2016年10月26日

連合はなぜ自民党を支持しないのか

【連合会長が民進・蓮舫代表に注文「安倍政権との違い明示が必要」】
 民進党の蓮舫代表は13日午前、都内の党本部で最大の支持母体である連合の神津里季生会長と会談した。神津氏は次期衆院選に向けた候補者擁立について「さらに加速してほしい。前回衆院選は候補者が178人だった。自分たちが応援する人がいないことほど辛いことはない。年明けの解散がささやかれており、時間がない」と述べた上で、「候補者の一本化はより一層、重たい課題だ」と指摘した。さらに神津氏は「基本政策や政権構想を早期に国民に分かりやすく示してほしい。安倍政権との違いを明示することは非常に重要だ」と注文をつけた。会談は民進党と連合が定期的に行っている意見交換会で、蓮舫氏の代表就任後に開かれるのは初めて。会談には野田佳彦幹事長らも出席した。
(10月13日、時事通信)

これは酷い無茶振り。
いまや連合の主張がほぼほぼ政府や自民党と一致しているのに、民進党に「安倍政権との違い」を要求するのだから、「俺にどうしろと?」としか答えようが無い。
昨今の大きな課題で連合の主張を見てみよう。

TPP=賛成
原発再稼働=賛成
リニア建設=賛成
集団的自衛権・海外派兵=賛成
同一労働同一賃金=反対
労働時間短縮=反対(合法残業は残す、規制反対)
扶養控除廃止=反対


以上の課題について「安倍政権と対峙する」とすると以下のようになる。

TPP=反対
原発再稼働=反対
リニア建設=反対
集団的自衛権・海外派兵=反対
同一労働同一賃金=賛成
労働時間短縮=賛成・規制強化
扶養控除廃止=反対


一致するのは「扶養控除廃止反対」だけだが、これは「ライフスタイルの中立性を確保して税負担の公平性を担保する」という時代の流れに逆行している。
つまり、連合は民進党に「安倍政権との違い」を求めるよりも、自民党支持に転じて政策要求した方が、はるかに自分たちの主張を実現させられる可能性が高いのだ。実際のところ、今回の新潟知事選にしても、鹿児島県知事選にしても、連合は与党候補を支援している。新潟知事選の場合、連合はまず民進党に原発推進の独自候補の擁立を要求、できないとなると、自民党の候補を支持した。最初から無理難題をふっかけて、民進党を封じて、与党候補の支持に回るというのが、連合のやり口なのだ。

連合が未だに民進党にこだわる理由がサッパリ分からない。陰謀論的に解釈するなら、野党に入り込んで政権側に誘導、または野党内部を分裂させる役割を担っているとも言える。
一日も早く自民党支持を明確にして、組織名も「産業報国会」に改名して欲しい。
posted by ケン at 12:38| Comment(2) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月19日

新潟知事選で自民候補が負けたワケ

新潟知事選で民進党(と維新)を除く野党共同候補が勝利した。当初は、与党候補の圧勝と予想されていたが、選挙開始後に猛追、それでも「与党候補やや優位」と見られていたが、フタを開けてみれば予想外の差を付けて米山氏の当選となった。

民進党は、連合新潟が「原発推進の独自候補」を要求してきたのに対応できず、自主投票にするのが関の山だった。だが、実はこれが幸いした。仮に連合が支援していれば、米山氏は「再稼働反対」を前面に出せなかった上、連合の組合員が選対から市民運動家やボランティアを追い出してしまっていた可能性が高いからだ。
また、投票日直前に蓮舫代表が米山候補の支援で新潟入りを検討した際、野田幹事長は断固反対したという。筋論としては、組織で自主投票を決めたのに、その組織のトップが応援することは筋が通らないのは事実だが、原発推進を明言する野田氏がそれを言えば、誰も筋論として取らないだろう。結果、蓮舫氏は、野田幹事長の制止を振り切って新潟入りしている。
とはいえ、連合が推した候補が落選し、自主投票を決めたにもかかわらず、党幹部が次々と相手候補の応援に入ったことは事実で、新潟県連所属の国会議員は「次の選挙で連合の支援が受けられなくなる」と恐慌をきたしている。
まぁそんなことはどうでも良い。

同知事選における自民党の戦術はあまりにもお粗末だった。
まず法定ビラを見てもらおう。

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今後、新潟は国から見捨てられるらしい。彼らの主張に沿えば、私が住むC市はもう14年間も国から見捨てられ続けていることになるし、隣のK市に至っては16年間も共産党員市長だったおかげでかえって社会保障が充実してしまった(赤字も増えたけど)わけだが、「これからはそんなの認めないぞ」ということなのだろう。ちなみに、残念ながら、C市もK市も市庁舎に労農旗は掲げられていない。
こんなビラを見ると、自分が政界で逮捕されること無く仕事しているのが不思議に思えてくる。いよいよ保身と亡命先の検討を始めないとなるまい。

美濃部や蜷川の頃にはこの手の怪文書が山ほど蒔かれたというが、法定ビラではなかった。それを考えると、彼らの精神はいまや70年代を通り越して戦前期まで退化してしまっていると考えられる。普通にやれば圧勝するはずなのに、どう考えても票を減らすようなビラをバラ巻いている。なんで過剰なコンプレックスを抱いてしまうのか、ナゾすぎる。

また、自民党の候補自身もかなり問題があったようで、とにかく他者に対し威圧的なオレ様体質だったらしく、嫌っている者も非常に多かったという。実際、自民票の2割近くが米山氏に流れてしまっている。また、すでに勝った気分でいたようで、都市部の大きなハコで演説会をやる程度で、農村部や山間地には殆ど行かなかったという。
他方、米山氏はむしろ農村部や山間部、あるいは佐渡島を重視して重点的に時間を割いていた。

ただ、自民と民進の権威を失墜させた結果は大きいものの、不安はある。当選した米山氏は、もともとは自民や維新から出馬していた右寄りの人物で、原発も明確に支持していた。それが突如「泉田路線を継承する」と宣言して野党系候補として出馬、当選したのだから、本質的には変節漢なのだろう。そうは言っても、公約は公約なので、有権者からは厳しく監視されるだろうが、不安は残りそうだ。
posted by ケン at 12:17| Comment(4) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月11日

勝てないケンカを買うバカ

【「1月解散」受けて立つ=中道政治が目標―民進・蓮舫氏】
 民進党の蓮舫代表は3日、国会内でインタビューに応じ、安倍晋三首相が来年1月に衆院解散・総選挙に踏み切るとの見方が与党内で広がっていることに関し、「いつ解散があってもいいように戦う姿勢は整えている」と述べ、受けて立つ覚悟を示した。民進党が目指す方向性については、中道政治を掲げた。
 蓮舫氏は、1月解散を視野に党の態勢を整備する考えを強調。ただ、「1票の格差」是正のための衆院区割りが行われる前の解散が望ましいとの自民党幹部の発言については、「看過できない。最高裁、国会の努力、全てを無に帰す発言だ」と批判した。自身の衆院くら替えについては「覚悟はしている」と重ねて意欲を表明した。
 民進、共産など野党4党の衆院選協力に関しては、「有権者が選びやすい、与党対野党というシンプルな構図ができるのであれば、それは否定するものではない」と述べ、候補の一本化が望ましいとの認識を示した。蓮舫氏は民進党が目指す政治スタンスについて、「右でも左でもない分厚い中道だ。今の政権が相当ライトウイングを広げているので、それに対して幅広くレフトというのを示す許容の広さも持っている」と説明。憲法改正については「最優先事項とは位置付けていない」と述べ、党内論議を慎重に進める考えを示した。
(10月3日、時事通信)

衆議院議員が失職する話を参議にして欲しくは無いな〜〜
ここは提案型政党として、「任期満了までお互いきっちりやりませう」と言うところでは?
勝てもしないケンカを買うなよ〜〜

ゲーマー的に表現するなら、自民党側に戦力比が振り切っているのに「掛かってこい!」とか言うかよ、という話である。任期満了まであと2年あり、2年あれば政府の失政や自民党の失策が露呈してくる可能性もあるだけに、ここはむしろ首相の解散権を封じる方向に動くべきだ。戦闘そのものは避けられないとしても、多少なりとも有利な状態で戦うのが戦略戦術の要諦だが、蓮舫執行部にその考えは無いらしい。
仮に12月の日露会談が成功した場合、1月解散2月選挙は自民党の大勝に終わり、民進党は80〜90議席と現状維持すら難しいと思われる。しかも、蓮舫代表は参議院議員であるため、失職することも無ければ、選挙で有権者の信が問われることも無い。

さて、バカの話はさておき、現行憲法における議会解散権は非常に曖昧な立場にある。過去ログから引用しよう。
日本国憲法における「解散権」は、非常に不明確な位置づけにある。そもそも「解散権」の根拠が曖昧なのだ。一般的には、その根拠は憲法第7条と第69条に求められる。69条には、
「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。」
とある。
ここの「衆議院が解散されない限り」を根拠に、内閣不信任案に対する対抗手段として、衆議院解散権を認めたとするのが、「69条説」である。

これに対して、「7条説」は、「天皇の国事行為」の中にある「衆議院を解散すること」を根拠とする。だが、第4条で天皇の国政に関する権能が否定されていることから、7条の「内閣の助言と承認により」を根拠として、解散の実質的権限は、内閣に帰属するというもの。
そもそも、憲法改正や法律の施行、国会の召集、衆議院の解散などの国家主権の中核が、天皇の帰属していること自体、日本が民主国家ではないことの表れである。
かろうじて「内閣の助言と承認により」を付言することで、民主制の体裁を取ってはいるものの、解釈改憲による天皇独裁の土台はすでに存在しているのだ。その意味では、戦争末期の軍部や政治家たちが画策した「国体護持」は成功し、GHQによる日本の「上からの民主化」はハナから骨抜きにされていたと取ることも可能だろう。

上記の2条のみでは、解散権の根拠としては弱いため、それを補強するような意味で、「議院内閣制の国家では、内閣に議会の解散権を認めるのが通例(国際標準)」とする見解がある。

このように、日本の議院内閣制における解散権は、法的根拠が希薄のまま、慣例的に運用されている。このことは、今後、民主主義を脅かす要因にもなりかねず、その意味で、むしろ左派、共和主義者、民主主義者からの改憲動議こそが必要だろう。

日本における解散権は、「法的根拠が無いわけでもない」という理由で、逆に「否定する根拠はない」として、内閣が自由に行使できる状態になっている。
「解散権と民主主義」(2008.1.21)

議会解散権が、慣例的に「総理の任意」で運用されている今、安倍総理はこれを戦略的手段として活用することで、議会と政権党に対する強い統制力を有している。安倍氏が自らを「立法府の長」と言ってしまうのも、強い自負があってのものだと考えられる。

現行の解散権は、GMT社「Twilight Struggle」におけるイベントカード「勝利得点計算」とよく似ている。これは、米ソ冷戦をテーマに、互いにカードを出し合いながら、影響力を配置したり、イベントを起こしたりしながら、全世界各地域の支配を奪い合うゲームである。本ゲームは、勝利得点の計算が特殊で、共通の手札の中に「VP計算カード」があり、これを出すと、当該エリアで勝利得点を計算されるイベントが強制的に発動する。イベントが発動した時点で、当該エリアにおける米ソの支配状態を確認し、優位に立つ方にVPが加えられる。
こうしたカードが何枚かあり、サドンデスにならなかった場合、ゲーム終了時にVPが勝っている方が勝利する。VP計算カードを手にしたプレイヤーは、実質的には一手番ムダになる一方、ターン中の任意のタイミングで出せるため、当該エリアに肩入れした上でカードを出せば、優位に立てる構図だ。強制イベントなので、「出さない」という選択肢は無いのだが、仮に当該エリアで自勢力が負けていても、負け分を少なくすることは可能だ。

日本の首相は、この「VP計算カード」を常備しているようなものなのだ。自民党の麻生氏や民主党の野田氏は、総理に就任した当初は「ご祝儀相場」で一時的に支持率が高まっていただけに、その時に「自分は有権者の信を問わずに総理になったので、改めて国民の信を問う」と言って解散すれば、現実のような大敗を喫することはなかっただろう。だが、実際には解散権を行使せず、失政を重ね、一年後に解散して歴史的大敗北を喫した。これは、ゲーム的に言えば、わざわざ自分が大敗するタイミングでVP計算カードを出したという話になる。
この2人を見ている安倍氏は、カードの切り方を学習し、有利なタイミングで解散権を行使するように心がけているのだろう。ゲームのルール自体が曖昧であることに起因する問題なのだが、プレイヤーとしては「正しい」選択をしているのだ。
posted by ケン at 12:10| Comment(2) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月30日

来年1月解散のほぼ一択

【衆院解散「いつあっても」=山口公明代表】
 公明党の山口那津男代表は28日、東京都内で講演し、「衆参ダブル選挙はなかった。ここから先はいつ(衆院)解散があっても、あまり時間がないから『常在戦場』で自分自身を磨けと言っている」と述べ、早期解散を前提に選挙準備を進めるよう党内に指示したことを明らかにした。政界では、安倍晋三首相が来年1月の通常国会冒頭にも解散に踏み切るのではないかとの観測が浮上している。山口氏は「過去、東京都議選と同じタイミングでやったことはなかった」とも語り、公明党が重視する来年夏の都議選と時期が重ならないよう首相が配慮するとの見通しを示した。 
(9月28日、時事通信)

次の衆院解散は来年一月解散のほぼ一択となった。永田町で言われているのは、1月31日公示、2月12日投票、ないしは2月7日公示、同19日投票である。

タイミングの理由としては、日露交渉の進展により12月の首脳会談で一定の成果が挙げられるという確信があり、その支持率上昇をテコに選挙を行うというもの。自民党にとっては幸いなことに、民進党の支持率も低迷している上、新代表はスネに傷を抱えている身なので、「この機を逃す手は無い」という判断に傾いている。
また、この時機を逃すと、不況の波に襲われる可能性が出てくるのと、来秋以降になると定数減の新区割が確定し、選挙区を失う自民党議員が続出するため、延命を図る意味もあるという(自民関係者談)。
他方、KM党は来夏に彼らにとって最大の関心事である東京都議選を抱えており、来夏の総選挙を回避するためなら何にでも妥協せざるを得ない。それがたとえ前回選挙から2年しか経ていなくても同意するほか無いのだ。

野党側は全く戦う態勢が整っておらず、特に民進党の野田幹事長は他の野党にパイプを持たず、本来共闘に否定的な立場であるため、この点でも自民党に有利だ。冬の選挙と選挙疲れによる投票率低下も期待できされよう。現状では、自民党の300議席超はほぼ確定しており、ゲーマー的観点からしても、「いまダイスを振らないヤツはいない」くらいの状況にある。

こういうことが起きるのは、解散権について憲法の記載が不明確であるため、「総理個人の判断で衆議院を解散できる」という解釈がまかり通っているためだ。その結果、政権側が人気取りの施策を行って解散・総選挙を行うことが可能になり、本来4年ある任期が2年毎に選挙という話になっている。これが、有権者の選挙離れを加速させ、ますます政権側を利している。

【参考】
解散権を改革する 

【追記】
10月に行われる補選は、二つとも自民が圧勝する勢いにある。特に民進党の劣化具合は酷く、東京の候補者は総支部から「公認を取り消して欲しい」と党本部に陳情があり、選対委員長が仲裁したほどだった。福岡の候補者は、街頭でロクに演説できないとの評判。どちらもとても「戦える」タマではないというのが永田町の評価になっている。民進党は戦う前から戦力が枯渇している。
posted by ケン at 11:54| Comment(2) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月17日

ただ苦笑するのみ

【民進幹事長に野田前首相=両院議員総会】
 民進党の蓮舫代表は16日、両院議員総会で、野田佳彦前首相(59)を幹事長に起用する人事案を提示し、了承された。 
(時事通信、9月16日)

昨日、自民党の衛星政党が誕生しました(爆)
但し、総会に出席した議員は半分以下、拍手もまばらでしたが。

「通読一遍唯だ苦笑するのみ」(中江兆民)

幹事長選定については、色々な報道があるようだが、レンホー氏はハナから野田氏を決め打ちしていたようだ。誰も信じることが出来ず、周囲の止める声も聞かずに、自派閥の親分に頼んでしまったということらしい。「その代わり野田幹事長以外は全部任せる」と言ったというから、何をかいわんや、である。
これによって他派閥の支援を受けられなくなったのは確実で、早くも泥船確定。年明けか夏の総選挙で大敗するまでの短命政権となろう。
posted by ケン at 00:00| Comment(5) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月14日

民進党代表選は頓死状態

【蓮舫氏、台湾籍認める=「記憶不正確」と謝罪】
 民進党代表選に立候補している蓮舫代表代行は13日午前、記者会見し、父親の出身地である台湾(中華民国)籍が残っていたことを明らかにした。台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)から12日夕に確認の連絡を受けたという。蓮舫氏は「記憶の不正確さから混乱を招き、おわびする」と謝罪した。蓮舫氏は旧民主党政権で、台湾籍が残ったまま閣僚を務めていたことになり、波紋が広がりそうだ。ただ、15日投開票の代表選を辞退する考えはないと強調した。蓮舫氏はこれまで、日本と台湾のいわゆる「二重国籍」を否定。17歳だった1985年に日本国籍を取得した際、父親とともに代表処へ出向き、台湾籍放棄の手続きを取ったと説明していた。しかし、手続きが済んでいたかは「確認中」として、6日に改めて台湾籍放棄の手続きを申請した。蓮舫氏は会見で「(台湾籍放棄)手続きが完了すれば、籍に関することは最終的に確定する」と述べ、手続きが終わるまでなお時間を要するとの認識を示した。 同時に、二重国籍批判に関しては「これまで政治家としては日本人という立場以外で行動したことはない。日本人として日本のために働いてきたし、これからも働いていきたい」と釈明した。 
(9月13日、時事通信)

重国籍状態だったこと自体は、さしたる問題ではない。彼女の親が手続きを怠ったか、ないしは意図的に台湾籍を残したことを子に伝えていなかったことが問題であって、その責は親にある。とはいえ、不確かな記憶を基に違法状態を続け、自ら確認を怠ってきたことは、彼女の責任であり、リスク管理能力に難があることを示している。

今回の件も、最初から「そんな問題な存在しない!」「そんな質問自体が差別を助長するものだ」と強行突破を図っていれば良かった話で、答弁を二転三転させた挙げ句、自らの手でパンドラの箱を開けてしまったのだから、もはや擁護する術も無い。
ウソというのは、数を増やせば増やすほど虚偽性が暴露されるものであり、少なくともリスク管理上は「重国籍問題など存在しない」の一点に抑えておけば、マスゴミは確認する術がないため、せいぜい周辺からネチネチとゲリラ攻撃することくらいしかできなかったはずだった。ところが、答弁を二転三転させたため、「ウソの上塗り」が始まって追及を激化させてしまったのだ。
今となっては「ウソつきレンホー」と詰られても返せる言葉も無い。仮に代表に当選したところで、延々と攻撃され続けるだろうし、安倍内閣の支持率が高まっている今、年明けに解散総選挙を打ってくる可能性すら出てくる。そうなれば、再び虚偽答弁と重国籍批判が高まって、民進党は大敗するだろう。
本来ならレンホー氏は立候補を辞退すべきだった。先に虚偽答弁あるいは違法状態の責を認めて辞退しておけば、次の機会もあったかもしれないが、彼女はここで強行突破を試みた。都知事をフイにして代表選への出馬にこぎつけたのに、それを放棄することなどできないのだろう。「コンコルドの誤謬」である。

だが、ここで彼女が落選した場合、今度はリベラル派から「民進党は民族差別するのか」「人権意識が無い」などとの批判が高まり、これはこれで本来の支持層から失望されて、やはり次の総選挙で大敗を喫することになるだろう。

つまり、今回の代表選は既に頓死状態にある。

【追記】
「センテンス・スプリング」が女史の金銭スキャンダルについて調査を進めているという情報もある。
posted by ケン at 13:47| Comment(7) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月02日

民進党代表選挙2016の初期情勢

民進党代表選挙が告示された。
参院選、都知事選と続いてようやく一息ついたところにまた選挙。源文マンガばりに「戦士には休息が必要だ」と言いたいところだが、「もう休んだだろう」と言われれば致し方ない。
だが、前回の代表選から1年半で代表が辞任しての選挙であり、そもそもこんなにコロコロと党首が替わる野党第一党に支持が集まるとはとても思えない。支持が安定しないからこそ、代表のクビがコロコロ替えられるという点では、悪循環に陥っている。一つには、代表任期が2年と短く、短期的な成果を挙げるべく目先の目標に血眼になってしまって、長期的視野に欠けるところが大きい。せめて衆議院の任期期間中は代表選をやらないとか、任期を3年にするなどの改革をする必要があるのではないか。

今回の代表選は、都知事選の最中に野田元首相が岡田氏に「次の代表選で君は推さない。うちの蓮舫で行く」と宣言したことを受け、岡田代表が「もはやこれまで」と都知事選投票前日に不出馬表明したことに端を発している。その背景には、参院選でこそ1千万票をとったものの、支持率自体は長期低迷している民進党に対する、「岡田代表では全く新味が無く、自民党の対立軸たりえない」とする不満の高まりがある。同時に野田派としては、NK党などとの野党連携への強い不信もあった。
蓮舫氏自身は、前回の代表選の時も出馬の意向を示していたが、推薦人が集まらずに断念したが、今回は岡田執行部を引き継ぐ形で代表選に臨んでいる。

構図としては、野田派を中心とする岡田執行部に連合系の議員が便乗する蓮舫氏、野田派を除く党内右派を糾合した前原氏、若手と菅派と維新残党の一部が支援する玉木氏の三人が争う形になっている。
だが、蓮舫氏は参議院議員であることと、人格的な問題から、特に衆議院議員の間ですこぶる評判が悪く、派閥の関係で応援している議員も消極的に見える。公表された政策・主張は党マニフェストのコピペに過ぎず、独自の主張が全く無く、「真空ぶり」を露呈している。一方で、産経新聞のインタビューでは、「私は野田佳彦ばりのバリバリの保守」などと宣言してしまっており、自ら「自民党の二軍」ぶりをアピールしてしまっている。ただ、政策とは無縁の自治体議員は「党の顔」として蓮舫氏を支持する声が圧倒的に強く、一般党員・サポーター票でも他を圧倒すると見られる。

前原氏は、かなり前から代表選出馬を準備していたようで、雑誌『世界』に掲載された対談では社会民主主義者かと思わせるほどの左傾ぶりを見せている。だが、実際の党内左へのアプローチはかなり遅れてしまった上、氏が代表だった時の「連合との関係を見直す」発言がいまだに尾を引いていて、その「前原嫌い」を払拭することはかなわず、前原氏本人の思惑とは異なり、「フタを開けてみれば右派ばかり」になってしまっている。それどころか、自派閥の議員で選対会議に出席しているのは数人という有様で、全く統制できていない。
そもそも「自民との対抗軸をつくるには左傾化するしか無い」という考えを具現化したのが、小沢・鳩山路線であったはずで、その2人を放逐した張本人が今になって同じことを言い出すのは、「笑止」でしかない。

三人目の玉木氏も、「若手」というだけで、そのスタンスはあくまで保守であり、本来は前原氏の系列にあった者だが、「旧人類の支配を脱する」という若手や「他に行き場所が無い」議員らの手助けを得て立候補に至っている。だが、知名度は低く、その政治力も全く未知数であり、党の運営や政策方針についてのスタンスも全く見えない。現実には泡沫扱いだろう。

全体的には、全く盛り上がりに欠ける選挙となっており、ごく一部の者以外は選挙自体を迷惑がっている節が強い。同時に、候補者の全員が保守系で、前原氏が左派寄りの主張をしたものの、現実の左派は「バリバリの保守」を宣言する蓮舫氏を支援、その左派も「勝ち馬に乗る」だけを目的としている有様で、個人的には「こんな代表選挙はむしろやらない方がいい」くらいの印象を抱いている。

票読み的には、蓮舫氏は一般党員・サポーター票と自治体議員票で他を圧倒しそうだが、最大票である国会議員への支持が広がらず、反発を強めそうな空気がある。前原氏は、党員・自治体議員に地味に支持されているので、基盤を固め、「蓮舫嫌い」票を集めることができれば、決選投票に持ち込めるだろう。決選投票になれば、二位三位連合が結成され、国会議員票の優位性が高まるため、蓮舫氏を上回る可能性もある。つまり、一回目の投票で蓮舫氏に「過半数をとらせない」ことがカギとなる。
現状では、一回目の投票で蓮舫氏が過半数を取りそうな気もするが、国会議員の「蓮舫嫌い」がハンパないので、決選投票にもつれ込む可能性も十分にある。現状はそんなところだろう。
総じて言えば、「とりあえず無難だが、何も変化が期待できない」岡田氏、「イケメンというだけで、強いところにすり寄ってばかりで能力的にも疑問な」細野氏、「弁舌だけは立つが、一匹狼でリーダーなど務まるわけが無い」長妻氏、「(比較的)若い女というだけの貴族院議員の」蓮舫氏という組み合わせなのだ。
私はもちろん仕事で特定の候補を支援することになるだろうが、「誰が良いの?」と聞かれれば、「イヤ、みんなダメだろう」と答えざるを得ない状況にある。それくらい民主党の人材は枯渇しているということなのだ。
民主党代表選2015の初期情勢) 
posted by ケン at 12:29| Comment(0) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする