2017年12月16日

劇場版 Fate/stay night “Heaven’s Feel”

原作が発売されて15年近く経てなお映像化が続けられ、しかも相応の評価が与えられるモンスター=神作品の一つ。初めてプレイした時は、3ルート目の上、一番長く、ヒロイン的にも今ひとつな気がして(凛推しのため)、あまり印象がなかったのだが、連載中の漫画とか読んでいると、もう一回プレイしてみようかなと思えてくる。蔵からPS2を発掘して接続するのが面倒なのでやらないが、動くかも分からないし・・・・・・PS4で再版されると良いのだが。



映画は三部作の第一作であるため、「まだまだこれから」というところで終わってしまうのだが、山場(見せ場)が無いわけではない。三部作であるにもかかわらず、たっぷり二時間あり、アニメ映画としては相当なボリュームなのだが、長時間を活かす形で演出にゆとりと間がある。この「間」の取り方が、若い人には冗長に感じられるかもしれないが、非常に演劇的で作品の深みを増している。いや、むしろ原作に忠実だからこそ、間の取り方と展開の緩急に気を遣っていると言うべきだろう。
そして、雪のシーンが美しい。個人的には「魔法使いの夜」こそ映像化して欲しいのだが。
音声も一年前からアフレコが始められたというが、音響も含めて見事なもの。第一作では聞くに堪えなかった声優さんも随分と成長されて、プロの名にふさわしい仕事をされている。
全体のクオリティが非常に高く、さすがはユーフォさんというところ。次回作も期待させてくれる完成度である。
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2017年11月29日

弥生美術館『はいからさんが通る』展

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「はいからさんが通る」展〜大正♡乙女らいふ×大和和紀ワールド!〜 弥生美術館にて12月24日まで

弥生美術館『はいからさんが通る』展に行く。
同美術館は閉館が早いので、土日に行くしかなく、どうしてもチャンスが限られる。今回は、新宿に用があったので、大江戸線に乗って本郷三丁目で下りて、東大を通り抜けて弥生門から出る。美術館は同門の目の前にある。カメラを持って行かなかったことが悔やまれる。東大はまさに秋真っ盛りという感じで、古き良き大学の名残がそのまま残されている。
大きなリボンを頭に結び、矢絣の着物に袴、編み上げブーツで颯爽と自転車に乗る少女たち…卒業式の定番として愛される華やかでキュートな袴スタイルは、明治〜大正時代の女学生の装いです。女学生の袴姿は、和装から洋装へと移り変わる過渡期に現れた一瞬のきらめきでした。1975年に漫画家・大和和紀が描いた「はいからさんが通る」の大ブームによって袴姿の女学生は再び脚光を浴び、本作は第1回講談社漫画賞を受賞しました。
 本展では「はいからさんが通る」の原画とともに大正〜昭和初期の女学生や職業婦人などの女性文化を当時の資料からご紹介します。さらに大和和紀の画業を「あさきゆめみし」「ヨコハマ物語」「イシュタルの娘〜小野於通伝〜」などの代表作や貴重な初期作品も含む、原画約200点からご覧いただきます。

『はいからさんが通る』は、妹が読んでいた関係で自分も読んだが、アニメは部分的にしか見ていない。大和和紀先生の作品は、他に『あさきゆめみし』を読んだだけ。これも受験用に『源氏物語』の内容を確認するための実用的?な目的が強かったが、いかんせん「誰が誰だか分からない(顔の判別が付かない)」という印象ばかり強かった。

昨年末の山岸凉子展の時は、妙齢の御婦人ばかりでアウェイ感たっぷりだったが、今回は意外と男性も多く、2〜3割くらいは男性だった。
今回も原画の魅力は相変わらずだが、山岸凉子展の時の「ほとばしるパワー」までは感じなかった。だが、その軽快なコメディー・タッチは、まさに70年代の少女漫画そのもので、懐かしさ満載だった。連載は『週刊少女フレンド』なのだから、当然だろう。

大正期の女学生などの風俗資料がなかなか興味深く、平塚らいてうが創刊した『青鞜』の実物も初めて見た。
『はいからさんが通る』の影響で、「女学生=袴姿」の印象が確立しているものの、現実には女学生が袴を制服にしていた期間は短く、大正後期にはセーラー服やブレザーなどに移行していたという。確かに私の祖母の場合は昭和初期だが、古い写真は全てセーラー服だった。

小さい美術館なので、サラッと見終わってしまうが、その割りに毎回満足度が高いのだから、良いセンスの学芸員がいるのだろう。
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2017年11月18日

ポリーナ、私を踊る

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『ポリーナ、私を踊る』 ヴァレリー・ミュラー、アンジュラン・プレルジョカージュ監督 フランス(2016)


ボリショイ・バレエ団のバレリーナを目指すロシア人の女の子ポリーナは、厳格な恩師ボジンスキーのもとで幼少の頃から鍛えられ、将来有望なバレリーナへと成長していく。かの有名なボリショイ・バレエ団への入団を目前にしたある日、コンテンポラリーダンスと出会い、全てを投げうってフランスのコンテンポラリーダンスカンパニー行きを決める。新天地で新たに挑戦するなか、練習中に足に怪我を負い彼女が描く夢が狂い始めていく。ダンスを通して喜びや悲しみ、成功と挫折を味わい成長していく少女。彼女が見つけた自分らしい生き方とは…。

フランスのダンスBD(漫画)を映画化した作品。基本的には漫画原作の実写映画は見ないことにしているが、フランスものだし、原作知らないし、ダンス描写が美しいとの評判だし、ということで見に行った。たぶんポーランドの「ウィッチャー」だって実写化されれば見に行くかもしれない。

いわゆる「ダンス映画」というのとは少し違って、基本はバレエとダンスを通じた少女の成長物語なのだが、肝心のストーリー部分がぶっ飛び過ぎていて、非常に微妙な仕上がりになっている。ぶっ飛んでいるというのは、ヒロインの感情が殆ど描かれないのに、唐突に「トンデモ」な決断をしてあらぬ先に飛んでいってしまうため、観客としては「置いてかれ感」がハンパ無い。私などは年齢的にどうしても父親に同情してしまう一方、ヒロインは情が強くて身勝手ばかりで何ら共感できるところが無かった。本作を見るには、自分は年を取り過ぎたのかと思うほどだ。
家庭背景などが興味深く設定されているだけに、惜しいところが多い。ひょっとしたら単に演技が下手だったからなのかもしれないが、ヒロインのキャラ設定が日本人には難解すぎるような気がする。

その一方で、確かに前評判通り、バレエやダンスの練習シーンは振付も含めて非常に興味深く、繊細に描かれているし、ロシアのバレエ・スクールとフランスのバレエ団の対比も非常に面白い。先生方も「いかにも」な感じで、脚本や台詞も「なるほど」と思わせるところが多いだけに、全体のアンバランスさが惜しまれる。
原作の問題なのか、実写化の問題なのかは、原作を読んでいないので分からない。
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2017年09月25日

オン・ザ・ミルキー・ロード

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『オン・ザ・ミルキー・ロード』 エミール・クストリッツァ監督 セルビア・英米(2016)
戦時中のとある村。ロバに乗って銃弾をかいくぐりながら兵士たちにミルクを届ける牛乳配達人の男は、村の美しい女性に愛されて幸せな毎日を送っていた。ところがある日、謎めいたイタリア人美女と恋に落ちたことで、男の人生は一変する。イタリア人美女の過去が原因で村が襲撃され、2人は危険な冒険の旅へと身を投じる。



アンダーグラウンド』『黒猫・白猫』で知られるセルビアのエミール・クストリッツァ監督の最新作。
一応架空の国という設定のようだが、どう見ても内戦中の旧ユーゴスラヴィア。セルビア語だし。「3つの実話と多くの寓話から構成される」というのが冒頭の説明。
過酷で痛ましい内戦を、ロマンスとファンタジーに仕上げてしまうクストリッツァ監督の手腕は相変わらずだ。しかも今回は本人が主演。ロード・ムービー的でどこか狂騒的であり、動物満載で冗長なところも毎度のこと。
前半部の内戦はどこか「隣村との紛争」のような牧歌的なところがあったものの、ひとたび多国籍軍が介入すると全てが灰燼に帰してしまうところは、非常に象徴的だ。

今までの作品と比べると、より分かりやすくなっている点と、その反面で物語が一直線になっているところが評価の分かれるところかもしれない。まぁ元々観る人を選ぶ監督なので、クストリッツァ・ファンであれば急いで観に行くべきだろう。
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2017年09月23日

映画 ダンケルク

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『ダンケルク』 クリストファー・ノーラン監督 英蘭仏米(2017)



有名ではあるが、私的には馴染みの無い監督で、「どうしても見たい」というほどでは無かったのだが、母と妹が先に見て「凄く良かった」と言うので、動員前に急ぎ見に行った。しかも妹からは「IMAX限定」との指定もあった。帰りに新宿で見られるから問題なかったが。どうやら娯楽映画の大家らしく、IMAX(70mm巨大フィルムによって撮影された超大画面上映)が前提で撮影されているため、通常の映画館の画面だと撮影された映像の上下約40%が切り取られてしまうのだという。

前にゴジラを見たときにTCXで見て「巨大スクリーン」のイメージはあったものの、それよりもさらに巨大で、真ん中よりも少し後ろの席に着いたものの自分の肉体的視野に収めるのが難しく、「もっと後ろにすべきだった」と思ったほどだった。
同時に音響も巨大であると同時に立体感のあるつくりになっていて、特に銃弾の跳弾音がリアルすぎて恐ろしかった。
また、70mmフィルムの映像は色彩がどこまでも深く、重みがある。言葉にするのは難しいのだが、自分で写真を撮るものなら、見れば感動するはずだ。
TOHOシネマの場合、特別料金で500円増しだったが、まぁ妥当な経費と言えるだろう。全ての映画がそうなると苦しいが。

史上最大の救出作戦と言われる「ダイナモ作戦」が展開された、第2次世界大戦のダンケルクの戦いを描く。ポーランドを侵攻し、そこから北フランスまで勢力を広げたドイツ軍は、戦車や航空機といった新兵器を用いた電撃的な戦いで英仏連合軍をフランス北部のダンケルクへと追い詰めていく。この事態に危機感を抱いたイギリス首相のチャーチルは、ダンケルクに取り残された兵士40万人の救出を命じ、1940年5月26日、軍艦はもとより、民間の船舶も総動員したダイナモ作戦が発動。戦局は奇跡的な展開を迎えることとなる。

多少世界史をかじったことのある者なら「ダンケルク」の地名くらいは聞いたことがあるかもしれないが、「実際に何が起こったのか」までは歴史書や軍事書を読んだことがないと分からないかもしれないくらいのテーマである。
しかも、本作では背景説明が殆ど省略されている上、登場人物の台詞すら極限まで最小に抑えられているため、歴史を知らないものにとっては「脱出サスペンス」でしかないかもしれない(監督自身もそう言っている)。

本作は「陸軍兵士の一週間」「撤退作戦に徴用された民間船の一日」「戦闘機パイロットの一時間」の三つの視点が交互に繰り返される構成になっており、どれも非常に秀逸で厭きることなく緊張感が続く。
駆逐艦は実際のそれを修復して使用、スピットファイアMk.VBも実際の復元機を使用、メッサーシュミットBF109はスペインでライセンス生産された「イスパノ・ブチョン」を改造して使用するなど、恐ろしくレアリア(実物)にこだわっている。スピットファイアのロールスロイスのエンジン音は、作中の登場人物も「美しい音」と言っていたが、確かに感動物だ。

ただ難点を言えば、映像だけでドラマ性が最小限度しかないこと、ダンケルクの街並みが最前線なのに美しすぎること、史実はかなり荒れた天気だったこと、登場する英国軍人がいささか美化されていること(されすぎとまでは言わないが)などが挙げられる。
私の基準では「戦争映画」とは言えないが、これはこれで「超巨大作品」だと言える。

【追記】
撤退してきた兵士に対する政治家と国民の対応、態度を見ると、同じ君主制国家でありながら、天と地ほどの違い(君主制を護持するためだけに自国の8千万国民を何の躊躇無く皆殺しにしようとしていた某国)があったことが分かるだろう。
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2017年09月15日

アルチンボルド展 2017

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アルチンボルド展 国立西洋美術館にて9月24日まで 

ハプスブルク家、特にルドルフ2世に寵愛された宮廷画家で、マニエリスム期(ルネサンスの次代、16世紀後半)を代表するジュゼッペ・アルチンボルドの展覧会。
リアルな果物、野菜、動植物、本などを寄せ集めた肖像画(寄せ絵、騙し絵)で知られるが、日本では「知る人ぞ知る」レベルで、私などは澁澤龍彦先生に熱狂していたため興味を持っている。

大昔にウィーンの美術史美術館に行ったときにじっくりと眺めて以来だろうか。
実際に生の作品を見ると、印刷や画像で見るのとは全く質感が異なり、肖像画を構成する野菜や動物がいかにリアルに描かれているか驚かされる。絵の発想や構想といった想像力・創造力の部分と、観察や再現にこだわる科学力の部分の融合が、あまりにも見事なのだ。まぁ自宅に飾りたいとは思わないが。。。

その奇抜さから後世の人間からは精神異常を疑われたが、現実には単なる宮廷画家ではなく、帝室式典の企画・運営から衣装デザイン、庭の設計、楽器の開発まで携わった、いわばレオナルド・ダ・ビンチに匹敵する「科学者」だったことが分かっている。

なお、こうした寄せ絵、騙し絵のセンスは、100〜200年後の日本の浮世絵にも見られ、文化の爛熟期の見られる共通の何かなのかもしれない。

展覧会自体も、やはり他の著名な作家のそれほどには混雑しておらず、点数も多くないので、非常に見やすくなっており、お勧めしたい。
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2017年09月09日

ウィッチャー原作小説邦訳

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Saga o wiedźminie(Wiedźmin) przetłumaczone na język japoński!
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