2017年05月20日

信長最大の好機?

またもマスターのドタキャンと欠席者続出によりRPG会が流れ、急遽3人で「信長最大の危機」(GJ)をプレイすることに。「信長の忍び」アニメ化記念でもある。
(ゲーマーとして)リハビリ途上にあるT後輩を「教育」するとして、織田を持ってもらい、O先輩が浅井・朝倉と武田・上杉を、ケン先生が本願寺、反織田中小、毛利を持った。

序盤、織田のチットの出具合も行軍ダイスも順調で、ゆるゆると金ヶ崎から撤退した後、六角氏を一撃で屠り、返す刀で浅井領の横山まで進撃、横山城も一撃で陥落させた。
ただ、反織田方も順調で、三好勢が石山に入り、替わって雑賀・本願寺勢が信貴山、大和郡山城を強襲、それぞれ一撃で落とし、松永久秀と筒井順慶を血祭りに上げた。

信長はさらに兵を進め、浅井氏の本城小谷を包囲、強襲するが、これも一撃で陥落。考えられる限り、最速で「宿題」を片付け、近江兵を配下に入れた。
本願寺も負けじと勝竜寺城に兵を進め、これも一撃で陥落、京の手前まで迫った。
織田方は、朝倉との決戦を諦めて、京に引き返し、本願寺が動く前に野戦に持ち込み、一方的に叩いた上、雑賀孫一まで討ち取ってしまう。ケン先生的には、「雑賀率いる2万4千の本願寺(12ユニット)が一撃で全滅?」というコンスコン司令官のキモチだった。

こうなってしまうと、反織田方は何もできることがなくなってしまい、朝倉は越前に引き上げてゲリラ戦の構えを示し、本願寺は石山に立て籠もるほかない。武田が参戦するも、「聞いてた話と全然違うじゃねぇか」という感じだ。
武田は、順調に掛川城と二股城を落とし、長篠を調略して、浜松に迫る。

織田勢は、今度は東海道を走って伊勢長島を強襲、ここでも一撃で4ユニットの本願寺勢を除去して陥落させた。凄まじいダイスである。
武田としては、さすがに打つ手が無く、「毛利が出てくるまでお茶を濁すしかないか」と考えていたところ、いきなり信玄が死亡してしまう(毎ターン終了時に2D振って3以下で死亡)。武田方がパラライズしている間に、織田軍が走ってきて二股で野戦となり、第一ラウンドは勝頼が主導権をとって一方的に織田を攻撃するも、ダイスが振るわず、二ラウンド目で織田が主導権をとって武田軍を壊滅させてしまった。鎧袖一触である。

毛利が出陣するまでまだ3ターンもあり、反織田方は投了。先輩の面目丸つぶれであるが、「信長公記でもここまで一方的じゃねぇよ、牛一もビックリ」であることは間違いない。
posted by ケン at 13:00| Comment(2) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月13日

Triumph and Tragedy (GMT)

「三人ゲームの名作」と名高いGMT社「Triumph and Tragedy」を初プレイ。寄る年波に勝てず、2度も延期になっていただけに待ちかねたくらいだった。
第二次世界大戦の全容を、英独ソの3人で、開戦前の1936年からプレイする「マジか?」という規模の作品。この規模になると、ほぼほぼプレイ不可能なビッグゲームになるか、アッサリしすぎて「独軍のダイス目次第」になるかのどちらかなのだが、本作は従来の超戦略級とはひと味違うらしい。しかも、懐かしさを感じる積木ゲームというところも良い。
ケン先生は何故かこの手の超戦略級が好きで、あれこれ試してみるのだが、毎回「やっぱりダメだな」を繰り返している。道楽者である。

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本作は、各陣営が有する生産力を使って、軍備(積木)、外交カード、技術開発カードを購入する。開戦前は、外交戦をやったり、工場を建てたり、技術を開発したりするが、一度開戦すると、作戦カードを兼ねる外交カードを使って軍を動かし、攻撃する。
軍備、外交・作戦行動、技術開発はトレードオフの関係にあり、どれを重視するかはプレイヤー次第となるし、他者の行動を見て自分の行動を変える必要も生じる。

「生産力その他で25VPにする」「自陣営外の首都級都市を2つ占領する」「核開発を4レベルにする」という、3つある勝利条件のうち一つを達成すればサドンデスに終わる。

全てにおいて自由度の高さが(史実再現性よりも)優先されており、ドイツが一切宣戦布告せずに済ませることも可能なら、ソ連が南下政策を実行して連合国に宣戦布告してインドになだれ込むことも可能なのだ。
とはいえ、システム的に、前段階の外交戦が飽和しても勝利が得られないとなると、他陣営に宣戦布告してVPをゲットするかという話になるため、あまり突飛な選択はやはりしづらい気もする。
この日は11時から始めて7時までに2プレイ(2回目は途中講和)できたが、初回ということを考えても、相当にプレイ・アビリティは高い。

初回、ケン先生は連合国(イギリス)を担当。O先輩がドイツ、T後輩がソ連を持った。連合国もソ連も自国の生産力拡張を優先して、ドイツ外交を半ば放置していた結果、1940年くらいまでの中欧や北欧は真っ黒に染まり、「平和の配当」(前ターンに戦争行為をしていない)と核開発(1段階につき1VP)で25VPを達成し、平和状態のまま41年冒頭にドイツの勝利宣言がなされサドンデスに終わった。
「平和の配当」はランダムのチットで0〜2VP(平均で0.6)あるが、平均をはるかに上回る6VPを得て、核開発の1VPを含めて7VP、経済力(人工と工業力)の18VPを足して25VPとなったわけだが、3時間程度で終わってしまい、「あれ、もう終わり?」という拍子抜けの観は否めなかった。

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2回目は、ソ連と連合国が入れ替わる。前回の反省を込めて、ソ連も軍備と外交にそれなりに注力するが、衛星国化できたのはペルシア、ギリシア、オランダなどで今ひとつ。ドイツは今度は外交では無く、軍事力で中欧諸国の併合を進めるが、むしろ外交よりも時間がかかり、「平和の配当」が得られない分だけ不利な印象。ポーランドをドイツに併合されてしまったので、ソ連がバルト三国とフィンランドに侵攻したのは「お約束」な観がある。
中立国侵攻では、必ず中小国要塞が先制攻撃してくるので、なかなかノーダメージでは併合できず、さらに中立国の大きさによって数枚の外交カードが他の2国に配られる(国際情勢への影響)ため、少なくともお得感は無い。
最終的には、今回も中欧が真っ黒に染まるも、微妙にソ連が邪魔している形となる。ただ、ソ連もドイツも互いに攻め込むには戦力的優位を持たず、「先にやったものが負け」なイメージ。
連合国はどこまでも非力で、アメリカが陣営に加わって初めて二陣営に対抗できるイメージ。初期工業力が低い割に守るべき場所が多すぎて、「欧州大戦なにそれ?俺を巻き込まないでよ」みたいな感じ。
最終的には、1940年冬まで開戦せず、三すくみの状態のまま時間切れ終了。VP的には、ドイツ21、英ソ19で拮抗していた。三人プレイで、ドイツがやや強いものの、それなりに拮抗しているので、二者が戦争に突入すると、残る一者が得するだけの構造になるため、どうしても「戦争始めたものが負け」という印象がある。

総評としては、シンプルなルールとシステムながら、プレイ順の決め方を始めプレイが単調・一方的にならないための処理が非常に巧みで、三陣営のバランスやマップの作り方も見事だ。
だが、いざプレイしてみると、どう見ても防御側有利で、始めから軍事的勝利を目指さない限り、軍事力で一方を屈服させるのは難しい。例えば、本ゲームでドイツがフランスに侵攻した場合、ソ連としてはドイツの背後を襲いかかるか、一緒に連合国に宣戦布告してインドに侵攻するか、二つの選択肢があるが、どう見てもソ連が得るものの方が大きい印象がある。「三人用ゲーム」の常ではあるが、「戦争始めた者が不利」であるため、よほどのことが無い限り、他陣営に宣戦布告するのはリスクが大きい。

また、平時の処理は非常に良くできているが、肝心の軍事については、例えば空軍が陸軍部隊に対して「D6で1のみ」でしかダメージを与えられないとか、歩兵が「3以下」なのに対して戦車が「2以下」でしかダメージを与えられない(先制権はある)とか、「歩兵だけでいいんじゃね?」と思わせてしまうところがあり、ウォーゲームとしては微妙なところがある。とはいえ、この点は今回結局大国間同士の戦争が起きなかったため、どうなるのか分からず、判断は保留すべきだろう。

欧州大戦の全容をシミュレートし、かつプレイ・アビリティに優れ、展開も無数の可能性があり、この規模のゲームでは私としては初めて「アリ」と思わせてくれる作品に仕上がっているが、「このゲームは戦争したら負けなんじゃね?」という根本的な疑問が残り続けている。プレイヤーや組み合わせを変えて、もう一度検討したいものだ。
そういえば、やはり15年くらい前に同社の「Europe engulfed」という戦争に特化した欧州大戦の積木作品を買って、一度並べただけで納戸にしまい込んでいるので、いずれ引っ張り出して比較してみたいところである。
posted by ケン at 09:00| Comment(0) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月08日

15年ぶり?GMT “Paths of Glory”

連休初日はK先輩にGMT 「Paths of Glory」の相手をしていただいた。何と言ってもロシア革命100周年であり、「幼女戦記」アニメ化記念でもある。
キューブリック先生の名画のタイトルにもなっている通り、第一次世界大戦の全容をカードドリブン化した作品で、名作の誉れも高く、制作から20年近く経った今でもそれなりにプレイされているようだ。通称は「パスグロ」。
とはいえ、アニメほどでは無いにせよ、それなりに新作が出ている中でなかなか手が回らないのが現実。こんな腐敗した業界の汚れ稼業なんぞ、さっさと足を洗って引退し、ゲーム三昧の日を過ごしたいと思うのだが、それにはまだ20年以上働く必要がありそうで、とてもそこまで生き延びられる気もせず、考えると憂鬱になりそうだ。

ケン先生も購入した当初に2回程度はプレイしたと思うのだが、それから15年近く経っているような気がする。今回確認したのも2001版のルールだったので、最新バージョンを読み直した。本ブログで紹介していないことを考えても、やはり最後にプレイしたのは2002年とか03年のことかもしれない。
第一次世界大戦のキャンペーンゲームは、日本でこそマイナーなものの、欧米では需要が高いようで色々選択肢がある。だが、やはりヘクスものにしてしまうとプレイ・アビリティが下がるようで、概ねプレイ可能性の疑わしいビッグゲームになっている。その点、本作は、エリア方式、「Point to Point」式、カードドリブンなどを組み合わせることで、「頑張れば丸一日でプレイ可能」なプレイ・アビリティを実現し、一種のデザイン革命を起こした作品でもある。
ただ古い記憶を辿ると、同社の「三十年戦争」と同じ、あるいは史実同様、「とにかく決着がつかず、ダラダラ続くゲーム」という印象は否めない。

今回初めての先輩が連合国、ケン先生が同盟国を担当。私の記憶では、連合国側は無難に対応していれば酷いことにはならないが、同盟国は勝ちに行くのが難しいというイメージだった。

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ドイツ軍は、「八月の砲声」イベントでリエージュを落とした後、その勢いでセダンも落とし、カンブレーの仏軍も排除するも、兵力不足で後が続かない。ブリュッセルも早々に陥落させ、英大陸派遣軍を撃滅するも、早くも戦線が延び延びになってしまう。
フランス軍は敢えて反撃せず、増援と戦力回復に努め、同時にロシア軍の動員や戦時体制の向上に努める。
ドイツ軍の初動は順調だったものの、やや動員が遅れ、戦時体制の移行も進まず、この点は連合国に後れを取ってしまう。
連合国は1915年に入ると、ルーマニア、続いてイタリアを参戦させるが、同盟国側のブルガリアの参戦は遅れ、南欧戦線の手当に戦力を割いたところ、ロシア軍にオーストリアを攻撃され、危険な状態に陥るが、ロシア軍も後が続かず、ドイツ軍の援軍によって押し返される。
15年の後半には互いに消耗戦モードに入って、ダラダラと殴り合いを続けてしまうが、同盟国側は、シナリオ毎の勝利条件的には「ギリギリ負けない」程度のVPを維持していたに過ぎなかった。1916年後半までプレイしたものの、同盟側は「戦線を維持しているだけ」の状態に陥り、時間の都合もあって投了した。

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同盟としては、西部戦線で大ナタを振るった後、返す刀で東部戦線のロシア軍を殴って大打撃を与えるというのが、一つの定石だと思うのだが、今回は独軍の動員が不十分だったことや、ルーマニア・イタリアの連合側参戦が早かったこともあって、思うようにはできなかった。とはいえ、イタリア参戦のタイミングで、イタリア軍を撃破して、半島のVP群を奪取してサドンデスに追い込むという手段もあったわけで、「一体全体、どのタイミングのどれが悪手だったのか」考え込んでしまう。

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やはり本作の同盟は難易度が高そうだ。もう少し研究して今年中にもう一回は再戦したいところである。
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2017年04月29日

S&T “Kaiser's War in the East”

Strategy and Tactics誌第301号の付録ゲーム。日本ではあまり馴染みの無い、第一次世界大戦の東部戦線キャンペーン。確かGJ誌の付録にもあったが、カードドリブン式だったため、様子見したままになっていた。本作は、オーソドックスなシステムを採用している。デザイナーは、「The Soviet-Afghan War」のJ・ミランダ氏。

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1ターン=一カ月(冬期は二カ月)で、ユニットは軍または軍団単位。キャンペーンは、1914年8月から1917年までだが、15年や16年のシナリオもあり、オプションでロシア内戦を含む18年のプレイも可能。プレイ時間に応じてシナリオを調整できる融通さも魅力と言える。
基本システムは、オーソドックスな動員、移動、戦闘を繰り返すものだが、移動力はロシアの軍で「2」、ドイツの軍で「3」とかなり限定的。そして、移動は1回だが、戦闘が立て続けに2回行われるため、結果によっては戦線に大穴が開くこともある。ただ、二次大戦のような機械化移動があるわけではないので、ド派手な展開にはなりづらい。

基本的には一次大戦らしく地味に鈍器で殴り合うイメージではあるが、先に動員したロシア帝国軍が殴りかかり、同盟諸国は何とか耐えながらドイツ軍精鋭の動員を待って反撃に転じるというのが1つの流れになりそうだ。また、1916年8月にはルーマニアが連合国側で参戦、次いでブルガリアが同盟側で参戦するので、一気に戦線が拡大する。ドイツ軍はロシア軍に優位、ロシア軍はオーストリア軍に優位という力関係が、戦略を大きく規定する。

興味深いのは、敵ユニットの除去と戦略重要拠点の占領・維持によって勝利得点を獲得するのだが、そのVPを消費して強行軍や大攻勢に必要な補給拠点や除去された軍・軍団の再編を行うため、チキンゲーム的な要素があり、下手に頑張りすぎるとちょっとした失敗、手違いでいきなりVPがゼロになってサドンデス負けしてしまう恐れがある。
また、ドイツ軍の戦略重点(西部戦線か東部戦線か)によってシークエンスの変化もあるため、いくつかの時点でターンオーバーが起こる仕組みになっており、これを上手く使うことで大突破を図ることも可能になっている。が、この点はいささか熟練が必要となりそうだ。

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この日は3人でGMT「Triumph & Tragedy」をプレイする予定だったが、2人の都合が悪くなって中止。一人で本作を並べるところとなった。寄る年波には勝てぬということか。
15年初夏までプレイしたところでは、地味なイメージは否めないものの、コンパクトなシステムで一次大戦や東部戦線の雰囲気を良く再現しているという感触を得た。
いずれは対人で試したい。
posted by ケン at 10:00| Comment(0) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月20日

The Soviet-Afghan War (MW)

「Strategies and Tactics」誌の姉妹誌である「Modern War」第26号を購入。付録ゲームは「The Soviet-Afghan War 1979-1989」

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確か12月初旬に米国で刊行されたはずだが、同下旬には付録ゲームのルール和訳が添付されてイエサブで販売されていた。ロクに確認せずに衝動買いしてしまった結果、開けてみてからソロプレイ専用であることに気づいた。まぁソロプレイ用と分かっていても、考えた挙げ句買っていただろうから問題は無い。ソ連・東欧学徒としては避けて通れないテーマである。
デザイナーはJoseph Miranda氏。初見のデザイナーだが、S&T誌を中心に古代から現代戦まで手広くデザインされている模様。

対ゲリラ戦をソロプレイとか考えただけで鬱々しそうなシチュエーションだったが、テーマもマイナーなだけに人を誘うのも気が引け、まずは一人で試すことにした。
だが、ルールを読んでみると、色々独特なシステムの上、(訳ではなく)ルールそのものに不備が多く、特に兵科記号やユニットの説明に不足が多いため、「スペツナズ旅団ってどれ?」「イスラム義勇兵ってどれ?」「ジハーディストとイスラム義勇兵は別物?」みたいな混乱が次々と生じた。こういう時も他人がいれば、相談もできるが、一人だと延々と原文と日本語ルールを見て悩まないとならない。
とはいえ、ルールそのものは簡単で、ユニットも少ないため、一度プレイしてシステムを把握してしまえば難しいことは何も無い。

取りあえず1979年のソ連による軍事介入から始まる第一シナリオをプレイ。1ターン1年で、短期シナリオだと80年までの2ターンで、カブールと他4都市とサラン峠(トンネル)を制圧、支配することが求められる。
ゲリラはまず2ユニットがカブールに配置された後、さらに8ユニットが国内にランダムで置かれる。ソ連軍はカブールに駐留する特殊部隊の他は、4個機械化師団と1個空挺師団を基軸とする介入軍がウズベキスタンに待機中。あとアフガニスタン政府軍が全国に配置されるが、初期配置の後、治安部隊と特殊部隊を除く戦車師団と歩兵師団は「逃散チェック」が入り、恐ろしいことに1D6で「1〜4」で除去されてしまう。いきなり萎えそう。

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赤が政府軍、カーキはソ連軍、ゲリラは基本裏返して配置される。

だが、本ゲームの恐ろしいところは、見た目ではなく、ソ連軍や政府軍が行く先々で雲霞のごとくゲリラが沸いて出てくるところにある。戦闘中のエリア、あるいは未占領のエリアで軍が移動を終えると、ゲリラ側の士気チェックを行い、成功すると士気値に該当する数のゲリラが新規で置かれるのだ。
しかも、ターン開始時の動員フェイズで、ゲリラは数個ランダムで登場するが、一度制圧、占領したエリアにも置かれるので、全く安心できない。逆にこのランダム配置で、都市部にゲリラが登場しなければ、コミュニスト側が勝利条件を達成できる可能性が生じるため、ランダム要素が大きい。

ちなみにこの士気値は両軍ともに0〜12あり、0になると士気崩壊でサドンデスになるが、コミュニスト(プレイヤー)の初期値は4、ゲリラは9から始まる。ソ連軍移動後、2D6の士気チェックを行い、9以下に成功するたびに4ユニットの新規ゲリラが配置されるわけだが、コミュニスト側はエリア毎に6ユニットのスタック制限がある。
戦闘は1ラウンド限りで、コミュニスト側は最大の6ユニットを動員しても除去できるのはせいぜい3ユニット前後でしかない。「打ち漏らし」があると、次の戦闘でまたゲリラが沸いてくる恐れがあるし、ゲリラ側の攻撃でコミュニスト部隊にダメージが入るとソ連側の士気が低下する。
しかも、コミュニストは作戦行動(移動・戦闘)をするたびに士気値を消費するため、「ゲリラが出た」とばかりに討伐に向かうと、討伐に向かっただけで士気が下がり、さらに自軍に損害が出て士気が下がってしまい、ターン終了時には士気値は1か2程度しか残らない構造になっている。そのため、コミュニスト側に立て続けに損害が出ると、それだけで士気崩壊でサドンデス敗北になってしまう。
一方、ゲリラ側は支配エリアと「両軍不在」の合計エリア数によって毎ターン士気が上がる上、さらにイベントでも上がりやすくなっているため、戦闘で1、2ポイント失ったところで、常に10前後の士気を維持している。

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ジャララバードは孤立。クンドゥズとカブールは継戦中、サラン峠とパンジシール渓谷は放置、とても勝てそうに無い。

実際のプレイでは、一度目は「カブール」「他四都市」の占領には成功するも、サラン峠の支配に失敗して終了。
若干ルール理解を誤っていたので、もう一度同じシナリオをプレイするも、2ターン目の作戦でコミュニスト側の損害が続出した上、ゲリラ側の攻勢でも損害が生じてソ連の士気がゼロになってサドンデス敗北。
3度目は、長期シナリオにするも、ゲリラは増えるばかりな上、その士気は10〜12で高止まり、コミュニスト側はギリギリ士気崩壊を免れるのが精一杯で、1985年までプレイするも、全く勝てる見込みが無く、諦めた。

コミュニスト側はいくつか幸運な状況がそろえば、一時的に勝利条件を達成できる可能性がなくは無いが、基本的に展望の無い「無理ゲー」を続ける展開になりそうだ。
まぁ「史実はこんなものだった」と言われればそうかもしれないし、歴史体験としては興味深いが、ゲームとして面白いかと聞かれれば微妙すぎだろう。
取りあえずもう一度『第9中隊』を見ておくか。

【参考】
・ソ連のアフガニスタン介入における意思決定過程 
・『アフガン』(第9中隊) 
・『アフガン侵攻1979-89: ソ連の軍事介入と撤退』 ロドリク・ブレースウェート 白水社(2013)
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2017年04月16日

フンタ:カードゲーム

往年の名作「フンタ」がカードゲームとなった。オリジナルは1978年の制作なので、もう40年もの歴史を有する。確かに自分が高校生の頃にはプレイしていた。
このゲームでは、プレイヤーは「バナナ共和国」の名を冠した暫定政権の一員です。政府は毎ラウンド、海外援助という名の多額の小切手を一切口を挟まずに送ってくれる、全世界的超権力の支援を受けています。最も多くの金を自分のポケット、すなわち自分のスイス銀行口座に効率的に詰め込んだプレイヤーが、ゲームに勝利します。その一方で、あなたは他人に策略を仕掛け、票を買い、暗殺者を雇い、建物を吹き飛ばし――そして時に応じて、現在の大統領にクーデターを起こし、願わくば新たな大統領を目指しましょう。
(ホビージャパンHPより)

私が初めてプレイしたのは、ちょうどフィリピンのマルコス政権が倒された「エドゥサ革命」が起きた頃で、「バナナ共和国」ということもあって、「フィリピン・ゲーム」と呼んでいた。
上の紹介文の通り、プレイヤーは国を牛耳る大ファミリーの頭首で、仲間内で大統領や閣僚の座を回し、海外からの援助金を奪い合いながら、最終的に貯め込んだ金額が一番多いものが勝利するという、「ブラックにも程がある」作品。

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オリジナルはプレイヤー7人が標準で、人数が欠けると大きくバランスが崩れるため、コンベンションのような大会場でないとまともにプレイできなかった。また、クーデターがゲームの中で非常に大きな位置を占めているが、先の暗殺フェイズで殺されてしまうとまともに参加できなかったり、ずっと不遇のままだと精神的にキツかったり、クーデターが長引いて延々と続いたりと、面白いが不満もあるゲームだった。

今回カード化されるに際し、暗殺フェイズが廃止、クーデターも非常に簡素化され、非常にアッサリした仕上がりになっている。クーデターのウォーゲームっぽさが好きだった人からすると、完全に魅力を失っていることになる。
だが、コンパクトにまとめられたことで、最大の難点であるプレイ・アビリティが解決され、恐らく4〜5人が適正で、プレイ時間も1時間以内に終わる感じだ。「予算」の賛否を示す投票も、暗殺や泥棒も、クーデター時の戦力も全て手札カードに集約されている。
逆にクーデターを除く骨格部分は残されており、大統領が受け取る海外援助金をめぐってファミリーが骨肉の争いを演じる「フィリピン・ゲーム」の雰囲気は良く残っている。

個人的には、コンパクト化されたことで失われた面白さよりも、コンパクト化したことで得られたプレイ・アビリティの方が大きいように思える。ゲーマー年齢の上昇や減少という時代の要請もあるのだろう。
ちなみにこの日は4人で2回プレイして、1勝した。昔から勝率の高いゲームだが、ひょっとしたら自分の政治適性を表しているのかもしれない(爆)
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2017年04月09日

ラビリンス&CC@ノルマンディー

この日はK先輩と朝10時過ぎから夜8時半までガッツリプレイ。
とはいえ、ビッグ・ゲームでは無く、GMT「ラビリンス」と同「コンバット・コマンダー」という「いつもの」コース。そろそろビッグタイトルが懐かしくなってきたので、希望が合えばGWには「パスグロ」をやってみたい(幼女戦記の影響か)。

まずはラビリンスから。オーソドックスな9・11シナリオで、今回も先輩がUS、ケン先生がジハーディストを担当。
一回目、ジハーディスト(ケン師)は最初の手札に「アヘン」があり、いきなりアフガニスタンに全てのセルが登場してしまう。その米国は泥沼の戦争になるのを避けて軍事侵攻を躊躇、その間に中央アジアにセルが浸透して、あっという間にイスラム革命が起きた上、核兵器が流出してしまう。殆ど麻雀の天和のような配牌だった。しかも第3ターンには、イベントで米本土にセルが登場した上、USが「反戦運動高揚」イベントで手札を失ったところに核テロが発動、サドンデスに終わった。殆ど配牌だけの勝利で、これではアメリカは誰がやっても為す術が無い。見れば1時間も経ってない。

気を取り直しての2プレイ目。今度は同じセットアップながら、「もしゴアが当選していたら」という仮想戦。違うのは、USが「柔軟路線」で始まることだけ。この場合、アメリカは軍事介入ができなくなるが、その反面、威信が上がりやすく、イデオロギー戦争を進めやすい利点がある。
ケン師は、今度もまず中央アジアを攻め、2度目で原理主義国化に成功、さらにまた核兵器が流出する。他方、USも順調に援助外交を進め、良いダイス目で早々にパキスタンと湾岸諸国を「良好」にする。互いに独自の進行で穏やかなプレイとなる。
ケン師は、米外交を放置して、米本土でのテロとイラクでの革命の二兎を追うが、イラク革命に失敗したところで、USがインドネシアとエジプトを「良好」にした挙げ句、「石油価格の高騰」により勝利条件を満たし、USの勝利に終わった。

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2プレイしても12時を回った程度なので、ランチしてCCに移行することに。
今回は追加シナリオセット「ノルマンディー」を試すことにした。CCでノルマンディー上陸作戦を再現しようという企画だが、確かに『プライベート・ライアン』や『バンド・オブ・ブラザーズ』を再現する流れとなった。

1シナリオ目は、オマハ・ビーチに上陸、内陸に進む米軍に対する独352歩兵師団の反撃。ボカージュ・ヘクスサイドだらけで防御効果は低いのに、視線だけは妨害する難しい地形。ドイツ軍の方が戦力的にやや勝っている珍しいシナリオだが、対する米軍も十分に強く、ガチンコの遭遇戦になりそう。今度は、K先輩が独軍、私が米軍を担当。
ドイツ軍は数的優位をもって三班に分けて平押し、射撃戦となる。いかんせん地形の防御効果が低く、米軍は厳しい守りを強いられるが、必要なタイミングで士気回復カードが来たので、何とか耐えていた。逆に独軍の弱い徴集兵を狙い撃ちにして、漸減を図った。全体的には、ドイツ軍が押してはいたものの、決定打が出ないまま、時間切れ、米軍の勝利となった。米軍は一カ所でも陣地が突破されていたら、挽回は難しかったと思われるだけに、やはり戦力の集中運用が重要だ。

2シナリオ目は、オマハ・ビーチにおける米軍のトーチカ攻撃。ドイツ軍は、いくつかのチーム(半隊)があるだけの超少数にもかかわらず、装備だけは重機関銃3丁、歩兵砲、迫撃砲と凄まじい火力を誇る。対する米軍は、兵力だけはふんだんにあるものの、肝心の火炎放射器や爆雷のような陣地攻撃兵器が水に浸かって使用不能な上、砂浜の砂丘に隠れている状態から始まる。トーチカの周りには鉄条網、塹壕の切れ目には地雷原という、見ただけで萎える配置。
特別ルールで、米軍は爆薬筒を持っており、防御施設に隣接してアクション「Demolitions」か「Command confusion」を使えば、その施設を破壊できるようになっている。だが、一度地雷原を除去した後、全くカードが来なくなり、近づいては十字砲火を浴びせられ、一方的に損害が増すばかりとなった。米軍は、トーチカ以外の地点は抑え、戦線突破に成功した部隊もあったが、肝心のトーチカは攻略できず、時間切れ敗北となった。

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3シナリオ目は、上陸前夜、カーン郊外に降下した英第六空挺師団のグライダー部隊による、カーン運河橋攻略。独軍は両岸を鉄条網と塹壕で固めた上、橋には歩兵砲を据え付けて待ち構えているが、肝心の守備隊は徴集兵がメインで、援軍頼み。英軍は、兵数は多くないものの、エリート揃い。
夜間シナリオなので、射撃の射程分だけ火力が減衰する上、移動コストも全て1高くなっている。
英軍は、開始早々射撃と移動を上手く組み合わせて橋に接近、白兵戦で砲台を占拠した後、陣地に残る独軍部隊の掃討を進め、対岸の塹壕も抑えた。ドイツ軍の援軍が出てきた頃には、英空挺は両岸の陣地を固めており、激しい射撃戦を繰り返している内に時間切れとなり、英軍の勝利に終わった。
英側のカード回りが良かったため、理想的な展開となったが、なかなかバランスの良いシナリオのようだ。この「成功」に味をしめた英軍上層部がマーケットガーデン作戦を考え出したのだろう。

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【参考】
・戦跡散歩−ノルマンディ上陸作戦〜オマハビーチ〜 
・戦跡散歩−ノルマンディ上陸作戦〜英空挺師団の作戦〜 
posted by ケン at 00:00| Comment(0) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする