)
08 めぐりあい (「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」主題歌)
09 Ζ・刻をこえて (「機動戦士Ζガンダム」オープニングテーマ)
10 RE: I AM/ with TSUKEMEN (「機動戦士ガンダムUC episode 6「宇宙と地球と」」主題歌)
11 宇宙の彼方で [Bonus Track] (「機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜」主題歌)

ケン先生の場合、1985年の「Zガンダム以来」ということになるので、自分にとっても「35周年記念」である。
聞いているだけで、世代的に「クル」ものが多く、かなりヤバい一品。

敢えて難を言うなら、「上手くなってしまった」ことで、「Z」当時の良い意味での素人臭さが失われてしまっているところが、少々「これじゃない!」と言いたくなるところもあるのだが、それは「求めすぎ」であることも理解している。
同様に全体に「オサレ(キレイ)」に仕上げすぎてしまっており、アニソン臭さが失われているため、全体的に薄味になっていることも確かだ。濃いめが好きな人からすれば、やはり「これじゃない!」という反応が出ても致し方ないところだろう。

それでもケン先生的には一枚持っておいて損は無いと思う。
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2019年10月03日

『Uボート ザ・シリーズ 深海の狼』

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西独ドラマ/映画の名作『Uボート』の続編が38年を経て制作された。



1981年のそれは3本のTVドラマと、それを編集してつくられた映画から成っているが、本作は8本編成のTVドラマとして作られ、制作費35億円が投入された。日本では今夏WOWOWで放送された。
ただ続編とは言え、前作と直接的な関係はなく、むしろ新作と言える。
1942年、ドイツ軍に占領されたフランスの港町ラ・ロシェル。ドイツ海軍史上に名を残す英雄の息子であるホフマン海軍大尉はUボート“U612”の艦長に昇進し、初めての出撃を迎える。しかしホフマンは、周囲から親の七光りで昇進したと見下されていると感じ苦悩する。
そんな“U612”に、急遽、通信兵として乗り込むことになった青年フランクは、ドイツ秘密国家警察の通訳になった姉シモーヌに、ある取引の代理を頼み封筒を渡す。中に入っていたのは回路図で、取引相手はドイツに抵抗するレジスタンスだった。基地から出航した“U612”の艦長ホフマンは、司令部から極秘任務を言い渡される……。

ストーリーはUボート側の視点(弟)と軍港側の視点(姉)から描かれ、それぞれ異なる物語が相関的に描かれる。構造的には名作『ジェネレーション・ウォー』に近いが、相変わらずドイツ人の作るドラマはリアルすぎて、見ているだけでMP(精神力)がゴリゴリ削られるイメージ。Uボートの話などは、敢えて爽快さを無くしている感じだし。
展開速度が速く、8時間分も見たとは思えないスピードだったが、いささかプロットを盛り込み過ぎで、展開に着いていくのが大変だ。ロシア・ドラマのように人間関係がわかりにくいということはないのは救いだが。

Uボートの描写は最新技術が駆使されたことで、一層リアリティが増しており、増している分だけ見ていて大変。
軍港における銃後の描写もリアルで、ドイツ海軍とゲシュタポとフランス警察とレジスタンスの関係が十二分に描かれている。ここは敢えて一つのドラマに入れる必要があったのか議論の余地が残りそうだし、いささか無理を感じるところもあるのだが、ゲシュタポが絶対悪として描かれていないところやアルザス人への差別など興味深いところが多いことも確かだ。

早速続編の制作も決定しており、楽しみにしたい。
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2019年09月06日

30年ぶりのロードス島戦記

一ヶ月遅れになってしまったが、水野良『ロードス島戦記 誓約の王冠』を読了。

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ロードス島戦記は高校生の時に読んで、まだ和製ファンタジーを小馬鹿にしていた自分をたしなめてくれた作品でもあった。
30年も経てば黒歴史も笑い話である。
引っ越し(海外移住)や実家の建て替えで、学生の頃に読んだ本の多くは処分してしまったが、大事にとっておいた数少ないものでもある。
ラノベも30年経てば、十分に「お宝」だろう。

その水野先生の新作は先祖返りで「100年後のロードス島」だった。
あえて内容には触れないが、例の如く「薄い、あっさり、超王道」の水野節は健在ながら、今のところ「二番煎じ」でも無さそうで、悪くない出だし。
続刊を楽しみにしたい。どうせ一年に一冊のペースだろうから、中国住まいでも関係あるまい(笑)
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2019年08月23日

アガリスクエンターテイメント『発表せよ!大本営!』



アガリスクエンターテイメントさんの舞台『発表せよ!大本営!』を観劇。
1942年6月。行け行けドンドンの楽勝ムードで臨んだミッドウェー海戦にて歴史的な大敗を喫した日本軍。
戦勝パーティーまで準備していた海軍は、ショックも冷めやらぬまま新たな問題に直面する。

ーーーこの結果を国民にどう発表する?

「真実を伝えるべき」
「いや、国民の士気を落とすわけにはいかない」
「逆に危機感を煽ることによって戦意高揚を図るっていう…」
まとまらない意見。責任をなすりつけ合う各部署。

こうして、海軍報道部員のいちばん長い日がはじまった…!

虚偽の大本営発表はミッドウェー海戦に始まり、そこから坂道を転げ落ちるように嘘の上塗りを重ねたとされている。
そのミッドウェー海戦の敗戦と損害をどのように発表するのか。

敗北を認めれば責任が問われる軍令部(作戦部)は「国民の士気が下がる」として虚偽報道を主張。
「従来通りそのまま発表すれば良い。その方がむしろ士気が鼓舞される」とする海軍省軍務局。
「俺らの報告が間違っていると言うのか!」とねじ込んでくる現地部隊。
「海軍に敗戦の責任を認めさせよう」と企む陸軍。
その狭間に立って、各部から「そんな発表は認められない」と言われて窮地に立たされる報道部。
各部に良い顔をして、人を立て、妥協に妥協を重ねた結果、部分最適化には成功したものの・・・・・・

という話をブラックコメディーの舞台にした一作。

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脚本も面白く、俳優も熱演しており、なかなか時宜にかなった舞台だった。
ただ、市井のカップルが「大本営発表があったら告白するのどうの」という流れは本筋と殆ど絡んでおらず、何のために入れたのか不明だった。
無用の「パンしゃぶの構造」(性欲と食欲を同時に満たす必要は無い)であろう。
全体で130分と非常に長く、この部分をカットすれば、100分ちょっとに収まったはずだ。
私が見た回はほぼ満席で大人気だっただけに、非常に惜しいところである。。

虚偽の発表や統計偽装は、今の霞が関でも横行しており、もはや昔話では済まされなくなっている。


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2019年08月13日

『二百三高地 愛は死にますか』

今となっては忘れ去られているようだが、かの名作映画『二百三高地』にはTVドラマ版がある。
映画公開の翌1981年1月〜2月に放送されたものだ。
骨格は映画版を踏襲、脚本も基本的には変更せず、時間的に全8回分に増えた分のエピソードが追加されている。
追加された分の多くは銃後の人間関係に費やされ、第七連隊(金沢)の中隊兵士の家族や恋人などが細かく描かれている。乃木の家族についても同様。
軍関係でも、南山攻略や海軍との関係が追加され、全体像がわかりやすくなっている。

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大きく異なるのは配役で、主人公の小賀少尉役があおい輝彦から永島敏行に、恋人の松尾役が夏目雅子から坂口良子に、乃木希典が仲代達矢から田宮高広に、明治帝が三船敏郎から(現)松本白鴎(当時は市川染五郎)などになっている。
この配役の違いをどう評価するかが、大きなポイントとなるわけだが、どうしても映画版で記憶がプリンティングされているため、マイナス評価になりがちだ。特に夏目雅子が良すぎただけに……
とはいえ、田宮高広の乃木は絶品で、最近再評価されつつあることを含め、「乃木はこれだよ!」と快哉を上げたくなるほど成りきっている。
明治帝も三船がやると三船になってしまう点で染五郎の方が良く、むしろそっくりさんみたいになっている。

また、銃後の描写が増えた分、いささか「お涙ちょうだい」化が見られるものの、ケン先生が「ゴールデンカムイの背景にある日露戦争症候群」で描いた日露戦争症候群の要素が多分に追加され、NHKが制作した「坂の上の雲」のような英雄万歳作品とは一線を画している。
この点は庶民目線の笠原和夫ならではであるが、笠原のドライな視点が薄めなのは残念だ。
しかし、映画を含め本作は当時、「戦争賛美」「右翼映画」と非難されたそうだが、左翼の私が見てもサッパリ理解不能だ。やはりNK党は禁止すべきなのだろうが、それは良い。

乃木や第三軍司令部の描写も、当時は既に司馬史観が蔓延し「無能」の評価が定着していたはずだが、今見てみると意外と中立的に描かれており、「さすが笠原和夫」と言いたくなってしまう。例えば、乃木は必ずしも正面突撃に賛成では無かったが、砲弾不足と周囲(上)からの要請によって、他に選択肢が無くなってしまった点など、良く描かれている。

1960〜70年代の戦争映画のような熱量は無いし、現代の戦争映画のような再現性も無いわけだが、人間ドラマとしてはやはり良くできた作品だと思う。
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2019年08月12日

日本暗殺秘録

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『日本暗殺秘録』 中島貞夫監督 東映(1969)

今日では半ば忘れ去られているが、「昭和動乱+笠原和夫」というマニアには垂涎ものの一作。
幕末の桜田門外の変(井伊大老)に始まり、明治期の紀尾井坂の変(大久保内務卿)、大隈重信暗殺未遂事件、星亨暗殺事件、大正期の安田善次郎暗殺事件、ギロチン社事件(アナキストによるテロ)を経て、昭和初期の血盟団事件、相沢事件、二・二六事件と繋がる一連のテロリズム史を、オムニバス形式で描いている怪作である。
オムニバス形式なので、言ってしまえば再現ドラマの連続のような感じだが、一応血盟団事件が本筋のような感じで映画の骨格をなしている。
つまり、血盟団事件のみがきちんとしたドラマになっており、後は暗殺シーンだけなので、全体としての作品のバランスは非常に悪い。人によっては「これは何の映画なの?」と思ってしまうかもしれない。が、そんなことはマジでどうでもいい。

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なんと言っても『二百三高地』や『仁義なき戦い』など昭和を代表する脚本家の笠原和夫が脚本を担当。
そして、贅沢すぎる役者群が凄すぎる。
テロリスト役として、若山富三郎(桜田門外の変における有村次左衛門)、安田善次郎を殺害する朝日平吾役は菅原文太、五・一五事件の精神的指導者である藤井斉海軍大尉は田宮次郎、血盟団事件の小沼正は千葉真一、永田鉄山を惨殺する相沢三郎少佐に至っては高倉健である。これらの人々が次から次へと「天誅!」「奸賊!」とやるのだから、(悪い意味での)高揚感が半端ない。菅原文太や高倉健などは、出てきていきなり「天誅〜〜!」して次のシーンに移ってしまうのだが、恐ろしくカッコ良く描かれている。

当時、本作を見た反左翼の若者がこぞって右翼に入ろうとしたらしく、当時まだ存命だった小沼正から感謝され、「テロリズムを助長する」と非難され、公開規制まではされなかったものの、マスメディアからは完全に無視され、口コミでしか広がらなかったという曰くがある。
批判を受けた中島監督は「右翼やテロを美化する意図は無かった」と弁解したそうだが、「いや、それは無理ってもんでしょ」と言いたくなるくらい、真に迫っている。

血盟団事件と昭和動乱がナゾ過ぎるのは、井上準之助を殺害した小沼正や団琢磨を射殺した菱沼五郎が無期懲役となりながら、1940年には恩赦(法律上、殺人・殺人未遂には恩赦は不適用だった)で出獄、戦後もそのまま活動し続けている点にあるが、笠原はきちんと取材しており、テロリストの実像に迫っている。

映画作品としての完成度は低く(バランスが悪すぎる)、テーマ的にも問題ありまくりなのだが、現代作品では再現(演技)不能な熱量を誇っており、少しでも興味を持った者は是非ともGYAOなどで見て欲しい。

【追記】
いわゆる血盟団事件(本人らはそう名乗っておらず、検事がつけた名称)に際してテロに賛同した20〜30人ほどの集団には、東大生が四人、京大生が三人いた。この点、現代では理解しづらいことだが、理解・受容できないと、この時代のことは理解できない。
また、相沢事件(永田鉄山暗殺)に際して、相沢少佐は永田局長を斬殺した後、そのまま任地に赴任するつもりだったが、実行時に興奮していたためか自身もけがをしてしまい、医務室で施療を受けていたところを憲兵に拘束されたという。殺害後、陸軍省内では大騒ぎになったが、根本新聞班長や山下奉文調査部長らが「良くやった!」などと激励、拘束された憲兵詰所においてすら「握手してください!」と人が集まったという。こうした空気感が想像できないと、昭和の時代は理解できない。とはいえ、現代もそれに近い雰囲気が醸成されつつある。
posted by ケン at 10:39| Comment(0) | サブカル、音楽、アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月09日

工作 黒金星と呼ばれた男

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『工作 黒金星と呼ばれた男』 ユン・ジョンビン監督 韓国(2018)

韓国のスパイ映画だが、従来の作品とはかなり毛色の異なる、現代ならではの作品。
北朝鮮において核開発が疑われた1992年、ある陸軍少佐が国家安全企画部にスカウトされ、北朝鮮への潜入捜査を命じられる。
その任務は「核開発の現状を把握する」「寧辺への潜入を試みる」「できる限り地位のある高官に接触する」で、いずれも尋常ならざる難易度の任務である。



前半はオーソドックスなスパイ映画の展開だが、後半は様相が変わってくる。
主人公は事業家に擬装して北朝鮮の対外経済部と接触を試みるが、利用し利用される関係の中で、擬装だったはずの民間事業が「南北融和の象徴」になっていってしまう。
さらに、対北諜報活動と言いながら、国内政治に関与して保守党を裏から支え、そのために北の軍部などと取引する安企部に対し、主人公は疑問を持つようになる。
そして、金大中が出馬する1997年の大統領選を迎え、クライマックスとなる。

ストーリー展開も描写も大胆かつダイナミックで、非常に見応えがある。
スパイ活動のディテールも緻密に描かれ、、演技も抜群で、グイグイ物語に引き込まれて行く。
音楽や演出で盛り上げるのでは無く、ストレートに演技で勝負しているところは高く評価したい。

本作の最大の特徴は、北を「悪」として描くのでは無く、可能限り中立的に描いている点にある。
善悪の単純な対立構造ではなく、「利害の一致」「交渉による妥協と融和」「善の中の悪、悪の中の善」など南北を巡る複雑な関係性も見事に描かれているのは、2018年という時代を表しているのだろう。」
北側の担当者たちも体制の人間とは言え、みな「一人の人間」として描かれ、みな様々な思いを心に秘め、ふとしたきっかけで露呈される。
その辺の描写がまた絶妙で、「上手すぎる」としか思えない。
同時に平壌などの再現度が半端なく、金正日役も非常に納得度の高い再現度で感動すら覚えるほど。
色々「なるほど、こうなっているのか!」と思わせるところが非常に多く、映画とは思えないくらいだった。

久しぶりに映画館でもう一度見てみたいと思える作品を見た気がする。
超お薦めである。

【追記】
本作を見ると、日本で国政選挙が近くなるたびに「飛翔体」が発射されるのは、官房機密費が北に流れているためであることが容易に想像さよう。
posted by ケン at 10:28| Comment(2) | サブカル、音楽、アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする