2016年06月11日

自らのクビを締める国会議員

【ファーストクラス 衆院が一部解禁 海外出張、正副議長と同行時】
 東京都の舛添要一知事の高額な海外出張費に批判が高まっている中、国会で海外出張の規則が緩められていたことが分かった。衆院議院運営委員会は昨年九月、正副議長に限られていたファーストクラスの利用を、一般議員が正副議長に同行する場合も認めるよう申し合わせを見直していた。
 国会議員は法律上、衆参それぞれの院の派遣で海外に行く場合、首相や議長と同様に、ファーストクラスの利用が認められている。しかし、民主党政権だった二〇一〇年七月、衆院は派遣議員の枠を増やすために一人当たりの座席料金を下げようと、正副議長以外は「原則ビジネスクラスを利用する」と議運委で申し合わせた。
 取り決めを緩和した直後の昨年十月、衆院は正副議長の同行として、韓国とオーストラリア・ニュージーランドに、計五人の議員を派遣した。しかし、搭乗した便にファーストクラスがなかったなどの理由で、五人ともビジネスクラスを利用した。その後も一般議員がファーストクラスを利用した例はない。
 参院は一〇年七月、衆院と同様に議員のファーストクラス利用を規制する申し合わせをした際、正副議長と同行した場合は例外として利用を認めた。一五年には、正副議長に同行した四人の議員がファーストクラスを利用した。東京−ワシントンの正規の航空運賃は平日の片道でファーストクラスが百三十四万円、ビジネスクラスが九十万円、エコノミークラスが六十三万円。格安エコノミー航空券なら十数万円で利用できる。国会議員が各院の派遣で海外出張する場合、歳費とは別に国会から旅費が支給される。衆院は一五年度、二億七千万円の予算を組み、議長・副議長を含む計百二十八人を派遣。一六年度も同額の予算で、百三十人分の枠を用意している。ワシントンやロンドンなど十四の「指定都市」は費用の上限が最も高く、日当は一万五百円、宿泊料は三万二千二百円、食費は一日八千六百円が支給される。
(6月4日、東京新聞)

政治不信というのは、日本の場合、議会と代議制民主主義に対する不信を指している。国政選挙の投票率が、50%を切るかどうかというところまで低下していることは、有権者の半数近くが、議会あるいは代議制の必要性を認めないか、「投票してもムダ」と思っていることを示している。

私もなんだかんだ言って議員秘書歴10年に達しようとしているが、少なくとも私が知る範囲で、「有益」だと判断される、国会議員の海外視察は一つとしてなく、その全ては「思い出づくり」と呼べるような代物でしかない。まして、今日ではインターネットによる映像・画像が普及して、実際に現地に行く必要性はさらに低下している。
国内であれば、被災地を視察して現場のニーズを調査し、行政の対応に不備がないかチェックするといった必要性があるし、公共事業が適正かつ円滑に運用され、地域の需要を満たしているか調べる必要性もあるだろう。
だが、海外視察の場合は、単純に「調査」と「交流」でしかなく、そもそも必要性が低い。明治政府や戦後政府が、新体制を構築するに当たって、欧米先進国を視察・調査する必要性があったことは否定しないが、現代の日本ではそれに該当するものは見当たらないだろう。安倍一派などは、明治帝政を理想としているのだから、尚更だ。

議会への不信が強まっているからこそ、国会議員は自らの襟を正し、批判されるような行為を謹んで、主権行使を委任した国民有権者の信託に応える義務があるはずだが、自民党安倍政権下でむしろ逆行してしまっている。

自らの腐敗に気づかなくなるとき、その体制はすでに緩慢なる死が進行していると考えるべきであり、どうやら日本も例外では無さそうだ。
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2016年06月08日

都知事選は勘弁して

【<都議会>自民・神林議員「都民は怒っている」…知事を追及】
 東京都議会第2回定例会の代表質問が7日午後始まった。舛添要一知事が政治資金の支出などで「公私混同」を指摘されている問題について、最初に登壇した都議会自民党の神林茂議員は「都民は怒っている。せこすぎるとの声がある。調査結果は出たが、説明責任を果たしたとは言えない」と追及した。その後も各会派が舛添知事を追及する見通し。舛添知事は6日、一連の問題について元検事の弁護士に依頼していた調査結果を公表した。調査報告書は政治資金による美術品購入や宿泊費、飲食費の一部支出を不適切と指摘したものの、違法性は否定した。
(6月7日、毎日新聞)

「新しい判断」とか「不適切だが、違法性はない」とか、相変わらずネタは尽きないし、キモチは分かるけど、都知事の政治資金不正流用は自己申告で400万円足らず、都知事選をやることになれば50億円かかることを忘れてはならない。
いまは、「不適切」な人を都知事に選んで(委任して)しまった有権者としての不適切性を悔やむに止めておいた方がよろしいかと。代議制民主主義は、有権者の水準に相応しい人しか選べないものなのだから。
選挙を直に担う者としては、4年で3度の都知事選とかマジで勘弁して欲しい。舛添氏が「不適切」なら、次の選挙で他の「適切」な人を当選させれば良い話であって、今すぐ引きずり下ろしたところで、今この瞬間出馬してくるものなど、ロクなヤツはいないだろう。

ヤメ検の弁護士が「不適切だが、違法性はない」と言うのは、やむを得ないところがあり、政治資金の用途については法的規制が存在しないのだから、それ以外に表現のしようが無い。舛添氏のケチで悪辣なところは、合法性を知りつつ、堂々と政治資金を私的流用していたところにあるが、これも人格や行政官としての倫理観の問題であって、法的には問題ない。
また、政治資金の用途は線引きが難しいところがあり、「視察と旅行」「研究用の学術書と趣味の本」「私的交際と組織対策」の違いなど、非常に曖昧で、何が妥当で何が不適切かは判断する者によっていかようにも違いが生じるため、公正な判断はほぼ不可能と言える。

あと、官邸の機密費で総理の接待を受け、税免除(軽減税率)を霞ヶ関に懇願するマスゴミに、都知事を云々する資格があるのか、という問題もある。マスゴミと自民党は、オリンピック利権を侵害されて大騒ぎしているだけで、連中の主張にはいかなる正当性も無い。
証拠隠滅を図った小渕氏、金銭の授受が明白な甘利氏、収賄関係が明白な五輪招致のケースを考えた場合、巨悪が放置されて、小悪ばかりが排撃されている観がある。その意味で、日本はすでに立派な腐敗大国と化していると言えよう。

舛添氏は人格的に大きな難を抱えていることは間違いないが、行政官としては「優秀」の部類に入る上、中国や韓国にも配慮できるバランスも備えており、現状で彼以上のものを都知事に据えるのは難しいと考えられる。ここは感情を抑えて、冷静に判断すべきだ。
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2016年05月26日

これワナですから!

【同日選見送りの公算…首相、消費増税延期へ】
 安倍首相が、夏の参院選と次期衆院選を同じ日に行う「衆参同日選」を見送る公算が大きくなった。現時点では衆院解散を考えていない意向を与党幹部に伝えた。参院選情勢や熊本地震の復興状況などを踏まえたとみられる。また、来年4月の消費税率10%への引き上げについては先送りする方向で、6月1日の今国会閉会後にも表明する。
 首相は24日昼、公明党の山口代表と首相官邸で約50分間会談し、こうした意向を伝えた。近く自民党の谷垣幹事長とも会談する。山口氏によると、首相は同日選について「今は解散の『か』の字も考えていない」と述べたという。別の自民党幹部は24日、「衆院解散はない」と明言した。首相は、同日選による相乗効果で参院の議席上積みが可能かどうかを検討してきた。共闘を進める民進、共産両党との政権選択選挙に持ち込む思惑もあった。
 しかし、オバマ米大統領の広島訪問決定などで内閣支持率が上昇し、参院選単独でも与党が有利に戦えると判断したようだ。熊本地震で今も多くの被災者が避難生活を強いられていることにも、与党内から「復興より政局優先と批判される」と慎重論が高まっていた。公明党も同日選に否定的な姿勢を崩していない。このため、首相は同日選に踏み切るのは現時点では難しいと判断したとみられる。ただ、野党は今国会で内閣不信任決議案の提出を検討しており、野党の対応などを見極めた上で最終決定する意向だ。
 一方、消費増税の先送りを決めたのは、国内外の経済が不透明感を増す中、増税に踏み切ればデフレ脱却が困難になると判断したためだ。26、27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で世界経済を下支えするための財政出動への協調を取り付けた上で、今国会閉会後の表明を検討している。先送りする場合、参院選後の臨時国会に関連法案を提出する。自民党の二階総務会長は2019年4月まで2年間先送りする案を首相に提言している。消費税率は14年4月に5%から8%、15年10月にさらに10%に引き上げる予定だったが、首相は14年11月、衆院を解散するとともに10%への引き上げを1年半先送りする方針を表明していた。首相はこの際、消費増税について「再び延期することはない」と語っていただけに、野党が厳しく追及するのは必至だ。参院選は「6月22日公示―7月10日投開票」の日程で行われる予定だ。
(5月25日、読売新聞)

これはミエミエのワナ。
安倍氏的には、衆参同日選に打って出たいと考えているものの、大義名分に欠け、党内や衛星党の反対も強く、決断が難しくなっている。そのため、まず総理から「和解のサイン」を出して、野党がそれを拒んで首相不信任案を出してきたら、「野党が解散を求めてきた」として(不信任案の成否にかかわらず)解散する、というハラ積もりなのだと考えられる。
この場合、政府の影響下にある日本の大手マスゴミは、

「困難な情勢下にあって、総理が挙国一致を求めて和解のサインを送ったのに、野党は無視して自爆テロを敢行」

として、一斉に全面非難するだろう。そうなれば、解散の責任は全て野党に帰せられるため(野党が解散を要求し、総理が応じた)、衆参同日選の正当性が成立する。『パックス・ブリタニカ』の開戦責任や、『トワイライト・ストラッグル』の核戦争ボタンのルールと同じ発想と考えて良い。

逆を言えば、向こうは「不信任案を出さないなら、解散しない」とまで言ってきているのだから、不信任案を出さないだけで、野党に圧倒的に不利な同日選を避けることができる。このまま行けば、自公政権は経済的に行き詰まると見られるだけに、衆院選はできるだけ野党に有利な状況で行うべきであって、それは今ではない。

でも、うちの社長は、「総理に言われたから、不信任案を出さないなんて、道理に合わないし、市民に説明つかない」とか訳の分からないことを言って、出しちゃうんだろうな・・・・・・
バカばっか!
posted by ケン at 12:12| Comment(2) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月23日

どうでもいいけど、どうするつもり?

【「国民怒りの声」小林氏、社民 生活からの対等合併拒否】
 政治団体「国民怒りの声」の代表を務める憲法学者の小林節慶応大名誉教授は19日、団体立ち上げに合わせて東京都内で記者会見し、社民党と生活の党と山本太郎となかまたちからそれぞれ対等合併の打診を受けて断ったことを明らかにした。小林氏は、社民の吉田忠智党首、生活の小沢一郎代表とそれぞれ面会したことを明らかにした上で、「2つの党の党首から政策が同じだから合流したいという話があった。対等合併という話だったが断った」と述べた。拒否した理由については「われわれは既存政党の浮輪ではない」と説明した。同団体は夏の参院選比例代表に候補者10人の擁立を目指している。小林氏は候補者について男女それぞれ5人ずつとする考えを示した。今月末まで候補者を公募する。 
(5月19日、産経新聞)

どこまで政治オンチなのか。社民と生活を足せば、単純計算で150万票前後になるので、そこに「エリート市民」「新党」「民進批判」効果がついて、300万票にも届いて3議席に至る可能性はあったと思うのだが。全員独自路線で行ってしまった場合、社民90万、生活60万、国民30万票で、どこも議席を得るに至らない公算が高い。
しかも、候補者を公募とか、公募議員の現状を知らなさすぎな上に無責任だろう。新党だからこそ、コンセプトを明示した上で、党の責任を持って自ら太鼓判を押す候補者を用意すべきであって、公募は「責任の丸投げ」でしかない。

・公募議員の質が低いワケ 

おバカな議員が「300万票くらいとるかもしれない」などと呟いていたが、カネも候補者もなく、現職議員がいないため、マスコミは「諸派」扱いしかしないのだから、そもそも話題に上ることも無いだろう。
まぁ、しょせんは学者ということか・・・・・・

【追記】
事務所には、相変わらず、「野党共闘を進めろ」「なぜ共産党と共闘できないのか」類のメールやファクスが山ほど届くが、ご高説は間に合っている。そういう人たちには、安全圏から国会議員に意見するのでは無く、ぜひとも自ら共産党に入党していただいて、共産党員として「民共合作」を推進してもらいたいものだ。ボリシェビキにもエスエルにも入党しないで、ロマノフ帝政を批判してみたところで、全く説得力が無い。
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2016年05月21日

舛添氏をまだマシ論で擁護する

【第三者に調査依頼=政治資金問題、辞任は否定―舛添都知事】
 東京都の舛添要一知事は20日の定例記者会見で、自身の政治資金問題をめぐり、改めて陳謝した。その上で「第三者の厳しい目で調べてもらった方がいいという結論になった」と述べ、政治資金規正法に精通した外部の弁護士らに調査を依頼することを明らかにした。自身の進退に関しては「都民の信頼を回復したい」と語り、改めて辞任を否定した。
(5月20日、時事通信)

舛添氏の人格あるいは金銭的問題は以前より指摘されていた。それらについて疑う余地はないのだが、それでも敢えて擁護しておく。

行政官としての能力を考えた場合、現状、彼以上の人を知事に据えるのは難しいという問題がある。例えば、舛添氏は自民党の後押しで知事になりながら、森喜朗を筆頭とする巨大利権を抱える五輪に手を入れ、施設建設を大幅に見直して見積もりを下げさせ、施設整備費の分担についても、国や五輪委を相手にタフな交渉を行っている。外国人学校の建設に積極的であることも、他の保守系知事では難しいに違いない。

だが、その巨大な五輪利権こそが自民党そのものであったがために、今回のスキャンダル暴露に繋がったものと考えられる。また、公用車による別荘への往来が暴露されたことは、情報源が都庁内の官僚であることを示しており、都議会自民党と都官僚がタッグを組んで、「舛添下ろし」を行っていることが分かる。
また、石原氏の金銭的乱脈については、全く触れなかったマスゴミが、今回手のひらを返したかのように舛添氏を攻撃していることは、自民党・官僚・メディアの権力独占と癒着の存在を示している。誰であれ、五輪利権に手を付けることは許されないのだろう。
かつて鳩山総理が、内部情報を暴露された挙げ句、バッシングを受けて辞任を余儀なくされた経緯とよく似ている。日本の暗部のローカル版と言えよう。

氏が辞任して、ハシモトとかになったら目も当てられないだろう。道徳的退廃は確かに罪だが、それで政治家の能力を全否定したところで、結局のところより大きな被害を受けるのは、有権者自身ということになるのだ。
いま攻撃すべきは、五輪とその利権を漁る自民党であって、舛添氏では無い。小悪に拘泥して、巨悪を見逃すようなことがあってはならない。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月20日

6月1日解散確定?

【安倍首相、きょう公明・山口那津男代表と党首会談 自民・谷垣禎一幹事長とも会談 消費税再増税延期へ最終調整】
来年4月に予定している消費税再増税の延期をめぐり、安倍晋三首相が18日に公明党の山口那津男代表、自民党の谷垣禎一幹事長と個別に会談することが分かった。首相はすでに再増税を延期する方針を固めているが、山口氏は政府・与党による事前協議を求めている。首相は夏の参院選前に延期を最終判断することも視野に、本格的な調整に乗り出す考えだ。
 再増税の延期をめぐっては、山口氏が17日の記者会見で「首相や担当相の判断だけで決められるものではない」と強調。再増税が延期されれば、増税分を財源とする社会保障の充実策についても検討が必要。自公両党が昨年合意した軽減税率導入についても再び協議になる可能性があることから、公明党は予定通り来年4月に再増税すべきだとの立場を取っている。ただ、18日には再増税の可否を判断する指標となる平成28年1〜3月期の国内総生産(GDP)速報値が発表される。実質的なマイナス成長となる可能性も指摘されており、再増税を見送る環境は整いつつある。首相は26、27両日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)直後に増税先送りを正式表明することも視野に、山口氏らに経済情勢を説明するとみられる。
(5月18日、産経新聞)

どうやら安倍氏は衆院解散を決断したようだ。この党首会談は、「再増税延期を大義名分に衆議院を解散して、同日選で民意を問う」ことを確認するためのものと見るべきだ。
それを裏付けるかのように、この数日で急にマスコミから調査票(選挙報道用基礎データのアンケート)が衆議院でも配布されている。かつて日本で、1945年7月中旬に、民生部門企業の株価が急騰したことがあったが、これは終戦・降伏の情報が流れたことによる市場の反応だった。こういう「予兆」を見逃さないのも秘書の仕事である。

自民党は先週末辺りに全国規模の世論調査を行ったとされ、その報告は、

「同日選であれ、個別選挙であれ、自民党の大勝は確実。衆議院でも最低評価でもマイナス10議席にしかならない」

旨の結果を得たという。さらに、サミットとオバマ米大統領の広島訪問で、内閣支持率はさらに高騰するとみられており、「万に一つにも負けは無く、単に勝ち方の問題」との認識をつよめているようだ。
安倍氏的には、本質的に「歴史に名を残す」ことに対する執着が非常に強いと言われており、「30年ぶり」「小選挙区制で初の同日選」への誘惑があるという。
ただ、沖縄で米軍属による犯罪事件が起きたことが、決断に影響する可能性は否めない。

なお、私の獲得議席予想を記しておく。民進党はすでに大敗が確定しており、選挙後には一波乱ありそうだ。ちなみに、民主党・民進党の支持率は、鳩山政権末期で24%、野田政権末期で12%あったが、維新残党を吸収した今日では8%しかなく、いかなる点においても勝てる要素が無い。ただし、「おおさか」は勢力を大きく減退させているというが、だからと言って民進に支持が集まっているわけでも無い。

【衆参同日選獲得議席予想】

参議院(改選121)
自民 70±5
民進 20±3
KM 11±2
NK  9±2
維新  5±2
無他 10±2

衆議院(定数475)
自民 310±10
民進  90±5
KM  30±5
NK  25±3
維新  10±5
無他  10±3
posted by ケン at 12:20| Comment(0) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月15日

気持ちは分かるけど、ダメな例

【小林節氏ら参院選出馬へ 「安保法廃止」で政治団体設立】
 安全保障法制を「違憲」として廃止を訴える憲法学者の小林節慶応大名誉教授(67)らが政治団体を設立し、夏の参院選に比例区から立候補する意向を固めた。「反安倍政権」を旗印に候補者をインターネットなどで募り、小林氏も含めて選挙運動が認められる10人以上を擁立する方針。9日に記者会見して発表する。
 新たな政治団体は政策として、安保法廃止▽言論の自由の回復▽消費増税の延期▽原発廃止▽「憲法改悪」阻止――などを掲げる。参院選では、公職選挙法の規定で政党に準じた選挙運動が可能になる「確認団体」となるために、少なくとも候補者10人を立てる予定。立候補に必要な供託金も、ネットなどを通じて支援を募るという。
 小林氏は昨年6月の衆院憲法審査会に参考人として出席し、集団的自衛権の行使を認める安保法制を「違憲」と指摘した憲法学者の一人。今年1月、有識者らと「立憲政治を取り戻す国民運動委員会」(民間立憲臨調)を設立し、「安保法廃止」を掲げる野党間の選挙協力を呼びかけてきた。
(5月9日、朝日新聞)

1990年代くらいから、何度かこの手の「有識者」による独自候補擁立が行われているが、成功した例しがない。それは当然で、参院全国比例で一議席を取るためには120万票以上、最低でも100万票以上取る必要がある。
「反安保、反TPP、反原発を掲げれば、今なら100万票位は余裕だろう」というのは素人考えで、それはこれまでの「平和」や「みどり」を掲げて参戦した人たちも同様だったに違いない。そして、それは全く選挙の実務を考慮しない発想なのだ。

具体的に考えるなら、現在ある約1800の各自治体で700票ほども取る必要があるが、それは各自治体に一人の自治体議員がいて、その票の全てが投じられなければならないことを意味する。が、現実には1800人の自治体議員がいるわけではないため、同じだけの票を獲得するための選挙運動を担う組織力が必要となるが、市民団体にはそれもない。ちなみに、1800人の自治体議員というのは、自民党公認者の数字であり、民進党では1000人前後しかいないことを考えれば、全く非現実的な数字であることが分かろう。

労働組合や大手市民団体を伴わない、学者と元議員が立ち上げただけの団体は、実際の選挙運動を担うものがおらず、具体的にはポスターを貼るものも、ビラを配るものも、選挙ハガキを依頼するものもいないことを意味する。結果、テレビとインターネットに頼るほか無く、現実には「意識高い系市民」以外は誰も知らないまま投票日を迎えることになるだろう。
この手の人たちが選挙に勝つとしたら、東京や大阪などの大票田の選挙区で「最後の一議席」を狙うしかない。前回の参院選で山本某が当選したのがこれになるが、それも各種非合法あるいは政府監視下にある諸団体が手足となって全面的に支援したためであって、決してタレントの知名度だけで勝ったわけではない。
そもそも彼らに供託金だけで6千万円(10人分)、運動費用を含めれば1億、2億円もの資金を集められるとは思えない。

元はと言えば、野党協力に全く関心の無い民進党岡田代表の冷酷な対応が、「意識高い系有識者」の反発を生み、今日の事態を招いただけに、民進党執行部に対する懲罰行動となることは間違いない。彼らは一議席も得られないだろうが、民進党は一議席を失うかもしれない。民進党は、知的エリート層からダメ出しを喰らったという点で、今後の展開が難しくなるかもしれない。

今回の学者たちの行動は、反権威主義を掲げてのものだが、大衆から見れば「エリート主義への回帰」にしか見えないだろう。現行の安倍政権が、反知性主義とエリートに対する不信の上に成り立っていることを思えば、社会的エリートが「自由を取り戻せ」と主張することに、どれほどの支持が集まるのか、正直なところ疑問を禁じ得ない。
本来、政治とは泥臭いもので、理念と政策を掲げて地道に党員を増やし、自治体議員を出し、何年何十年とかけて国会議員を排出してゆくものであり、大衆党員もいないところに「この指止まれ」で国会議員だけ当選させようという発想自体が、大衆が嫌悪するエリート主義の権化なのだ。
posted by ケン at 01:00| Comment(3) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする