2017年11月08日

野党第一党が三分裂しただけ

【民進、再分裂含み=共産との連携めぐり】
 民進党の新代表が無投票で大塚耕平氏に決まったのは、リベラル系の一部が選挙戦回避に動いたためだ。衆院選で露呈した共産党との連携の是非をめぐる亀裂が、参院側に及ぶのをひとまず防いだ格好だ。だが、潜在的な対立が続くことに変わりなく、民進党は再分裂含みで再出発する。
 大塚氏を代表に押し上げた原動力は、参院に多くの組織内議員を有する旧民社党系グループだ。連合と同様、共産党との連携には否定的。大塚氏は記者会見で、共産党との協力に関し、「なかなか難しいという意見がこれまであった」と指摘。立憲民主党、希望の党との関係については「等距離だ」と述べたものの、党内では憲法改正を掲げる希望寄りとの見方が支配的だ。
 共産党との連携を容認するリベラル系議員には、蓮舫元代表を推す動きがあった。大塚氏が党運営の主導権を握れば、地方組織や100億円超とされる党の資金が希望に移るとの警戒感からだ。蓮舫氏に近い議員は「大塚代表になれば左派切り捨てになる」と語っていた。
 ただ、リベラル系も一枚岩ではなく、選挙戦突入を懸念する向きもあった。7月の東京都議選敗北で引責辞任した蓮舫氏の再登板に「国民の理解が得られない」(中堅議員)との声が上がったことも踏まえ、リベラル系の一部は蓮舫氏の推薦人確保に協力せず、結果として同氏は出馬を断念した。
 大塚氏は31日の両院議員総会で「皆さまと共有したいことは次の衆院選で(民進、立憲、希望)3党を中心に政権交代を実現するという目標だ」と述べ、結束を呼び掛けた。だが、会見で2年後の参院選に民進党公認候補を擁立するか問われると「確定的なことを言う段階ではない」と言葉を濁した。今後の焦点は、執行部人事に移る。大塚氏の敷く布陣次第では、いったんは抑えた確執が表面化する可能性もある。 
(11月1日、時事通信)

希望の党が大敗したことで、参議院民進党は合流を断念したものの、かといって立憲民主党と合流するわけでもなく、現状維持という選択になった。
今度代表になった大塚氏は、もともと強い合流論者で、総選挙の直前まで左派切りと希望合流を主導した、いわば「戦犯」の一人だったはずだが、どのような党内力学が働いたのか不明だが、新代表に選ばれている。

大塚氏は主に同盟系労組の組織内議員に担がれたと見られるが、その思惑は「希望は遠からず解体するので、希望議員を民進党に再統合するために、ハコを残しておく必要がある」というものだと推察される。
だが、現実には民進党の支持率は1%を切るような有様で、仮に希望が解党されたとしても、支持率が戻るという保証は無い。むしろ立民が最大野党として認知され、政策の対立軸も明確に打ち出すと期待される以上、民進党は「終わった党」と見なされる可能性が高い。

単純に次の選挙(統一自治体選と参院選)を考えた場合、「立憲民主党で出たいですか、それとも民進党で出たいですか?」と立候補希望者に率直に尋ねれば、大半の者は(今回支援しなかったものでも図々しく)「ぜひ立民から出たいです」と言うだろう。

また、大塚氏と連合の狙いは「立民潰し」にもある。民進党に残った総評系やリベラル系の議員を拘束して、立民への移籍を封じることが目的で、これにより立憲民主党は参議院に勢力を持てず、人員的にも資金的にも困窮することになる。国政政党としては、片肺での飛行を続けるような話で、いわば兵糧攻めのような状態に陥る。
もっとも、参議院は参議院で、民進党のままではまともに選挙にならないので、どこかの段階で突破口をつくる必要があるが、今のところ何のメドも立っていないと思われる。

いずれにせよ、いましばらく主要野党は分裂したままとなり、自民党と霞ヶ関はウハウハな状態が続くものと見られる。「野党の数が増えて説明や交渉の手間が増えて大変」という声は聞かれるものの、贅沢な悩みだろう。
posted by ケン at 12:35| Comment(2) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月02日

三分割の後始末

【民進、職員も分裂…立民・希望が引き抜き活発化】
 民進党が立憲民主党、希望の党に分裂したことで、約80人の民進党職員が混乱に巻き込まれている。民進党は当面の存続が決まったが、野党再編の行方が定まらず、職員らの将来も見通せないためだ。一方、党勢拡大を図る立民、希望は民進職員の引き抜きを活発化させている。野党第1党となった立民は30日、国会近くの民間ビルに党本部を開設する。年内に支給される政党交付金を原資に、職員確保など態勢の拡充を図る方針だ。現在は議員秘書らが党の資料作りなど事務局機能も兼務しており、専従職員はいない。衆院選では、民進の選対職員や参院議員秘書が実動部隊となった。
(10月29日、読売新聞)

前原氏の構想では、ごく一部の議員を除いて全党あげて希望の党に合流する予定だったが、小池氏の「排除」と立憲民主党の結党が起こり、希望が立民に敗北するという番狂わせに終わり、「全党あげての新党移行」は頓挫した。
その結果、少数野党だった民進党が、立民、希望、民進の三党に割れてしまった。自民党や霞が関官僚からすれば、「もう自民党の一党独裁で良くね?」と思ってもおかしくない惨状である。

参議院議員や地方議員などが取り残されている民進党は、選挙結果を見て希望への合流を断念したものの、連合系議員の反対もあって立民への合流も決められず、完全に宙に浮いてしまっている。

民進党のパトロンとも言うべき連合は、総評系が立民、同盟系が希望を支援したものの、どちらも組織決定と動員が間に合わず、不十分な形に終わった。そして、立民と希望の双方に組織内議員がいる形となり、今後の対応が難しくなっている。
連合内では希望に対する嫌悪こそ広がっているものの、かといって同盟系労組としては、改憲、安保法制、TPP、原発などに反対する立憲民主党を支援するのは「あり得ない」選択であり、連合としてはもはやいかなる組織決定もできない状態に陥っている。結果、「当面は民進党のまま」という判断に落ち着いているようだが、民進党のまま次の統一自治体選挙や参院選を戦えるはずもなく、「その場凌ぎ」でしかない。
ちなみに世論調査では、民進党の支持率は1%を下回っており、仮に連合が総力をあげて参院選を支援しても、比例区の当選は2〜3もいるかどうか、という話でしかない。政治的には、連合はすでに詰んでいると言える。後は、政治関与から手を引くか、総評系と同盟系に再分裂するか、くらいの選択しかないだろう。

記事の話をすれば、本来は民進党本部も希望に合流する手はずだったが、これが頓挫したことで、本部の人員も宙に浮いている。民進党本部は残っているものの、死に体になってしまっている。一部の党職員は、立民の呼びかけに応じて退職、立民本部に入っているものの、立民は立民で政党交付金が入ってくるまでは借金で成り立っている状態であり、しかも参議院議員がいないので総勢で50人足らずの小所帯なので、あまり大勢の党職員を抱えるわけにもいかない。

他方、希望は現時点でも党本部を置いておらず、国会議員を50人も抱えながら、党本部すら無い状態にある。党本部機能が無いということは、党員を募集したり、地方議員を擁立したり、あるいは党の政策をつくって宣伝するといった機能が無いことを意味する。
そもそもどのような政党で、どのような立ち位置で続けるのかという方針も無いため、決済する機関も存在せず、政党組織としての体を全く為していない。
聞くところでは、民進党本部職員に身の振り方のアンケートをとったところ、7割が立民を希望した一方、希望を志望したものは一人もいなかったという。

以上の点からも、自民党と霞ヶ関からすれば、「弱い敵をさらに分割してやった」という意味で「圧勝」だったことが分かるだろう。
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2017年11月01日

立民攻撃はまだ序の口

【立憲民主党・初鹿明博議員、「週刊文春」がセクハラ疑惑報道…直撃取材に「覚えていない」】
 1日放送のTBS系「ビビット」(月〜金曜・前8時)でこの日発売の「週刊文春」が報じた立憲民主党の初鹿明博衆院議員(48)の「わいせつ疑惑」を特集した。
 初鹿議員は、妻と3人の子供がいる。文春は、初鹿議員がある会合の2次会後に支援者の女性とタクシーに同乗し、キスを迫るなどのわいせつ行為に及んだなどと報じている。番組では、「週刊文春デジタル」が初鹿議員を直撃した映像を放送し、初鹿議員は「それは知らないですけど」「あんまり覚えていない」「酔っ払っていたから分からない」などと答えていた。
 番組では独自に同議員の事務所に取材したが「現時点で何も言うことはありません」とのコメントを発表していた。
 立憲民主党では、先週発売の「週刊文春で」で今回の衆院選で初当選した青山雅幸議員(55)のセクハラ疑惑を報じており、2週連続のスキャンダル報道となった。
(11月1日、スポーツ報知)

青山氏に続いて2週連続のスキャンダルとなったが、ネタはまだまだあるとのこと(蛇の道は蛇)。大ネタの代表疑惑は「いざ」という時に取っておくものと見られるが、それを除外しても当分は困らない程度に小ネタはあるという。

いまや野党と言っても、希望は半分死に体の上、政策的には自民党と変わりなく、維新も衰退傾向にある。結果、主な野党は立民とNKだけであり、NKは破防法を適用すれば良いだけなので、いつでも「処理」できる。そのため、自民党と霞ヶ関はいまや立民こそが唯一の脅威と認識しているものと見られる。

もっとも立民は立民で、旧民主党らしい「脇の甘さ」があり、候補者不足から誰彼かまわず公認出しているところもあるので(公認申請を断った例もあるというが、本部機能が無いため、審査する術も無い)、洗いざらい調べられたら、まだまだ出てくるだろう。
記事の件でも、「覚えていない」などという不誠実な対応をとっている時点で、危機管理に難があることを示している。こうした点でもなかなかに厳しいものがある。
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2017年10月31日

第48回衆議院総選挙を分析する

突然の解散からすったもんだした挙げ句、フタを開けてみれば与野党の議席はほぼ変わらだった。巷では「こんなに笑えるものなら、東京五輪なんかやめて総選挙を10回やれば、10回楽しめて費用は3分の1だ」とまで言われている。今回の総選挙も、従来同様、小選挙区制の特徴が強く出る結果となったので、全容を見てみよう。

まず小選挙区。自公合わせた得票は2733万票で、得票率は49.3%。対する野党は2809万票で、50.7%。獲得議席は、与党226に対し、野党63。与党は49.3%の得票で議席の78.2%を占めたのに対し、野党は50.7%の得票で21.8%の議席占有率となっている。
次に比例区(得票数、得票率、議席)。

自民:1856万票 33.3% 66
KM: 698万票 12.5% 21

立民:1108万票 19.9% 37
希望: 968万票 17.4% 32
NK: 440万票 7.9% 11
維新: 339万票 6.1% 8
社民: 94万票 1.7% 1


比例は与党46%に対して野党54%となっている。与党の合計は2562万票に対し、野党五党の票は2949万票と上回っている。だが、獲得議席は与党87に対し、野党89で、これはブロック別であることや、立民が東海ブロックで候補者不足となり、1議席分を自民に譲ってしまったことが影響している。

比例区のみを見た場合、自公は過半数を有しておらず、希望ないし維新と連立を組まなければ政権を維持できない構造になっている。だが、小選挙区を合わせると、議席占有率は67.3%となり、3分の2を超す勢力になる。

小池都知事は、こうした勢力図を見越して、賭けに出たわけだが、7月の都議選の成功体験が仇となり、排除した者たちが結成した立憲民主党の逆撃を食らって大敗した。結果として敗北はしたものの、「自民の優勢は選挙制度によるもので、決して盤石では無い」という小池氏の認識自体は正鵠を射ていた。

また、NK党は本来禁じ手である「下院選挙における選挙協力」を行った結果、前回の比例区704万票から440万票へと激減(62%)させ、議席も21から11へと半減させている。同じ流れで社民党も前回の131万票から94万票へと減らしている(71%)。これらの減らした票の大半が立民に流れていると見られるだけに、旧式左翼は合流論で行くか、共闘から距離を置いて独立路線で行くか、厳しい選択が迫られそうだ。

立民は立民で、ある種の純化路線を採ることで人気を爆発させたが、それだけにウィングを広げる可能性(選択肢)に乏しく、現状以上の支持が得られるのか、一から党組織を再建できるのか、課題が山積している。

自民党と霞ヶ関からすれば、「弱い敵をさらに分割してやった」という意味で「圧勝」だったと言えるだろう。

【参考】
自民党は勝利したのか:47回総選挙の結果を分析する
posted by ケン at 12:22| Comment(4) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月30日

前途多難の立民

【政調会長に長妻氏=青山氏は党員資格停止へ―立憲民主】
 立憲民主党は26日の執行役員会で、辻元清美国対委員長の政調会長職兼務を解き、長妻昭代表代行の兼務とするなどの執行部人事を決定した。党本部を東京都千代田区平河町のビル内とすることも決めた。一方、同党は週刊誌で女性問題が報じられた青山雅幸衆院議員(静岡1区)について、無期限の党員資格停止処分とする方針を固めた。同氏は立憲の会派からも外れる。26日に決定した執行部人事は次の通り。
 選対委員長 近藤昭一副代表▽総務委員長 佐々木隆博副代表▽国対委員長代理 山内康一衆院議員▽幹事長代理 阿久津幸彦元首相補佐官。 
(10月26日、時事通信)

当選直後に週刊誌スキャンダルで議員一人が離脱、同時に問題児の入党を認めるというスタート。セクハラ疑惑の弁護士については辞職勧告も検討されたが、比例ブロックに余裕がなく、他党に議席を渡すことになるため、今回の措置となったようだ。週刊誌報道だけでここまでやるのは過剰反応とも思えるが、事実性の高さと世論頼みの脆弱性を考慮しての判断だと思われる(第二弾が用意されているとも聞く)。
今回無所属で出た問題児の当選後入党も、様々な爆弾を抱えているだけに、不安要素ばかりだ。
そして、某週刊誌は公安の協力を得ながら、代表とその元秘書であるH議員の角丸疑惑を準備しているという。
さらに言えば、国会運営の要に当局のコラボを据えている辺り、「大丈夫なわけが無い」レベルにある。

無所属との統一会派も当面は見送るようだが、これも世論からの野合批判を恐れてのものだろう。現実には国会対策上、会派は少しでも大きい方が議会運営に力を発揮するので、技術的には「統一会派を組まない手は無い」くらいの話なのだが、風頼みで勝利してしまった手前、そうも行かないのだろう。だが、現実には無所属と希望が統一会派を組んでしまえば、立民の野党第一党など意味を失ってしまうだけに、非常に危うい選択となっている。

立民は参議院議員を一人しか持たないため、当面は民進党の参院会派と連携するのだろうが、やはり他党は他党であるためスムーズには行かないだろう。同時に、自治体議員も一人もいないだけに、いかに地方組織を組んで地盤を作ってゆくのか、課題は山積みだ。まずは2年後の統一地方選と参院選に焦点を定め、体制をつくってゆくことになるだろうが、それだけの全国組織を作れるのか疑問は多い。

そして、NK党との関係。今回の総選挙、立民は総評系組合の支援を受けて戦えたものの、組合側はNK党との協力に対し非常に否定的だ。一方、NK党はNK党で「大義」を掲げて野党共闘を行ったものの、現実には自党の議席を半分にするという「大敗」となった。今後は党内から「社民(立民)主要打撃論」が噴出するものと思われ、どこまでそれを抑えられるか、党内クーデターが起きるのか、予断を許さない。
フランスでも、共産党は大統領選では「不服従のフランス」のメランション候補を支援したが、総選挙では選挙協力せず独自に戦った。下院選挙における過剰な選挙協力は、自らのアイデンティティを否定することにしかならず、非常に難しい。日本のKM党が自民党との協力関係を続けられるのは、自らの中道・宗教社会主義路線を放棄したからに他ならない。

こうして俯瞰してみると、立民の立場は、「とりあえず金ヶ崎は凌いだものの・・・・・」という「信長最大の危機」ばりに危ういところにあることが分かろう。
posted by ケン at 12:47| Comment(0) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月25日

帰還報告

無事勝利し、帰京しました。
今回の選挙は短期決戦ではありましたが、可能性が低いと考えていた解散、同時に出馬すべき党が消失するという、不測の事態が重なりました。準備不足はどの陣営も同じ条件ですが、「政党が無くなる」「どの党から出るか分からない」というのは全くの想定外であり、公示直前までどうなるか分からないという暗中模索が続きました。

ボスの方針は明確でも、地元や支援団体との調整は困難を極め、立候補届けや選挙グッズなども「無所属」と「新党」の2パターンを用意し、どれも直前まで決まらない状態にありました。選挙はがきなどは、大量に刷った後、新党のシールを貼るという作業になり、その数は数万枚に及びました。結果、凄まじい人手が必要になるのですが、急な解散だったため、動員も思うように進まず、人員的にも苦しい状態が続きました。もっとも、動員不足は敵も同じだったようで、期間中何度か敵方の事務所に密偵を放ちましたが、「(夜10時前)もう閉まってました」「外から見えたのは3人だけでした」「駅立ちは随行秘書3人だけでした」など甚だしい人手不足が垣間見えました。

動員が遅れるというのは、人員だけの問題ではなく、物資機材や選挙事務所の土地、建物、駐車場から、他所から応援に来る人の宿泊先、そして選挙はがきの収集など、全ての準備が遅れることを意味します。
ベテラン議員や歴史ある大政党の場合、普段からの付き合いや伝手があるので、急な需要にも対処できるわけですが、新人などはどうにもならなかったでしょう。その意味でも、自民党の総理が解散権を自由に行使できることは、大富豪に強いカードを何枚も渡すような話になっています。
自分の担当部署でいえば、選挙はがきですが、これは予めはがきを用意して、支援者などに配って知り合いの住所氏名を書いてもらって、選挙事務所が一括収集して発送するわけですが、政党が決まらないのではがきが作れない、作っても配布する人員も時間も無いということで、前回の半分以下しか自前で収集、発送できず、半分は地方議員の名簿で出すことになりました。
電話がけの動員も非常に遅れ、フル稼働したのは最後の数日のみで、掛けた本数はこれも前回の半分以下となりました。

以上のことから、後方本部事務長の座にあったケン先生としては、「こんな戦力で勝てるわけが無い」と思っていたわけですが、前線からの報告は「勝った、勝った、また勝った」というものばかりで、「そんなはずね〜だろ〜」と叫びたい気持ちで一杯でした。実際、蓋を開けてみれば大勝していたわけですが、私的には「偶然プラス修正が付いて」「たまたま良いダイス目が出た」以上には思えなかったわけです。
こういう勝ち方をしてしまうと、「誤った成功体験」が生まれがちなので、そこをきちんと戒めることができるかが課題でしょう。

他にも色々あるのですが、まずは報告まで。
posted by ケン at 13:51| Comment(5) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月21日

むずかしい選挙3 2017

今回の選挙は「先が見えない」「展開が読めない」という不確定要素が大きい点が苦しかった。私などは生来、人としての共感度が低いのか、常に一歩引いて物事を見てしまい、容易にコミュニティに同化しない性格なので、「駄目なら駄目で仕方あるまい」と高をくくっていた。だが、陣営内は「RMで行く」との最終決定がなされた後も、悲壮感たっぷりで、「日本のいちばん長い日」とまでは行かないまでも、それに近い一種のヒステリー状態にあった。

特に「RMで行くかどうか」という選対会議では、候補(ボス)が「落選してもいいから、今回はRMで出たい」と肺腑から絞り出すように懇願したのに対し、列席した地方議員たちからは「RMから出るなら支援できない」「ポスター貼りもハガキも電話がけも自分でやってもらうことになる」「無所属なら支援するのもやぶさかではない」などと反対、「RMでも支援する」とハッキリ述べたのは市会議員一人だった(それも忠誠心では無く小池嫌いだから)。発言を許された秘書の大半が「自分はボスの意向に従うのみ(承詔必謹あるのみ)」と曰う中、同僚は「土地柄を考えればRMでの選挙は苦しい。無所属なら自治体議員が支援するというなら無所属もやむを得ないのではないか。当選後に入党すれば良い」と述べ、ケン先生は「自分は、ボスがRMで出馬しても、我々がシグルイになれば、ギリギリ小選挙区で勝ち抜けると計算しますが、無所属でなら労組と地方議員の支援が確実に得られるというのであれば、無所属もアリかと愚考します」「次の世論調査でRMの支持率が一定程度確保できれば、組合や地方議員の意向も変わってくるかと」と意見具申した。

結局その場は「もう数日様子を見る」「支援労組の意向を確認する」として判断先送りとなった。現実には、世論調査でRMが希望に近い支持率を出し、労組がRM候補への支援を表明、地方議員も続々と態度を軟化させ、あたかも既定路線のようにRMからの出馬が決まった。
「国会議員なのに自分の意思で政党も選べないのか」との批判は当然だ。だが、現実の国会議員は、戦国期の戦国大名のようなもので、実際の選挙運動の相当部分を担う地方議員=国人衆の支援なくしては、100%無党派層頼みの空中戦になってしまい、まずもって当選はかなわない。
例えば、今川家の侵攻を受けたある家の当主が「自分は織田家に忠を尽くす」と宣言したところ、一族郎党が「家を滅ぼす気か、なぜ今川につかない?」と反対した場合、容易ではなく、下手に我を貫けば、幽閉されたり殺害されたりする恐れがある。極端な例を挙げれば、治承・寿永の乱(いわゆる源平合戦)において、最初に挙兵した源頼政は、以仁王を擁する摂津源氏当主(清和源氏嫡流)という最良の条件でありながら、本人が動員できたのはわずか150騎に過ぎなかった(50騎という数字もある)。一族郎党や地下人がこぞって反対したためである。

現実には日を経てRM党の支持が拡大すると同時に希望が失速、総評系組合はRM支持を決定して遅ればせながら動員を開始、地方議員の間でも「勝ち馬に乗る」空気が濃くなって、最終的には一人を除いて全面支援を決めた。そして、市民運動系の市民が選挙区の内外から続々と支援に入り、事務所は常に満員近い状態になっている。
つまり、ボスの信念と正義が状況を打破した格好だった。いまや自民党候補を圧倒、選挙戦中盤には自民党側は戦意を喪失するに至っている。
選対内で唯一「RMでもギリギリ勝てる」と進言した私の面目は半分だけ保てたものの、参謀役としては恥ずかしい気持ちもある。

とはいえ、盛り上がっているのは一部のリベラル層だけで、従来の支援者層は総じて冷淡であり、電話がけから得られる有権者一般の感触は「選挙には行かない」無関心が多いというもので、選対の盛り上がりに比して、後方本部事務長の私としては「これで勝っているというのが不思議」というのが実感だ。今回は何とか勝利できるとしても、風頼み選挙や従来型の選挙手法の限界を示すところも多々あり、今後の課題は少なくない。
posted by ケン at 20:31| Comment(8) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする