2016年11月29日

解散はいつか〜NK党との関係は

【「野党政権つくりたい」=志位共産委員長―衆院選、民進と相互推薦を】
 共産党の志位和夫委員長は25日夜、横浜市で講演し、来年を党創立95年の「節目の年」と位置付けた上で、「100周年に向け、野党と市民の共闘によって、新しい統一戦線を発展させて野党連合政権をつくりたい」と述べ、政権獲得に意欲を示した。志位氏は次期衆院選で民進党などとの共闘について「相互に推薦する、支援する。これが本当の選挙協力だ」と重ねて強調。「小選挙区でも(共産党の)議席を増やすために力を尽くしたい」と述べた。野党間の共通政策については「原発をなくしていく方向で前向きの合意をつくりたい」と語った。 
(11月25日、時事通信)

この間、「本当に解散あるの?」という質問が良くされる。「12月の日露会談で大きな外交成果を挙げて解散する」という官邸の意向が推察されたためだが、その後ロシア側の対応が判明し、さらに米大統領選でトランプ氏が当選したことなどを受けて、「12月の日露会談では大きな成果が挙げられないだろう」という観測が強まり、1月解散の根拠が失われつつある。
とはいえ、ケン先生は「可能性はまだまだ十分にある」と考えている。その根拠は、

「米で政権交代があり、日米関係が読みにくくなっている以上、予想外の要求が来る前に選挙しておいた方が良い」
「今後、日本経済が下降の一途を辿るので、先に選挙しておいた方が良い」
「長期政権の緩みが出てきたので手綱を締める必要がある」
「KM党がやる気満々」
「野党共闘が進む前に解散した方が良い」
「民進党が自民党野田派なので争点がない」

などが挙げられる。つまり、「いつやれば勝てるのか」で言えば、内閣支持率60%を誇る「今しかない」ことは明らかであり、今後は勝率を下げることはあっても、上がることは無さそうだ。
ただ、問題は「大義名分がない」ことにあるが、これは適当にでっち上げれば良い話で、彼我の戦力差が極大である以上、「大義名分無き解散」という批判が出たとしても、それが野党を強くすることは無いと考えられる。

実際のところ、野党側はとても選挙を戦える状態にない。民進党はロクに候補者を揃えられず、しかも執行部は「自民党野田派」であるため、野党共闘するつもりはサラサラない。野田幹事長は「他の野党が候補を立てさえしなければ良いだけだ」と考えているようだが、現実には民進党自身が300ある選挙区のうち、100以上も候補を立てられず、擁立できる見込みすら無い状況にある。
仮に民進党候補が野党統一候補になったところで、今残っている候補者の大半はもともと民進党が弱い地域のものであり、単独で総選挙を戦えるような戦力は持ち合わせていない。例えば、私の前ボスの選挙区の場合、以前は3人いた県会議員がゼロ、市町議は3分の1程度にまで減っており、ハナから戦える状態に無い。にもかかわらず、野田幹事長は「他党の立候補を取り下げる」以上の協力を拒んでいる。

とはいえ、全体主義政党と連立政権を組むというのは、そもそもデモクラシーを否定するものであり、選択肢として検討するに値しない。パートナーの選択肢が、全体主義政党か「産業報国会」かという時点で、すでに詰んでいるというのも否定できない。
現実的な落としどころとしては、

「連立政権はやらない」
「相互推薦は地域レベルで可能なところはやる」
「脱原発、反TPP、海外派兵の抑制、同一労働同一賃金などに絞った緩い共同政策を掲げる」

くらいのイメージだが、これでは連合が納得しないだろう。要は、連合と協同する以上は、野党協力は不可能な状況にあり、やはり民進党は「終わっている」と言えそうだ。
posted by ケン at 13:00| Comment(2) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月18日

TPPをめぐる民進党の不誠実

この間、TPPをめぐって「民進党の対応は弱腰すぎる」とのお叱りを受けることが多かった。
弁明するなら、「議会の中で圧倒的に弱い野党ができることなどたかがしれている」であり、最終的には議会に出席して反対するか、採決そのものに反対して欠席するかの二択しかない。だが、採決に反対するということは、「では、いつなら採決して良いのか」という水掛け論にしかならず、自分が政権党になった時、同じ手口で採決を引き延ばされるだけの「ブーメラン」でしかない。議会制民主主義を採用している以上、議会でどれだけ対立して、合意が得られなくとも、最終的には多数決で決めるほか無い。ここを否定してしまうと、議会制度そのものが成り立たなくなってしまう。

だが、今回の民進党の対応の弱さは、本質的には「本来は賛成・推進派だった」ことにある。
私が、民主党鳩山政権の中枢にあったものから聞いたところでは、TPP交渉は鳩山政権時にすでに議題に上がっていたものの、様々な理由から内閣の主要課題から外されていたという。ところが、鳩山政権が倒れ、副総理だった菅直人氏が後継総理になると、途端に「第三の開国」「平成の開国」として最優先課題の1つに挙げられた。当初、アメリカはTPPへの日本の参加を想定しておらず、当時菅氏は「自らの発案」とうそぶいていたという。この経緯については、いつか本人から直接問いただしてやろうと考えているが、残念ながらいまだ実現していない。

一度表明されると、もはや止められなくなってしまう。
菅内閣の鹿野道彦農水相が「強引に進めれば内閣が倒れる」と異論を発すると、すぐさま仙谷由人官房長官が「後ろに引けば内閣が倒れる」と議論を封じるという有様だった。
東日本大震災・福島原発事故が起きて菅内閣が倒壊し、野田内閣が成立しても、そのスタンスに変化は無かった。野田総理が「バスに乗り遅れてはいけません」と答弁すると、自民党の稲田氏が「TPPバスの終着点は日本文明の墓場」と返すという(その場での反論では無い)、今からすると漫才のようなやり取りが交わされていた。

2012年の総選挙で民主党が大敗して野党に転落してからも、TPP推進の方針に変化はなかった。2014年の民主党ハンドブックに「国益を守るために厳しい立場で交渉に臨む」とあることからも、反対派への配慮は示しつつも、あくまで「配慮」の域を出るものではなかった。
それが、今になって「国益に反しているから賛成できない」などと言い出したわけで、「今さら何を言ってるの?ちゃぶ台返しかよ!」と反対派と賛成派の両方から白眼視されるのは、当然過ぎる結果なのである。

ぶっちゃけると、自民党野田派が代表と幹事長を担っている野党第一党って何?という話なのだ。
posted by ケン at 12:10| Comment(2) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月26日

連合はなぜ自民党を支持しないのか

【連合会長が民進・蓮舫代表に注文「安倍政権との違い明示が必要」】
 民進党の蓮舫代表は13日午前、都内の党本部で最大の支持母体である連合の神津里季生会長と会談した。神津氏は次期衆院選に向けた候補者擁立について「さらに加速してほしい。前回衆院選は候補者が178人だった。自分たちが応援する人がいないことほど辛いことはない。年明けの解散がささやかれており、時間がない」と述べた上で、「候補者の一本化はより一層、重たい課題だ」と指摘した。さらに神津氏は「基本政策や政権構想を早期に国民に分かりやすく示してほしい。安倍政権との違いを明示することは非常に重要だ」と注文をつけた。会談は民進党と連合が定期的に行っている意見交換会で、蓮舫氏の代表就任後に開かれるのは初めて。会談には野田佳彦幹事長らも出席した。
(10月13日、時事通信)

これは酷い無茶振り。
いまや連合の主張がほぼほぼ政府や自民党と一致しているのに、民進党に「安倍政権との違い」を要求するのだから、「俺にどうしろと?」としか答えようが無い。
昨今の大きな課題で連合の主張を見てみよう。

TPP=賛成
原発再稼働=賛成
リニア建設=賛成
集団的自衛権・海外派兵=賛成
同一労働同一賃金=反対
労働時間短縮=反対(合法残業は残す、規制反対)
扶養控除廃止=反対


以上の課題について「安倍政権と対峙する」とすると以下のようになる。

TPP=反対
原発再稼働=反対
リニア建設=反対
集団的自衛権・海外派兵=反対
同一労働同一賃金=賛成
労働時間短縮=賛成・規制強化
扶養控除廃止=反対


一致するのは「扶養控除廃止反対」だけだが、これは「ライフスタイルの中立性を確保して税負担の公平性を担保する」という時代の流れに逆行している。
つまり、連合は民進党に「安倍政権との違い」を求めるよりも、自民党支持に転じて政策要求した方が、はるかに自分たちの主張を実現させられる可能性が高いのだ。実際のところ、今回の新潟知事選にしても、鹿児島県知事選にしても、連合は与党候補を支援している。新潟知事選の場合、連合はまず民進党に原発推進の独自候補の擁立を要求、できないとなると、自民党の候補を支持した。最初から無理難題をふっかけて、民進党を封じて、与党候補の支持に回るというのが、連合のやり口なのだ。

連合が未だに民進党にこだわる理由がサッパリ分からない。陰謀論的に解釈するなら、野党に入り込んで政権側に誘導、または野党内部を分裂させる役割を担っているとも言える。
一日も早く自民党支持を明確にして、組織名も「産業報国会」に改名して欲しい。
posted by ケン at 12:38| Comment(2) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月19日

新潟知事選で自民候補が負けたワケ

新潟知事選で民進党(と維新)を除く野党共同候補が勝利した。当初は、与党候補の圧勝と予想されていたが、選挙開始後に猛追、それでも「与党候補やや優位」と見られていたが、フタを開けてみれば予想外の差を付けて米山氏の当選となった。

民進党は、連合新潟が「原発推進の独自候補」を要求してきたのに対応できず、自主投票にするのが関の山だった。だが、実はこれが幸いした。仮に連合が支援していれば、米山氏は「再稼働反対」を前面に出せなかった上、連合の組合員が選対から市民運動家やボランティアを追い出してしまっていた可能性が高いからだ。
また、投票日直前に蓮舫代表が米山候補の支援で新潟入りを検討した際、野田幹事長は断固反対したという。筋論としては、組織で自主投票を決めたのに、その組織のトップが応援することは筋が通らないのは事実だが、原発推進を明言する野田氏がそれを言えば、誰も筋論として取らないだろう。結果、蓮舫氏は、野田幹事長の制止を振り切って新潟入りしている。
とはいえ、連合が推した候補が落選し、自主投票を決めたにもかかわらず、党幹部が次々と相手候補の応援に入ったことは事実で、新潟県連所属の国会議員は「次の選挙で連合の支援が受けられなくなる」と恐慌をきたしている。
まぁそんなことはどうでも良い。

同知事選における自民党の戦術はあまりにもお粗末だった。
まず法定ビラを見てもらおう。

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今後、新潟は国から見捨てられるらしい。彼らの主張に沿えば、私が住むC市はもう14年間も国から見捨てられ続けていることになるし、隣のK市に至っては16年間も共産党員市長だったおかげでかえって社会保障が充実してしまった(赤字も増えたけど)わけだが、「これからはそんなの認めないぞ」ということなのだろう。ちなみに、残念ながら、C市もK市も市庁舎に労農旗は掲げられていない。
こんなビラを見ると、自分が政界で逮捕されること無く仕事しているのが不思議に思えてくる。いよいよ保身と亡命先の検討を始めないとなるまい。

美濃部や蜷川の頃にはこの手の怪文書が山ほど蒔かれたというが、法定ビラではなかった。それを考えると、彼らの精神はいまや70年代を通り越して戦前期まで退化してしまっていると考えられる。普通にやれば圧勝するはずなのに、どう考えても票を減らすようなビラをバラ巻いている。なんで過剰なコンプレックスを抱いてしまうのか、ナゾすぎる。

また、自民党の候補自身もかなり問題があったようで、とにかく他者に対し威圧的なオレ様体質だったらしく、嫌っている者も非常に多かったという。実際、自民票の2割近くが米山氏に流れてしまっている。また、すでに勝った気分でいたようで、都市部の大きなハコで演説会をやる程度で、農村部や山間地には殆ど行かなかったという。
他方、米山氏はむしろ農村部や山間部、あるいは佐渡島を重視して重点的に時間を割いていた。

ただ、自民と民進の権威を失墜させた結果は大きいものの、不安はある。当選した米山氏は、もともとは自民や維新から出馬していた右寄りの人物で、原発も明確に支持していた。それが突如「泉田路線を継承する」と宣言して野党系候補として出馬、当選したのだから、本質的には変節漢なのだろう。そうは言っても、公約は公約なので、有権者からは厳しく監視されるだろうが、不安は残りそうだ。
posted by ケン at 12:17| Comment(4) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月11日

勝てないケンカを買うバカ

【「1月解散」受けて立つ=中道政治が目標―民進・蓮舫氏】
 民進党の蓮舫代表は3日、国会内でインタビューに応じ、安倍晋三首相が来年1月に衆院解散・総選挙に踏み切るとの見方が与党内で広がっていることに関し、「いつ解散があってもいいように戦う姿勢は整えている」と述べ、受けて立つ覚悟を示した。民進党が目指す方向性については、中道政治を掲げた。
 蓮舫氏は、1月解散を視野に党の態勢を整備する考えを強調。ただ、「1票の格差」是正のための衆院区割りが行われる前の解散が望ましいとの自民党幹部の発言については、「看過できない。最高裁、国会の努力、全てを無に帰す発言だ」と批判した。自身の衆院くら替えについては「覚悟はしている」と重ねて意欲を表明した。
 民進、共産など野党4党の衆院選協力に関しては、「有権者が選びやすい、与党対野党というシンプルな構図ができるのであれば、それは否定するものではない」と述べ、候補の一本化が望ましいとの認識を示した。蓮舫氏は民進党が目指す政治スタンスについて、「右でも左でもない分厚い中道だ。今の政権が相当ライトウイングを広げているので、それに対して幅広くレフトというのを示す許容の広さも持っている」と説明。憲法改正については「最優先事項とは位置付けていない」と述べ、党内論議を慎重に進める考えを示した。
(10月3日、時事通信)

衆議院議員が失職する話を参議にして欲しくは無いな〜〜
ここは提案型政党として、「任期満了までお互いきっちりやりませう」と言うところでは?
勝てもしないケンカを買うなよ〜〜

ゲーマー的に表現するなら、自民党側に戦力比が振り切っているのに「掛かってこい!」とか言うかよ、という話である。任期満了まであと2年あり、2年あれば政府の失政や自民党の失策が露呈してくる可能性もあるだけに、ここはむしろ首相の解散権を封じる方向に動くべきだ。戦闘そのものは避けられないとしても、多少なりとも有利な状態で戦うのが戦略戦術の要諦だが、蓮舫執行部にその考えは無いらしい。
仮に12月の日露会談が成功した場合、1月解散2月選挙は自民党の大勝に終わり、民進党は80〜90議席と現状維持すら難しいと思われる。しかも、蓮舫代表は参議院議員であるため、失職することも無ければ、選挙で有権者の信が問われることも無い。

さて、バカの話はさておき、現行憲法における議会解散権は非常に曖昧な立場にある。過去ログから引用しよう。
日本国憲法における「解散権」は、非常に不明確な位置づけにある。そもそも「解散権」の根拠が曖昧なのだ。一般的には、その根拠は憲法第7条と第69条に求められる。69条には、
「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。」
とある。
ここの「衆議院が解散されない限り」を根拠に、内閣不信任案に対する対抗手段として、衆議院解散権を認めたとするのが、「69条説」である。

これに対して、「7条説」は、「天皇の国事行為」の中にある「衆議院を解散すること」を根拠とする。だが、第4条で天皇の国政に関する権能が否定されていることから、7条の「内閣の助言と承認により」を根拠として、解散の実質的権限は、内閣に帰属するというもの。
そもそも、憲法改正や法律の施行、国会の召集、衆議院の解散などの国家主権の中核が、天皇の帰属していること自体、日本が民主国家ではないことの表れである。
かろうじて「内閣の助言と承認により」を付言することで、民主制の体裁を取ってはいるものの、解釈改憲による天皇独裁の土台はすでに存在しているのだ。その意味では、戦争末期の軍部や政治家たちが画策した「国体護持」は成功し、GHQによる日本の「上からの民主化」はハナから骨抜きにされていたと取ることも可能だろう。

上記の2条のみでは、解散権の根拠としては弱いため、それを補強するような意味で、「議院内閣制の国家では、内閣に議会の解散権を認めるのが通例(国際標準)」とする見解がある。

このように、日本の議院内閣制における解散権は、法的根拠が希薄のまま、慣例的に運用されている。このことは、今後、民主主義を脅かす要因にもなりかねず、その意味で、むしろ左派、共和主義者、民主主義者からの改憲動議こそが必要だろう。

日本における解散権は、「法的根拠が無いわけでもない」という理由で、逆に「否定する根拠はない」として、内閣が自由に行使できる状態になっている。
「解散権と民主主義」(2008.1.21)

議会解散権が、慣例的に「総理の任意」で運用されている今、安倍総理はこれを戦略的手段として活用することで、議会と政権党に対する強い統制力を有している。安倍氏が自らを「立法府の長」と言ってしまうのも、強い自負があってのものだと考えられる。

現行の解散権は、GMT社「Twilight Struggle」におけるイベントカード「勝利得点計算」とよく似ている。これは、米ソ冷戦をテーマに、互いにカードを出し合いながら、影響力を配置したり、イベントを起こしたりしながら、全世界各地域の支配を奪い合うゲームである。本ゲームは、勝利得点の計算が特殊で、共通の手札の中に「VP計算カード」があり、これを出すと、当該エリアで勝利得点を計算されるイベントが強制的に発動する。イベントが発動した時点で、当該エリアにおける米ソの支配状態を確認し、優位に立つ方にVPが加えられる。
こうしたカードが何枚かあり、サドンデスにならなかった場合、ゲーム終了時にVPが勝っている方が勝利する。VP計算カードを手にしたプレイヤーは、実質的には一手番ムダになる一方、ターン中の任意のタイミングで出せるため、当該エリアに肩入れした上でカードを出せば、優位に立てる構図だ。強制イベントなので、「出さない」という選択肢は無いのだが、仮に当該エリアで自勢力が負けていても、負け分を少なくすることは可能だ。

日本の首相は、この「VP計算カード」を常備しているようなものなのだ。自民党の麻生氏や民主党の野田氏は、総理に就任した当初は「ご祝儀相場」で一時的に支持率が高まっていただけに、その時に「自分は有権者の信を問わずに総理になったので、改めて国民の信を問う」と言って解散すれば、現実のような大敗を喫することはなかっただろう。だが、実際には解散権を行使せず、失政を重ね、一年後に解散して歴史的大敗北を喫した。これは、ゲーム的に言えば、わざわざ自分が大敗するタイミングでVP計算カードを出したという話になる。
この2人を見ている安倍氏は、カードの切り方を学習し、有利なタイミングで解散権を行使するように心がけているのだろう。ゲームのルール自体が曖昧であることに起因する問題なのだが、プレイヤーとしては「正しい」選択をしているのだ。
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2016年09月30日

来年1月解散のほぼ一択

【衆院解散「いつあっても」=山口公明代表】
 公明党の山口那津男代表は28日、東京都内で講演し、「衆参ダブル選挙はなかった。ここから先はいつ(衆院)解散があっても、あまり時間がないから『常在戦場』で自分自身を磨けと言っている」と述べ、早期解散を前提に選挙準備を進めるよう党内に指示したことを明らかにした。政界では、安倍晋三首相が来年1月の通常国会冒頭にも解散に踏み切るのではないかとの観測が浮上している。山口氏は「過去、東京都議選と同じタイミングでやったことはなかった」とも語り、公明党が重視する来年夏の都議選と時期が重ならないよう首相が配慮するとの見通しを示した。 
(9月28日、時事通信)

次の衆院解散は来年一月解散のほぼ一択となった。永田町で言われているのは、1月31日公示、2月12日投票、ないしは2月7日公示、同19日投票である。

タイミングの理由としては、日露交渉の進展により12月の首脳会談で一定の成果が挙げられるという確信があり、その支持率上昇をテコに選挙を行うというもの。自民党にとっては幸いなことに、民進党の支持率も低迷している上、新代表はスネに傷を抱えている身なので、「この機を逃す手は無い」という判断に傾いている。
また、この時機を逃すと、不況の波に襲われる可能性が出てくるのと、来秋以降になると定数減の新区割が確定し、選挙区を失う自民党議員が続出するため、延命を図る意味もあるという(自民関係者談)。
他方、KM党は来夏に彼らにとって最大の関心事である東京都議選を抱えており、来夏の総選挙を回避するためなら何にでも妥協せざるを得ない。それがたとえ前回選挙から2年しか経ていなくても同意するほか無いのだ。

野党側は全く戦う態勢が整っておらず、特に民進党の野田幹事長は他の野党にパイプを持たず、本来共闘に否定的な立場であるため、この点でも自民党に有利だ。冬の選挙と選挙疲れによる投票率低下も期待できされよう。現状では、自民党の300議席超はほぼ確定しており、ゲーマー的観点からしても、「いまダイスを振らないヤツはいない」くらいの状況にある。

こういうことが起きるのは、解散権について憲法の記載が不明確であるため、「総理個人の判断で衆議院を解散できる」という解釈がまかり通っているためだ。その結果、政権側が人気取りの施策を行って解散・総選挙を行うことが可能になり、本来4年ある任期が2年毎に選挙という話になっている。これが、有権者の選挙離れを加速させ、ますます政権側を利している。

【参考】
解散権を改革する 

【追記】
10月に行われる補選は、二つとも自民が圧勝する勢いにある。特に民進党の劣化具合は酷く、東京の候補者は総支部から「公認を取り消して欲しい」と党本部に陳情があり、選対委員長が仲裁したほどだった。福岡の候補者は、街頭でロクに演説できないとの評判。どちらもとても「戦える」タマではないというのが永田町の評価になっている。民進党は戦う前から戦力が枯渇している。
posted by ケン at 11:54| Comment(2) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月17日

ただ苦笑するのみ

【民進幹事長に野田前首相=両院議員総会】
 民進党の蓮舫代表は16日、両院議員総会で、野田佳彦前首相(59)を幹事長に起用する人事案を提示し、了承された。 
(時事通信、9月16日)

昨日、自民党の衛星政党が誕生しました(爆)
但し、総会に出席した議員は半分以下、拍手もまばらでしたが。

「通読一遍唯だ苦笑するのみ」(中江兆民)

幹事長選定については、色々な報道があるようだが、レンホー氏はハナから野田氏を決め打ちしていたようだ。誰も信じることが出来ず、周囲の止める声も聞かずに、自派閥の親分に頼んでしまったということらしい。「その代わり野田幹事長以外は全部任せる」と言ったというから、何をかいわんや、である。
これによって他派閥の支援を受けられなくなったのは確実で、早くも泥船確定。年明けか夏の総選挙で大敗するまでの短命政権となろう。
posted by ケン at 00:00| Comment(5) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする