2016年09月14日

民進党代表選は頓死状態

【蓮舫氏、台湾籍認める=「記憶不正確」と謝罪】
 民進党代表選に立候補している蓮舫代表代行は13日午前、記者会見し、父親の出身地である台湾(中華民国)籍が残っていたことを明らかにした。台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)から12日夕に確認の連絡を受けたという。蓮舫氏は「記憶の不正確さから混乱を招き、おわびする」と謝罪した。蓮舫氏は旧民主党政権で、台湾籍が残ったまま閣僚を務めていたことになり、波紋が広がりそうだ。ただ、15日投開票の代表選を辞退する考えはないと強調した。蓮舫氏はこれまで、日本と台湾のいわゆる「二重国籍」を否定。17歳だった1985年に日本国籍を取得した際、父親とともに代表処へ出向き、台湾籍放棄の手続きを取ったと説明していた。しかし、手続きが済んでいたかは「確認中」として、6日に改めて台湾籍放棄の手続きを申請した。蓮舫氏は会見で「(台湾籍放棄)手続きが完了すれば、籍に関することは最終的に確定する」と述べ、手続きが終わるまでなお時間を要するとの認識を示した。 同時に、二重国籍批判に関しては「これまで政治家としては日本人という立場以外で行動したことはない。日本人として日本のために働いてきたし、これからも働いていきたい」と釈明した。 
(9月13日、時事通信)

重国籍状態だったこと自体は、さしたる問題ではない。彼女の親が手続きを怠ったか、ないしは意図的に台湾籍を残したことを子に伝えていなかったことが問題であって、その責は親にある。とはいえ、不確かな記憶を基に違法状態を続け、自ら確認を怠ってきたことは、彼女の責任であり、リスク管理能力に難があることを示している。

今回の件も、最初から「そんな問題な存在しない!」「そんな質問自体が差別を助長するものだ」と強行突破を図っていれば良かった話で、答弁を二転三転させた挙げ句、自らの手でパンドラの箱を開けてしまったのだから、もはや擁護する術も無い。
ウソというのは、数を増やせば増やすほど虚偽性が暴露されるものであり、少なくともリスク管理上は「重国籍問題など存在しない」の一点に抑えておけば、マスゴミは確認する術がないため、せいぜい周辺からネチネチとゲリラ攻撃することくらいしかできなかったはずだった。ところが、答弁を二転三転させたため、「ウソの上塗り」が始まって追及を激化させてしまったのだ。
今となっては「ウソつきレンホー」と詰られても返せる言葉も無い。仮に代表に当選したところで、延々と攻撃され続けるだろうし、安倍内閣の支持率が高まっている今、年明けに解散総選挙を打ってくる可能性すら出てくる。そうなれば、再び虚偽答弁と重国籍批判が高まって、民進党は大敗するだろう。
本来ならレンホー氏は立候補を辞退すべきだった。先に虚偽答弁あるいは違法状態の責を認めて辞退しておけば、次の機会もあったかもしれないが、彼女はここで強行突破を試みた。都知事をフイにして代表選への出馬にこぎつけたのに、それを放棄することなどできないのだろう。「コンコルドの誤謬」である。

だが、ここで彼女が落選した場合、今度はリベラル派から「民進党は民族差別するのか」「人権意識が無い」などとの批判が高まり、これはこれで本来の支持層から失望されて、やはり次の総選挙で大敗を喫することになるだろう。

つまり、今回の代表選は既に頓死状態にある。

【追記】
「センテンス・スプリング」が女史の金銭スキャンダルについて調査を進めているという情報もある。
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2016年09月02日

民進党代表選挙2016の初期情勢

民進党代表選挙が告示された。
参院選、都知事選と続いてようやく一息ついたところにまた選挙。源文マンガばりに「戦士には休息が必要だ」と言いたいところだが、「もう休んだだろう」と言われれば致し方ない。
だが、前回の代表選から1年半で代表が辞任しての選挙であり、そもそもこんなにコロコロと党首が替わる野党第一党に支持が集まるとはとても思えない。支持が安定しないからこそ、代表のクビがコロコロ替えられるという点では、悪循環に陥っている。一つには、代表任期が2年と短く、短期的な成果を挙げるべく目先の目標に血眼になってしまって、長期的視野に欠けるところが大きい。せめて衆議院の任期期間中は代表選をやらないとか、任期を3年にするなどの改革をする必要があるのではないか。

今回の代表選は、都知事選の最中に野田元首相が岡田氏に「次の代表選で君は推さない。うちの蓮舫で行く」と宣言したことを受け、岡田代表が「もはやこれまで」と都知事選投票前日に不出馬表明したことに端を発している。その背景には、参院選でこそ1千万票をとったものの、支持率自体は長期低迷している民進党に対する、「岡田代表では全く新味が無く、自民党の対立軸たりえない」とする不満の高まりがある。同時に野田派としては、NK党などとの野党連携への強い不信もあった。
蓮舫氏自身は、前回の代表選の時も出馬の意向を示していたが、推薦人が集まらずに断念したが、今回は岡田執行部を引き継ぐ形で代表選に臨んでいる。

構図としては、野田派を中心とする岡田執行部に連合系の議員が便乗する蓮舫氏、野田派を除く党内右派を糾合した前原氏、若手と菅派と維新残党の一部が支援する玉木氏の三人が争う形になっている。
だが、蓮舫氏は参議院議員であることと、人格的な問題から、特に衆議院議員の間ですこぶる評判が悪く、派閥の関係で応援している議員も消極的に見える。公表された政策・主張は党マニフェストのコピペに過ぎず、独自の主張が全く無く、「真空ぶり」を露呈している。一方で、産経新聞のインタビューでは、「私は野田佳彦ばりのバリバリの保守」などと宣言してしまっており、自ら「自民党の二軍」ぶりをアピールしてしまっている。ただ、政策とは無縁の自治体議員は「党の顔」として蓮舫氏を支持する声が圧倒的に強く、一般党員・サポーター票でも他を圧倒すると見られる。

前原氏は、かなり前から代表選出馬を準備していたようで、雑誌『世界』に掲載された対談では社会民主主義者かと思わせるほどの左傾ぶりを見せている。だが、実際の党内左へのアプローチはかなり遅れてしまった上、氏が代表だった時の「連合との関係を見直す」発言がいまだに尾を引いていて、その「前原嫌い」を払拭することはかなわず、前原氏本人の思惑とは異なり、「フタを開けてみれば右派ばかり」になってしまっている。それどころか、自派閥の議員で選対会議に出席しているのは数人という有様で、全く統制できていない。
そもそも「自民との対抗軸をつくるには左傾化するしか無い」という考えを具現化したのが、小沢・鳩山路線であったはずで、その2人を放逐した張本人が今になって同じことを言い出すのは、「笑止」でしかない。

三人目の玉木氏も、「若手」というだけで、そのスタンスはあくまで保守であり、本来は前原氏の系列にあった者だが、「旧人類の支配を脱する」という若手や「他に行き場所が無い」議員らの手助けを得て立候補に至っている。だが、知名度は低く、その政治力も全く未知数であり、党の運営や政策方針についてのスタンスも全く見えない。現実には泡沫扱いだろう。

全体的には、全く盛り上がりに欠ける選挙となっており、ごく一部の者以外は選挙自体を迷惑がっている節が強い。同時に、候補者の全員が保守系で、前原氏が左派寄りの主張をしたものの、現実の左派は「バリバリの保守」を宣言する蓮舫氏を支援、その左派も「勝ち馬に乗る」だけを目的としている有様で、個人的には「こんな代表選挙はむしろやらない方がいい」くらいの印象を抱いている。

票読み的には、蓮舫氏は一般党員・サポーター票と自治体議員票で他を圧倒しそうだが、最大票である国会議員への支持が広がらず、反発を強めそうな空気がある。前原氏は、党員・自治体議員に地味に支持されているので、基盤を固め、「蓮舫嫌い」票を集めることができれば、決選投票に持ち込めるだろう。決選投票になれば、二位三位連合が結成され、国会議員票の優位性が高まるため、蓮舫氏を上回る可能性もある。つまり、一回目の投票で蓮舫氏に「過半数をとらせない」ことがカギとなる。
現状では、一回目の投票で蓮舫氏が過半数を取りそうな気もするが、国会議員の「蓮舫嫌い」がハンパないので、決選投票にもつれ込む可能性も十分にある。現状はそんなところだろう。
総じて言えば、「とりあえず無難だが、何も変化が期待できない」岡田氏、「イケメンというだけで、強いところにすり寄ってばかりで能力的にも疑問な」細野氏、「弁舌だけは立つが、一匹狼でリーダーなど務まるわけが無い」長妻氏、「(比較的)若い女というだけの貴族院議員の」蓮舫氏という組み合わせなのだ。
私はもちろん仕事で特定の候補を支援することになるだろうが、「誰が良いの?」と聞かれれば、「イヤ、みんなダメだろう」と答えざるを得ない状況にある。それくらい民主党の人材は枯渇しているということなのだ。
民主党代表選2015の初期情勢) 
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2016年08月30日

液状化進む民進党−静岡の場合

【<民進静岡1区、解散>県連、新支部設立へ 次期衆院選 分裂】
 民進党静岡1区総支部が、26日の緊急役員会で大半の役員の集団離党と総支部の解散を決めた。党県連は新たな総支部組織を設立する構えで、次期衆院選は分裂して戦う構図となる。  1区総支部は役員会で、候補者として弁護士青山雅幸氏(54)の支援を改めて確認。会合後の記者会見で、総支部長代行の小長井由雄県議は、浜岡原発の廃炉を求める訴訟に関わっていたことを理由に党県連が青山氏を擁立しなかった経緯を説明し、「県連と党本部が、(党を)一番底で支える総支部の意思を尊重しなかった」と批判した。
 一方、党本部は元会社役員福村隆氏(52)の擁立を決めている。党本部の決定を支持したため、この日の役員会への出席を認められなかった鈴木智県議は「残念の一言だ。党本部の結論に従ってまとまりたかった」と話した。党県連の岡本護幹事長は「離党、解散は熟慮した結果であり、止めるものではない。残った人たちで新たな気持ちでやっていく」と話した。
(8月27日、静岡新聞)

民進党で内部崩壊が進みつつある。
静岡で起きた本件の場合、地元支部が脱原発派の弁護士を擁立したことに対し、連合静岡が大反発、連合系議員が役員の大半を占める県連で公認を拒否された。その静岡県連は、別の候補を立て、支部との調整も不十分なまま本部に公認申請したところ、事情を十分に把握していない本部がそのまま認めてしまった格好となった。
構造的には、脱原発運動を始めとする市民派と原発を推進する労組・連合派が派閥抗争を行い、多数派の後者が少数派の前者を実質的に追放した形と言える。

問題となった衆院選候補を比較すると、支部が擁立した青山氏は、消費者問題、医療訴訟、行政訴訟などをライフワークとする地元の弁護士であるのに対し、県連・連合が擁立した福村氏はメリルリンチ証券の役員を長く務めた金融エリートである。
候補者の人柄や人物像までは分からないが、どう考えても青山弁護士の方が野党第一党である民進党に相応しい、「国民生活に密着した」候補であり、金融エリートの福村氏は「なんで自民党じゃ無いの?」と首をかしげざるを得ない候補と言える(いかにも旧民主や「みんな」が好みそうな出自なのだが)。

もともと民主・民進党の組織運営はトップダウン式な上に非常に閉鎖的で、肝心の「トップ」は労組・連合系の議員が大勢を占めているため、意思決定がクローズドな上に硬直的な傾向が強い。特に、民主党政権の瓦解を経て、基盤の弱い市民派議員の多くが議席を失ったため、現在も議員に地位にあるのは連合系議員ばかりになってしまっている。
特に静岡の場合、自動車や電機などの民間労組が非常に強い影響力を持ち、原発にもリニア・空港にも集団的自衛権にも賛成しているため、殆ど自民党の別働隊(衛星政党)の様相だ。

それでも、まだ話し合いが持たれ、支部の決定を尊重する県連は団結が保たれているが、静岡のように労組系が圧倒的な影響力を有する県連の場合、少数派を強圧しにかかるので、集団離党・分裂するほかなくなる。こうしたケースは、表沙汰になっていないだけで、民進党が全国で抱えるリスクだと考えられる。2年以内に総選挙が行われることや、NK党との共闘問題も考慮すれば、今後も同様の事件が起きる可能性は十分にある。
実際、沖縄は組織そのものが消失、大阪もほぼ壊滅状態にある。

なお、私事で恐縮だが、ケン先生も離党届を提出した。理由は、舛添問題が起きた際に、後輩である党支部幹事長の都議に電話して、「絶対舛添を辞任させるな、より酷い都知事が出てくるのは間違いないから」と忠告し、「おっしゃる通りです、大丈夫ですから」との回答を得た翌々日に、「舛添ケシカラン、不信任決議に賛成する」という記者会見をやっているのを見て、ブチ切れて「説明しに来い!」とメールしたものの、その後なしのつぶてになったからだ。これは直接的な原因に過ぎず、もともと支部会議も開かれない、日常活動も無い民主・民進党の党員であることに「党費を取られているだけ」という強い不満があったことが大きい。
国政ではただでさえ立ち位置不明なところに維新残党と合流したことでますます野合が進み、「自民党に行けなかった」二軍的エリート人材ばかりの議員構成にも不満があり、私自身も有権者に対して説明責任を果たせなくなりつつあることに自責の念を強くしていたことも影響している。

ぶっちゃけ民進党は解散・再編すべきである、というのが率直な感想だ。
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2016年08月26日

レンホーは党代表に相応しいか?

【民進党代表選 蓮舫代表代行「岡田克也代表はつまらない男!」 三下り半?ブラックジョーク?外国人記者も爆笑】
 民進党の蓮舫代表代行は23日、日本外国特派員協会で記者会見し、9月2日告示の党代表選に立候補するにあたり、「民進党のイメージを思いきり変えたい」と意気込みを語った。  同時に「ここは大事なので編集しないでいただきたい」と前置きした上で「私は岡田克也代表が大好きだ。ただ1年半、一緒にいて本当につまらない男だと思った」と軽口をたたいて外国人記者らの笑いを誘った。直後には「人間はユニークが大事。私にはそれがあると思う」と述べて自信ものぞかせた。会見は通訳を交えて行われた。
(8月24日、産経新聞)

どうでもいい話ではあるのだが、これでは「やはり民進党ではダメだ」と思われるだけだろう。トランプ、イシハラ、ハシモトらのように「下品をウリにする」路線で行くなら、それもアリかもしれないが、彼女はそれを望んでいないだろう。

それでも人格は自然とにじみ出てしまうもの。かつて紹介したことがあるが、今回は許せないものがあるので実名を挙げて告発したい。
民主党政権時代、彼女が議員会館でエレベーターに乗っていたところ、90近い老軀をおして上京してきた楢崎弥之助先生が杖を突きながら乗ろうとしたとしたのを見て、「これは議員専用ですから、一般の方は向こう側にあるエレベーターをつかってください」と言い放った事件があった。これは、私の同志が偶然その場に居合わせたので、間違いない。

党内でも自分に敵対姿勢を見せる者に対しては、徹底的に嫌がらせをし、権力をもって報復行為を行い、ロクでもない噂を流すことで知られており、恐がられていると同時に一部からは蛇蝎のように嫌われているが、大衆受けはするので、批判が表に上がらない。
こういう点は、ハシモトに似ていると言える。イシハラにしても、旧東京二区から衆議院に出馬していた頃、同じ選挙区で自民党から出ていた新井将敬に対し、民族(出自)差別に基づく陰湿な選挙妨害(怪文書や流言)を繰り返していた。この連中には、現代のネトウヨなどに通じる何かがある。
全てに対して恐ろしく冷酷で、人倫を欠き、その点を恬として恥じない精神である。

いま野党第一党の民進党に求められるのは、安倍一派に象徴される「冷酷な政治」へのアンチテーゼである。安倍一派は、権威を振りかざし、国家機関と大企業を優遇し、国威発揚と国権拡大を追求する一方、人命、人権、市民生活に対して恐ろしく冷淡な姿勢を見せている。
そのオルタナティブは、「人に優しい政治」でなければならないはずで、それをレンホーが担うのはどう見てもムリであろう。当面、自民党は安泰そうだ。

バカばっか!

【参考】
まともな人間は議員なんてならない? 
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2016年08月23日

合流して衰退する民進党

【<民進党>党員が減少 合流前下回る24万2907人】
 民進党の党員・サポーターは24万2907人(6月6日現在)で、旧民主党と旧維新の党の合流前を下回ったことが分かった。目標の30万人に届かず、岡田克也代表は18日の記者会見で「参院選と時期的に重なったので非常に集めにくかった」と弁解した。昨年度の旧民主の党員・サポーター登録数は23万3100人、旧維新の党員数は約3万6000人。単純に合計すると約27万人だが、実際には2万人以上、減ったことになる。民進党結成に伴い、党員をやめた人が多いとみられる。
旧民主党の党員・サポーターは最多だった2010年に35万508人に上った。菅直人首相(当時)と小沢一郎元代表による同年の代表選では、党員・サポーター票で優位に立った菅氏が接戦を制した。民進党は今月中に二重登録などを精査して人数を確定し、9月2日告示の代表選に備える。これに関連し、岡田氏は会見で「党員・サポーターも含めて新しい代表を選んだ方が正統性が高まるし、リーダーシップを発揮しやすくなる」と述べ、無投票は望ましくないという考えを重ねて示した。
(8月18日、毎日新聞)

まぁ当然の帰結かと。
組織論的には、党員に何の権限もなく、一般党員が参加する会議や集会が開かれることすらなく、国政選挙や自治体選挙の候補者は幹部が密室で談合して決めるだけで、ただ代表選に一票投じることができるというだけの存在でしか無い。それで党費を払わされて、投票を(倫理的に)拘束されるのだから、党員でいるメリットが何一つ無い。せいぜい、関係の深い議員に頼まれて登録するか、労働組合幹部の義務として登録しているだけの話で、何か切っ掛けさえあれば、辞めようと思っている人が大半だろう。

政策論的にも、実質的に自民党の二軍状態にあり、個別の法案に反対するだけで独自色のあるスタンスや政策は殆ど打ち出せていない。それもこれも、社会民主主義と国際主義色の濃かった小沢・鳩山路線を否定したまま、官僚と一体化する菅・野田路線を選んだことで、自民党との違いが無くなり、その路線を今に至るまで引き継いでいるためだ。むしろ旧民主党が右傾化したことで、自民党の右傾化・権威主義化を加速させてしまった面もあり、その意味では今日の状況を作り出した責任は非常に重い。つまり、「自民党と同じなら自民党で良いじゃん」というだけの話で、今のままでは何度選挙やっても民進党は勝てないだろう。

また、運動面や金銭面でおんぶにだっこ状態にある連合だが、同時に大きな足かせとなっている。例えば、原発再稼働に反対しようとすると電力や電機などの組合が怒鳴り込んでくるし、リニアに反対しようものならJRの組合が脅しをかけてくる。個々の選挙では、応援に入る組合員が、一般党員や市民のボランティアの排除にかかるので、選挙が終わってみると、結局のところ組合員しか残らない有様にある。

これらの問題を解決しない限り、根本的な解決は望むべくもないが、党幹部も個々の議員も、自らの権限が侵されるだけなので、そこに手を付けようとはしない。結論的には、衰退の一途を辿るだろう。
posted by ケン at 12:22| Comment(2) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月03日

またハズレしかないガチャ−民進党代表選挙

【民進代表、後任争い混沌…岡田氏が不出馬表明】
 民進党の岡田代表が9月の代表選への不出馬を表明したことで、政治路線をかけた後任争いは混沌としてきた。岡田氏の続投を見込んでいた主流派グループは、共産党を含めた野党共闘路線の継続を掲げ、候補者選びを急ぐ構えだ。一方、保守系議員らは路線転換を図ろうと勢いづいている。岡田氏は30日の記者会見で、「今まで成し遂げてきたことをさらに肯定的に前に進める方が(次期代表として)ありがたい」と述べ、野党共闘の堅持に期待を示した。後継候補には、岡田氏に近い野田前首相グループの蓮舫代表代行が取りざたされている。 岡田氏は27日、野田氏と会談。翌28日には野田氏が蓮舫氏と会合を持った。代表選の対応を協議したとみられる。蓮舫氏は知名度が高く、48歳の若さを前面に世代交代を打ち出すこともできる有力候補として浮上している。
(7月31日、読売新聞)

6月から参院選、都知事選と来て、今度は代表選をやるという。まぁ都知事選は政治的良心から動員を拒否したとはいえ、3カ月以上も続けて何らかの選挙に関わることを意味する。しかも、参院選を含めて全て補助的業務、ボランティア(党員義務)であって、自分の本来業務ではないだけに、ますます「また選挙かよ!」という思いが強い。まして、どれも負け戦の上に「ハズレしか入ってないガチャ」なのだから、なおさら徒労感ばかり覚える。

今回の代表選は、都知事選終盤まで岡田氏が継続意思を示していたが、投票日前日に前言を翻して出馬辞退を宣言した。これは、執行部を支えていた主流派の野田氏が、直前に「次はレンホーで行くから」と引導を渡したことに起因すると見られている。岡田氏は、レンホーに乗ることで影響力の温存を図ろうとしているのだろう。前回の代表選で惜敗した細野氏も、支持が広がらず、今回はレンホーの「勝ち馬」に乗ろうとしているようだ。

今のところ、レンホーの他にマエハラが名乗りを上げているようだが、前者は参議院議員で基本的に首班指名の対象になり得ず、野党第一党の党首には相応しくない。参議院はともかく、衆議院議員の支持を得るのは難しいだろう。ただ、党員投票では圧倒的支持を得る可能性があり、「勝ち馬に乗る」傾向が強まれば、有力候補となるだろう。後者は、党代表として失敗(永田メール事件)の烙印を押されている上、岡田現代表と同様、「古い顔」の象徴で「また(まだ)お前なのかよ」の印象は否めない。
能力的には、レンホーはおよそ野党第一党の党首が務まるような器ではない。自意識過剰の自信家で、人の意見を聞かず、同時に大所帯をまとめられるような手腕も人望も無いからだ。その点は、まだ失敗も含めて経験を積んでいるマエハラの方がマシだろうが、自民党に対抗できるような政策軸は持ち合わせておらず、「自民党の二軍化」がさらに進んでしまいそうだ(意外とリベラル・社民側に傾斜しつつあるという噂もある)。
他にも色々希望者はいるようだが、どれも小者ばかりで、20人の推薦人すら集められない可能性が高い。野党第一党ではあるが、人材的には既に払底しており、残念ながら、私が推薦できる議員は1人もいない。

代表選のことは、しょせん内輪の話な上、国政に大した影響など与えないので、どうでもいい。もっと大きな問題は別にある。

安保法制のような重要法案を含めて、マスコミが政策や法案の取材で来るのは月に1、2度でしかないのだが、党首選やスキャンダルになると、一時間毎に記者が来て、下手すると外でタムロして待っているくらいになる。
代議制民主主義は、本来、有権者が主権を政治家に委託し、政治家は政治判断を下して、その実施を官僚に委任する。政治家は官僚を統御しつつ、その政治判断について有権者に説明責任を果たすことで成り立っている。メディアは、政策や法律に関する政治判断についての説明を有権者に伝えるのが、デモクラシーの機能上の役割なわけだが、実際には日本のメディアは政局とスキャンダルしか報じず、政策と法律については霞ヶ関の発表を垂れ流すだけの存在になっている。
デモクラシー下のメディアは、有権者が委任した政治家が官僚を民主的に統制できているかを監視すると同時に、政治家が行う法律や政治判断の説明が妥当であるかどうかを検証する役割を担っている。同時に政治家が選挙公約に反していないか、反したなら反した理由と過程を問いただす義務がある。だが、日本のマスメディアは、霞ヶ関と自民党の公式発表を垂れ流すだけで、全く本来の義務を果たしていない。
いっそのこと、日本の報道事業は外資系に丸投げした方が良いのでは無いかとすら思われるほどだ。
posted by ケン at 13:04| Comment(0) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月01日

鳥越氏が負けたワケ

【宇都宮氏が明かす、鳥越氏の応援演説しなかった理由】
 元日弁連会長の宇都宮健児氏と、同氏を支援する「希望のまち東京をつくる会」は31日、文書を発表し、野党統一候補となった鳥越俊太郎氏の応援演説を行わなかった件に関する経緯を明らかにした。文書の冒頭で、双方が数回の調整を行ったものの、結果的に合意に至らなかったとしている。
宇都宮氏と同会は、鳥越氏の陣営から応援要請があったことを受け、7月27日付で鳥越氏宛てに文書を送付した。その中で、築地市場の移転作業を停止し、関係者を入れて計画を見直すことなど、7つの政策の実現に向けて誠実に努力することを求めた。さらに「女性の人権問題について」と題し、「週刊文春」と「週刊新潮」で報じられた女性問題について「鳥越候補自らが記者会見など公開の場で説明責任を果たし、被害者女性への配慮を示すこと」を求めた。文書の中で、宇都宮氏と同会は「鳥越候補は、根拠を述べることなく『事実無根』として、刑事告訴まで行っています。しかし、私たちはこの記事そのものから見て、事実無根と考えることはできません。むしろ、女性とその関係者の証言まで否定することは、被害女性に対するさらなる人権侵害となる可能性があります」と指摘した。加えて、鳥越氏がテレビなどの討論会を欠席していることに対しても「明日(28日)朝以降、候補者間の政策討論等の機会があるならば、欠席しないこと」とも求めた。
 鳥越氏サイドから返答があったことを受け、宇都宮氏と同会は、翌28日に再び鳥越氏宛てに文書を送った。その中で、鳥越氏の女性問題に関する返答に対し「具体的な報道内容を見る限り、これを『事実無根』として退けられる案件とは考えられません。また、『事実無根』だとする説得力ある反証も挙げられていません」「被害を受けたという女性がおられる以上、都知事候補として、どのような事実があったのかを自ら公開の場で説明し、被害女性および都民の納得を得る責任があると考えます」と指摘した。その上で、宇都宮氏は「私はこれまで多くの人権問題に携わってきました。その原則をここで曲げることはできません。鳥越候補がこれまでの対応を撤回せずに説明責任を果たされないとすれば、きわめて遺憾ではありますが、都民に対してあなたを都知事にふさわしい方として推挙することができず、応援に立つことはできません」とつづった。女性問題について説明責任を果たさなかった鳥越氏の姿勢が、宇都宮氏が応援演説に立たなかった、最大の要因だったことが明らかになった。
(8月1日、日刊スポーツ)

都知事選は、小池氏が圧勝、鳥越氏は増田氏にも負けて、小池氏の半分以下の得票に終わった。投票率は59%と、近年では高い方であったにもかかわらず、全650万票のうち自民党の主流派と反主流派で470万票(70%以上)も獲得したことは、他党派や無党派からも小池氏に流れたことを示しており、いよいよ「ワイマール化」「デモクラシーの空洞化」が進んでいる。

小池氏が圧勝したのは、小泉純一郎氏の手法を上手く真似して「自民党と闘う孤高の女戦士」を演出して、保守層のみならず、野党や無党派の支持をも得たことが大きい。今回の選挙では、NK党の支持層からも票が小池氏に流れており、その深刻さが伺われる。
増田氏は、自公の組織票に基盤を置いた手堅い選挙をやったものの、「利権集団の傀儡」という印象を払拭できないまま、自公の支持層も固められずに終わった。
鳥越氏については、先にも指摘した通り、宇都宮氏を辞退させた悪影響が予想以上に大きかったようだ。一部の「意識高い」層が、「反ファッショ統一戦線で鳥越を」と呼び掛けたものの、浸透度は低かった。民進党支持層に至っては、鳥越5割、小池4割という有様で、都議団の中立化が響いた格好だ。「野党共闘」とはいえ、共闘者が内部分裂しているのだから、その効果が半減するのは当然だろう。このことは、十分な合意の無い、トップダウン式の共闘の厳しさを示している。

だが、鳥越氏に関しては、候補選定プロセスや組織上の課題以上に、属人的な条件が悪すぎた。全て上の記事に書かれている通りで、「説明責任」という、有権者が候補者に主権を委任する際の条件(対価)を満たせなかったのだから、マスコミや司法対応でむしろ不信感が高まってしまった観がある。左翼人は「スキャンダル報道で票を減らした」と騒いでいるが、私に言わせれば、危機対応・リスク管理の拙さこそが問題だったのであって、二言目には陰謀論を唱える旧式左翼が支持されないのは当然だろう。

さらに決定的だったのは、選挙中はさすがにほのめかす程度しか書けなかったが、ネトウヨが指摘していた「認知症の疑い」である。鳥越氏が立候補を決めたのは、告示日前日だが、告示されて数日後には、「演説原稿を渡しても覚えられない」「長時間話すと支離滅裂になる」といった話が聞かれるようになり、「日に二、三箇所の街頭演説」「本人が話すのは3分以内」といった事実が傍証となっていた。
どうやら認知症の初期症状のようで、選対本部もそれを隠蔽するのが関の山だったらしい。これで選挙しろというのがムリな話で、そもそも鳥越氏を連れてきた岡田代表は、投票日前日に代表選不出馬を宣言、自らの敗戦責任を認めてしまったが、あまりにも無責任な対応だった。

鳥越氏は「負けるべくして負けた」と言えるが、岡田氏の狙いは裏目に出て、不満と遺恨が強く残る、野党共闘に大きな影を落とす結果となった。知名度頼みの限界とも言えるが、小池氏を見た場合、知名度なくしては当選もおぼつかないとも言えるだけに、大きな選挙における候補の選定がいかに難しいかも示している。

【追記】
「もしケンちゃん(が候補)だったら何を主張した?」と聞かれた。私であれば、「東京五輪返上」のワンイッシューで勝負しただろう。運営費が最低で1兆8千億円、対して収入が最大で4千億円でしかない東京五輪は、それ自体が最大のムダである。また、小池氏は五輪開催のために財産接収の可能性まで言及し、治安維持のためとして公安や公調が急速に肥大化する中、基本的人権を制限しなければ開催できない五輪は、近代国家の基本的価値を侵害するものでしかない、という認識である。世調では、五輪賛成が6割、反対が4割で、賛成票が二分されている以上、反対票をまとめれば十分に勝機があったはずで、むしろ「五輪の是非」に争点を持ち込むことで、相手方の分裂を誘い、対応を難しくさせたはずだった。それ以外には(あえて言うなら)、「海外出張を半分に」「天下り(都外郭)団体を半分に」を主張しただろう。個人的には、巨大な権限を有しながら行使できない知事を補強するために、政治任用ポストを増やすことを提唱したい。知事と議会が対立すると、副知事すら決められないし、都官僚が強大な権限を有して知事を妨害する現状は大いに改善されねばならない。これは諸刃の剣であることも確かなのだが。東京分割論も主張したいけど、これはどうかなぁ。

【追記2】
もっとも、宇都宮氏は宇都宮氏で、「人の話を全く聞こうともしない人」という評価があり、弁護士内ですら必ずしも評判は良くなく、現実にはなかなか難しかったかもしれない。
posted by ケン at 12:43| Comment(2) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする