2017年08月12日

ねずみ達と魔法使い:再プレイ

RPG会の予定だったが、二人が急病でドタキャン。寄る年波には勝てないということか。代わりに一年半ぶりとなってしまった「ねずみ達と魔法使い」の再プレイ。
日本語版を買い直すもプレイする機会に恵まれなかっただけに「災い転じて福となす」となった。おさらいしておこう。

国王が遠国から後添いとなる王妃を城に迎えたところ、実は魔女で私兵をもって王城を占拠し、王と側近を幽閉、主人公となる王子らも牢に入れられてしまう。そこで王子は魔法使いの助けを得て自らの姿をネズミに変えて危機に対して立ち上がる。

キャラクターは、王子コリン、鍛冶屋ネッズ、医者チルダ、魔法使いマギノス、ならず者(盗賊)フィルチ、弓手リリィの6人で、この中から4人を選んでプレイに参加する。一方、敵方(魔女側)は、ネズミ兵士、巨大クモ、ムカデなどが主人公の前に立ちふさがり、さらに城中を徘徊する獰猛な雌猫がキャラクターに襲いかかってくる。
また、キャラクター毎に職業が設定されていて、その職業毎に技能(スキル)が選べるが、レベルアップすると、使えるスキルも増えてゆく。シナリオの難易度は常に高く、このキャラクターと技能の選定と、シナリオの特徴、そして運がマッチングしないと、まずクリアできない。近年多い「無理ゲー」の一つである。

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この日はT後輩、A後輩とケン先生の3人でプレイ。キャラは4人。
もともと無理ゲーであることと、キャンペーン内の中途シナリオをプレイすることを考慮して、任意の装備アイテムを各キャラ1つずつ保有した状態で始めたものの、シナリオ3、4、5(全11本)のいずれもクリアできず、惨憺たる結果となった。前半はルール解釈に誤りがあり、プレイヤー側にやや不利な状態で進めていたのだが、誤りに気づいて訂正した後も大きな進歩は見られなかった。

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最初にプレイしたシナリオ3では、ラスボスまではまず順調に進んでいたのに、最後の最後で特別ルールのマギー夫人とラスボスが大暴れしていきなり全滅という憂き目にあった。
最後にシナリオ3を特別ルール無しで再プレイしたところ、何とかクリアできたものの、「いやいや、普通にやったら全然ダメだよね」という結論に達した。大人が泣きそうになってプレイしているのに、子どもと一緒にとかあり得ないと思うんだけど・・・・・・
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2017年08月05日

激バル三連結テスト

ゲームジャーナルの激闘バルバロッサ作戦シリーズ三部作(レニングラード、スモレンスク、キエフ)の完成から3年も経てしまったが、今回連結テストを行うことにした。O先輩と二人で「とりあえず並べてみよう」という企画である。
ちなみに3つ並べると、A1フルマップ3枚、ユニット600超となる。ゲーム期間は、6月22日から9月20日までの約3カ月。
勝利得点的には、ドイツ軍はキエフかレニングラードを落とした上で、モスクワへの進撃路を確保する必要があり、なかなかハードルが高そう。

デザイナーは、ふ〜ら〜中村氏。ルールは至ってシンプルで、移動と攻撃だけで機械化移動はなく、弱ZOCのメイ・アタック。スタックは2ユニットまでで、補給システムも簡単。
ただ、チット式で、司令部の指揮範囲内にいるユニットは指揮系統に関係なく何度でも活性化するため、理論上はチットの回数分だけ1ターンに活性化させることが可能なのだ。しかも独軍の装甲集団はチットが2つ入っており(終了チットは無い)、複数の装甲集団の司令部を上手く活用することで、「車掛かりの陣」を可能にしており、「大丈夫かよ(破綻するんじゃ無いか)」と思わなくも無い。結果、ドイツ軍は戦闘後前進や他の司令部の指揮範囲などを考えて、移動・戦闘を行う必要があり、見ているとウォー・ゲームではなくパズルをやっているみたいに見える。

逆にソ連軍は、司令部毎に1つのチットが入るが、司令部が除去されていると無効になってしまうため、司令部の置き場所が非常に難しい。前に置くと包囲、除去されてしまうし、後ろに置くと前線の舞台に指揮が届かなくなるからだ。しかも、ドイツ軍は特に最初の方は何度も動いてくるので、「なるようにしかならない」という側面もある。

最近独ソ戦を扱った作品は、近年の研究を反映してドイツ軍にも相応のダメージが入る(被害が出る)傾向が見られるが、本作では独軍がかなり無理をして前に出て、ソ連側が効率よく(タイミング良く)反撃に出るというシチュエーションでしか、まずダメージが入らない仕組みになっている。
例えば、1941年8月下旬から9月一杯までかかった「キエフ包囲戦」では、ドイツ側も10万人からの死傷者が出ており、最終的に勝利したとはいえ、現実には独軍指揮官のストレスは相当なものがあったと思われる。しかし、本作は退却に重きを置いた戦闘結果表が採用されており、かつ余程低いレートで戦闘を仕掛けない限り、攻撃側にはダメージが入らない。
パズルチックな機動と独軍側のストレス・フリーが、本作の評価の分かれ目と言えよう。
また、ルールとシステムは非常にシンプルだが、チット式(1カップ)で独ソ両軍がともに入り乱れて少しずつ起動するため、非常に時間が掛かる。この日は、無謀にも3連結を二人でプレイしたが(5人以上推奨)、配置するのに1時間、第一ターンを3時間半、第二ターンを2時間半もかかってしまった。チット式であるため、仮に人数を増やしても、その分作業が進められるわけでもなく、「簡単だけど時間だけはかかる」という点も評価が分かれるかもしれない。今回ぷれいした感触では、4〜5人でプレイしても1日目で第3ターンか4ターンまで、2日目で最終9ターンまでたどり着けるかどうか、くらいのイメージだった。その意味では、「プレイ可能ビッグゲーム」と言えるだろう。

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初期配置

O先輩が独軍、ケン先生が赤軍を持つ。O先輩は、一世代前のハードディスクが「シュシュシュシュ」と必死に音を立てて頑張っているような感じで、必死に「パズル」を組み立てており、第1ターンだけで体重が1kgくらい減りそうな勢いだった。ブレスト要塞攻撃に二度失敗した以外はまずまず順調で、幸いにも「サプライ」チットが最後に出たため、中央突出部の包囲が完成、あっという間に赤軍が打ち減らされてしまう。この包囲の輪が第1ターンに閉じるのと第2ターンに持ち越されるのとでは、雲泥の差が生じそうだ。
また、今回は独軍は戦闘でソ連軍のユニットを早く除去する選択をしたが、戦闘で除去して後のターンでの復活を許すのが良いのか、多少時間が掛かっても復活を許さない補給切れ除去を狙った方が良いのか、ここは最終ターンまでプレイしないと分からないだろう。
同時に独軍はユニット除去を優先して、前進は控えめな感じとなり、2ターン終了時にミンスクまで少し距離があったが、どの程度のスピード感が必要なのかも、もう少しプレイしないと分からない。
いずれにせよ、シンプルなルールに比して、特に独軍プレイヤーは熟練が求められそうだ。

逆にソ連軍は、機械化移動が無い分、独軍の進出を想定しやすい反面、いつ自軍チットが出るのか分からず、戦線を構築するのは至難で、南方以外は拠点防御になってしまう。とはいえ、ソ連軍は「チットが出たらやれることをやるだけ」なので、「なるようにしかならない」側面は否めない。

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第二ターン終了時

2ターンやっただけの感想だが、3つあるマップの内、北と中央は緊密に連携しているが、南部は別個の戦線な感じで、8ターンか9ターンの「南方旋回の是非」を問う意味では必要かもしれないが、ゲーム的には切り離してしまって、北と中央の二連結でプレイした方が、プレイ・アビリティの上では良いかもしれない。
できれば年内に4人集めて本挑戦したいところである。

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2017年07月22日

GMT A Distant Plain 初プレイ

アメリカによるアフガニスタン侵攻以後を扱うマルチプレイゲーム。見た目的には、ほのぼのとしたドイツゲームを思わせるが、とんでもなく「全員悪人」の「アブナイ」ゲームである。

各プレイヤーは、多国籍軍(連合諸国)、カブール政府、軍閥、タリバンを持ってアフガニスタンの覇権を争うが、通常のゲームと異なり、皆が領域や経済力の大小を競うわけでなく、各自が異なる勝利条件を有し、その勝利条件が微妙に他と被る構造になっている。

例えば、多国籍軍はタリバンや軍閥のゲリラを叩いているだけでは勝てず(勝利条件には直接関係ない)、民生支援して政府を支持(民意)するエリアを増やす必要がある。他方、政府軍は支配領域(支持とは別)を広げつつ、外国援助を懐に入れて私腹(パトロネージ)を肥やす(政府支持が失われる)ことが目的となっている。そのため、多国籍軍と政府軍は領域拡大では協力しても、他ではかみ合わないことが生じる。
特に巧妙なのは、カブール政府が「麻薬撲滅運動」を行うと、外国援助が増え、一部が懐に入るわけだが、同時にそのエリアは食い扶持を失って、「反政府」になった挙げ句、タリバン・ゲリラが増えてしまうところだ。
タリバンですら支配エリアの数ではなく、「反政府」を増やすことと、基地を増やすことが目的であるため、基本的にタリバンは戦闘しているようでは勝てないという不思議な構造になっている。結果、プレイスタイルにもよるだろうが、テロは起きても、戦闘はそうそう起きない感じだ。
また、「ターン終了」と同趣旨の「プロパガンダ・フェイズ」毎に、政府側の兵員(軍)と警察の3分の1が給料未払い等によって除去されてしまうというブラック度で、この他にも軍閥に買収されたり、タリバンに浸透されたりして、いくら動員しても、気づくと盤上に数えるほどしかいないというが起きる。凄まじい腐敗っぷりを見事に再現している。

ただ、いかんせんルールが独特すぎて、日本語ルールを読んでも一体何がどうなっているのかサッパリ分からない。同じデザイナーの「ラビリンス」を何度もプレイしている私でも、ルールを読んだだけでは全くイメージがつかめず、前日にマップを広げてプレイブックのリプレイを必死に見ながら再現して、ようやく他の3人にインストールできるようになった。インストーラーがいないと容易にプレイできない点で、なかなかハードルは高い。
プレイ自体も、慣れれば理解できるものの、できることが意外と多く、他の3人の得点状況やイベント動向を見極めながら、自分のオペレーションを考える必要があり、これもなかなか難易度が高い。

一回目は、K先輩が多国籍軍、O先輩がタリバン、T後輩が軍閥、ケン先生がカブール政府を担当。全員初プレイな上、全員ルールを読んでもイミフというレベルだったため、何をしたら良いのかサッパリ分からず、とにかく時間がかかった。
各々がとにかく自分の勝利目標を追求していた結果、私腹を貯め込む政府と、パキスタンの支援を受けたタリバンが順調に得点を重ねる。しかし、「もりかけ」に専念しすぎたため、カブールがタリバンに半包囲される事態に陥り、パキスタンからの支援がさらに強化されたタリバンが攻勢を強め、そのまま逃げ切った(実は後でもう一点必要だったことが判明)。3枚のプロパガンダまで4時間近くもかかってしまった。

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私腹肥やしに走りすぎて首都がタリバンに包囲される図

本作では、「プロパガンダ・フェイズ」に規定の勝利得点があれば勝利宣言できるが、途中で達成しても宣言できない。同フェイズは準ランダムに配されたイベントカードに含まれており、1ターン先のイベントまでオープンにされるため、「次来るぞ」というのが分かった途端に行動が変わり、足の引っ張り合いが強まる。そこを逃げ切るのは容易ではなさそうなのだが、どうなのだろうか。

二回目は、K先輩が多国籍軍、O先輩が軍閥、T後輩が政府、ケン先生がタリバンを担当。冒頭からパキスタン政府が反タリバンとなったため、タリバンは、トライバル・エリアでの活動が抑制され苦しい展開となる。このゲームほどパキスタンの重要性を教えてくれる作品は無いだろう。
序盤、多国籍軍による民政活動が上手く行き、得点を重ねるが、タリバンが攻勢に出て部隊は損害を出し、カブールでもテロが起き、さらに腐敗が蔓延して一気に失点してしまう。
ようやく全員ルールを理解してきたため、互いに足の引っ張り合いが続き、誰も勝利宣言できないまま、4枚目のプロパガンダ・カードが出たところで時間切れ終了となった。比較的優位に立っていたのは政府とタリバンだったが、ともに勝利を確信できるほどの状況には無かった。プレイ時間は同じく4時間ほど。

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米軍による結婚式誤爆はカンダハルの北にあるウルズガン州の村で起きた。

慣れればもう少し早くプレイできそうだが、とにかく考える要素が多いため、どうしても長考する機会が増えがちだ。私もこの日は非常に疲れた。だが、これほどテロ戦争、特殊戦の実相をシミュレートしている作品は同シリーズの他になく、名作と言って良いだろう。
恐らくは、日中戦争(日本、南京政府、国民党、共産党)や満州事変前の満州情勢(関東軍、奉天政府、国民党、馬賊)なども同システムでシミュレートすると面白いかもしれない。
間もなく同システムのアルジェリア戦争が発売されるようだが、できればベトナム戦争の「Fire in the Lake」をプレイしてみたい。
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2017年07月16日

3年ぶり:カヴェルナ 洞窟の農夫たち

猛暑で疲弊して思考力も低下しているので、ボドゲをプレイすることにしたが、頭の疲労度はより大きかったかもしれない。今回は、3年ぶりとなる『カヴェルナ:洞窟の農夫たち』(HJ)。

ローゼンベルグ氏による『アグリコラ』の後継作品。
本作も箱庭づくりに精を出して、その完成度を競うわけだが、今回は農場や牧場の他に洞窟掘削と探索冒険という要素が加えられている。プレイヤーはドワーフ一族の長として森を切り開いて畑や牧場を造り、洞窟を掘り進めて住居を拡充して様々な部屋を設置しなければならない。

アグリコラでは概ね「農場か牧場か」という路線選択で、最初の手持ちカード(職業と進歩)でその方向性を決める感じだった。それに対してカヴェルナは「農牧か探索(冒険)か」という選択で、カードが無いためにプレイヤーの嗜好と場の流れで方向性を決めることになる感じ。自由度が高くなっている分、悩む人がいると時間が掛かりそうだ。
食糧供給もアクションも縛りが緩くなっており、「家族を食わせなければならない」ストレスが減っていると同時に、箱庭の成長度も上がっている気がする。アグリコラの「ギリギリ感」が薄れている点は好みの分かれるところかもしれない。

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この日は、O先輩とT後輩とケン先生の3人、4時間超で2プレイとなった。O先輩と私は2回目、T後輩は初めて。いかんせん3年ぶりなので、ルールを確認しながら、各自やりたいことをやるスタイルで進めた。O先輩はドワーフを武装させての探索に特化、T後輩は農牧に特化、私はバランス型となるも、「全員武装」「ルビー財宝室」などの部屋ボーナスを20点以上得た私が圧勝した。

2回目は、O先輩がバランス型、T後輩が探索、私が農牧に特化。同じくいくつかのボーナスを付けたO先輩が、ボーナス分で勝利した。農牧に特化すると、必ずしも欲しい、必要なものが手に入るとは限らず、探索に特化すると家族が増やしにくく、開拓が進まない問題があるので、結局のところバランス型が強い。だが、武装は数の「頭打ち」があるため、武装させるタイミングを逸すると難しく、悩ましいところだ。
私などは暑さに弱いこともあって、2度目の途中で集中力を失っていたが、色々計算できるだけに、下手なシミュレーション・ゲームよりも頭を使うのだろう。

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3人だと回りが早く、サクサク進むは良いが、ある程度進行が読めてしまうところや、あまり競争感が無いところもあり、4〜5人くらいが適当なのかと思う。
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2017年06月03日

三十年戦争で甲越戦争を妄想する

今回「三十年戦争」をプレイして改めて思ったのは、このシステムこそが日本の戦国期の戦争をシミュレートするに相応しいのではないか、ということである。そして、ゲームにしやすそうなのは、「川中島の戦い」に象徴される甲越戦争であろう。

繰り返しになるが、「三十年戦争」の最大の特徴は、毎ターン軍を維持するのに金がかかるだけでなく、その資金は外国からの援助を得るためにカードをプレイする必要があり、そして未払いの部隊は勝手に掠奪を始めたり解散してしまったりする。さらに、移動に際しては部隊規模に応じて進撃途上で掠奪していくことがルール化されており、すでに掠奪されている土地ではさらなる掠奪や募兵ができないというシステムになっていて、非常に中世の殺伐とした雰囲気が再現されている点にある。

近年の研究を読む限り、戦国期の出兵は農閑期に行われるほか、夏の麦や秋の稲の収穫期に他国に侵攻して苅田を行うケースが非常に多かったことが判明している。同時に、時季外れに「青田刈り」を行うことで他国の収穫を妨害することも行っていた。ところが、従来のゲームデザインには殆どこうした史的研究が反映されておらず、「シミュレーション」というよりは、「仮想ゲーム」に近いものになってしまっている。
戦国期の戦争が、季節の影響を受けにくくなるのは、織田信長や豊臣秀吉が兵站システムを充実させるようになってからのことで、つまり戦国最末期のことだった。

かと言って、「武田軍はターン終了時に甲府に再配置」では、それはそれで現実味が無く、面白くも無い。すると、「武田軍は甲斐国内では自動支払いを受けるが、国外では軍費を払うか、掠奪ダイスを振らなければならない」とする方が、より史実に近い形にできるだろう。

また、従来のゲームでは、どちらか一方が敵を一方的に叩く感じの戦闘システムが多かったが、これも「三十年戦争」同様にファイアーパワー・システムを採用することで、双方が相応の損害を受けることにすれば、勝ち続ける限り、一方が他方を一方的に攻撃し続けるパターンがなくなり、史実同様の長期化が再現される。史実では、武田晴信による信濃攻略は、1542年の諏訪侵攻から同57年の信濃守護職補任まで15年もかけている。

構想としては、1542年の武田氏による諏訪侵攻から同64年の第五次川中島合戦(史実では対峙しただけ)まで、1ターン=2年で11ターン、あるいは12ターンくらいの構成になるだろうか。
勝利条件は、武田方は一定の条件を満たした上で信濃守護職補任されること、反武田連合はそれを阻止すること。

武田方は、黒川金山の収入等で強化された精兵を率いて諏訪に侵攻。これに伊奈の高遠頼継が呼応する。対する反武田方は、諏訪の諏訪頼重、長窪(小県)の大井貞隆、佐久の笠原清繁が個別に蜂起する構図。

戦略カードは「序盤戦」と「全面戦争」の2つのデッキ。
反武田の序盤戦デッキには、「村上氏参戦」と「小笠原氏参戦」があり、二者の参戦をもって武田方と対等になる。村上義清の戦術値は高めに設定する必要があろう。
金山と甲駿貿易による豊富な資金に裏付けられ、家臣団の団結の強い武田方と、国人衆の支持と高い戦術性を有しながら、連合軍ゆえの指揮統制の弱さのある反武田方の対立。
武田方は、埴科ないし更級を支配した上で、一定のVPを有すると信濃守護職を申請できるようになるが、朝廷工作も必要。
問題は、「長尾氏参戦」のタイミング、長尾氏参戦後の「全面戦争」の構図、関東情勢をどう処理するかがカギだ。

妄想ばかり広がるが・・・・・・
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2017年06月02日

Thirty Years Warでカトリック万歳

T後輩にGMT「Thirty Years War」をインストール。
何と言っても来年は「三十年戦争開戦400周年」であるし、大西先生の『乙女戦争』8巻刊行記念でもある。まぁフス戦争や三十年戦争に熱を上げている日本人が果たして何人いるのか心許ないのは確かだが。

一応作品のおさらいをしておこう。
本作は、ドイツ三十年戦争をテーマとし、1618年のボヘミア反乱から同48年のウェストファリア条約締結までを再現する(ゲーム的には1620年より)。プレイヤーは、カトリック派とプロテスタント派に分かれて、それぞれの派に属する複数の国家や諸侯の軍を指揮して、自派の勝利を目指す。
マップはドイツ全域、オーストリア帝国の一部、オランダからフランスの一部までを含む。
本作が最も興味深いのは、毎ターン軍を維持するのに金がかかるだけでなく、その資金は外国からの援助に依拠、未払いの部隊は勝手に掠奪を始めたり解散してしまったりする。さらに、移動に際しては部隊規模に応じて進撃途上で掠奪していくことがルール化されており、すでに掠奪されている土地ではさらなる掠奪や募兵ができないというシステムになっていて、非常に中世の殺伐とした雰囲気が再現されている。

プレイに先立って後輩に「どっちをやる?」と聞いたところ、「どっちが難しいですか?」と返してきた。史実は、本ゲームで言うところの「ゲーム終了時点でプロテスタント勝利」に終わっているが、実際には1620年にカトリックとプロテスタントの両軍が先端を開いてから、プロテスタント側は負けに負け続け、最初に戦場で勝利を得たのは1631年のことだった。つまり、全15ターンのうち(1ターン=2年)、プロテスタント側は前半部はひたすら押し込まれることを覚悟する必要があり、下手すると押し切られてしまう恐れがある。カトリック側は当初、装備も指揮官も圧倒的に優位に立っており、プロテスタントを圧倒すれば良いが、これに対してプロテスタント側は戦力や指揮官を維持しつつ、「どこまでカトリックの攻勢(暴虐)を耐えて我慢するか」を見極める必要がある。つまり、プロテスタント側は「戦争マネージメント」が難しい。
などと説明したにもかかわらず、後輩はプロテスタントを選択。私は、購入から10年以上を経て初めてカトリックを持つところとなった。

この日は11時過ぎから始めて21時近くまでプレイし、1回目は14ターン、2回目は7ターンまで終えた。一人は初心者であることを考慮しても、この規模のゲームながら良好なプレイ・アビリティである。

1回目は、プロテスタント側が「リシュリュー卿、フランス宰相に就任」を作戦カードに使ってしまい、フランスからの資金援助が滞った上、スウェーデン参戦の前提条件が満たせなくなってしまった。通常の流れであれば、「序盤戦」のカードはもともと12枚しか無いので、一度見送っても3ターン目か4ターン目には手元に戻る計算なのだが、カトリック側が順調に「オランダ攻略」「選帝侯位をバイエルン侯に移行」「回復令」を進めた結果、あっという間に30VPを確保して「介入期」カードが加えられ、「リシュリュー卿」が遠ざかってしまった。とはいえ、カトリック側もサドンデス勝利(50VP)を目指せるほど圧倒的では無く、ティリーは早々に死んでしまったものの、インファンテ卿率いるスペイン軍が猛威を振るい、40VPを維持するのが関の山だった。スウェーデン参戦は13ターンになってしまい、帝国軍(神聖ローマ、オーストリア帝国)はヴァレンシュタインを始め健在であり、「15ターン終了時に30VP以上」というカトリック側の勝利は堅いものと判断されるに至った。むしろ、スウェーデン軍無しでよくここまで持ったという評価が正しいかもしれない。

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下プファルツ=ロートリンゲンを暴れ回るスペイン軍。5ユニットで20火力とか「何言っちゃってるの?」みたいに強い。

二回目、プロテスタントは最初から「ガンガンいこうぜ」を選択、バイエルン軍に襲いかかって消耗戦を強いる。確かにバイエルン軍は消耗してしまい、数ターンにわたってボヘミアもプファルツもプロテスタント側が維持し続けたものの、その代償としてプロテスタント側は指揮官が次々と死亡、対するティリーは健在だった。結果、5ターンまで20VP台が維持されたものの、6ターンにはカトリック側の大攻勢によってプロテスタント側の補給源が全て抑えられ、プロテスタント側は軍に支払いが行えなくなり、勝手に解散し始め、そこをカトリック軍が襲いかかり、ほぼ壊滅。7ターンにはハンブルグを包囲しているデンマーク軍を残すのみとなり、無人のドイツをカトリック軍が蹂躙、全選帝侯を抑え、回復令を発し、50VPを突破して、サドンデス勝利に終わった。

本作はとにかく「終わらないゲーム」で、20VP後半から30VP前半をひたすら行き来するイメージだっただけに、まさかサドンデスになるとは自分でも想像できなかった。つーか、せっかく史実を説明したのに、何で一枚看板のマンスフェルトで戦うかなぁ。プロテスタントは「スウェーデン軍が来るまでどうやってお茶を濁すか」がカギなのに。さらに言えば、グスタフ=アドルフとティリーまたはワレンシュタインを相打ちにして、フランス軍でVPを回収するというのが、プロテスタント軍の「定石」だと思うのだが。
ちなみに二回ともまともに戦っていたのは、バイエルン軍とスペイン軍だけで、特にスペイン軍の最強ぶりが際立ったプレイとなった。「スペイン最強」なんてゲームは、本作以外に知らない。

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ペンペン草一本生えない中欧の図。

結論、まだまだ教育が足りないようだ。
仮想世界のこととはいえ、中高大と10年もお世話になったカトリック教会に恩返しできたと思うことにしたい。
なお、後輩氏に「プロテスタント軍のマーカーはなぜ鶏なんですか?」と問われ、分からなかったので後から調べたところ、どうやら主イエスに「今夜あなたは、鶏が鳴く前に三度わたしを知らないと言うだろう」と言われた使徒ペトロの故事に由来するらしい。深い。
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2017年05月27日

GMT Stalin’s War

これも興味ありながら塩漬けにしてしまっていた作品の1つ。「パスグロ」のテッド・レイサー先生による二次大戦東部戦線キャンペーン。
問題は、「パスグロ」などのカードドリブンと従来型ヘクスの混合デザインということで、いかにも「足して二で割った」観があり、ついつい先送りしてしまっていた。実際、ルールを読み始めても先入観に対する確信が深まるばかりだったのだが、今回ソロプレイしてみた限り、「意外とイケるかも?」と評価を変えざるを得なかった。

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マップも、高齢ゲーマー向けなのか、表の類いが妙に大きく、それ対して実際にプレイするマップは相対的にかなり小さい。にもかかわらず、ドイツ本国から西はウラル山脈、南はバクーまで地図が広がっており、「これ実際に使うのマップの半分くらいじゃね?大丈夫かよ?」との印象は否めない。

従来のカードドリブン式の場合、作戦値が割り振られなかったユニットは、ゲーム中一回も動かないようなケースが続出し、激しく動くところと放置されるところの二極分化がハンパ無かった。これに対し、本作では、攻撃やZOC離脱の際に作戦値が必要となる以外、基本的に移動と防御はできるため、無視されるユニットはいなくなった。また、ドイツの装甲軍団は「突破」に成功すると、ソ連軍ZOCを無視して3ヘクスも走ってくるため、そこかしこで包囲ができる。ただ、ファイアーパワー・システムで互いにダメージを入れてくるため、ドイツ軍戦車もどんどんダメージが蓄積してゆく。ダメージが溜まると、回復が追いつかず、火力も減少してくるので、ソ連軍が盛り返してくる・・・・・・はずなのだが・・・・・・

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ルールを確認しながら42年冬(初冬)までプレイ。ドイツ軍は、装甲兵力を温存気味にした結果、秋ターンでもスモレンスクはおろかリガすら落とせず、南部もドニエプル川の手前までしか進めず、「42年冬終了時にパウルス・ラインの東側に枢軸軍が1ユニットもいない」というソ連軍のサドンデス勝利が目前に来ていた。やはり、攻撃するたびに戦車にダメージが入るドイツ軍というのは、なかなか厳しいものがある。だが、サドンデス敗北を避けるために、冬のペナルティを無視して全面攻勢に転じたところ、独軍の装甲はボロボロになってしまったものの、ソ連軍のLCU(方面軍)は北方を除いて壊滅、ロストフからツーラにかけてソ連軍の戦線はスッカラカンになってしまった。モスクワには1個軍(SCU)とスターリンが置かれているのみだったが、独軍は「タイフーン」カードを作戦値に使ってしまい、モスクワ・ヘクスを攻撃できないという有様に終わった。

確かに従来のヘクス・ゲームは両軍が交互にプレイするので予測が立てやすかったが、カードドリブンなので、作戦かイベントか補充か何をしてくるか分からず、攻撃箇所にも作戦値の制限があると同時に、突破効果が非常に大きいため、非常にバラツキが大きく、予測の立てにくいシステムになっている。
確かにゲームとしては大味なものの、面白そうではあるのだが、「タイフーンを発動しないとモスクワが攻撃できない」(イベントが発動するだけで、そのカードで作戦はできない)とか一体何をシミュレートしているのか微妙だろう。
「Barbarossa to Berlin」はマップが広すぎて全体像をつかみづらかっただけに、この折衷案と言える作品は、良くも悪くもプレイ・アビリティが向上しているものの、その代償として突然破断界を迎えるような振れ幅の大きさが生じているような気がする。
何はともあれ、まずは対戦相手を確保しよう。
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